自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.12 少なくとも俺達のテニス部は全国No.1を諦めるつもりはないからな
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(麻美と桃君が負けちゃった……)
ようやく訪れた麻美のミクスドデビュー戦。友人の活躍を期待して応援していた秋はあっという間に終わってしまった残念な結果を見て心が痛んだ。
「ケッ。お粗末な試合しやがって」
そこへ試合の感想を述べる後輩の声が聞こえた。海堂である。さすがに秋もその言葉は聞き捨てならなくて抗議の声を上げた。
「そんなこと言わないであげて。麻美も桃君も頑張ったんだよ」
「先輩……あんたの目は節穴なんスか? あんな見てらんねー試合のどこが頑張っただなんて言えんだよ」
ギロリ、と鋭い目を向けられ、秋は返す言葉が見つからなかった。
確かに見ていられなかったという海堂の言葉も理解出来る。あの試合は麻美が一人で暴走していたに過ぎなかったのだ。せっかくミクスド練習が上手くなってきたのにあれでは振り出しに戻ったようである。
その練習を無にしたような今回の試合、テニスに一生懸命打ち込んでいる一人である海堂が苦言を呈しても仕方ないのだと秋は気づいた。
「……」
「……さすがにあんたもそこまで目が悪いわけじゃなさそうッスね」
「ごめんね、海堂君。海堂君を責めるような言い方して」
「別に。謝られることはされてねぇッスよ」
ふいっと顔を背けられたのは苛立ちなのだろうか。それでも秋に口悪く返さない辺りやはり彼は優しい人なのだろうと秋は海堂の人間性を理解する。
「嫌な思いをさせちゃったから」
「してねぇ」
「でも……」
「んなこと気にしてる暇があったらあの先輩にビシッと言ってやってくださいよ。友達、なんスよね」
「……うん。分かったよ。ちゃんと麻美に伝えるね」
「頼んますよ……あんなんじゃミクスドメンバーから外されてもおかしくないんで」
そっか。そうだよね。もしかしたらミクスドメンバーから下ろされる可能性もあるんだ。
そう思うと秋はせっかくここまで頑張った麻美のためにもう少し頑張ってほしい気持ちが芽生える。
もちろん、ミクスドの練習を頑張ったのは麻美だけではない。
「そうだよね、付き合ってくれた桃君のためにもその成果を出してほしいもんね」
「は……? なんであいつの名前が出てくるんスか」
「え? このままじゃ付き合ってくれた桃君の努力も無駄になっちゃうからそれが嫌でそう言ってくれたんじゃないの?」
「あんな奴のためなんてこれっぽっちも思ってないッスよ!」
なぜか強く否定されてしまい、秋は混乱した。
確かに海堂と桃城の仲が悪いというのは最近何となく理解出来るようになった秋だけど、素直になれないだけと考えていたこともあり、今回の試合についても桃城の肩を持った発言かと思っていた……が、どうやら違うようだ。
「そもそも桃城のバカも先輩だろうが、ちゃんと言いたいことも言えねぇのが情けねぇんスよ」
ここぞとばかりに桃城の駄目だったところを口にする海堂の話を聞いて秋は考えるように小さく頷いた。
「……多分、桃君は言いたいことを言えるほど麻美とコミュニケーションが取れてないんだろうね。麻美はちょっと取っ付き難いから仕方ないかもしれないけど……そこの部分も含めて麻美に話してみるよ。アドバイスありがとう、海堂君っ」
微笑みながらお礼を告げる秋に海堂は訝しげな表情をしながら「どうやったら今の発言がアドバイスになるんだよ……」と心の中でぼやいた。
ようやく訪れた麻美のミクスドデビュー戦。友人の活躍を期待して応援していた秋はあっという間に終わってしまった残念な結果を見て心が痛んだ。
「ケッ。お粗末な試合しやがって」
そこへ試合の感想を述べる後輩の声が聞こえた。海堂である。さすがに秋もその言葉は聞き捨てならなくて抗議の声を上げた。
「そんなこと言わないであげて。麻美も桃君も頑張ったんだよ」
「先輩……あんたの目は節穴なんスか? あんな見てらんねー試合のどこが頑張っただなんて言えんだよ」
ギロリ、と鋭い目を向けられ、秋は返す言葉が見つからなかった。
確かに見ていられなかったという海堂の言葉も理解出来る。あの試合は麻美が一人で暴走していたに過ぎなかったのだ。せっかくミクスド練習が上手くなってきたのにあれでは振り出しに戻ったようである。
その練習を無にしたような今回の試合、テニスに一生懸命打ち込んでいる一人である海堂が苦言を呈しても仕方ないのだと秋は気づいた。
「……」
「……さすがにあんたもそこまで目が悪いわけじゃなさそうッスね」
「ごめんね、海堂君。海堂君を責めるような言い方して」
「別に。謝られることはされてねぇッスよ」
ふいっと顔を背けられたのは苛立ちなのだろうか。それでも秋に口悪く返さない辺りやはり彼は優しい人なのだろうと秋は海堂の人間性を理解する。
「嫌な思いをさせちゃったから」
「してねぇ」
「でも……」
「んなこと気にしてる暇があったらあの先輩にビシッと言ってやってくださいよ。友達、なんスよね」
「……うん。分かったよ。ちゃんと麻美に伝えるね」
「頼んますよ……あんなんじゃミクスドメンバーから外されてもおかしくないんで」
そっか。そうだよね。もしかしたらミクスドメンバーから下ろされる可能性もあるんだ。
そう思うと秋はせっかくここまで頑張った麻美のためにもう少し頑張ってほしい気持ちが芽生える。
もちろん、ミクスドの練習を頑張ったのは麻美だけではない。
「そうだよね、付き合ってくれた桃君のためにもその成果を出してほしいもんね」
「は……? なんであいつの名前が出てくるんスか」
「え? このままじゃ付き合ってくれた桃君の努力も無駄になっちゃうからそれが嫌でそう言ってくれたんじゃないの?」
「あんな奴のためなんてこれっぽっちも思ってないッスよ!」
なぜか強く否定されてしまい、秋は混乱した。
確かに海堂と桃城の仲が悪いというのは最近何となく理解出来るようになった秋だけど、素直になれないだけと考えていたこともあり、今回の試合についても桃城の肩を持った発言かと思っていた……が、どうやら違うようだ。
「そもそも桃城のバカも先輩だろうが、ちゃんと言いたいことも言えねぇのが情けねぇんスよ」
ここぞとばかりに桃城の駄目だったところを口にする海堂の話を聞いて秋は考えるように小さく頷いた。
「……多分、桃君は言いたいことを言えるほど麻美とコミュニケーションが取れてないんだろうね。麻美はちょっと取っ付き難いから仕方ないかもしれないけど……そこの部分も含めて麻美に話してみるよ。アドバイスありがとう、海堂君っ」
微笑みながらお礼を告げる秋に海堂は訝しげな表情をしながら「どうやったら今の発言がアドバイスになるんだよ……」と心の中でぼやいた。