自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.12 少なくとも俺達のテニス部は全国No.1を諦めるつもりはないからな
主人公名前変換
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「よろしくね、桃城君。赤宮さん」
「あぁ」
「おう、よろしくな橘妹」
「何よその呼び方」
「じゃあ、俺は橘兄か?」
「い、いやさすがに先輩相手にそんな呼び方するわけないじゃないッスか!」
「ちょっと、私はいいのっ?」
(なんだこのわちゃわちゃは……)
桃城と橘杏が顔見知りということもあって決勝戦とは思えない会話となった。そんな対戦前に軽く挨拶を交わし終えるとミクスド地区大会決勝戦の試合が始まる。
不動峰の橘杏からのサーブ。なんてことないサーブだなと思ったレシーバーである麻美はすぐにリターンエースを決めた。ぬるい試合はしたくない。やるからには全力で。
麻美は最初から飛ばしていた。ようやくミクスドで試合が出来るからというのもあって。そのため最初の1ゲームは簡単に先取した。
2ゲーム目は桃城からのサービス。味方側のサービスゲームは何がなんでもキープはしたいので麻美はリターンされたボールを橘杏に向けて返球する。
男女混合ダブルスは非力な女性が狙われるのは当たり前だ。紳士的なスポーツにそんなことが許されるのか? これは勝負の世界。そんなものを気にしていたら勝つものも勝てない。
「おらぁ!」
「っ!」
麻美の威力に杏はラケットが弾き飛ばされてしまう。その勢いのまま2ゲーム目もあっという間にものにした。この調子なら勝てるな。そう思い、麻美はフッと笑った。
(桃城の出る幕もなさそうだな)
楽勝じゃん。不動峰の大将でもある兄貴も大した動きは見せないし。
そう思ったところで桃城が麻美に声をかけた。訝しげな様子で。
「赤宮先輩……手塚部長の言うように油断しない方がいいッスよ」
「油断するまでもないだろ。大した奴らじゃない」
「いや、それが油断なんですって! だって、あの大仏……あぁ、いや、兄貴の方。何か狙ってるように見えるんスよ」
「狙ってる?」
ちらりと兄である桔平に目を向ける。妹の頭を撫でてしょげる彼女を元気づけさせているように見えた。
……あれのどこが狙ってると? ハッ、と鼻で笑う。
「大丈夫だろ」
「ちょっ、先輩っ」
俺、忠告しましたからねっ!? と叫ぶ桃城の言葉を受け流しながら麻美は次のゲームに臨んだ。
橘桔平がサービスの3ゲーム目。兄がトスをした瞬間、早く来いと言わんばかりに構えていたレシーバーの麻美の横をボールが駆け抜けた。
「……は?」
『15-0!』
審判のコールが響く。一瞬何が起こったのか麻美には理解出来なかった。
ついさっきまでトスを上げてたはずだったのに、気づけば球は麻美に触れることなくコートに叩きつけられていた。速くて目に追えなかったのだ。
「……」
キッ、と麻美は橘を睨む。相手は麻美の鋭い視線に気づくことなく次のサーブを打つ構えに入っていた。
……ただのまぐれだ。何かの間違いだ。そう暗示するように心の中で呟くが次のサーブもノータッチエースを決められる。桃城も麻美と同様に一歩も動けなかったようだ。
まぐれでも、間違いでもない。それを証明されたようで麻美は舌打ちをした。次こそは返してやると意気込んで。
しかし、次のサーブも上手く捉えることが出来ずに麻美は空振りしてしまう。
4球目も変わらず。橘のサーブに一度も触れることなく1ゲーム奪われてしまった。
勝てると思った試合がここにきて崩れかかってしまう。
「あぁ」
「おう、よろしくな橘妹」
「何よその呼び方」
「じゃあ、俺は橘兄か?」
「い、いやさすがに先輩相手にそんな呼び方するわけないじゃないッスか!」
「ちょっと、私はいいのっ?」
(なんだこのわちゃわちゃは……)
桃城と橘杏が顔見知りということもあって決勝戦とは思えない会話となった。そんな対戦前に軽く挨拶を交わし終えるとミクスド地区大会決勝戦の試合が始まる。
不動峰の橘杏からのサーブ。なんてことないサーブだなと思ったレシーバーである麻美はすぐにリターンエースを決めた。ぬるい試合はしたくない。やるからには全力で。
麻美は最初から飛ばしていた。ようやくミクスドで試合が出来るからというのもあって。そのため最初の1ゲームは簡単に先取した。
2ゲーム目は桃城からのサービス。味方側のサービスゲームは何がなんでもキープはしたいので麻美はリターンされたボールを橘杏に向けて返球する。
男女混合ダブルスは非力な女性が狙われるのは当たり前だ。紳士的なスポーツにそんなことが許されるのか? これは勝負の世界。そんなものを気にしていたら勝つものも勝てない。
「おらぁ!」
「っ!」
麻美の威力に杏はラケットが弾き飛ばされてしまう。その勢いのまま2ゲーム目もあっという間にものにした。この調子なら勝てるな。そう思い、麻美はフッと笑った。
(桃城の出る幕もなさそうだな)
楽勝じゃん。不動峰の大将でもある兄貴も大した動きは見せないし。
そう思ったところで桃城が麻美に声をかけた。訝しげな様子で。
「赤宮先輩……手塚部長の言うように油断しない方がいいッスよ」
「油断するまでもないだろ。大した奴らじゃない」
「いや、それが油断なんですって! だって、あの大仏……あぁ、いや、兄貴の方。何か狙ってるように見えるんスよ」
「狙ってる?」
ちらりと兄である桔平に目を向ける。妹の頭を撫でてしょげる彼女を元気づけさせているように見えた。
……あれのどこが狙ってると? ハッ、と鼻で笑う。
「大丈夫だろ」
「ちょっ、先輩っ」
俺、忠告しましたからねっ!? と叫ぶ桃城の言葉を受け流しながら麻美は次のゲームに臨んだ。
橘桔平がサービスの3ゲーム目。兄がトスをした瞬間、早く来いと言わんばかりに構えていたレシーバーの麻美の横をボールが駆け抜けた。
「……は?」
『15-0!』
審判のコールが響く。一瞬何が起こったのか麻美には理解出来なかった。
ついさっきまでトスを上げてたはずだったのに、気づけば球は麻美に触れることなくコートに叩きつけられていた。速くて目に追えなかったのだ。
「……」
キッ、と麻美は橘を睨む。相手は麻美の鋭い視線に気づくことなく次のサーブを打つ構えに入っていた。
……ただのまぐれだ。何かの間違いだ。そう暗示するように心の中で呟くが次のサーブもノータッチエースを決められる。桃城も麻美と同様に一歩も動けなかったようだ。
まぐれでも、間違いでもない。それを証明されたようで麻美は舌打ちをした。次こそは返してやると意気込んで。
しかし、次のサーブも上手く捉えることが出来ずに麻美は空振りしてしまう。
4球目も変わらず。橘のサーブに一度も触れることなく1ゲーム奪われてしまった。
勝てると思った試合がここにきて崩れかかってしまう。