自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
レギュラーから外れた者の扱い方
主人公名前変換
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宍戸がレギュラーから外された翌日。部活には彼の姿はなかった。部活どころかクラスにもいないため欠席をしているのかと同じクラスの秋は彼の心配をする。
昼食の時間。よく購買部で宍戸と顔を合わせてパンの取り合いをする遥も彼の姿がないことに気づくと、大丈夫かなと彼を気にかける。
麻美に至ってはレギュラーを外されたくらいで部活に出ないとはなんて軟弱な奴なんだと相手の心情を察することなく、心配するどころか厳しい様子だ。
そんなマネージャー三人は同じテーブルでお昼を食べるのだが、話題は自然と宍戸のことになった。
「跡部の話だと宍戸はレギュラー専用のロッカーをすでに片付けてるらしいから一応学校には来てたみたい。退部届けも出されてないから辞めることはなさそうだよ」
過去にレギュラー落ちを経験している部員は少なくない。一度栄光を掴んだ者が奈落へと転がると大体は退部することが多いのだ。
それもそのはず、敗者切捨てという厳しいルールがあるので敗北した者に監督である榊は二度と採用せずレギュラー落ちという烙印を押される。
「あ、そうなんだ。あたし、てっきり休んじゃってるのかと思ってたよ」
「ハッ。ロッカーだけ片すだけ片して帰ったかサボってるわけか。情けない」
「麻美、そんなこと言わないであげて。宍戸、ショックで凄く落ち込んでるかもだから……」
「……秋、あんたはあいつに色々言われたのによく庇えるな? それだけじゃなく他に負けた準レギュラーどもにでかい口叩いてたんだろ。なのに自分は0ゲームで惨敗とはダサいにもほどがある」
「秋にも準レギュラー達にも横暴なことしてたの? 麻美よく知ってるねー」
「平部員が言ってたんだよ」
部員から都大会のことを聞いていた麻美は不機嫌そうに語る。
秋に対して酷い物言いをしたことが許せなかったため、麻美は宍戸に厳しい態度を示していた。
確かに秋は傷つくようなことを宍戸に言われたが、時間が経ってから秋の頭も少し冷えたのか冷静になってからあの時のことを思い出すと、宍戸も少なからず自分の発言に後悔をしていたのではないかと考える。
明らかに言い過ぎたと言わんばかりに口元を押さえて目を逸らした宍戸の仕草は秋にとってそう見えたのだ。
「宍戸も……悪気があったわけじゃないんだよ、きっと」
「あんたは相変わらず誰かの肩を持つよな。あんな奴甘やかすなよ」
「そんなつもりはないよ。ただ、本当の宍戸は酷いだけの人間じゃないって言いたいの。麻美もそのうち分かると思うよ」
この中で宍戸と一番付き合いが長いのは秋だ。その彼女がそう言うのだから信じないわけにはいかないが、麻美は自分の目で見たわけではないので簡単には頷かない。
そのため「どうだかな」と軽く鼻で笑うように返した。
「……宍戸、部活来るかなぁ? 部活停止しないためにあんなにテスト勉強だって頑張ったのに」
購買部で買ったコロッケパンを手にした遥がぽつりと呟く。
テストの点が悪かったら部活停止だと突きつけられ、猛勉強した宍戸の努力は凄まじいものだったことは記憶に新しい。
それほどまでして得た部活動をこうも簡単に手放すとは思えないが、現に宍戸は本日の朝練にも授業にも出ずにロッカーだけを片付けた状態だ。
そんな彼ははたして部活に出るのか、それは誰にも分からなかった。
「明日、部活には出なくてもさすがに授業は出ると思うから私聞いてみるよ……」
「やめとけやめとけ。そういう奴は話しかけられたくなさそうだし、声をかけたところで怒鳴りつけて終わりだろ」
「そうだとしても私達はマネージャーだし、部員を放っておくことは出来ないよ」
「さっすが秋! その優しさとお節介さはまさに秋って感じだね! 麻美にも見習ってほしいもの━━」
「あ?」
「ごめんなさいごめんなさい! 嘘です! だからこの手離し……いだだだだっ!!」
