自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
レギュラーから外れた者の扱い方
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ふぃ~さっぱりさっぱり~」
お風呂から上がったばかりの湿った髪のまま自室のベッドに座る。そんな遥のベッドの傍らに置いていたスマートフォンがタイミングを計ったかのように着信音を鳴らす。
タオルで髪を拭っていた遥は着信が鳴る媒体を手にして、相手の名を確認しないままその電話に出た。
「はいはーい。こちら西成家の遥さんのスマホからご本人の登場で~すっ」
『もっしも~し。こちら千石家の清純くんでーす』
電話越しに聞こえる陽気な従兄妹の声を聞いて遥は「ゲッ!」とあからさまに嫌そうな声を上げた。
『今、ゲッて言ったよね?』
「そりゃそうでしょーよ! 君が一体全体あたしに何の用だって言うんだいっ?」
『いやぁ、実は困ったことがあってね。本当は頼りたくはなかったんだけど、藁にもすがる思いで遥に電話したんだ』
「ふーんだ! 別に頼らなくてもいいですよーだ」
『まぁ、そんなこと言わずに。実はさー今うちのテニス部、都大会ベスト4に残ってるんだけどー』
(くっ……! 相変わらず人の話を聞きやしない!)
ギリッと奥歯を噛み締める。しかも準々決勝で敗退した氷帝への当てつけのようにも聞こえる発言にムカッとしたのは言うまでもない。
『あまりにも男ばっかでやる気が出なくてね~。可愛い女の子の声援が欲しいからさ、遥の友達の女の子連れて応援に来てよ。いくら君にでも女の子の友達はいるでしょ?』
それのどこが困ったことなんだ! と言いたかったが、それよりも自分を馬鹿にされた発言の方に反応する。
「ちょっとどういう意味なんだいそれは! あたしにでも、じゃなくあたしだからこその友達はいるんだいっ!」
『やっぱり~!? 氷帝の女の子ってレベル高いから超楽しみ~!』
「あたし一言も連れて行くなんて言ってないよね!? そもそもあたしは忙しいし、キヨだからこそ会わせたくないもん!」
『えー? 従兄妹のよしみで何とかしてよ~』
電話越しの男の声はデレデレとしていた。遥に向けてではない。遥の友人である女の子が目当てだ。
千石清純。遥の従兄妹であり、大の女好きである。
そこに遥が含まれないのは親戚ゆえに、ではあるが遥本人からしたら含まれなくて良かったと思う気持ちと、あたしも女の子ですけどね!? と声を大にして反論する気持ちがいつもせめぎ合う。
「何とも出来ません! そもそもあたし部活で忙しいのだよっ。友達を連れてくるどころか応援すら行けませーんだ!」
『えっ? 遥、部活に入ったの? それじゃあ部活仲間の可愛い女の子を紹介してよ~!』
何を言っても女の子を紹介しろだの、女友達を連れて来いだのばかりでさすがの遥も溜め息を吐き捨てる。
「あれー? おかしいーなー。電波が悪いのかなー。声が聞こえないなー。いやー参った参った!」
ムスッとしたまま棒読みのわざとらしい物言いでスマートフォンを耳から離し、自身の声を遠ざけた。
『え? そんなことな━━』
プツッ。そこで遥は千石との通話を切り、ベッドにスマホを投げる。
「くそぉ……相変わらず女の子にだらしない親戚だこと……」
あの性格だけはどうにかならんのかね、とボヤいてしまうのは仕方ないことだろう。
そう思うと当初は週末の都大会に行きたいとごねていたが、従兄妹と会場で会うと面倒事しか起こらない気がしたので今回は行かなくて正解だったのかもしれない。
見つかれば「遥の友達と遊べるようにセッティングしてよ~。自分だけ可愛い子と遊んで狡いじゃ~ん!」と、ねだってくるか難癖をつけてくるかしてくるに違いない。
ねだるならまだしも、意味不明な難癖だけはつけられたくない。
しかし、千石という男のことを不本意ではあるがよく知っている遥からしてみるとあれやこれや要求してきたり変な言いがかりをつけてくる千石の姿を容易に想像出来た。
「てか、キヨってばもしかしてあたしのこと男友達か何かだと思ってない!?」
あたし女の子なのにーー!! と力強い声が部屋に響く。それからすぐに彼女の両親により強く注意を受けたのは言うまでもなかった。
お風呂から上がったばかりの湿った髪のまま自室のベッドに座る。そんな遥のベッドの傍らに置いていたスマートフォンがタイミングを計ったかのように着信音を鳴らす。
タオルで髪を拭っていた遥は着信が鳴る媒体を手にして、相手の名を確認しないままその電話に出た。
「はいはーい。こちら西成家の遥さんのスマホからご本人の登場で~すっ」
『もっしも~し。こちら千石家の清純くんでーす』
電話越しに聞こえる陽気な従兄妹の声を聞いて遥は「ゲッ!」とあからさまに嫌そうな声を上げた。
『今、ゲッて言ったよね?』
「そりゃそうでしょーよ! 君が一体全体あたしに何の用だって言うんだいっ?」
『いやぁ、実は困ったことがあってね。本当は頼りたくはなかったんだけど、藁にもすがる思いで遥に電話したんだ』
「ふーんだ! 別に頼らなくてもいいですよーだ」
『まぁ、そんなこと言わずに。実はさー今うちのテニス部、都大会ベスト4に残ってるんだけどー』
(くっ……! 相変わらず人の話を聞きやしない!)
