自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
vol.11 気にすることない。俺は事実を言ったまでだ
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第2試合ダブルス1の試合の最中に雨が降った。土砂降りというほどではないが、小雨というほどでもない。それでも少し待てば止むものだった。
そんな突然の雨で慌てる者の中に遥も含まれていた。青学男子テニス部専属記者として取材のために使っていたカメラが濡れると思い、慌てて鞄の中に突っ込んだ。
「何も大石の試合に雨降らなくてもいいじゃーん!」
これじゃあ大石の勇士が写真に収められないし! と文句を言いながらカメラを諦めて己の目で試合を見届けることにした。
試合コートでは雨が降っても試合を続けている両者ではあったが、濡れたコートだとコンディションは悪い。そのため菊丸が雨のせいで足を滑らせた。
不動峰側はチャンスだと思ったのだろうが、菊丸の持ち前の柔軟さでカバーする。どんな体勢だろうと、どこへ打とうと彼は軽い身のこなしで球に追いつく。
菊丸ばかりに集中していると忘れた頃に大石の攻撃が入るため、彼らのコンビネーションは青学一と言える。
そんな黄金ペアの活躍により、6-2で青学の勝利となった。これで1勝1敗。あと2勝すれば地区予選優勝である。
ひとまず想い人の大石が無事勝利して嬉しい気持ちもあるが写真が撮れなかったことだけは酷く残念に思う。
そんな遥だったが、何気なく見回したギャラリーの中に麻美がいることに気づき、声をかけようと彼女の元へ向かった。
「麻美~!」
「は? なんでお前いるんだよ」
「新聞部って言ったじゃん!? 取材! 大会なんだから!」
「あ、そ」
「興味無さすぎじゃない!? ……あ、雨止んだ」
ふと、空を見上げると雨雲は多少残るものの、雨はピタッと止んだ。
麻美も遥も傘は持っていなかったため濡れてしまったが、これ以上濡れなくてすむなら良かったと二人は安心し、続くシングルス3の海堂VS神尾の試合を観戦する。
「そういえば女子の試合は終わったの?」
「楽勝。準備運動にすりゃならない」
「ひゅー! 勝者の貫禄ー! ミクスドの方はどうなるんだろうね?」
「ミクスドだろうと余裕」
「……あまりそういうこと言うとフラグが立つからやめた方がいいと思うよ?」
「下僕のくせに生意気言うなっ」
慢心は良くないと注意する遥が気に入らなかったのか、麻美は軽く遥の顔面に裏拳を決めた。そう、彼女にとっては軽く。
「うぶぅっ! 理不尽な暴力っ!」
顔を押えながら蹲る遥を見て「何を大袈裟な」と嘆息をつく麻美はそういえばと彼女に質問を投げかけた。
「聞きたいんだけど、不二って好きな奴とか付き合ってる奴はいるのか?」
「へ……?」
唐突の質問に遥は疑問符を浮かべながらゆっくり立ち上がる。
不二の恋愛事情を何故麻美が聞きたがるのか? 深く考えるよりも先に遥はニヤニヤしながら麻美の顔を覗き込んだ。
「おやおや~? もしかして麻美ってば不二のことを好きに━━おぐぅっ!?」
今度は肘鉄を頭上に喰らってしまう。それだけじゃなくふざけるなという冷めた視線まで突き刺さり、遥は小さく「ぴえん」と泣いた。
「いいから質問に答えろ」
「うううう……いくら不二が女子にモテモテとはいえ、そういう噂は聞いたことないなぁ」
「っち。新聞部のくせに使えねぇ」
「新聞部ってのは人様のプライベートを把握してる部活じゃないからね!?」
「調べとけ」
「麻美さん? 聞いてましたっ? てかなんでそんなに不二の恋愛事が気になるわけ? ……ハッ! まさか不二に勝ちたいがために想い人か彼女がいたらその人を人質に取ろうって魂胆では……」
「いい加減にしろ、下僕。あんたは黙って「はいっ」て言っときゃいいんだよ」
目を光らせた麻美は今度は遥の頭を鷲掴みにし、五指に力を込める。アイアンクローを受けた遥は頭蓋骨が粉砕される恐怖を抱きながら「はあああああいっ!!」と声を上げるとすぐに解放され、頭を両手で抱えた。
「お、恐ろしいおなごじゃ……今さらだけど」
そう呟くと再び麻美から睨まれたのは言うまでもない。
ひぇ、と遥が口にしたあと麻美は踵を返して試合観戦を放棄する。
「え? 麻美どこ行くの?」
「ジュース買いに行く」
