自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
大会前の休日
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
休日明け、先週行われたテストの返却がされた。全てのテスト結果を確認した宍戸は込み上げる感情を抑えながらも急いで部活へと走る。
「おらぁ! 跡部! 俺はちゃんとやり遂げたぜ!!」
跡部が号令をかける前、テニスコートには他の部員が部長の指示待ちで集まっている中、宍戸が答案用紙を跡部に見せつけた。
そこには全て90点以上を叩き出したテスト結果。レギュラー達も覗き込むよう確認すると、すぐにワッと湧き上がった。
「宍戸すっげー! 全部90点以上じゃん! すっばらC~!」
「ほんまやな。やるやん、宍戸」
「くそくそっ、俺より上の点取んなよなっ」
「やるねー、宍戸」
「凄いです宍戸さん!」
「ウス」
歓声を上げるメンバーの声に宍戸も誇らしく思いながらもドヤ顔を決める。
マネージャー達も宍戸のテスト結果を見てそれぞれ反応した。
「ぴえん、あたしよりめちゃくちゃいい点取ってる! ジェラシー!」
「不正じゃないだろうな?」
「さすがにそれはないよ。宍戸、毎日テスト勉強頑張ってたし、その結果が現れたんだから」
秋が一番喜んでいる様子だった。何度か彼に勉強を見ていたこともあり、その成果が出て手伝った彼女も自分のことのように嬉しくて仕方ない。
「ハンッ。全教科70点以上を取らなきゃ部活停止ってとこまで追い込まれてから努力するのは遅せぇが、それ以上の結果を残すのは悪いことじゃねぇな」
「素直に俺の実力を認めろっつーの!」
「お前だけの力じゃないだろ。手伝った人間もそれなりにいたんじゃねーのか?」
「それでもこの結果を出したのは俺なんだよっ!」
「だったらもう少し協力した奴らに感謝することだな。過信はすんじゃねーぞ」
「……っち。んだよ、もっと褒めろっつーの」
周りは賞賛の声が多い中、跡部からはそのような言葉をかけられることはなく宍戸は舌打ちをしてぼやいた。
「あーん? 元はと言えば部活停止案を出されるまで勉学をサボったお前のせいだろうが」
「うるせーよ! 挽回したからいいだろうがっ」
「ったく、仕方ねーな。じゃあ、次の都大会はお前を連れて行く」
「はあ? 都大会レベルで俺が満足出来るわけねーだろっ」
「だったら結果で示せ。無論敗北は許さねーからな。━━っつーわけだ。今度の都大会、正レギュラーは俺と樺地、宍戸で決まりだ。他は俺様が直々に声をかける。分かったな?」
「「はいっ!!」」
部員達が大きな声で返事をする。都大会出場選手はそろそろ決定されようとしていた。
そんな中、麻美が訝しげな表情で跡部に疑問をぶつける。
「おい。なんで正レギュラー全員で挑まないんだよ」
「正レギュラー全員を出すのは関東大会からだ」
「都大会はすでに勝ち抜けるって分かりきってるってか? ベストメンバーを揃えずに試合に臨むとは凄い自信だな?」
「いつものことだ。都大会は正レギュラーの体力温存と準レギュラーのモチベーションを上げるためにも公式試合には出してやらねぇとな」
「負けてもしらんぞ」
「都大会程度では負けねぇよ。少なくとも正レギュラーはな」
自信満々に答える跡部に麻美はフンと鼻を鳴らして「そうかよ」と適当に相槌を打った。
「まぁ、うちはシード校だし都大会優勝候補でもあるからね~」
「遥、詳しいね」
「萩から聞いたのだ」
えっへんと自慢げに語る遥に秋はなるほどと彼女の幼馴染みに目を向けると、滝はにっこりと微笑んでいた。
「私がマネージャーとして在籍してるんだから都大会敗退にだけはなるなよ。それでマネージャーのせいだなんて言われたらぶん殴るからな」
「ったり前だろうよ。試合結果にマネージャーは関係ねぇ。それで責めるような奴がいたら俺が対応する。だからお前一人で解決しようとするな。いいな?」
念を入れるように麻美に釘を刺す跡部。麻美は溜め息を吐きながら面倒そうにうんうんと投げやりに頷いた。
「いやぁ、楽しみだなぁ。かばっちの試合が見れるんだもんね!」
「西成。お前達マネージャーは都大会中も部活に専念しろ。他の部員達は大会中だろうと練習に費やしてもらうんだからな」
「な、ななななんだってーー!? そんな殺生な! かばっちの活躍くらい見せてくれてもいいじゃん! それにマネージャーの一人くらい連れてっても問題ないでしょーー!!」
都大会の応援を許してくれないキングに遥は何とか同行しようと頼み込む。一人くらいなら! と声を上げる遥に跡部は腕を組んだまま少し悩む素振りを見せた。
「一人か。まぁ、会場の雰囲気や場所を知るいい機会かもしれねぇし、一人くらい構わねぇか」
「跡部……!」
「九条! 都大会はお前も来い」
「な・ん・で・だ・よ!!」
今の流れはどう考えてもあたしでしょ!? せっかく感激したとこだったのに!
