自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
5位を巡る戦い
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本日は都大会準決勝、決勝、そして5位決定戦が行われる。
まさかの都大会で無名校に敗北したとはいえ、氷帝のテニス部部長跡部はそれがどうしたと言わんばかりの堂々たる態度で部員を引連れ姿を現した。
「おい、氷帝だぜ……」
「無名の学校に負けたとは思えないくらいの自信満々な様子だな」
「そういや、先週マネージャーらしき女子もいたんだよ。あの子可愛かったんだよなぁ」
「え? マジで? 俺も見てぇな。今日も来てんじゃね?」
他校の大会観戦者が氷帝の話で盛り上がる。そして自然と氷帝テニス部のマネージャーとして先週の公式大会にて姿を見せた秋の話になった。
「多分来てると思うぜ。しっかりしてそうな感じだけど、試合中はずっと心配そうな素振りで観戦してて守ってやりたくなるっつー感じ」
「へー。その女子ってあの子?」
男が氷帝軍団に指を差すとそこには確かに女子の姿があった。しかしそれは秋ではなく麻美である。
「ん? いや、前の子とは違うな。もう一人マネージャーでもいたのか?」
「氷帝って部員数多いもんな。一人じゃ処理しきれなくね? でもすげー美人じゃんクール系っつーの?」
「確かに。さっすが、氷帝の女子はレベル高ぇな。まぁ、それとこれとは別で今年の氷帝は大したことないんだろうな。不動峰? とかいう聞いたことねー学校に敗れるんだからよ」
「言えてる」
ゲラゲラと笑う男達の言葉が地獄耳とも言える麻美の耳に入った。
その瞬間、麻美は男達に睨みつける。鋭く、痛いほどの視線を向けられた彼らはびくりと肩を跳ねさせた。彼女の背後に猛獣の姿が見えたような気がして。
「……っち。口だけの奴らが好き勝手に言いやがって」
「だが、手を出さなかったのは褒めてやる」
ぼそっと呟く麻美の隣に涼しい顔で並ぶ跡部に麻美は眉間に皺を寄せた。
「準々決勝で負けたから舐められてんだろうが」
「俺は負けてねぇよ」
「大会は団体戦だ。個人がどうだろうと結果が全てなんだよ。それくらい考えてオーダーを決めろ」
「肝に銘じておくぜ」
部長の責任だろと責めるような麻美の言い分はすでに何度も聞いている跡部としては耳にタコである。
「っつーか、あんた先頭を歩いてたはずだろ」
「誰かさんが暴れたりしてねぇか心配でな」
「いらん心配だな。雑魚を相手するほど暇じゃないし、うるさい奴がすぐ隣にいるからな」
「理解してもらえて何よりだ」
嫌味も通じないので麻美ははぁ、と溜め息をつく。
そうしている間に5位決定戦を決めるコートへと辿り着いた。その対戦相手である聖ルドルフはすでに到着しているようで準備を始めている。
そこにはもちろん麻美の従兄妹である赤澤吉朗の姿もあった。
どうやらダブルスで出場するのか、氷帝の緒戦相手のようだ。
「? おい、跡部」
「なんだ」
「吉郎はシングルスでは全国区プレイヤーだと聞いていたが、ダブルスもそうなのか?」
「それは知らねぇな。だが、準々決勝の対青学との試合ではダブルスとして出場し、全国区であるゴールデンペアを倒したそうだ。悪くはねぇんじゃねぇか?」
「ふぅん。そんな器用な奴とは思えないけどやるな」
フッ、とどこか嬉しげに笑みを浮かべる麻美を見て跡部は「親戚相手でもそんな顔出来るんだな」と思った。
「やはり従兄妹の応援がしたいってか?」
「どちらにせよ応援する義理はない。ただ私が所属してるこのテニス部が敗退なんて絶対許せないから何としてでも勝て。それだけだ」
