自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ダークホースとの対戦
主人公名前変換
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空が真っ赤に染まる頃、氷帝学園男子テニス部もそろそろ練習を終えようとしていた。そこへ一人の男がコート内へと訪れる。
「芥川はいるか?」
「「監督っ!」」
テニス部顧問の榊太郎がその姿を現した。都大会に行くことなく、部活自体も少人数ゆえてっきり本日は顔を出さないと誰もが思っていたため驚きの声を上げる者も少なくない。
「あ、榊せんせーだ。ジローはここにいますよー!」
遥が手を振りながら芥川の場所を指差す。そこにはベンチの上で眠りに落ちる彼の姿があった。
榊は芥川の元へと向かい始めると、向日が慌てて眠りに耽ける男の頭を叩いて彼を起こしにかかる。
「オイ、ジロー起きろっ! 監督が呼んでんぞ!」
「んがっ! ……ん、ん~? かん、とく?」
重たげな目元を擦りながらゆっくり身体を起こした芥川は目の前に榊が立っていることに気付き、すぐに目を大きく見開かせた。
「あり? 監督?」
「芥川、跡部からの伝言だ。来週の5位決定戦に出場すること。いいな?」
「へ? あ、はぁーい!」
よく分からないが、試合に出ろということは理解出来た芥川は元気よく返事をした。しかし、他の者達は彼と違ってざわつき始める。
榊はそれ以上の詳細を口にすることなく「以上だ」と告げて去っていった。
「5位決定戦?」
榊の後ろ姿を見ながら麻美は腕を組み、彼の言葉の意味を聞くため近くのレギュラー達からの説明を待った。
「5位を決めるための試合、やな。それに通れば関東大会の出場権が決まるわけやねんけど……」
「え、つまりそれは……うちは負けたってことですか!?」
鳳がびっくりした様子で忍足に尋ねる。忍足自身も信じられなかったが、監督が芥川に5位決定戦に出場する話をしたのだから事実なのは間違いないと見た。
「まさか都大会で負けるなんて……例え準レギュラーが混ざって敗北したとしても正レギュラーがカバーする構成のはずなのに……」
深刻そうな表情の滝がぽつりと漏らす。それを聞いた麻美が躊躇することなく口にした。
「じゃあ、その正レギュラーがヘマをしたってことだな」
「えっ!? か、かかかかばっちじゃないよね!?」
「私が知るか」
「跡部はさすがに違うと思うけどよ……っつーことはやっぱ宍戸か樺地が負けたってことじゃねーの?」
「ちょっとちょっと岳人やいっ! かばっちが負けるわけないでしょ!?」
「だったら宍戸だって負けるわけないって言えるけどなっ! ……いや、マジでそう思うぜ。正レギュラーが都大会で負けるなんてありえねーし……」
「せやなぁ。ジローが呼ばれたっちゅーことは誰かレギュラー落ちしたのかもしれへんな」
「えー? 俺、宍戸か樺ちゃんか跡部の代わりってこと!? うっわー! 絶対遅刻出来ないやつだCー!」
思ってもみなかった都大会の結果に周りは騒々しくなりつつある中、麻美は聞き慣れない言葉が気になったので隣の遥に声をかける。
「オイ、下僕。レギュラー落ちってどういうことだ?」
「ん? あぁ、ここはね、敗者切り捨てで負けた部員はレギュラーから外されちゃうんだ。結構厳しいんだよ」
「戦力外通告ってことか。まぁ、実力がない奴が上にいても仕方ないからな。そういう入れ替え式は嫌いじゃない」
「麻美って実力主義なとこあるもんね~」
うんうんと遥が頷くと、突然向日が「ああっ!!」と大きな声を上げた。
「なぁ、オイ! 今ネットで調べたんだけどよ、負けたの宍戸らしいぜ!」
スマートフォンを操作して試合の結果を確認したのであろう。そんな向日が慌てた様子で告げると、みんな彼のスマートフォンの画面へと覗き込んだ。
「不動峰……? 聞いたことあらへんなぁ」
「しかも彼1ゲームも取れてないまま負けてるね……」
「そんな……宍戸さん……」
「マジマジッ!? っつーことはさぁ! 宍戸がレギュラー落ちってことじゃん! 絶対にめちゃくちゃ凹んでるっしょ!?」