そう喚く遥だったが、跡部に指名された秋も同じように驚きながら再度彼に確認する。
「えっ? 私?」
「お前なら色々と安心だからな」
「でも、麻美と遥を残しても大丈夫かな……」
「ほとんどの部員はマネージャーを受け入れてる。少々心配事がないわけではないが、大丈夫だろ。他の正レギュラーに任せる」
「任しとき跡部。俺が遥の面倒を見とったるで」
「はははは背後に立つでないっ!!」
どこか機嫌の良さそうな忍足がすかさず遥の後ろに立って彼女の肩を優しく掴む。瞬間びゃっ! と身体が飛び跳ねる遥は声を震わせながら拒絶した。
そんな様子を見た跡部はしばらく黙ったのち「頼むぜ」と心にもない言葉を返す。
「まぁ、別に部長がいなくとも私がこいつらをビシバシしごいてやるから心配する必要はないけど」
(それが心配なんだっつーの!)
口にはしないが麻美の言い分に納得出来なかった向日。絶対に無理難題のとんでもないことを言い出すのではないか今から心配になる。
そう思うのは何も彼だけではなかった。準レギュラーの一部も同じことを思っていたのか顔に出ていたため、跡部は助け船を出す。
「練習メニューは予め俺が決めておく」
「っち。つまんねぇ」
「あからさまな顔をすんじゃねぇ。お前はあくまで補助的な役割をこなしてくれりゃいいんだよ」
「あ、そ」
ひとまず麻美がめちゃくちゃな指示を出すようなことにならずにすみそうだったので多くの者は安堵の溜め息をつく。
こうして氷帝の全国制覇を挑む戦いが始まろうとしていた。
「おらぁ! 跡部! 俺はちゃんとやり遂げたぜ!!」
跡部が号令をかける前、テニスコートには他の部員が部長の指示待ちで集まっている中、宍戸が答案用紙を跡部に見せつけた。
そこには全て90点以上を叩き出したテスト結果。レギュラー達も覗き込むよう確認すると、すぐにワッと湧き上がった。
「宍戸すっげー! 全部90点以上じゃん! すっばらC~!」
「ほんまやな。やるやん、宍戸」
「くそくそっ、俺より上の点取んなよなっ」
「やるねー、宍戸」
「凄いです宍戸さん!」
「ウス」
歓声を上げるメンバーの声に宍戸も誇らしく思いながらもドヤ顔を決める。
マネージャー達も宍戸のテスト結果を見てそれぞれ反応した。
「ぴえん、あたしよりめちゃくちゃいい点取ってる! ジェラシー!」
「不正じゃないだろうな?」
「さすがにそれはないよ。宍戸、毎日テスト勉強頑張ってたし、その結果が現れたんだから」
秋が一番喜んでいる様子だった。何度か彼に勉強を見ていたこともあり、その成果が出て手伝った彼女も自分のことのように嬉しくて仕方ない。
「ハンッ。全教科70点以上を取らなきゃ部活停止ってとこまで追い込まれてから努力するのは遅せぇが、それ以上の結果を残すのは悪いことじゃねぇな」
「素直に俺の実力を認めろっつーの!」
「お前だけの力じゃないだろ。手伝った人間もそれなりにいたんじゃねーのか?」
「それでもこの結果を出したのは俺なんだよっ!」
「だったらもう少し協力した奴らに感謝することだな。過信はすんじゃねーぞ」
「……っち。んだよ、もっと褒めろっつーの」
周りは賞賛の声が多い中、跡部からはそのような言葉をかけられることはなく宍戸は舌打ちをしてぼやいた。
「あーん? 元はと言えば部活停止案を出されるまで勉学をサボったお前のせいだろうが」
「うるせーよ! 挽回したからいいだろうがっ」
「ったく、仕方ねーな。じゃあ、次の都大会はお前を連れて行く」
「はあ? 都大会レベルで俺が満足出来るわけねーだろっ」
「だったら結果で示せ。無論敗北は許さねーからな。━━っつーわけだ。今度の都大会、正レギュラーは俺と樺地、宍戸で決まりだ。他は俺様が直々に声をかける。分かったな?」
「「はいっ!!」」