遥の言葉に癇に障った麻美が彼女の頭を鷲掴みにして頭蓋骨を粉砕するかの如く力を込める。
秋は「相変わらず二人は仲がいいね……」とどこか呆れる様子で呟いた。
その日は結局宍戸の姿を見ることは叶わなかった。
昼食の時間。よく購買部で宍戸と顔を合わせてパンの取り合いをする遥も彼の姿がないことに気づくと、大丈夫かなと彼を気にかける。
麻美に至ってはレギュラーを外されたくらいで部活に出ないとはなんて軟弱な奴なんだと相手の心情を察することなく、心配するどころか厳しい様子だ。
そんなマネージャー三人は同じテーブルでお昼を食べるのだが、話題は自然と宍戸のことになった。
「跡部の話だと宍戸はレギュラー専用のロッカーをすでに片付けてるらしいから一応学校には来てたみたい。退部届けも出されてないから辞めることはなさそうだよ」
過去にレギュラー落ちを経験している部員は少なくない。一度栄光を掴んだ者が奈落へと転がると大体は退部することが多いのだ。
それもそのはず、敗者切捨てという厳しいルールがあるので敗北した者に監督である榊は二度と採用せずレギュラー落ちという烙印を押される。
「あ、そうなんだ。あたし、てっきり休んじゃってるのかと思ってたよ」
「ハッ。ロッカーだけ片すだけ片して帰ったかサボってるわけか。情けない」
「麻美、そんなこと言わないであげて。宍戸、ショックで凄く落ち込んでるかもだから……」
「……秋、あんたはあいつに色々言われたのによく庇えるな? それだけじゃなく他に負けた準レギュラーどもにでかい口叩いてたんだろ。なのに自分は0ゲームで惨敗とはダサいにもほどがある」
「秋にも準レギュラー達にも横暴なことしてたの? 麻美よく知ってるねー」
「平部員が言ってたんだよ」
部員から都大会のことを聞いていた麻美は不機嫌そうに語る。
秋に対して酷い物言いをしたことが許せなかったため、麻美は宍戸に厳しい態度を示していた。
確かに秋は傷つくようなことを宍戸に言われたが、時間が経ってから秋の頭も少し冷えたのか冷静になってからあの時のことを思い出すと、宍戸も少なからず自分の発言に後悔をしていたのではないかと考える。
明らかに言い過ぎたと言わんばかりに口元を押さえて目を逸らした宍戸の仕草は秋にとってそう見えたのだ。
「宍戸も……悪気があったわけじゃないんだよ、きっと」
「あんたは相変わらず誰かの肩を持つよな。あんな奴甘やかすなよ」
「そんなつもりはないよ。ただ、本当の宍戸は酷いだけの人間じゃないって言いたいの。麻美もそのうち分かると思うよ」
この中で宍戸と一番付き合いが長いのは秋だ。その彼女がそう言うのだから信じないわけにはいかないが、麻美は自分の目で見たわけではないので簡単には頷かない。
そのため「どうだかな」と軽く鼻で笑うように返した。
「……宍戸、部活来るかなぁ? 部活停止しないためにあんなにテスト勉強だって頑張ったのに」
購買部で買ったコロッケパンを手にした遥がぽつりと呟く。
テストの点が悪かったら部活停止だと突きつけられ、猛勉強した宍戸の努力は凄まじいものだったことは記憶に新しい。
それほどまでして得た部活動をこうも簡単に手放すとは思えないが、現に宍戸は本日の朝練にも授業にも出ずにロッカーだけを片付けた状態だ。
そんな彼ははたして部活に出るのか、それは誰にも分からなかった。
「明日、部活には出なくてもさすがに授業は出ると思うから私聞いてみるよ……」
「やめとけやめとけ。そういう奴は話しかけられたくなさそうだし、声をかけたところで怒鳴りつけて終わりだろ」
「そうだとしても私達はマネージャーだし、部員を放っておくことは出来ないよ」
「さっすが秋! その優しさとお節介さはまさに秋って感じだね! 麻美にも見習ってほしいもの━━」
「あ?」
「ごめんなさいごめんなさい! 嘘です! だからこの手離し……いだだだだっ!!」
遥の言葉に癇に障った麻美が彼女の頭を鷲掴みにして頭蓋骨を粉砕するかの如く力を込める。
秋は「相変わらず二人は仲がいいね……」とどこか呆れる様子で呟いた。
その日は結局宍戸の姿を見ることは叶わなかった。