自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
レギュラーから外れた者の扱い方
主人公名前変換
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「赤宮、話がある」
休憩時間すぐのこと。跡部が麻美のクラスに乗り込んで、次の授業の準備をする彼女の席の前に立った。
麻美はというと堂々と教室に入ってくるや否や話があると告げられたことにより、面倒だと言わんばかりに不服そうな顔をする。
どうせこっちにはないと言っても奴が諦めるような謙虚さはないことも理解しているため話を聞かざるを得ない状況だ。
相手もそのつもりだろう。面倒な世間話から入らずにさっさと用件を伝えようとしている。
「そんな嫌そうな顔をするんじゃねーよ。すぐに終わる」
「さっさと言え。ただでさえあんたがいると周りが騒々しいんだからな」
跡部が教室に足を踏み入れた時点でクラスの女子がキャーキャーと騒ぎ、盛り上がるのだ。その狂騒とも言える雰囲気を酷く嫌う麻美はすぐに跡部の用件を尋ねる。
「週末に5位決定戦があることは知ってるな?」
「あぁ、相手の実力を測ることも出来ずに負けた学校のためのお情けの関東大会出場枠か」
「耳が痛ぇこと言うじゃねーの。今さら言い訳するつもりはねぇから何を言っても受け入れてやる。だが、今はそんな話をしたいわけじゃねぇ」
「じゃあ何?」
「前回は九条を大会に連れて行ったが、また西成の奴が次の大会こそは連れて行けと言い出しかねないから先手を打っておこうと思ってな。赤宮、5位決定戦はお前がついて来い」
その誘いに麻美は顔を顰める。義務じゃないら行きたくはないのが本音だから。
「なんで私なんだよ。下僕を連れて行けばいいだろ」
「赤宮。今度こそうちは絶対に負けるわけにはいかねぇんだよ。都大会如きで、だ。それなのにあのトラブルメーカーを連れて行って面倒なことになったらたまったもんじゃねぇ」
「そんな警戒するほどか? どうせ関東大会が始まったら全員連れて行くんだろ」
「九条や滝を含めたお前達が面倒見るだろ。あいつだけを連れて行ったら面倒を見る奴がいないし、樺地に余計なことをしかねないからな」
ある意味危険人物扱いだな。そう思わずにはいられなかったが、確かにと頷く言い分でもある。
良くも悪くもトラブルを生み出すと言っても過言ではない遥に危険視する気持ちも理解出来た。
「どちらにせよ西成を連れて行くなら赤宮か九条の監視がほしいところだ。まぁ、時間は前回よりそんなにかからねぇ。ルドルフとやり合うだけだからな」
「ルドルフ……?」
まさかの言葉に麻美がぴくりと反応する。跡部も対戦相手校に彼女が反応するとは思わずに不思議そうに尋ねた。
「知ってるのか? 学校としての歴史はまだまだ浅い所だぜ」
「従兄妹がテニス部だから知ってる」
「お前もか」
「お前も?」
「九条も青学のテニス部に従兄妹がいるんだとよ」
「なんだ、学校違いか」
「手塚国光だそうだ」
「知らん」
「中学テニス界では有名な男だ」
「あ、そ」
とても興味のない返事だった。そっちの界隈では有名かもしれないが私には赤の他人も同然と言いたげである。
「そのうち顔を見ることになるだろうよ」
「はいはい。ところで跡部、週末の件だが私が行ってやる」
唐突の了承する言葉に跡部は目を丸くさせたがすぐに口元を緩めた。
「了解。……しかし思いの外あっさりと引き受けたな」
「従兄妹がテニスしてる様子を見てやろうと思ってな」
「試合メンバーに選ばれる実力の持ち主なのか? お前の従兄妹とやらは誰だ?」
「吉郎。赤澤吉郎だ」
その名を聞いて跡部は「へぇ」と呟いた。どこか楽しげな表情で。そんな彼の反応を見て麻美はやはりあいつはそれなりに有名なのかと従兄妹の知名度を知る。
「滝も言っていたが全国区プレイヤーだってのは本当らしいな」
「従兄妹なのに知らなかったのか?」
「そんな話しないからな」
「そういうもんか。今は部長を担ってるってことも知らないのか?」
「それは知ってる。てか、あんたもよく知ってるな」
「まぁ、その程度はな」
ふーん、と少し感心したところで予鈴が鳴った。いつの間にそんなに時間が経ったのか。麻美は内心驚いた。
「じゃあ、俺は戻るぜ。面白い話も聞かせてもらっちまったが、週末の件はまたあとで連絡する」
そう言って跡部は自分のクラスへと戻っていった。
麻美はしばらく黙ったまま僅かとはいえ休憩時間がなくなるほど跡部と会話した事実が信じられなくて片手で頭を抱える。
面倒な人間とは関わりたくなかったからその筆頭でもある跡部との会話はさっさと切り上げたかったのにいつの間にか話し込んでしまった。