部員達が大きな声で返事をする。都大会出場選手はそろそろ決定されようとしていた。
そんな中、麻美が訝しげな表情で跡部に疑問をぶつける。
「おい。なんで正レギュラー全員で挑まないんだよ」
「正レギュラー全員を出すのは関東大会からだ」
「都大会はすでに勝ち抜けるって分かりきってるってか? ベストメンバーを揃えずに試合に臨むとは凄い自信だな?」
「いつものことだ。都大会は正レギュラーの体力温存と準レギュラーのモチベーションを上げるためにも公式試合には出してやらねぇとな」
「負けてもしらんぞ」
「都大会程度では負けねぇよ。少なくとも正レギュラーはな」
自信満々に答える跡部に麻美はフンと鼻を鳴らして「そうかよ」と適当に相槌を打った。
「まぁ、うちはシード校だし都大会優勝候補でもあるからね~」
「遥、詳しいね」
「萩から聞いたのだ」
えっへんと自慢げに語る遥に秋はなるほどと彼女の幼馴染みに目を向けると、滝はにっこりと微笑んでいた。
「私がマネージャーとして在籍してるんだから都大会敗退にだけはなるなよ。それでマネージャーのせいだなんて言われたらぶん殴るからな」
「ったり前だろうよ。試合結果にマネージャーは関係ねぇ。それで責めるような奴がいたら俺が対応する。だからお前一人で解決しようとするな。いいな?」
念を入れるように麻美に釘を刺す跡部。麻美は溜め息を吐きながら面倒そうにうんうんと投げやりに頷いた。
「いやぁ、楽しみだなぁ。かばっちの試合が見れるんだもんね!」
「西成。お前達マネージャーは都大会中も部活に専念しろ。他の部員達は大会中だろうと練習に費やしてもらうんだからな」
「な、ななななんだってーー!? そんな殺生な! かばっちの活躍くらい見せてくれてもいいじゃん! それにマネージャーの一人くらい連れてっても問題ないでしょーー!!」
都大会の応援を許してくれないキングに遥は何とか同行しようと頼み込む。一人くらいなら! と声を上げる遥に跡部は腕を組んだまま少し悩む素振りを見せた。
「一人か。まぁ、会場の雰囲気や場所を知るいい機会かもしれねぇし、一人くらい構わねぇか」
「跡部……!」
「九条! 都大会はお前も来い」
「な・ん・で・だ・よ!!」
今の流れはどう考えてもあたしでしょ!? せっかく感激したとこだったのに!
そう喚く遥だったが、跡部に指名された秋も同じように驚きながら再度彼に確認する。
「えっ? 私?」
「お前なら色々と安心だからな」
「でも、麻美と遥を残しても大丈夫かな……」
「ほとんどの部員はマネージャーを受け入れてる。少々心配事がないわけではないが、大丈夫だろ。他の正レギュラーに任せる」
「任しとき跡部。俺が遥の面倒を見とったるで」
「はははは背後に立つでないっ!!」
どこか機嫌の良さそうな忍足がすかさず遥の後ろに立って彼女の肩を優しく掴む。瞬間びゃっ! と身体が飛び跳ねる遥は声を震わせながら拒絶した。
そんな様子を見た跡部はしばらく黙ったのち「頼むぜ」と心にもない言葉を返す。
「まぁ、別に部長がいなくとも私がこいつらをビシバシしごいてやるから心配する必要はないけど」
(それが心配なんだっつーの!)
口にはしないが麻美の言い分に納得出来なかった向日。絶対に無理難題のとんでもないことを言い出すのではないか今から心配になる。
そう思うのは何も彼だけではなかった。準レギュラーの一部も同じことを思っていたのか顔に出ていたため、跡部は助け船を出す。
「練習メニューは予め俺が決めておく」
「っち。つまんねぇ」
「あからさまな顔をすんじゃねぇ。お前はあくまで補助的な役割をこなしてくれりゃいいんだよ」
「あ、そ」
ひとまず麻美がめちゃくちゃな指示を出すようなことにならずにすみそうだったので多くの者は安堵の溜め息をつく。
こうして氷帝の全国制覇を挑む戦いが始まろうとしていた。