自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
始まりはマネージャー勧誘
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「赤宮麻美。話がある」
放課後。三年H組のクラスへと足を運んだ跡部はそのまま麻美の座る席の前に立ち、口を開いた。
彼が通るだけで女子は黄色い悲鳴を上げ、立っているだけで全ての視線を奪うほどのカリスマ性を持つ跡部が問題児と言っても過言ではない麻美に用件があって声をかけるだけでクラスはざわつき始める。
ちらりと麻美と同じクラスの忍足へ目を向ければ彼は口元を緩ませながらうんうんと頷いた。
忍足は目的とする遥の勧誘に成功したということを意味する。
それを理解した跡部は小さくフッと笑い、再び麻美へと視線を戻せば目の前の彼女は眉を寄せながらあからさまに不機嫌なオーラを漂わせた。
「私にはない」
「俺にはある。お前に関することだ。絶対にこの話を耳に入れないと後々面倒なことになるぜ」
「っち。手短に済ませろ」
嫌だ断ると駄々を捏ねることも可能ではあるが麻美にとって跡部は面倒臭い存在である。
睨んでも凄んでも怯える所か口端を上げて笑うほどの余裕があるので、何度突っぱねても相手の用件が終わらない限り諦めないのでさっさと話を聞いた方が早いということを麻美は学習していた。
二年のとき、麻美と跡部は同じクラスだったため、互いに相手がどんな性格かは理解していた。
麻美に話しかけることすら重荷になる他のクラスメイトの代理として跡部がよく引き受けていたから跡部からするとなんてことないこと。
「話が早くて助かる。悪いが場所を変えるぜ」
「は? 面倒なんだけど。今ここで話せばいいだろ」
「クラスが騒々しくなる。お前はそういうのは嫌いだろうが」
「分かったような口ばかり聞きやがって」
イラッとしながらもそれでも跡部に従うように席を立つ麻美は彼のあとに続いて教室を出た。
いまだ教室内はざわついたままで、あちこちから「跡部様大丈夫かしら」や「跡部ボコられねぇ?」と心配の声が上がる。
(逆に跡部がボコられるとこ想像出来へんわ)
跡部が麻美を連れて歩いているだけで廊下も騒々しくなる。
「跡部様がどうして赤宮さんと一緒に……?」
「あの二人の組み合わせなんて珍しいじゃん」
そんな声がヒソヒソと聞こえてくるため、麻美は鬱陶しいと言わんばかりにガンをつけると、他の生徒達は恐怖のあまり一斉に口を閉じた。
そんな二人のあとを付ける度胸ある者もその場にはいないため、麻美と跡部は難なく静かに話が出来る場所へと移動を済ませた。
「で、わざわざここまで呼びつけてなんの用なわけ?」
場所は理科室。なんでこんな所まで足を運ばなきゃいけないんだと思いつつ、誰もいない静けさはまだ過ごしやすいと感じた麻美は早速跡部から用件を聞き出した。
「手短に済ませろと言ったから単刀直入に言う。赤宮麻美、うちのマネージャーになれ」
「は? 断る」
そう告げると話を終えたつもりの麻美は理科室を出ようとするが、跡部に手を掴まれ阻止される。
「まだ話は終わってねぇ」
「私は終わった」
「相変わらずせっかちな奴だ。いいから聞け」
腕を引っ張られ、扉から二歩ほど遠ざかった麻美は舌打ちをしながら荒々しく腕を振り解いた。
「赤宮。氷帝学園の基本教育理念は知ってるか?」
「自学自尊。だからなんだ?」
「お前は勉学は出来る生徒だ。授業態度も悪くはない。しかし、生活態度は問題がある」
「何が言いたいわけ?」
「自尊があまりにも高すぎるんだよ。幸い、自分から手を出すことは少ないからあまりお咎めを受けないが、このままだとお前の内申に響かざるを得ないと教師が頭を抱えてる」
「ハッ。しおらしくしろって言いたいのか。今更だろ。内申如きでごちゃごちゃと……」
「もちろん、今すぐに態度を改めろとは言わねぇ。救済処置を与えようとしてんだよ」
「……救済処置?」
眉間に皺を寄せる麻美の前に跡部はポケットから一枚の折り畳まれた用紙を取り出して、それを開いて見せた。
そこには入部届けと書かれている。
「マネージャーという奉仕活動をすれば多少なりともお前の評価が上がるわけだ」
「……」
実は内申のことも事実ではあるが、本来の目的は奉仕活動を通じて少しでも凶暴性を抑えることが出来ればいいと一種の道徳授業として教師達は考えていた。
しかし、跡部と入部届けを見た麻美は溜め息を吐き捨てる。
「微々たる内申点欲しさに私がマネージャーなんかやると思ってんの? 大きく評価されるのは勉学だろ。それ以外は別に好きにすればいい」
馬鹿馬鹿しい。そう呟いて今度こそ理科室から出て行こうと扉に手をかけたとき、跡部はにやりと笑いながら最終兵器とも言える情報を口にした。
「九条秋と西成遥が同じマネージャーになると言ってもか?」
「……は?」
ぴたり、と動きが止まった麻美は再び跡部へと振り返り、目つきを鋭くさせる。
それもそのはず。麻美にとって秋と遥だけは友人とも呼べる存在。
多少口うるさい秋とはそれなりにいい関係を築いているけど、遥に対しては邪険に扱い、友人とは思いたくはない気持ちがあるがある意味腐れ縁でもある。
