自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.11 気にすることない。俺は事実を言ったまでだ
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ガコン。選んだ缶ジュースが自販機の取り出し口へと落ちる音が聞こえると麻美はすぐにその炭酸飲料水を手にした。
「ったく、どこ見てんだよ!!」
プルタブに指を引っ掛けようとした時だった。聞こえる怒鳴り声に「うるせぇな」と眉間に皺を寄せ、近くと思われる現場へと目を向ける。
どうやら大会に出場している男子が女子二人にいちゃもんをつけている様子だった。
新しい靴を踏んだからクリーニング代を寄越せだのなんだのと言っているらしく、それが麻美に向けられていたら秒で殴っていただろう。
(あいつは確か……)
よく見れば絡まれている三つ編みの女子は同じ青学の女子テニス部に所属している子だということに気づく。以前忘れたリストバンドを届けてくれたことがあった。その時の子である。
ただでさえ気弱そうな1年生だったのであんな男に絡まれるとは運がない。しかしリストバンドの借りがあるのでここで返すのも悪くないだろう。
そう思ったが隣にいた女子が間に入って宥めようとした次の瞬間、男がその女子に手を上げたのだ。それを見た瞬間ブチッと麻美の中で何かが切れた。
「おいおい、女の子に手を出しちゃー……いけねぇな。いけねぇよ」
すると聞き覚えのある声の主が男に向けて顔面ラリアットを喰らわせていた。桃城だ。彼の活躍により男は撃退し「クソっ、覚えてろ!!」と捨て台詞まで吐かせた。
(ふーん。やるじゃん)
正義の味方の如く登場ではあったが、やり返す所は少しだけスカッとした。麻美の中で桃城の好感度は上がり、さすが私のパートナーだなと一人で頷く。
そんな彼女の前にあのでかい態度を取っていた男がこちらに向かって逃げるように走って来た。
まだ腹の底では怒りを抱えている麻美は彼の前に足を出し、躓かせることに成功した。
「ぶふっ! な、何しやがんだテメェ!!」
派手に転んだ男は麻美を見上げる。鼻を押さえているところを見るとまだ先ほど受けた桃城のダメージが残っているのだろう。だからと言って麻美には関係ないし、手加減するつもりもない。
「柿ノ木坂東中、か。なんだ男女共にクソ雑魚の学校じゃねーか。その程度でよくいきがってたなクソ野郎」
冷たい目で男を見下ろす。相手の学校を知ればわざとらしい溜め息も吐き捨てた。
「んだと? 女のくせに生意気なこと言ってんじゃ━━いでッ!!」
身体を起こした男がグッと拳を作り、麻美に向かって振り上げたが、それよりも先に彼女の足が男の足を踏みつけた。力いっぱい。何度も。それこそ新しい靴が汚れるほどに。
そして最後に男の胸ぐらを掴んで至近距離まで顔を寄せ、凄んでみせる。
「ひッ!」
「うちのもんに喧嘩売るなら私に喧嘩を売ってんのと一緒だ。次、手を出したらその顔潰してやるからな」
勢いよく突き放せば顔を青くさせた男は再び逃げるように走り去って行った。張り合いがねぇ雑魚が、そう言葉にしながら麻美はようやく缶ジュースの飲み口を開けた。
「ったく、どこ見てんだよ!!」
プルタブに指を引っ掛けようとした時だった。聞こえる怒鳴り声に「うるせぇな」と眉間に皺を寄せ、近くと思われる現場へと目を向ける。
どうやら大会に出場している男子が女子二人にいちゃもんをつけている様子だった。
新しい靴を踏んだからクリーニング代を寄越せだのなんだのと言っているらしく、それが麻美に向けられていたら秒で殴っていただろう。
(あいつは確か……)
よく見れば絡まれている三つ編みの女子は同じ青学の女子テニス部に所属している子だということに気づく。以前忘れたリストバンドを届けてくれたことがあった。その時の子である。
ただでさえ気弱そうな1年生だったのであんな男に絡まれるとは運がない。しかしリストバンドの借りがあるのでここで返すのも悪くないだろう。
そう思ったが隣にいた女子が間に入って宥めようとした次の瞬間、男がその女子に手を上げたのだ。それを見た瞬間ブチッと麻美の中で何かが切れた。
「おいおい、女の子に手を出しちゃー……いけねぇな。いけねぇよ」
すると聞き覚えのある声の主が男に向けて顔面ラリアットを喰らわせていた。桃城だ。彼の活躍により男は撃退し「クソっ、覚えてろ!!」と捨て台詞まで吐かせた。
(ふーん。やるじゃん)
正義の味方の如く登場ではあったが、やり返す所は少しだけスカッとした。麻美の中で桃城の好感度は上がり、さすが私のパートナーだなと一人で頷く。
そんな彼女の前にあのでかい態度を取っていた男がこちらに向かって逃げるように走って来た。
まだ腹の底では怒りを抱えている麻美は彼の前に足を出し、躓かせることに成功した。
「ぶふっ! な、何しやがんだテメェ!!」
派手に転んだ男は麻美を見上げる。鼻を押さえているところを見るとまだ先ほど受けた桃城のダメージが残っているのだろう。だからと言って麻美には関係ないし、手加減するつもりもない。
「柿ノ木坂東中、か。なんだ男女共にクソ雑魚の学校じゃねーか。その程度でよくいきがってたなクソ野郎」
冷たい目で男を見下ろす。相手の学校を知ればわざとらしい溜め息も吐き捨てた。
「んだと? 女のくせに生意気なこと言ってんじゃ━━いでッ!!」
身体を起こした男がグッと拳を作り、麻美に向かって振り上げたが、それよりも先に彼女の足が男の足を踏みつけた。力いっぱい。何度も。それこそ新しい靴が汚れるほどに。
そして最後に男の胸ぐらを掴んで至近距離まで顔を寄せ、凄んでみせる。
「ひッ!」
「うちのもんに喧嘩売るなら私に喧嘩を売ってんのと一緒だ。次、手を出したらその顔潰してやるからな」
勢いよく突き放せば顔を青くさせた男は再び逃げるように走り去って行った。張り合いがねぇ雑魚が、そう言葉にしながら麻美はようやく缶ジュースの飲み口を開けた。