自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ダークホースとの対戦
主人公名前変換
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都大会当日。会場には氷帝男子テニス部の正レギュラーである跡部、樺地、宍戸。跡部によって選ばれた準レギュラーの一員。応援要員の平部員。そしてマネージャーの秋がその地に着いた。
他校に比べると多人数だけあって周囲からの注目の的である。
シード校であるため3回戦からの参戦となる氷帝は実質初戦となる越智南川との試合コートへ向かっていた。
「……ねぇ、跡部。こんなに部員を連れてきたらちょっと威圧すぎるんじゃない?」
「ルール違反じゃねーからいいんだよ。黙って着いてきな。こういうのは静かに堂々と歩くのが風格あるってもんだぜ」
(……そういうものなのかな)
軽く溜め息をつき、周りの視線を気にしながらも秋は彼らに続いた。
今頃学校では大会に来ていない正レギュラーと残りの準レギュラーがマネージャーである麻美と遥と共に励んでいるのだろうと考えながら。
3回戦、4回戦、共に第1試合から負けなしの氷帝。ほとんどが圧勝だったため、秋はようやく公式試合を見て氷帝の強さを目の当たりにした。
それだけじゃなく試合時間について跡部と宍戸が軽口を叩き合うくらいの余裕を見せつけられ、緊張感がないなぁとどこか思う。
ただひとつ、秋には気になることがあった。
「ねぇ、跡部……試合中に部員達がぐるっと囲んで応援するのってどうなの……?」
「あーん? いいじゃねーの。これが名物でもある氷帝コールだ」
試合コートを囲むフェンス越しにはどの試合もしっかりテニス部員が応援コールを上げていた。全方位、どこから見てもである。
こういう場合は大体チーム側にいる方で応援するものだと思っていた秋にとっては驚きを隠せなかった。
まるで相手の学校にプレッシャーをかけるほどの応援。数の暴力といったところか。
もちろん相手側の応援もいるし、その場所を取るような真似はしないだけ幸いだろう。とはいえ相手の声援もかき消すほどの人数が氷帝には在籍しているで対戦相手の応援も次第に声が小さくなるのだった。
「でも、あれだと相手側が萎縮しちゃうんじゃない?」
「あれくらいで萎縮して実力も出せねぇようじゃ俺達に適うわけねぇだろ」
(強敵ならこれくらい何ともないってことなのかな)
応援なので妨害ではないと言えばそうなのだが、部員が多いからこそ出来る芸当である。初めて見る氷帝名物に秋は戸惑いながらも慣れることに努めた。
そして次は準々決勝……だったのだが、試合に使うコートがまだ試合中なため、すぐに試合する状況ではないので空くまで観戦することになった。
試合している学校は青春学園対聖ルドルフ。別の学校の試合を観戦するとは思っていなかった秋だったが、どの学校も氷帝とはまた違う特色を持っていて、試合を見る限りただ体力と技術があればいいというものではなかった。
今、秋達が観戦しているのは第4試合である不二対観月の試合。
データテニスを駆使する観月のテニスはあっという間に不二を追い詰めていくので、豊富な知識もテニスの武器になるということを知り、秋はまたひとつ勉強になった。
しかし、流れは変わった。全てが不二が仕掛けた罠だということを後に知る。弱点だと思い打ち込んだ場所は全て不二の得意コース。
追い詰めていたはずの観月が逆に追い詰められていて先ほどまでは勝利を確信していた彼の表情は見る見るうちに焦りへと変わっていった。
「さすがだ、不二周助。相変わらずスキがねぇ。よく見とけ樺地!」
「ウス……」
「ぶざまだねぇ、アイツ」
正レギュラー三人も二人の試合を眺めながら最後の試合を見届けた。
「……実力がないといくらなんでも0-5から逆転勝ちするのは難しいよね」
「天才不二の弱点を掴めたと思ってるのがもう間違いなんだよ。そう簡単に弱点を打ち込めるなら奴は天才とは呼ばれてねぇ」
「あの人が青春学園の天才……一番強いの?」
「いや、あいつは青学No.2だな。強ぇのは部長である手塚国光だ」
「へー。私の従兄妹と一緒の名前だよ」
秋が続けて珍しいこともあるもんだねと口にするが、跡部達はまるで時間が止まったかのように言葉を失った。
「……今、従兄妹って言ったか?」
「うん。従兄弟がいるよ。違う学校だから親戚の集まりとかじゃないと会わないんだけどね」
「いくつだ?」
「同じだよ。中学三年生」
「……おい、跡部。俺は初耳だぜ」
「俺もだ……」
「ウス」
「九条。手塚国光なんて同姓同名そうそういるわけじゃねぇぞ」
「……えっ?」
そこでようやく秋は同姓同名の別人物ではなく本人だということに気が付く。
はぁ、と軽く溜め息を吐いた跡部が指を差した。
「あれを見な。あそこに居るのが手塚国光だ」
「……! 国光っ!」
跡部の指差す先を追うと、そこには秋の見知った人物が立っていた。その者こそ間違いなく手塚国光。秋の言う従兄妹にあたる相手だ。
「国光……テニス部だったんだ」
「なんだ、知らなかったのか。奴は全国区レベルの男だぜ」
「そうだったんだね。私が部活に入っていなかったから今までそんな話をしたことなかったなぁ。凄いね、国光っ」