「あばばば、あの宍戸が0-6で負けるとは! 麻美さんや、こいつぁやべぇことになっちまいやしたぜ!」
「負ける方が悪いんだろ」
「ぴえん、冷たいっ」
そんな子に育てた覚えはないわ、と口にしながらよよよと泣く素振りを見せる遥にイラッとした麻美は一発殴っておくかと拳を作ったその時だった。
「先輩方、いつまで騒いでるんですか。さっささと帰らせてくださいよ」
不機嫌そうに声をかけたのは準レギュラーの日吉であった。
確かにまだ解散の号令もかけていないため、残された準レギュラー達は帰るに帰れない状態である。
「たかがレギュラー落ちくらいで……。宍戸さんが正レギュラーの器じゃなかっただけでしょう?」
「ひ、日吉っ! 宍戸さんにそんな言い方……」
「鳳。お前こそ敗者に情けをかけたりするなよな。みっともない」
鳳が宍戸を庇おうとするのが気に入らないのか、日吉が軽蔑するかのような目を彼に向ける。その威圧的な友人の視線に鳳は言葉を詰まらせてしまった。
そんな彼を見ていられなかったのか、麻美が鳳の前に立ち、宿敵とも呼べるような日吉へと鋭い目付きで睨む。
「相変わらず人の神経を逆撫でするような言葉ばっか吐きやがるな。毒キノコかよ」
「人と菌糸類の見分けのつかない人が何なんですか? 早く眼科に行くことをオススメしますけど。あぁ、それとも頭の方を診てもらうべきですかね?」
「あんたは本当に喧嘩ばっか売りやがるな。一度ぶん殴ってやろうか?」
「どうぞ。殴れるものなら、ですけど」
「よし、ぶっ飛ばす」
「はいはいはいはい! ストップストップーー!! 君達はすーぐ喧嘩するんだから!」
一触即発な麻美と日吉に待ったをかけたのは遥だった。
秋がいない今、この二人を止めることが出来る人間なんているのかと思われたが、まさかの遥が二人の間に入る。
「あたしは早く帰って録画したレジャーレンジャーを見なければいけないのだよ。これ以上帰るのが遅くなるのは困るからね! だからここは遥さんの可愛さに免じて麻美も日吉も許してはくれないだろうか!」
「「……」」
「あからさまに嫌そうな顔してるし!!」
「馬鹿のせいでやる気失せた」
「同感です」
「仲裁に入ったのに二人して酷いんだけど!?」
遥の思い描いていた反応ではなかったが、結果的には宥めることが出来たようなので遥以外のメンバーは大事にならずにすんで安心していた。
「芥川はいるか?」
「「監督っ!」」
テニス部顧問の榊太郎がその姿を現した。都大会に行くことなく、部活自体も少人数ゆえてっきり本日は顔を出さないと誰もが思っていたため驚きの声を上げる者も少なくない。
「あ、榊せんせーだ。ジローはここにいますよー!」
遥が手を振りながら芥川の場所を指差す。そこにはベンチの上で眠りに落ちる彼の姿があった。
榊は芥川の元へと向かい始めると、向日が慌てて眠りに耽ける男の頭を叩いて彼を起こしにかかる。
「オイ、ジロー起きろっ! 監督が呼んでんぞ!」
「んがっ! ……ん、ん~? かん、とく?」
重たげな目元を擦りながらゆっくり身体を起こした芥川は目の前に榊が立っていることに気付き、すぐに目を大きく見開かせた。
「あり? 監督?」
「芥川、跡部からの伝言だ。来週の5位決定戦に出場すること。いいな?」
「へ? あ、はぁーい!」
よく分からないが、試合に出ろということは理解出来た芥川は元気よく返事をした。しかし、他の者達は彼と違ってざわつき始める。
榊はそれ以上の詳細を口にすることなく「以上だ」と告げて去っていった。
「5位決定戦?」
榊の後ろ姿を見ながら麻美は腕を組み、彼の言葉の意味を聞くため近くのレギュラー達からの説明を待った。
「5位を決めるための試合、やな。それに通れば関東大会の出場権が決まるわけやねんけど……」
「え、つまりそれは……うちは負けたってことですか!?」
鳳がびっくりした様子で忍足に尋ねる。忍足自身も信じられなかったが、監督が芥川に5位決定戦に出場する話をしたのだから事実なのは間違いないと見た。
「まさか都大会で負けるなんて……例え準レギュラーが混ざって敗北したとしても正レギュラーがカバーする構成のはずなのに……」
深刻そうな表情の滝がぽつりと漏らす。それを聞いた麻美が躊躇することなく口にした。
