自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
5位を巡る戦い
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氷帝対聖ルドルフによる5位を決める試合が始まった。緒戦は小川・近林ペア対赤澤・金田ペアだった。
その結果5-7で試合を落とした。それを見ていた麻美はチッと舌打ちをしたが、従兄妹である赤澤が勝利したということもあり、敵ながら悪い気はしなかったので「やるじゃん」と誇る顔を見せる。
続いて樺地・海田ペア対柳沢・木更津ペアの対戦。ここで正レギュラーが一人投入される。ここで負けたら麻美も黙っていられないだろう。
試合観戦中3-4でルドルフがリードとなっている所を見ると麻美の苛立ちが顔に出る。腕を組みながら人差し指をトントンと何度も叩きながらこれ以上無様な敗北は許さないと怒りの炎が見える者には見えた。
「赤宮。言いたいことが顔に出てんぞ」
さすがに見かねたのか溜め息混じりの跡部が彼女の隣に立ち、声をかける。
「当たり前だろ。あんたのお気に入りの従者が押されてんぞ。よく涼しい顔してられるな」
「当然だ。樺地の実力はあんなもんじゃねぇからな。お前もマネージャーならあいつのプレイスタイルは大体理解してるんじゃねーのか?」
麻美でも何度か練習試合を見ているし、樺地のテニスも知らないわけではなかった。
見た目に違わずパワープレイも見せるし、何より氷帝部員の技を真似ることも出来る。その程度は知っていたが、現に今押されているのも事実。
「今のあの結果でよくそんなこと言えるな?」
「フッ。俺様と樺地の付き合いは長いんだよ。よく見てみな」
偉そうに。そう思いながら観戦を続けると、ちょうどルドルフ側が浅いロブを上げた。スマッシュを打つチャンスが氷帝に回ってきたのだ。
なるほど、あれで力強いスマッシュを樺地が打つのかと思い、ポイントを決めるのを期待する。とはいえ、ルドルフのダブルスも警戒して下がり始めたのだ。
スマッシュが決まるか、決まらないか。樺地の腕にかかっている。
樺地がジャンプする。今だ。と麻美が念じたが、そのボールはスルーされた。
「は?」
なぜジャンピングスマッシュを打たないんだ。そう思った次の瞬間、樺地は空中で反転し、ドロップボレーで返したのだ。
相手側のダブルスもてっきりスマッシュで打ってくるのかと思い、スマッシュに備えて後ろに下がったため、ネット際に落ちたボールを拾うことが出来なかった。
「バ、バカな!?」
ルドルフ側が驚くのも無理はない。なぜならその返球の仕方は先ほどルドルフの木更津淳が見せたフェイントドロップボレーそのものである。それも披露したのはたった一回きり。
それを樺地は一度見ただけでやってのけたのだ。いくらなんでもあんな器用な技は一度や二度で出来るわけがない。
「……樺地が技を真似るのは知っていた。けど、それは氷帝部員だけだと思っていたが、違うんだな?」
「当たり前だ。あいつは大方なんでもコピー出来ちまう。純粋無垢だからこそ真っ白な気持ちでどんな技も覚えるんだよ」
「器用な奴だな」
「そして繊細だ」
あ、そ。とだけ口にし、再び試合へと目を向ける。しばらくしてから樺地・海田ペアの勝利となった。
樺地が見せたコピー技がよほど相手側のメンタルにきたのか、動揺させることが出来たのも大きいだろう。
ひとまず1勝。あと2勝すれば関東大会への切符は手に入る。
次の試合は芥川対不二の試合。試合直前まで寝ていたので麻美が叩き起して試合に向かわせた。
正直言えば芥川の寝ている時としっかり起きている時の二面性が逆に不安要素を駆り立てる。本当に宍戸の代わりにこいつで大丈夫なのかと麻美も疑ってしまう。
麻美の記憶にある芥川のテニスといえば……あまり記憶にないのが本音だ。
なぜなら大体寝ているし、まともな試合を見たことがない。
しかし、いざ試合が始まると麻美の心配は杞憂に終わる。
ネットプレイでテニスをする芥川のボレーさばきは相当なものだった。
「ボレーが上手いのか、ジローは」
「あぁ、天性の才能とも言える手首の柔らかさがあるからあいつのマジックボレーはどこに落ちるか分からねぇぜ」
「ふーん」
跡部の言う通り、芥川の武器でもある手首の柔らかさのおかげで予想しない場所へとボールを返すことが多いようで対戦相手である不二も戸惑いを隠せないようだ。
その後、試合は15分で終わった。6-1で氷帝の勝利。悪くない結果で麻美も満足気だった。
残すはあと1勝。ルドルフにとっては後がないし、氷帝としても次で決めたいところだ。
次の試合は跡部対観月である。跡部はすでに勝利を手にしていると言わんばかりにラケットを手に持つ。
「相手を軽んじんなよ」
「俺が出るんだ。負けねぇよ」
(話通じてねぇな?)