(従兄妹とはいえ国光呼びをする女子はなかなかいねぇよな……)
本日一番のビッグニュースと言っても過言ではない事実に宍戸も世間は狭いなと思わずにはいられなかった。
他校に比べると多人数だけあって周囲からの注目の的である。
シード校であるため3回戦からの参戦となる氷帝は実質初戦となる越智南川との試合コートへ向かっていた。
「……ねぇ、跡部。こんなに部員を連れてきたらちょっと威圧すぎるんじゃない?」
「ルール違反じゃねーからいいんだよ。黙って着いてきな。こういうのは静かに堂々と歩くのが風格あるってもんだぜ」
(……そういうものなのかな)
軽く溜め息をつき、周りの視線を気にしながらも秋は彼らに続いた。
今頃学校では大会に来ていない正レギュラーと残りの準レギュラーがマネージャーである麻美と遥と共に励んでいるのだろうと考えながら。
3回戦、4回戦、共に第1試合から負けなしの氷帝。ほとんどが圧勝だったため、秋はようやく公式試合を見て氷帝の強さを目の当たりにした。
それだけじゃなく試合時間について跡部と宍戸が軽口を叩き合うくらいの余裕を見せつけられ、緊張感がないなぁとどこか思う。
ただひとつ、秋には気になることがあった。
「ねぇ、跡部……試合中に部員達がぐるっと囲んで応援するのってどうなの……?」
「あーん? いいじゃねーの。これが名物でもある氷帝コールだ」
試合コートを囲むフェンス越しにはどの試合もしっかりテニス部員が応援コールを上げていた。全方位、どこから見てもである。
こういう場合は大体チーム側にいる方で応援するものだと思っていた秋にとっては驚きを隠せなかった。
まるで相手の学校にプレッシャーをかけるほどの応援。数の暴力といったところか。
もちろん相手側の応援もいるし、その場所を取るような真似はしないだけ幸いだろう。とはいえ相手の声援もかき消すほどの人数が氷帝には在籍しているで対戦相手の応援も次第に声が小さくなるのだった。
「でも、あれだと相手側が萎縮しちゃうんじゃない?」
「あれくらいで萎縮して実力も出せねぇようじゃ俺達に適うわけねぇだろ」
(強敵ならこれくらい何ともないってことなのかな)
応援なので妨害ではないと言えばそうなのだが、部員が多いからこそ出来る芸当である。初めて見る氷帝名物に秋は戸惑いながらも慣れることに努めた。
そして次は準々決勝……だったのだが、試合に使うコートがまだ試合中なため、すぐに試合する状況ではないので空くまで観戦することになった。
試合している学校は青春学園対聖ルドルフ。別の学校の試合を観戦するとは思っていなかった秋だったが、どの学校も氷帝とはまた違う特色を持っていて、試合を見る限りただ体力と技術があればいいというものではなかった。
今、秋達が観戦しているのは第4試合である不二対観月の試合。
データテニスを駆使する観月のテニスはあっという間に不二を追い詰めていくので、豊富な知識もテニスの武器になるということを知り、秋はまたひとつ勉強になった。
しかし、流れは変わった。全てが不二が仕掛けた罠だということを後に知る。弱点だと思い打ち込んだ場所は全て不二の得意コース。
追い詰めていたはずの観月が逆に追い詰められていて先ほどまでは勝利を確信していた彼の表情は見る見るうちに焦りへと変わっていった。
「さすがだ、不二周助。相変わらずスキがねぇ。よく見とけ樺地!」
「ウス……」
「ぶざまだねぇ、アイツ」
正レギュラー三人も二人の試合を眺めながら最後の試合を見届けた。
「……実力がないといくらなんでも0-5から逆転勝ちするのは難しいよね」
「天才不二の弱点を掴めたと思ってるのがもう間違いなんだよ。そう簡単に弱点を打ち込めるなら奴は天才とは呼ばれてねぇ」
「あの人が青春学園の天才……一番強いの?」
「いや、あいつは青学No.2だな。強ぇのは部長である手塚国光だ」
「へー。私の従兄妹と一緒の名前だよ」
秋が続けて珍しいこともあるもんだねと口にするが、跡部達はまるで時間が止まったかのように言葉を失った。
「……今、従兄妹って言ったか?」
「うん。従兄弟がいるよ。違う学校だから親戚の集まりとかじゃないと会わないんだけどね」
「いくつだ?」
「同じだよ。中学三年生」
「……おい、跡部。俺は初耳だぜ」
「俺もだ……」
「ウス」
「九条。手塚国光なんて同姓同名そうそういるわけじゃねぇぞ」
「……えっ?」
そこでようやく秋は同姓同名の別人物ではなく本人だということに気が付く。
はぁ、と軽く溜め息を吐いた跡部が指を差した。
「あれを見な。あそこに居るのが手塚国光だ」
「……! 国光っ!」
跡部の指差す先を追うと、そこには秋の見知った人物が立っていた。その者こそ間違いなく手塚国光。秋の言う従兄妹にあたる相手だ。
「国光……テニス部だったんだ」
「なんだ、知らなかったのか。奴は全国区レベルの男だぜ」
「そうだったんだね。私が部活に入っていなかったから今までそんな話をしたことなかったなぁ。凄いね、国光っ」
(従兄妹とはいえ国光呼びをする女子はなかなかいねぇよな……)
本日一番のビッグニュースと言っても過言ではない事実に宍戸も世間は狭いなと思わずにはいられなかった。