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vol.12 少なくとも俺達のテニス部は全国No.1を諦めるつもりはないからな

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 その日の夜、就寝前ではあったがの携帯端末に河村からメッセージが届いた。

『今日は心配かけたり付き添ってくれたりしてありがとう。九条さんがいてくれて心強かったよ。あのあとレギュラー達を家に連れて祝賀会を開いたんだ。まだ大会は始まったばかりだけど悔いの残らないように頑張るから九条さんもまた応援よろしく頼むよ』

 そのメッセージと共に写真が数枚ほど添付されていた。河村の実家であるかわむらすし内で撮られたレギュラー達の写真。
 寿司を奪い合うところやちらし寿司を食べているところ、満腹で眠っている後輩の様子など楽しそうな雰囲気が伝わってくる。

「良かった、河村君も楽しそうで」

 怪我をしているから安静にしてほしいところではあったが、写っている写真を見ると笑顔だったので問題ないかなと安心する。
 それにしても地区予選の決勝はなかなかにハラハラした試合であった。
 河村の負傷もそうだが、期待の1年生レギュラーである越前の目の怪我は心臓が止まる思いをした。まさか大会が始まってすぐに流血沙汰になるとは思わなかったから。
 そういえば彼の怪我は大丈夫だろうか。は写真に写る越前を見て心配をする。
 なぜならミクスド大会前に病院に向かったのでそれから越前には会っていなかった。
 眼帯をしているし、祝賀会には参加しているので酷い怪我ではないようだが、血が止まらなくて河村も腰が抜けていたくらいだ。も心配になる。

「次の大会までには治るといいな」

 あまり無茶をしないでほしいし、まだまだこれから成長する彼のためにも身体を大事にしてほしいところ。それに唯一の1年生レギュラーである天才的な少年なのだ。これからに期待したい気持ちもある。

 写真を眺めていたらの手がピタリと止まった。手塚の姿が目に入ったから。
 カウンターに座ってお茶を飲む姿は中学生とは思えない貫禄がある。普段のならくすりと笑ったかもしれないが、今はそんな気持ちではない。
 ぽつりと彼の名を呟く。今日の彼は何だか様子がおかしかった。ふいっと顔を背けられたり、噂を強く否定していたり、どこか距離があるように思える。
 せっかく近くなったと思った途端遠くなり、チクチクしていた胸の痛みが少し大きくなった。
 やはり彼の気に障ることをしてしまったのかもしれない。でも心当たりがなくて、謝るにも謝れず、はただ落ち込むしか出来ない。
 こういう時、麻美のような臆せず何でも言える性格やのようにはっきり言える性格が羨ましかったりする。
 ……けれど、わざわざ本人に尋ねてさらに機嫌を悪くしたらと思うと聞くに聞けず、それならばと少し付き合い方を改めないとと考え、はこれ以上手塚に嫌われないようにしようと心に決めた。

 ふぅ、と息をついては河村にメッセージの返事をする。

『みんな楽しそうで良かったよ。祝賀会、盛り上がって良かったね。全国までまだ先だけど優勝出来るように私も応援するし、サポートも頑張るよ。河村君も怪我が完全に治るまで無理はしないでね』

 メッセージを送信するとすぐに既読がつき『無理はしないように気をつけるよ、ありがとう』と返事がくる。それなら安心だと思い、は就寝するためベッドに潜った。
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