自信だけはある男を見送り、跡部と観月との試合は始まった。もし、これを落とせば最終試合は準レギュラーである樫和に命運を託されることとなる。
樫和に目を向ければ自分には荷が重いと言いたげな表情でどうか自分には回らないでくださいと願っているような様子だった。
その結果、6-0という完璧な勝利を収めた。
「どうだ? これで満足したか?」
「口だけじゃないってことは分かった」
「マネージャーなら素直に労いの言葉ぐらい言ったらどうなんだ? あーん?」
「全国優勝したら言ってやる」
「その言葉覚えたぜ」
こうして5位決定戦は氷帝学園が勝利したため、関東大会への出場が決定した。
その結果5-7で試合を落とした。それを見ていた麻美はチッと舌打ちをしたが、従兄妹である赤澤が勝利したということもあり、敵ながら悪い気はしなかったので「やるじゃん」と誇る顔を見せる。
続いて樺地・海田ペア対柳沢・木更津ペアの対戦。ここで正レギュラーが一人投入される。ここで負けたら麻美も黙っていられないだろう。
試合観戦中3-4でルドルフがリードとなっている所を見ると麻美の苛立ちが顔に出る。腕を組みながら人差し指をトントンと何度も叩きながらこれ以上無様な敗北は許さないと怒りの炎が見える者には見えた。
「赤宮。言いたいことが顔に出てんぞ」
さすがに見かねたのか溜め息混じりの跡部が彼女の隣に立ち、声をかける。
「当たり前だろ。あんたのお気に入りの従者が押されてんぞ。よく涼しい顔してられるな」
「当然だ。樺地の実力はあんなもんじゃねぇからな。お前もマネージャーならあいつのプレイスタイルは大体理解してるんじゃねーのか?」
麻美でも何度か練習試合を見ているし、樺地のテニスも知らないわけではなかった。
見た目に違わずパワープレイも見せるし、何より氷帝部員の技を真似ることも出来る。その程度は知っていたが、現に今押されているのも事実。
「今のあの結果でよくそんなこと言えるな?」
「フッ。俺様と樺地の付き合いは長いんだよ。よく見てみな」
偉そうに。そう思いながら観戦を続けると、ちょうどルドルフ側が浅いロブを上げた。スマッシュを打つチャンスが氷帝に回ってきたのだ。
なるほど、あれで力強いスマッシュを樺地が打つのかと思い、ポイントを決めるのを期待する。とはいえ、ルドルフのダブルスも警戒して下がり始めたのだ。
スマッシュが決まるか、決まらないか。樺地の腕にかかっている。
樺地がジャンプする。今だ。と麻美が念じたが、そのボールはスルーされた。
「は?」
なぜジャンピングスマッシュを打たないんだ。そう思った次の瞬間、樺地は空中で反転し、ドロップボレーで返したのだ。
相手側のダブルスもてっきりスマッシュで打ってくるのかと思い、スマッシュに備えて後ろに下がったため、ネット際に落ちたボールを拾うことが出来なかった。
「バ、バカな!?」
ルドルフ側が驚くのも無理はない。なぜならその返球の仕方は先ほどルドルフの木更津淳が見せたフェイントドロップボレーそのものである。それも披露したのはたった一回きり。
それを樺地は一度見ただけでやってのけたのだ。いくらなんでもあんな器用な技は一度や二度で出来るわけがない。
「……樺地が技を真似るのは知っていた。けど、それは氷帝部員だけだと思っていたが、違うんだな?」
「当たり前だ。あいつは大方なんでもコピー出来ちまう。純粋無垢だからこそ真っ白な気持ちでどんな技も覚えるんだよ」
「器用な奴だな」
「そして繊細だ」
あ、そ。とだけ口にし、再び試合へと目を向ける。しばらくしてから樺地・海田ペアの勝利となった。
樺地が見せたコピー技がよほど相手側のメンタルにきたのか、動揺させることが出来たのも大きいだろう。
ひとまず1勝。あと2勝すれば関東大会への切符は手に入る。
次の試合は芥川対不二の試合。試合直前まで寝ていたので麻美が叩き起して試合に向かわせた。
正直言えば芥川の寝ている時としっかり起きている時の二面性が逆に不安要素を駆り立てる。本当に宍戸の代わりにこいつで大丈夫なのかと麻美も疑ってしまう。
麻美の記憶にある芥川のテニスといえば……あまり記憶にないのが本音だ。
なぜなら大体寝ているし、まともな試合を見たことがない。
しかし、いざ試合が始まると麻美の心配は杞憂に終わる。
ネットプレイでテニスをする芥川のボレーさばきは相当なものだった。
「ボレーが上手いのか、ジローは」
「あぁ、天性の才能とも言える手首の柔らかさがあるからあいつのマジックボレーはどこに落ちるか分からねぇぜ」
「ふーん」
跡部の言う通り、芥川の武器でもある手首の柔らかさのおかげで予想しない場所へとボールを返すことが多いようで対戦相手である不二も戸惑いを隠せないようだ。
その後、試合は15分で終わった。6-1で氷帝の勝利。悪くない結果で麻美も満足気だった。
残すはあと1勝。ルドルフにとっては後がないし、氷帝としても次で決めたいところだ。
次の試合は跡部対観月である。跡部はすでに勝利を手にしていると言わんばかりにラケットを手に持つ。
「相手を軽んじんなよ」
「俺が出るんだ。負けねぇよ」
(話通じてねぇな?)
自信だけはある男を見送り、跡部と観月との試合は始まった。もし、これを落とせば最終試合は準レギュラーである樫和に命運を託されることとなる。
樫和に目を向ければ自分には荷が重いと言いたげな表情でどうか自分には回らないでくださいと願っているような様子だった。
その結果、6-0という完璧な勝利を収めた。
「どうだ? これで満足したか?」
「口だけじゃないってことは分かった」
「マネージャーなら素直に労いの言葉ぐらい言ったらどうなんだ? あーん?」
「全国優勝したら言ってやる」
「その言葉覚えたぜ」
こうして5位決定戦は氷帝学園が勝利したため、関東大会への出場が決定した。