「じゃあ、その正レギュラーがヘマをしたってことだな」
「えっ!? か、かかかかばっちじゃないよね!?」
「私が知るか」
「跡部はさすがに違うと思うけどよ……っつーことはやっぱ宍戸か樺地が負けたってことじゃねーの?」
「ちょっとちょっと岳人やいっ! かばっちが負けるわけないでしょ!?」
「だったら宍戸だって負けるわけないって言えるけどなっ! ……いや、マジでそう思うぜ。正レギュラーが都大会で負けるなんてありえねーし……」
「せやなぁ。ジローが呼ばれたっちゅーことは誰かレギュラー落ちしたのかもしれへんな」
「えー? 俺、宍戸か樺ちゃんか跡部の代わりってこと!? うっわー! 絶対遅刻出来ないやつだCー!」
思ってもみなかった都大会の結果に周りは騒々しくなりつつある中、麻美は聞き慣れない言葉が気になったので隣の遥に声をかける。
「オイ、下僕。レギュラー落ちってどういうことだ?」
「ん? あぁ、ここはね、敗者切り捨てで負けた部員はレギュラーから外されちゃうんだ。結構厳しいんだよ」
「戦力外通告ってことか。まぁ、実力がない奴が上にいても仕方ないからな。そういう入れ替え式は嫌いじゃない」
「麻美って実力主義なとこあるもんね~」
うんうんと遥が頷くと、突然向日が「ああっ!!」と大きな声を上げた。
「なぁ、オイ! 今ネットで調べたんだけどよ、負けたの宍戸らしいぜ!」
スマートフォンを操作して試合の結果を確認したのであろう。そんな向日が慌てた様子で告げると、みんな彼のスマートフォンの画面へと覗き込んだ。
「不動峰……? 聞いたことあらへんなぁ」
「しかも彼1ゲームも取れてないまま負けてるね……」
「そんな……宍戸さん……」
「マジマジッ!? っつーことはさぁ! 宍戸がレギュラー落ちってことじゃん! 絶対にめちゃくちゃ凹んでるっしょ!?」
「あばばば、あの宍戸が0-6で負けるとは! 麻美さんや、こいつぁやべぇことになっちまいやしたぜ!」
「負ける方が悪いんだろ」
「ぴえん、冷たいっ」
そんな子に育てた覚えはないわ、と口にしながらよよよと泣く素振りを見せる遥にイラッとした麻美は一発殴っておくかと拳を作ったその時だった。
「先輩方、いつまで騒いでるんですか。さっささと帰らせてくださいよ」
不機嫌そうに声をかけたのは準レギュラーの日吉であった。
確かにまだ解散の号令もかけていないため、残された準レギュラー達は帰るに帰れない状態である。
「たかがレギュラー落ちくらいで……。宍戸さんが正レギュラーの器じゃなかっただけでしょう?」
「ひ、日吉っ! 宍戸さんにそんな言い方……」
「鳳。お前こそ敗者に情けをかけたりするなよな。みっともない」
鳳が宍戸を庇おうとするのが気に入らないのか、日吉が軽蔑するかのような目を彼に向ける。その威圧的な友人の視線に鳳は言葉を詰まらせてしまった。
そんな彼を見ていられなかったのか、麻美が鳳の前に立ち、宿敵とも呼べるような日吉へと鋭い目付きで睨む。
「相変わらず人の神経を逆撫でするような言葉ばっか吐きやがるな。毒キノコかよ」
「人と菌糸類の見分けのつかない人が何なんですか? 早く眼科に行くことをオススメしますけど。あぁ、それとも頭の方を診てもらうべきですかね?」
「あんたは本当に喧嘩ばっか売りやがるな。一度ぶん殴ってやろうか?」
「どうぞ。殴れるものなら、ですけど」
「よし、ぶっ飛ばす」
「はいはいはいはい! ストップストップーー!! 君達はすーぐ喧嘩するんだから!」
一触即発な麻美と日吉に待ったをかけたのは遥だった。
秋がいない今、この二人を止めることが出来る人間なんているのかと思われたが、まさかの遥が二人の間に入る。
「あたしは早く帰って録画したレジャーレンジャーを見なければいけないのだよ。これ以上帰るのが遅くなるのは困るからね! だからここは遥さんの可愛さに免じて麻美も日吉も許してはくれないだろうか!」
「「……」」
「あからさまに嫌そうな顔してるし!!」
「馬鹿のせいでやる気失せた」
「同感です」
「仲裁に入ったのに二人して酷いんだけど!?」
遥の思い描いていた反応ではなかったが、結果的には宥めることが出来たようなので遥以外のメンバーは大事にならずにすんで安心していた。