自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
5位を巡る戦い
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「おっ! 5位決定戦の結果出たぜ!」
所変わって氷帝学園の近くにあるお好み焼き屋にて、部活を終えた秋、遥、忍足、向日、滝が六人がけのテーブルにてお昼を食べていた。
テーブルの真ん中には大きな鉄板があり、それぞれ好きな料理を注文して食べている中、スマートフォンを手にした向日が声を上げる。
「おぉ! どうだった? あたしのかばっちは勝った!?」
「お前のじゃねーだろ……」
「いいから結果!」
「樺地は海田とダブルスを組んで勝ってるな。ジローも勝ってるし、跡部も勝ったから5位決定戦はうちの勝利ってことだ!」
「良かった。関東大会を出ることが出来るんだね」
勝利と聞いてホッと安心した秋が安堵の笑みを浮かべる。何だかんだ本日氷帝に残されたメンバーの中で一番試合結果を気にしていたのが秋なのだ。
「ダブルス2は落としたけど残りは勝ったみたいだね、やるねー」
「ま、さすがに跡部もここで落とすわけにはいかんかったやろうし、当然っちゃ当然の結果やな」
「あとは関東大会でどこの学校と当たるか、だな。抽選会で決まんだよな」
「どこと当たっても頑張ってね」
「おう、任せろ!」
秋が向日に応援の言葉を送ると向日はニカッと笑いながら大きく頷く。自分に向けられたその笑みにドキリとした秋が頬を赤らめ、そのせいで熱くなったのか水を一口飲む。
その様子を見ていた忍足が「ほんま罪作りな奴やな……」と思わずにはいられなかった。
ダブルスの相棒である向日はやはり秋の気持ちには気づいていないだろうし、恋愛対象として見ていないということも見て分かる。
(……さて、どないしたもんやろな。この二人)
秋の恋愛を応援してあげたいのは山々ではあるが、友人でもある向日の気持ちが最優先なのでもし誰かに片想いをしてるならそちらに協力をするというのが忍足の考え方だった。
とはいえ、見ている限り向日が誰かを好きだという話は聞いたことも見たこともない。むしろ恋をしてるなら絶対気づく自信がある。向日は何気に分かりやすいからだ。
「……忍足や、そんなに秋をジッと見てどうしたのさ。まさか……次は秋狙いっ!?」
ここへ忍足に災難が。秋を観察をしていたせいで本当の想い人である遥にとんでもない勘違いをされてしまう。
「いや、なんでそうなるんや! 次も何も俺は遥一筋やって言うとるやんっ!?」
「そうは言っても秋を見てたじゃないか。やっぱり癖というのは治らないものなのだな」
「サイテー」
滝は全面的に遥の味方なので忍足を見る目は相当冷たかった。
「マジかよ、侑士。あれだけ遥、遥って言ってたのに変わり身はえーよ。っつーか、マネージャーはやめとけ。色々と面倒になるんだからな」
一番信用してくれてもいい友人でさえもこの言いようである。
自分くらい信用してくれたってえぇやん……と小さく呟くも彼の耳に入ることはなかった。
「秋も気をつけるんだよ。男は狼なのよって言うし」
「えっ?」
「せやからちゃうって! 九条さんも勘違いせんとってやっ? やましい気持ちなんてあらへんから!」
「言い訳がましい言葉しか言わないのか君は」
「なんで信じてくれへんのや……こんなにも遥のことを想っとるのに。……いや、もしかして遥、嫉妬しとるん?」
「まったくもって違います! あたしはただ秋を心配して━━」
「いや、絶対そうや。せやからそんなに怒っとるんやろ? 勘違いさせて堪忍な? 俺は一生遥に心を捧げるって誓っとるで」
「違う違う違う! 心もノーセンキュー!!」
「せやかて遥が信じてくれへんし、それなら俺もそれ相応に態度で示さなあかんやん?」
「信じる信じないの前にあたしのことは忘れてくれ!」
「それは無理やろ。俺は四六時中遥のこと考えとるんやから」
不敵なスマイルとはまさにこのことだろう。そんな忍足の顔を見て「ひいぃぃぃぃ!!」と声を上げる遥は全身に鳥肌が立つ、その時だった。
「忍足」
たった一言。名前を呟いただけで空気が凍りついた。やけに冷たい声色。しかし、彼は……滝は微笑みを浮かべていた。ただ目が笑っていないだけ。
「食事中なんだから早く食べないと冷めちゃうよ」
「……いや、鉄板に置いとるから冷めへん、しっ!?」
ヒュッ! と、ヘラが忍足の横顔に突きつけられる。余談ではあるが、忍足と滝の間には向日がいるのでそんな彼の目の前を横切り、滝はヘラを持つ手を忍足へと向けたのだ。
(な、なんで俺ここに座ってんだ!?)
