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vol.1 それなら僕と試合してみない? 

主人公名前変換

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主人公1の名字
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主人公2の名前
主人公3の名字
主人公3の名前

 六時間目の授業が終わり、部活に出向く者やら今日は休みで颯爽と帰る者もいる中、は机の中にある教科書を鞄に入れる。
 クラスの何人かは教科書を置いて帰る……所謂、置き勉をする者もいるがはそのタイプではなかった。
 そして次の部活に一週間の仮入部をしに行こうと席を立つ。

「あ、九条さん!」

 すると教室の扉の前から自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
 声の主を見ると角刈りの男子でもその人物をよく知っている。名前は河村隆。
 彼の家は寿司屋で、の父がその常連であった。もたまに連れられて店に行ったことがあり、河村とはそこで知り合ったのだ。

「河村君? どうしたの? 大石君ならもう部活に行ってるはずだよ」
「あ、いや……大石に用があるんじゃなくて九条さんに。これ……」

 そう言って彼がポケットから差し出したのはとてもシンプルなネクタイピン。それを見ては心当たりがあったため「あっ」と声を出した。

「これ、昨日お父さんが無くしてたって言ってたネクタイピン……」
「うん。昨日うちの店に忘れちゃったみたいでさ。だからお父さんに返してあげてよ」

 昨夜、の父は河村の店であるかわむらすしに寄っており、そこでネクタイピンを忘れたようだ。
 そして自宅に帰って来た時にようやくネクタイピンが無くなっていることに気付き、何処かに無くしたのだろうと話していた。そのネクタイピンをは両手で受け取る。

「わざわざ届けてくれてありがとう、河村君。お父さんも喜ぶよ。あ、今度お礼させてね」
「いいよ、お礼なんて。当然のことをしただけなんだしさ」
「私がしたいだけだから。ね?」
「えっ、と……じゃあ楽しみにしてるよ。あ、俺そろそろ部活に行くね。それじゃあ九条さん、また」
「うん、頑張ってね河村君」

 河村に小さく手を振って見送るとは受け取ったネクタイピンを鞄にしまい、音楽室へと向かった。次の仮入部先は吹奏楽部である。
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