自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ダークホースとの対戦
主人公名前変換
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「この度はうちの部員達が失礼なことばかり口にしてすみませんでした」
その頃、秋は黒い軍団の元へと一人で頭を下げていた。
突然の謝罪に先頭に立つ軍団の部長である橘を始め、他の部員達もぽかんとした顔で彼女に注目する。
「あー……すまないが、自己紹介をしてもらえると助かる」
「あ、すみません。私、氷帝学園男子テニス部のマネージャー、九条秋と申します。重ね重ね失礼いたしました」
「あぁ、いや、大丈夫だから顔を上げてくれ」
再び頭を下げた秋に橘が困りながらも頭を上げるように言うと、秋はすぐに姿勢を戻した。
彼の後ろにいる他の部員達は「あの氷帝のマネージャー?」「跡部の野郎と大違いだな……」と、ひそひそ声で話しながら物珍しげに秋へと目を向ける。
「まさか詫びを入れられるとはな。それは跡部に頼まれたのか?」
「いえ、私の独断です。橘くんとの試合の時にはこちらが挑発的な態度も取っていましたし、申し訳なくて……」
「別にこっちは気にしていないな。むしろ見くびってもらえて感謝してるくらいだ」
「そう、ですか」
「それに、お前が謝罪をすることじゃないだろ? 挑発した本人ならまだしも、マネージャーだからってそこまで気遣う必要はないのだからな」
「橘さん、そろそろバスが……」
不動峰の一員である森が時計を見ながら橘にバスのことをこっそり告げると、大将は「あぁ、そうだな」と返した。
「じゃあな、九条。ひとまずお前の謝罪は受け入れておこう。せいぜい5位決定戦では相手を舐めかかった試合はするなと伝えてくれ」
「! は、はい!」
「行くぞ、お前達」
「「はい!」」
部員達に声をかけると黒いジャージの一行は秋の前から去っていった。
自己満足とはいえ、自分のことではない謝罪をしてそれを受け入れてもらえたことに少しばかり嬉しくなった秋は橘の懐の深さを知り、誠実そうな人だと評価をしたのだった。
秋の元を去った不動峰メンバーの何人かはちらりと後ろを向いて彼女の姿を確認した。
かなり距離を取ったというのに秋は自分達を見送っているのか、まだあの場から離れていない様子。
「まだ、いるな。あの子……」
手拭いを頭に巻いた石田がぽつりと呟くと、隣に歩くオールバック頭の桜井も同じように確認してうんうんと頷きながら口を開く。
「気にせずに向こうも帰ればいいのにな」
「氷帝の偉そうな部長だっけ? あれとは大違いだな」
「うん、随分と丁寧な人だったよな」
帽子を深く被った内村がからかうように口にすると、彼と並んで歩く純朴そうな少年、森も同意してその印象を語った。
「跡部の奴に煎じて飲ませてやりてぇ……」
「……ていうか狡いよな。女子が謝りに来たら邪険に扱えないし、もしかしてそういう作戦? そもそもマネージャーがいるとか聞いてないんだけど。補佐的なことは全部カバーしてもらえるっていう自慢? いいよなぁ、こっちは何もかも全部俺達がやってるって言うのにさ」
「お前なぁ……」
片目が髪で隠れる神尾が跡部にも同じ態度を求めるように口にするが、無表情でブツブツと不満を漏らす伊武による環境を羨むようなぼやきを聞いて彼は呆れ混じりの溜め息をこぼす。
「まぁ、氷帝の態度は些か気に入らなかったが、全員が全員そうじゃないってことだな」
「やっぱ女子がいると考え方が違うもんなんすね」
橘の言葉に激しく頷く神尾。とはいえ、それはそれで苦労しそうだなと橘は考えたが、ふと大時計が彼の目に止まる。