下手したら当たっていたかもしれないと思うと彼の心臓が酷いくらいに鼓動が増した。
「無駄口叩いてないで早く食べる」
「……おう」
忍足はそう返事するしかなかった。このままでは自分が食べてるお好み焼きどころか自分の身体の方が冷たくなってしまうだろうと考えて。
(……思ったんだけど、滝っていつも穏やかなのに遥に関することはよく怒るよね。主に忍足に向けてだけど)
(萩は無条件であたしの味方でいてくれてとてもありがたいのだよ……)
滝の脅しとも言える行動に驚く秋に対して遥は忍足の暴走を止めてくれてありがとうと思いながら手を止めていたお好み焼きを再び食べ始めるのだった。
所変わって氷帝学園の近くにあるお好み焼き屋にて、部活を終えた秋、遥、忍足、向日、滝が六人がけのテーブルにてお昼を食べていた。
テーブルの真ん中には大きな鉄板があり、それぞれ好きな料理を注文して食べている中、スマートフォンを手にした向日が声を上げる。
「おぉ! どうだった? あたしのかばっちは勝った!?」
「お前のじゃねーだろ……」
「いいから結果!」
「樺地は海田とダブルスを組んで勝ってるな。ジローも勝ってるし、跡部も勝ったから5位決定戦はうちの勝利ってことだ!」
「良かった。関東大会を出ることが出来るんだね」
勝利と聞いてホッと安心した秋が安堵の笑みを浮かべる。何だかんだ本日氷帝に残されたメンバーの中で一番試合結果を気にしていたのが秋なのだ。
「ダブルス2は落としたけど残りは勝ったみたいだね、やるねー」
「ま、さすがに跡部もここで落とすわけにはいかんかったやろうし、当然っちゃ当然の結果やな」
「あとは関東大会でどこの学校と当たるか、だな。抽選会で決まんだよな」
「どこと当たっても頑張ってね」
「おう、任せろ!」
秋が向日に応援の言葉を送ると向日はニカッと笑いながら大きく頷く。自分に向けられたその笑みにドキリとした秋が頬を赤らめ、そのせいで熱くなったのか水を一口飲む。
その様子を見ていた忍足が「ほんま罪作りな奴やな……」と思わずにはいられなかった。
ダブルスの相棒である向日はやはり秋の気持ちには気づいていないだろうし、恋愛対象として見ていないということも見て分かる。
(……さて、どないしたもんやろな。この二人)
秋の恋愛を応援してあげたいのは山々ではあるが、友人でもある向日の気持ちが最優先なのでもし誰かに片想いをしてるならそちらに協力をするというのが忍足の考え方だった。
とはいえ、見ている限り向日が誰かを好きだという話は聞いたことも見たこともない。むしろ恋をしてるなら絶対気づく自信がある。向日は何気に分かりやすいからだ。
「……忍足や、そんなに秋をジッと見てどうしたのさ。まさか……次は秋狙いっ!?」
ここへ忍足に災難が。秋を観察をしていたせいで本当の想い人である遥にとんでもない勘違いをされてしまう。
「いや、なんでそうなるんや! 次も何も俺は遥一筋やって言うとるやんっ!?」
「そうは言っても秋を見てたじゃないか。やっぱり癖というのは治らないものなのだな」
「サイテー」
滝は全面的に遥の味方なので忍足を見る目は相当冷たかった。
「マジかよ、侑士。あれだけ遥、遥って言ってたのに変わり身はえーよ。っつーか、マネージャーはやめとけ。色々と面倒になるんだからな」
一番信用してくれてもいい友人でさえもこの言いようである。
自分くらい信用してくれたってえぇやん……と小さく呟くも彼の耳に入ることはなかった。
「秋も気をつけるんだよ。男は狼なのよって言うし」
「えっ?」
「せやからちゃうって! 九条さんも勘違いせんとってやっ? やましい気持ちなんてあらへんから!」
「言い訳がましい言葉しか言わないのか君は」
「なんで信じてくれへんのや……こんなにも遥のことを想っとるのに。……いや、もしかして遥、嫉妬しとるん?」
「まったくもって違います! あたしはただ秋を心配して━━」
「いや、絶対そうや。せやからそんなに怒っとるんやろ? 勘違いさせて堪忍な? 俺は一生遥に心を捧げるって誓っとるで」
「違う違う違う! 心もノーセンキュー!!」
「せやかて遥が信じてくれへんし、それなら俺もそれ相応に態度で示さなあかんやん?」
「信じる信じないの前にあたしのことは忘れてくれ!」
「それは無理やろ。俺は四六時中遥のこと考えとるんやから」
不敵なスマイルとはまさにこのことだろう。そんな忍足の顔を見て「ひいぃぃぃぃ!!」と声を上げる遥は全身に鳥肌が立つ、その時だった。
「忍足」
たった一言。名前を呟いただけで空気が凍りついた。やけに冷たい声色。しかし、彼は……滝は微笑みを浮かべていた。ただ目が笑っていないだけ。
「食事中なんだから早く食べないと冷めちゃうよ」
「……いや、鉄板に置いとるから冷めへん、しっ!?」
ヒュッ! と、ヘラが忍足の横顔に突きつけられる。余談ではあるが、忍足と滝の間には向日がいるのでそんな彼の目の前を横切り、滝はヘラを持つ手を忍足へと向けたのだ。
(な、なんで俺ここに座ってんだ!?)
下手したら当たっていたかもしれないと思うと彼の心臓が酷いくらいに鼓動が増した。
「無駄口叩いてないで早く食べる」
「……おう」
忍足はそう返事するしかなかった。このままでは自分が食べてるお好み焼きどころか自分の身体の方が冷たくなってしまうだろうと考えて。
(……思ったんだけど、滝っていつも穏やかなのに遥に関することはよく怒るよね。主に忍足に向けてだけど)
(萩は無条件であたしの味方でいてくれてとてもありがたいのだよ……)
滝の脅しとも言える行動に驚く秋に対して遥は忍足の暴走を止めてくれてありがとうと思いながら手を止めていたお好み焼きを再び食べ始めるのだった。