「それ、出場する面子に言ってやれ。少しは士気が上がるんじゃねぇか?」
恐怖心でな、とまでは言わなかった。言ったらガンをつけられるのは目に見えているため。
まさかの都大会で無名校に敗北したとはいえ、氷帝のテニス部部長跡部はそれがどうしたと言わんばかりの堂々たる態度で部員を引連れ姿を現した。
「おい、氷帝だぜ……」
「無名の学校に負けたとは思えないくらいの自信満々な様子だな」
「そういや、先週マネージャーらしき女子もいたんだよ。あの子可愛かったんだよなぁ」
「え? マジで? 俺も見てぇな。今日も来てんじゃね?」
他校の大会観戦者が氷帝の話で盛り上がる。そして自然と氷帝テニス部のマネージャーとして先週の公式大会にて姿を見せた秋の話になった。
「多分来てると思うぜ。しっかりしてそうな感じだけど、試合中はずっと心配そうな素振りで観戦してて守ってやりたくなるっつー感じ」
「へー。その女子ってあの子?」
男が氷帝軍団に指を差すとそこには確かに女子の姿があった。しかしそれは秋ではなく麻美である。
「ん? いや、前の子とは違うな。もう一人マネージャーでもいたのか?」
「氷帝って部員数多いもんな。一人じゃ処理しきれなくね? でもすげー美人じゃんクール系っつーの?」
「確かに。さっすが、氷帝の女子はレベル高ぇな。まぁ、それとこれとは別で今年の氷帝は大したことないんだろうな。不動峰? とかいう聞いたことねー学校に敗れるんだからよ」
「言えてる」
ゲラゲラと笑う男達の言葉が地獄耳とも言える麻美の耳に入った。
その瞬間、麻美は男達に睨みつける。鋭く、痛いほどの視線を向けられた彼らはびくりと肩を跳ねさせた。彼女の背後に猛獣の姿が見えたような気がして。
「……っち。口だけの奴らが好き勝手に言いやがって」
「だが、手を出さなかったのは褒めてやる」
ぼそっと呟く麻美の隣に涼しい顔で並ぶ跡部に麻美は眉間に皺を寄せた。
「準々決勝で負けたから舐められてんだろうが」
「俺は負けてねぇよ」
「大会は団体戦だ。個人がどうだろうと結果が全てなんだよ。それくらい考えてオーダーを決めろ」
「肝に銘じておくぜ」
部長の責任だろと責めるような麻美の言い分はすでに何度も聞いている跡部としては耳にタコである。
「っつーか、あんた先頭を歩いてたはずだろ」
「誰かさんが暴れたりしてねぇか心配でな」
「いらん心配だな。雑魚を相手するほど暇じゃないし、うるさい奴がすぐ隣にいるからな」
「理解してもらえて何よりだ」
嫌味も通じないので麻美ははぁ、と溜め息をつく。
そうしている間に5位決定戦を決めるコートへと辿り着いた。その対戦相手である聖ルドルフはすでに到着しているようで準備を始めている。
そこにはもちろん麻美の従兄妹である赤澤吉朗の姿もあった。
どうやらダブルスで出場するのか、氷帝の緒戦相手のようだ。
「? おい、跡部」
「なんだ」
「吉郎はシングルスでは全国区プレイヤーだと聞いていたが、ダブルスもそうなのか?」
「それは知らねぇな。だが、準々決勝の対青学との試合ではダブルスとして出場し、全国区であるゴールデンペアを倒したそうだ。悪くはねぇんじゃねぇか?」
「ふぅん。そんな器用な奴とは思えないけどやるな」
フッ、とどこか嬉しげに笑みを浮かべる麻美を見て跡部は「親戚相手でもそんな顔出来るんだな」と思った。
「やはり従兄妹の応援がしたいってか?」
「どちらにせよ応援する義理はない。ただ私が所属してるこのテニス部が敗退なんて絶対許せないから何としてでも勝て。それだけだ」
「それ、出場する面子に言ってやれ。少しは士気が上がるんじゃねぇか?」
恐怖心でな、とまでは言わなかった。言ったらガンをつけられるのは目に見えているため。