自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.12 少なくとも俺達のテニス部は全国No.1を諦めるつもりはないからな
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あぁ、だから言ったのによ! そう胸の中で叫んでいた桃城はボールを追うため走っていた。
何とかセンターに出る橘妹のバックへとロブで打ち返したが、チャンスだと言わんばかりに読んでいた橘がスマッシュを決める。
怪しいとは思っていたのでやっぱりという気持ちが強かった。どうやらむっつり橘が本領を発揮したのだ。
思えば2ゲーム共に橘桔平には大きな動きが見られなかった。まるで何かを狙っているような、そして見守っているようにも見えたが、今なら何となくその理由を桃城は理解出来る。
彼はこちらの動きを見てると同時に妹の指導をしていたのだ。どうやら橘はこのミクスド大会を妹のレベルアップの練習台として使っていた。
その証拠にゲームを終える度に何か言葉をかけている。おそらくアドバイスだろう。
不動峰の部長を務め、さらに監督も兼任していると聞いていたからもしかしてとは思ったが、そのまさかだったとは。
プライドの高い麻美がこのことを知れば激昂すること間違いない。とはいえ、油断したのは麻美の方だ。
元々2-0でリードしていたとはいえ勝利を確信するにはあまりに早すぎた。だから忠告したのに麻美は全く聞く耳を持たない。
『ゲーム不動峰! 5-2!』
そうしている間もいつの間にか逆転され、それだけじゃなくあと1ゲームで試合終了という切羽詰まった状況であった。
麻美が橘杏を集中的に狙うが、ラリーの途中で橘桔平の邪魔が入り、幾度もポイントを奪われる。そればかり続いたため、あっという間に点数も取られていった。
(やべぇ……もう後がねぇ)
顎に伝う汗を拭う桃城はパートナーに目を向ける。そこには苛立ちを隠しきれない麻美の姿があった。
「赤宮先輩……このままじゃまずいッスよ」
「分かってるっ。くそ……あの兄貴、面倒だな。やはり妹を集中に狙うぞ」
「……さっきからそればっかやってここまできちゃってるじゃないスか」
「そろそろ向こうだってボロが出る頃だ。桃城、あんたも集中して狙え」
「……分かりましたよ」
駄目だこりゃ。まともな作戦も立てらんねぇ。
はー、と溜め息を吐きながら後頭部を掻き、桃城は一人でこのゲームをひっくり返す展開を考えた。
麻美は延々と妹を狙う。そんなラリーの途中でボールが桃城の方へと飛んできた。
麻美は妹を狙えと言わんばかりの視線を送るも、もうその手は通用しないと判断した桃城は杏を狙う振りをして兄の桔平へとボールを打ち込む。
こっちに来るとは思っていなかったのか、少し驚きの表情を見せていたが、彼は冷静に対処した。そして橘と桃城のラリーの応酬が始まる。
隙が出来る瞬間を桃城は待っていたが、そこへ麻美が割り込んでポイントを決めようとボレーを打つが……。
「もらった!」
まるで狙っていたかのような杏のロブは大きく弧を描き、麻美の後ろを抜いた。
「っ!」
『ゲームセット! ウォンバイ不動峰! 6-2!』
ミクスド地区大会決勝戦。青学は敗れ準優勝という結果を残したのだった。
「くそっ!」
「いい試合だった……と、言いたいところだが、お前らあまりにも息が合っていないな。個々の戦力は強力だろうし、シングルスなら良かったのだろうが、ダブルスには向いていない。これならさっきのダブルス3や2のペアの方が上だな」
「んだと!」
「ちょちょちょ! 落ち着いてください先輩!」
橘桔平に突っかかろうとする麻美の腕を引っ張って暴力沙汰だけは止めようとした桃城だったが、すぐに麻美は力を緩め、フンと鼻を鳴らしてそっぽを向きコートから離れていった。
その背中はどう見ても悔しそうである。
何とかセンターに出る橘妹のバックへとロブで打ち返したが、チャンスだと言わんばかりに読んでいた橘がスマッシュを決める。
怪しいとは思っていたのでやっぱりという気持ちが強かった。どうやらむっつり橘が本領を発揮したのだ。
思えば2ゲーム共に橘桔平には大きな動きが見られなかった。まるで何かを狙っているような、そして見守っているようにも見えたが、今なら何となくその理由を桃城は理解出来る。
彼はこちらの動きを見てると同時に妹の指導をしていたのだ。どうやら橘はこのミクスド大会を妹のレベルアップの練習台として使っていた。
その証拠にゲームを終える度に何か言葉をかけている。おそらくアドバイスだろう。
不動峰の部長を務め、さらに監督も兼任していると聞いていたからもしかしてとは思ったが、そのまさかだったとは。
プライドの高い麻美がこのことを知れば激昂すること間違いない。とはいえ、油断したのは麻美の方だ。
元々2-0でリードしていたとはいえ勝利を確信するにはあまりに早すぎた。だから忠告したのに麻美は全く聞く耳を持たない。
『ゲーム不動峰! 5-2!』
そうしている間もいつの間にか逆転され、それだけじゃなくあと1ゲームで試合終了という切羽詰まった状況であった。
麻美が橘杏を集中的に狙うが、ラリーの途中で橘桔平の邪魔が入り、幾度もポイントを奪われる。そればかり続いたため、あっという間に点数も取られていった。
(やべぇ……もう後がねぇ)
顎に伝う汗を拭う桃城はパートナーに目を向ける。そこには苛立ちを隠しきれない麻美の姿があった。
「赤宮先輩……このままじゃまずいッスよ」
「分かってるっ。くそ……あの兄貴、面倒だな。やはり妹を集中に狙うぞ」
「……さっきからそればっかやってここまできちゃってるじゃないスか」
「そろそろ向こうだってボロが出る頃だ。桃城、あんたも集中して狙え」
「……分かりましたよ」
駄目だこりゃ。まともな作戦も立てらんねぇ。
はー、と溜め息を吐きながら後頭部を掻き、桃城は一人でこのゲームをひっくり返す展開を考えた。
麻美は延々と妹を狙う。そんなラリーの途中でボールが桃城の方へと飛んできた。
麻美は妹を狙えと言わんばかりの視線を送るも、もうその手は通用しないと判断した桃城は杏を狙う振りをして兄の桔平へとボールを打ち込む。
こっちに来るとは思っていなかったのか、少し驚きの表情を見せていたが、彼は冷静に対処した。そして橘と桃城のラリーの応酬が始まる。
隙が出来る瞬間を桃城は待っていたが、そこへ麻美が割り込んでポイントを決めようとボレーを打つが……。
「もらった!」
まるで狙っていたかのような杏のロブは大きく弧を描き、麻美の後ろを抜いた。
「っ!」
『ゲームセット! ウォンバイ不動峰! 6-2!』
ミクスド地区大会決勝戦。青学は敗れ準優勝という結果を残したのだった。
「くそっ!」
「いい試合だった……と、言いたいところだが、お前らあまりにも息が合っていないな。個々の戦力は強力だろうし、シングルスなら良かったのだろうが、ダブルスには向いていない。これならさっきのダブルス3や2のペアの方が上だな」
「んだと!」
「ちょちょちょ! 落ち着いてください先輩!」
橘桔平に突っかかろうとする麻美の腕を引っ張って暴力沙汰だけは止めようとした桃城だったが、すぐに麻美は力を緩め、フンと鼻を鳴らしてそっぽを向きコートから離れていった。
その背中はどう見ても悔しそうである。