自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.13 さっさと帰って練習するぞ
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自主練として素振りをしていた。その近くには手塚部長と九条先輩がいて何か話している様子だった。とはいえ、ラケットの振る音しか聞こえないので二人の会話は聞こえないし、聞くつもりもない。別に気にもならない。
しばらくして手塚部長は大石先輩に呼ばれて九条先輩の前から立ち去っていたが、残された先輩はなぜか落ち込むように少し俯いている様子だった。
「……」
キリのいい回数で素振りを止める。水分補給がてら九条先輩の近くのベンチに置いてある自分の水筒を取りに向かった。
「……失礼します、先輩」
「えっ? あ、ごめんねっ海堂君、邪魔しちゃったね!」
ベンチに置いている水筒を手にしただけなのにそこまで悪びれる必要はないだろう。まぁ、そんなこといちいち言っても仕方ないが。
「別に……それより先輩、なんかあったんスか?」
近くで見てもやはりどこか気落ちしているように見える。元からそういう顔なら俺も最初から気にはしなかったが、なぜか放っては置けなかった。
「あ、いや、実はさっき手塚君から休憩するように言われてね……。でもまだ疲れてないし、そのまま動いていたら手塚君にバレちゃって、ちゃんと休憩をするようにって……」
「あぁ……」
なるほど。そういうことか。けど、それで落ち込むようなことなのか? そう尋ねるべきか否かを悩んでいたら九条先輩の方からぽつりと言葉が漏れた。
「私、やっぱり頼りにならないのかな……」
「……は? なんでそうなるんスか」
「だって、買い出しに立候補しても手塚君は私には買い出しは必要ないって言うし。その分、他の雑務を頑張ろうと思ったのに休憩を促されるから……」
「はあ……」
頼りにならないというか、かなり気を遣われているような気もしなくはないが。……まぁ、マネージャーだから気遣われるのもおかしな話と言えばおかしいけど。
「それに手塚君、最近ちょっと私に怒ってるみたいなの」
「そうなんすか」
あまりピンとこなかった。もちろん手塚部長が怒らないということではない。この人に怒るということがピンとこないから。
そもそも九条先輩をマネージャーとして推薦したのは部長だって話だ。あの部長が連れて来た人ならそれなりの信用もあり、託せると判断しているはず。
心配はあっても怒るのだろうか。手塚部長がこの人に。
「……あの、思うんすけど」
「?」
「手塚部長は怒る時はしっかりと怒るはずなのではっきりしないなら先輩の勘違いの可能性もあるんじゃないんスかね」
「……そう、かなぁ」
「気になるなら聞いた方が早いッスよ。ずっと鬱々してる方がこっちも気になって仕方ねぇし」
「うん……そうだね、海堂君の言う通りだよね。すぐには難しいかもしれないけど、心の準備が出来たら聞いてみるよ」
心の準備が必要なものかは俺には分からねぇが、本人がそういうのなら急かすのも悪いだろう。だから先輩のタイミングに任せることにして頷く。
「変な話聞かせちゃってごめんね、ありがとう海堂君」
「いや、別に俺は自分の意見を言っただけなんで……それに先輩にとっては深刻なものだったんじゃないんすか?」
「……うん。海堂君は優しいね。本当にありがとう。話が出来て楽になったよ」
「……ッス」
少し元気がなかった先輩は今では優しく笑みを浮かべている。とはいえ、悩み自体は解決していないのでまだどこか憂いていた。
まぁ、俺が出来るのは話を聞くくらいだし、早く先輩の気になることがなくなればいいと願うしかなかった。
しばらくして手塚部長は大石先輩に呼ばれて九条先輩の前から立ち去っていたが、残された先輩はなぜか落ち込むように少し俯いている様子だった。
「……」
キリのいい回数で素振りを止める。水分補給がてら九条先輩の近くのベンチに置いてある自分の水筒を取りに向かった。
「……失礼します、先輩」
「えっ? あ、ごめんねっ海堂君、邪魔しちゃったね!」
ベンチに置いている水筒を手にしただけなのにそこまで悪びれる必要はないだろう。まぁ、そんなこといちいち言っても仕方ないが。
「別に……それより先輩、なんかあったんスか?」
近くで見てもやはりどこか気落ちしているように見える。元からそういう顔なら俺も最初から気にはしなかったが、なぜか放っては置けなかった。
「あ、いや、実はさっき手塚君から休憩するように言われてね……。でもまだ疲れてないし、そのまま動いていたら手塚君にバレちゃって、ちゃんと休憩をするようにって……」
「あぁ……」
なるほど。そういうことか。けど、それで落ち込むようなことなのか? そう尋ねるべきか否かを悩んでいたら九条先輩の方からぽつりと言葉が漏れた。
「私、やっぱり頼りにならないのかな……」
「……は? なんでそうなるんスか」
「だって、買い出しに立候補しても手塚君は私には買い出しは必要ないって言うし。その分、他の雑務を頑張ろうと思ったのに休憩を促されるから……」
「はあ……」
頼りにならないというか、かなり気を遣われているような気もしなくはないが。……まぁ、マネージャーだから気遣われるのもおかしな話と言えばおかしいけど。
「それに手塚君、最近ちょっと私に怒ってるみたいなの」
「そうなんすか」
あまりピンとこなかった。もちろん手塚部長が怒らないということではない。この人に怒るということがピンとこないから。
そもそも九条先輩をマネージャーとして推薦したのは部長だって話だ。あの部長が連れて来た人ならそれなりの信用もあり、託せると判断しているはず。
心配はあっても怒るのだろうか。手塚部長がこの人に。
「……あの、思うんすけど」
「?」
「手塚部長は怒る時はしっかりと怒るはずなのではっきりしないなら先輩の勘違いの可能性もあるんじゃないんスかね」
「……そう、かなぁ」
「気になるなら聞いた方が早いッスよ。ずっと鬱々してる方がこっちも気になって仕方ねぇし」
「うん……そうだね、海堂君の言う通りだよね。すぐには難しいかもしれないけど、心の準備が出来たら聞いてみるよ」
心の準備が必要なものかは俺には分からねぇが、本人がそういうのなら急かすのも悪いだろう。だから先輩のタイミングに任せることにして頷く。
「変な話聞かせちゃってごめんね、ありがとう海堂君」
「いや、別に俺は自分の意見を言っただけなんで……それに先輩にとっては深刻なものだったんじゃないんすか?」
「……うん。海堂君は優しいね。本当にありがとう。話が出来て楽になったよ」
「……ッス」
少し元気がなかった先輩は今では優しく笑みを浮かべている。とはいえ、悩み自体は解決していないのでまだどこか憂いていた。
まぁ、俺が出来るのは話を聞くくらいだし、早く先輩の気になることがなくなればいいと願うしかなかった。