「おい、お前ら。急がねーとバスに乗り遅れるぞっ」
「「はいっ!」」
バスの時間が迫っていたのか、先頭の橘が走り出すと、彼を慕う部員達も駆け足になった。
その頃、秋は黒い軍団の元へと一人で頭を下げていた。
突然の謝罪に先頭に立つ軍団の部長である橘を始め、他の部員達もぽかんとした顔で彼女に注目する。
「あー……すまないが、自己紹介をしてもらえると助かる」
「あ、すみません。私、氷帝学園男子テニス部のマネージャー、九条秋と申します。重ね重ね失礼いたしました」
「あぁ、いや、大丈夫だから顔を上げてくれ」
再び頭を下げた秋に橘が困りながらも頭を上げるように言うと、秋はすぐに姿勢を戻した。
彼の後ろにいる他の部員達は「あの氷帝のマネージャー?」「跡部の野郎と大違いだな……」と、ひそひそ声で話しながら物珍しげに秋へと目を向ける。
「まさか詫びを入れられるとはな。それは跡部に頼まれたのか?」
「いえ、私の独断です。橘くんとの試合の時にはこちらが挑発的な態度も取っていましたし、申し訳なくて……」
「別にこっちは気にしていないな。むしろ見くびってもらえて感謝してるくらいだ」
「そう、ですか」
「それに、お前が謝罪をすることじゃないだろ? 挑発した本人ならまだしも、マネージャーだからってそこまで気遣う必要はないのだからな」
「橘さん、そろそろバスが……」
不動峰の一員である森が時計を見ながら橘にバスのことをこっそり告げると、大将は「あぁ、そうだな」と返した。
「じゃあな、九条。ひとまずお前の謝罪は受け入れておこう。せいぜい5位決定戦では相手を舐めかかった試合はするなと伝えてくれ」
「! は、はい!」
「行くぞ、お前達」
「「はい!」」
部員達に声をかけると黒いジャージの一行は秋の前から去っていった。
自己満足とはいえ、自分のことではない謝罪をしてそれを受け入れてもらえたことに少しばかり嬉しくなった秋は橘の懐の深さを知り、誠実そうな人だと評価をしたのだった。
秋の元を去った不動峰メンバーの何人かはちらりと後ろを向いて彼女の姿を確認した。
かなり距離を取ったというのに秋は自分達を見送っているのか、まだあの場から離れていない様子。
「まだ、いるな。あの子……」
手拭いを頭に巻いた石田がぽつりと呟くと、隣に歩くオールバック頭の桜井も同じように確認してうんうんと頷きながら口を開く。
「気にせずに向こうも帰ればいいのにな」
「氷帝の偉そうな部長だっけ? あれとは大違いだな」
「うん、随分と丁寧な人だったよな」
帽子を深く被った内村がからかうように口にすると、彼と並んで歩く純朴そうな少年、森も同意してその印象を語った。
「跡部の奴に煎じて飲ませてやりてぇ……」
「……ていうか狡いよな。女子が謝りに来たら邪険に扱えないし、もしかしてそういう作戦? そもそもマネージャーがいるとか聞いてないんだけど。補佐的なことは全部カバーしてもらえるっていう自慢? いいよなぁ、こっちは何もかも全部俺達がやってるって言うのにさ」
「お前なぁ……」
片目が髪で隠れる神尾が跡部にも同じ態度を求めるように口にするが、無表情でブツブツと不満を漏らす伊武による環境を羨むようなぼやきを聞いて彼は呆れ混じりの溜め息をこぼす。
「まぁ、氷帝の態度は些か気に入らなかったが、全員が全員そうじゃないってことだな」
「やっぱ女子がいると考え方が違うもんなんすね」
橘の言葉に激しく頷く神尾。とはいえ、それはそれで苦労しそうだなと橘は考えたが、ふと大時計が彼の目に止まる。
「おい、お前ら。急がねーとバスに乗り遅れるぞっ」
「「はいっ!」」
バスの時間が迫っていたのか、先頭の橘が走り出すと、彼を慕う部員達も駆け足になった。