ギリッと奥歯を噛み締める。しかも準々決勝で敗退した氷帝への当てつけのようにも聞こえる発言にムカッとしたのは言うまでもない。
『あまりにも男ばっかでやる気が出なくてね~。可愛い女の子の声援が欲しいからさ、遥の友達の女の子連れて応援に来てよ。いくら君にでも女の子の友達はいるでしょ?』
それのどこが困ったことなんだ! と言いたかったが、それよりも自分を馬鹿にされた発言の方に反応する。
「ちょっとどういう意味なんだいそれは! あたしにでも、じゃなくあたしだからこその友達はいるんだいっ!」
『やっぱり~!? 氷帝の女の子ってレベル高いから超楽しみ~!』
「あたし一言も連れて行くなんて言ってないよね!? そもそもあたしは忙しいし、キヨだからこそ会わせたくないもん!」
『えー? 従兄妹のよしみで何とかしてよ~』
電話越しの男の声はデレデレとしていた。遥に向けてではない。遥の友人である女の子が目当てだ。
千石清純。遥の従兄妹であり、大の女好きである。
そこに遥が含まれないのは親戚ゆえに、ではあるが遥本人からしたら含まれなくて良かったと思う気持ちと、あたしも女の子ですけどね!? と声を大にして反論する気持ちがいつもせめぎ合う。
「何とも出来ません! そもそもあたし部活で忙しいのだよっ。友達を連れてくるどころか応援すら行けませーんだ!」
『えっ? 遥、部活に入ったの? それじゃあ部活仲間の可愛い女の子を紹介してよ~!』
何を言っても女の子を紹介しろだの、女友達を連れて来いだのばかりでさすがの遥も溜め息を吐き捨てる。
「あれー? おかしいーなー。電波が悪いのかなー。声が聞こえないなー。いやー参った参った!」
ムスッとしたまま棒読みのわざとらしい物言いでスマートフォンを耳から離し、自身の声を遠ざけた。
『え? そんなことな━━』
プツッ。そこで遥は千石との通話を切り、ベッドにスマホを投げる。
「くそぉ……相変わらず女の子にだらしない親戚だこと……」
あの性格だけはどうにかならんのかね、とボヤいてしまうのは仕方ないことだろう。
そう思うと当初は週末の都大会に行きたいとごねていたが、従兄妹と会場で会うと面倒事しか起こらない気がしたので今回は行かなくて正解だったのかもしれない。
見つかれば「遥の友達と遊べるようにセッティングしてよ~。自分だけ可愛い子と遊んで狡いじゃ~ん!」と、ねだってくるか難癖をつけてくるかしてくるに違いない。
ねだるならまだしも、意味不明な難癖だけはつけられたくない。
しかし、千石という男のことを不本意ではあるがよく知っている遥からしてみるとあれやこれや要求してきたり変な言いがかりをつけてくる千石の姿を容易に想像出来た。
「てか、キヨってばもしかしてあたしのこと男友達か何かだと思ってない!?」
あたし女の子なのにーー!! と力強い声が部屋に響く。それからすぐに彼女の両親により強く注意を受けたのは言うまでもなかった。