「今、海堂がいい感じで頑張ってるのに?」
「不二の試合は終わってるだろ」
そりゃそうだけども。本当に不二のことしか目にないようだ。いい意味でも悪い意味でも。
そう思いながら遥は麻美を見送った。
そんな突然の雨で慌てる者の中に遥も含まれていた。青学男子テニス部専属記者として取材のために使っていたカメラが濡れると思い、慌てて鞄の中に突っ込んだ。
「何も大石の試合に雨降らなくてもいいじゃーん!」
これじゃあ大石の勇士が写真に収められないし! と文句を言いながらカメラを諦めて己の目で試合を見届けることにした。
試合コートでは雨が降っても試合を続けている両者ではあったが、濡れたコートだとコンディションは悪い。そのため菊丸が雨のせいで足を滑らせた。
不動峰側はチャンスだと思ったのだろうが、菊丸の持ち前の柔軟さでカバーする。どんな体勢だろうと、どこへ打とうと彼は軽い身のこなしで球に追いつく。
菊丸ばかりに集中していると忘れた頃に大石の攻撃が入るため、彼らのコンビネーションは青学一と言える。
そんな黄金ペアの活躍により、6-2で青学の勝利となった。これで1勝1敗。あと2勝すれば地区予選優勝である。
ひとまず想い人の大石が無事勝利して嬉しい気持ちもあるが写真が撮れなかったことだけは酷く残念に思う。
そんな遥だったが、何気なく見回したギャラリーの中に麻美がいることに気づき、声をかけようと彼女の元へ向かった。
「麻美~!」
「は? なんでお前いるんだよ」
「新聞部って言ったじゃん!? 取材! 大会なんだから!」
「あ、そ」
「興味無さすぎじゃない!? ……あ、雨止んだ」
ふと、空を見上げると雨雲は多少残るものの、雨はピタッと止んだ。
麻美も遥も傘は持っていなかったため濡れてしまったが、これ以上濡れなくてすむなら良かったと二人は安心し、続くシングルス3の海堂VS神尾の試合を観戦する。
「そういえば女子の試合は終わったの?」
「楽勝。準備運動にすりゃならない」
「ひゅー! 勝者の貫禄ー! ミクスドの方はどうなるんだろうね?」
「ミクスドだろうと余裕」
「……あまりそういうこと言うとフラグが立つからやめた方がいいと思うよ?」
「下僕のくせに生意気言うなっ」
慢心は良くないと注意する遥が気に入らなかったのか、麻美は軽く遥の顔面に裏拳を決めた。そう、彼女にとっては軽く。
「うぶぅっ! 理不尽な暴力っ!」
顔を押えながら蹲る遥を見て「何を大袈裟な」と嘆息をつく麻美はそういえばと彼女に質問を投げかけた。
「聞きたいんだけど、不二って好きな奴とか付き合ってる奴はいるのか?」
「へ……?」
唐突の質問に遥は疑問符を浮かべながらゆっくり立ち上がる。
不二の恋愛事情を何故麻美が聞きたがるのか? 深く考えるよりも先に遥はニヤニヤしながら麻美の顔を覗き込んだ。
「おやおや~? もしかして麻美ってば不二のことを好きに━━おぐぅっ!?」
今度は肘鉄を頭上に喰らってしまう。それだけじゃなくふざけるなという冷めた視線まで突き刺さり、遥は小さく「ぴえん」と泣いた。
「いいから質問に答えろ」
「うううう……いくら不二が女子にモテモテとはいえ、そういう噂は聞いたことないなぁ」
「っち。新聞部のくせに使えねぇ」
「新聞部ってのは人様のプライベートを把握してる部活じゃないからね!?」
「調べとけ」
「麻美さん? 聞いてましたっ? てかなんでそんなに不二の恋愛事が気になるわけ? ……ハッ! まさか不二に勝ちたいがために想い人か彼女がいたらその人を人質に取ろうって魂胆では……」
「いい加減にしろ、下僕。あんたは黙って「はいっ」て言っときゃいいんだよ」
目を光らせた麻美は今度は遥の頭を鷲掴みにし、五指に力を込める。アイアンクローを受けた遥は頭蓋骨が粉砕される恐怖を抱きながら「はあああああいっ!!」と声を上げるとすぐに解放され、頭を両手で抱えた。
「お、恐ろしいおなごじゃ……今さらだけど」
そう呟くと再び麻美から睨まれたのは言うまでもない。
ひぇ、と遥が口にしたあと麻美は踵を返して試合観戦を放棄する。
「え? 麻美どこ行くの?」
「ジュース買いに行く」
「今、海堂がいい感じで頑張ってるのに?」
「不二の試合は終わってるだろ」
そりゃそうだけども。本当に不二のことしか目にないようだ。いい意味でも悪い意味でも。
そう思いながら遥は麻美を見送った。