しかも従兄妹である赤澤吉郎の話題である。まさかあいつの話をしただけで休憩時間が丸々潰れるなんて! そう叫びたかったが、教室内でそうすることは出来ないので込み上げる怒りを発散するためダンッ! と拳を強く机に叩きつけて周りを萎縮させた。
休憩時間すぐのこと。跡部が麻美のクラスに乗り込んで、次の授業の準備をする彼女の席の前に立った。
麻美はというと堂々と教室に入ってくるや否や話があると告げられたことにより、面倒だと言わんばかりに不服そうな顔をする。
どうせこっちにはないと言っても奴が諦めるような謙虚さはないことも理解しているため話を聞かざるを得ない状況だ。
相手もそのつもりだろう。面倒な世間話から入らずにさっさと用件を伝えようとしている。
「そんな嫌そうな顔をするんじゃねーよ。すぐに終わる」
「さっさと言え。ただでさえあんたがいると周りが騒々しいんだからな」
跡部が教室に足を踏み入れた時点でクラスの女子がキャーキャーと騒ぎ、盛り上がるのだ。その狂騒とも言える雰囲気を酷く嫌う麻美はすぐに跡部の用件を尋ねる。
「週末に5位決定戦があることは知ってるな?」
「あぁ、相手の実力を測ることも出来ずに負けた学校のためのお情けの関東大会出場枠か」
「耳が痛ぇこと言うじゃねーの。今さら言い訳するつもりはねぇから何を言っても受け入れてやる。だが、今はそんな話をしたいわけじゃねぇ」
「じゃあ何?」
「前回は九条を大会に連れて行ったが、また西成の奴が次の大会こそは連れて行けと言い出しかねないから先手を打っておこうと思ってな。赤宮、5位決定戦はお前がついて来い」
その誘いに麻美は顔を顰める。義務じゃないら行きたくはないのが本音だから。
「なんで私なんだよ。下僕を連れて行けばいいだろ」
「赤宮。今度こそうちは絶対に負けるわけにはいかねぇんだよ。都大会如きで、だ。それなのにあのトラブルメーカーを連れて行って面倒なことになったらたまったもんじゃねぇ」
「そんな警戒するほどか? どうせ関東大会が始まったら全員連れて行くんだろ」
「九条や滝を含めたお前達が面倒見るだろ。あいつだけを連れて行ったら面倒を見る奴がいないし、樺地に余計なことをしかねないからな」
ある意味危険人物扱いだな。そう思わずにはいられなかったが、確かにと頷く言い分でもある。
良くも悪くもトラブルを生み出すと言っても過言ではない遥に危険視する気持ちも理解出来た。
「どちらにせよ西成を連れて行くなら赤宮か九条の監視がほしいところだ。まぁ、時間は前回よりそんなにかからねぇ。ルドルフとやり合うだけだからな」
「ルドルフ……?」
まさかの言葉に麻美がぴくりと反応する。跡部も対戦相手校に彼女が反応するとは思わずに不思議そうに尋ねた。
「知ってるのか? 学校としての歴史はまだまだ浅い所だぜ」
「従兄妹がテニス部だから知ってる」
「お前もか」
「お前も?」
「九条も青学のテニス部に従兄妹がいるんだとよ」
「なんだ、学校違いか」
「手塚国光だそうだ」
「知らん」
「中学テニス界では有名な男だ」
「あ、そ」
とても興味のない返事だった。そっちの界隈では有名かもしれないが私には赤の他人も同然と言いたげである。
「そのうち顔を見ることになるだろうよ」
「はいはい。ところで跡部、週末の件だが私が行ってやる」
唐突の了承する言葉に跡部は目を丸くさせたがすぐに口元を緩めた。
「了解。……しかし思いの外あっさりと引き受けたな」
「従兄妹がテニスしてる様子を見てやろうと思ってな」
「試合メンバーに選ばれる実力の持ち主なのか? お前の従兄妹とやらは誰だ?」
「吉郎。赤澤吉郎だ」
その名を聞いて跡部は「へぇ」と呟いた。どこか楽しげな表情で。そんな彼の反応を見て麻美はやはりあいつはそれなりに有名なのかと従兄妹の知名度を知る。
「滝も言っていたが全国区プレイヤーだってのは本当らしいな」
「従兄妹なのに知らなかったのか?」
「そんな話しないからな」
「そういうもんか。今は部長を担ってるってことも知らないのか?」
「それは知ってる。てか、あんたもよく知ってるな」
「まぁ、その程度はな」
ふーん、と少し感心したところで予鈴が鳴った。いつの間にそんなに時間が経ったのか。麻美は内心驚いた。
「じゃあ、俺は戻るぜ。面白い話も聞かせてもらっちまったが、週末の件はまたあとで連絡する」
そう言って跡部は自分のクラスへと戻っていった。
麻美はしばらく黙ったまま僅かとはいえ休憩時間がなくなるほど跡部と会話した事実が信じられなくて片手で頭を抱える。
面倒な人間とは関わりたくなかったからその筆頭でもある跡部との会話はさっさと切り上げたかったのにいつの間にか話し込んでしまった。
しかも従兄妹である赤澤吉郎の話題である。まさかあいつの話をしただけで休憩時間が丸々潰れるなんて! そう叫びたかったが、教室内でそうすることは出来ないので込み上げる怒りを発散するためダンッ! と拳を強く机に叩きつけて周りを萎縮させた。