「どういうことだ?」
「どうもこうもそういう意味だ。うちの部は部員が多いからな。マネージャーは一人じゃ足らないからレギュラー達と相談して勧誘することに決めたんだよ。それで誘ったのが九条と西成だ」
「人質かよ」
「人質とは人聞き悪いな。無理やりやらせるわけじゃねぇ。ちゃんと許可は出てる」
まぁ、麻美がいなければあとの二人も正式に入部とはまではいかないが、と思う跡部ではあったが、目の前の頑固者は悩む表情を見せていた。
「……扱き使うんじゃないだろうな?」
「マネージャーなんだからそれなりに働いてはもらうぜ。三人いりゃマシになるだろうが、お前が入部しないなら二人になるし、その分苦労するだろうな?」
そこまで言われたら人質となんら変わりないだろうがと考える麻美は暫く悩み抜いたあと小さく舌打ちした。
「入部してやる。私があんたらを扱き使ってやるからな」
「そいつは楽しみだな。じゃあ、早速記入してもらおうか」
近くにあった机に入部届け用紙を置くと、麻美はペンを取り出して必要事項の記入をする。
こうして、氷帝学園男子テニス部に女子マネージャーが三人誕生した。
放課後。三年H組のクラスへと足を運んだ跡部はそのまま麻美の座る席の前に立ち、口を開いた。
彼が通るだけで女子は黄色い悲鳴を上げ、立っているだけで全ての視線を奪うほどのカリスマ性を持つ跡部が問題児と言っても過言ではない麻美に用件があって声をかけるだけでクラスはざわつき始める。
ちらりと麻美と同じクラスの忍足へ目を向ければ彼は口元を緩ませながらうんうんと頷いた。
忍足は目的とする遥の勧誘に成功したということを意味する。
それを理解した跡部は小さくフッと笑い、再び麻美へと視線を戻せば目の前の彼女は眉を寄せながらあからさまに不機嫌なオーラを漂わせた。
「私にはない」
「俺にはある。お前に関することだ。絶対にこの話を耳に入れないと後々面倒なことになるぜ」
「っち。手短に済ませろ」
嫌だ断ると駄々を捏ねることも可能ではあるが麻美にとって跡部は面倒臭い存在である。
睨んでも凄んでも怯える所か口端を上げて笑うほどの余裕があるので、何度突っぱねても相手の用件が終わらない限り諦めないのでさっさと話を聞いた方が早いということを麻美は学習していた。
二年のとき、麻美と跡部は同じクラスだったため、互いに相手がどんな性格かは理解していた。
麻美に話しかけることすら重荷になる他のクラスメイトの代理として跡部がよく引き受けていたから跡部からするとなんてことないこと。
「話が早くて助かる。悪いが場所を変えるぜ」
「は? 面倒なんだけど。今ここで話せばいいだろ」
「クラスが騒々しくなる。お前はそういうのは嫌いだろうが」
「分かったような口ばかり聞きやがって」
イラッとしながらもそれでも跡部に従うように席を立つ麻美は彼のあとに続いて教室を出た。
いまだ教室内はざわついたままで、あちこちから「跡部様大丈夫かしら」や「跡部ボコられねぇ?」と心配の声が上がる。
(逆に跡部がボコられるとこ想像出来へんわ)
跡部が麻美を連れて歩いているだけで廊下も騒々しくなる。
「跡部様がどうして赤宮さんと一緒に……?」
「あの二人の組み合わせなんて珍しいじゃん」
そんな声がヒソヒソと聞こえてくるため、麻美は鬱陶しいと言わんばかりにガンをつけると、他の生徒達は恐怖のあまり一斉に口を閉じた。
そんな二人のあとを付ける度胸ある者もその場にはいないため、麻美と跡部は難なく静かに話が出来る場所へと移動を済ませた。
「で、わざわざここまで呼びつけてなんの用なわけ?」
場所は理科室。なんでこんな所まで足を運ばなきゃいけないんだと思いつつ、誰もいない静けさはまだ過ごしやすいと感じた麻美は早速跡部から用件を聞き出した。
「手短に済ませろと言ったから単刀直入に言う。赤宮麻美、うちのマネージャーになれ」
「は? 断る」
そう告げると話を終えたつもりの麻美は理科室を出ようとするが、跡部に手を掴まれ阻止される。
「まだ話は終わってねぇ」
「私は終わった」
「相変わらずせっかちな奴だ。いいから聞け」
腕を引っ張られ、扉から二歩ほど遠ざかった麻美は舌打ちをしながら荒々しく腕を振り解いた。
「赤宮。氷帝学園の基本教育理念は知ってるか?」
「自学自尊。だからなんだ?」
「お前は勉学は出来る生徒だ。授業態度も悪くはない。しかし、生活態度は問題がある」
「何が言いたいわけ?」
「自尊があまりにも高すぎるんだよ。幸い、自分から手を出すことは少ないからあまりお咎めを受けないが、このままだとお前の内申に響かざるを得ないと教師が頭を抱えてる」
「ハッ。しおらしくしろって言いたいのか。今更だろ。内申如きでごちゃごちゃと……」
「もちろん、今すぐに態度を改めろとは言わねぇ。救済処置を与えようとしてんだよ」
「……救済処置?」
眉間に皺を寄せる麻美の前に跡部はポケットから一枚の折り畳まれた用紙を取り出して、それを開いて見せた。
そこには入部届けと書かれている。
「マネージャーという奉仕活動をすれば多少なりともお前の評価が上がるわけだ」
「……」
実は内申のことも事実ではあるが、本来の目的は奉仕活動を通じて少しでも凶暴性を抑えることが出来ればいいと一種の道徳授業として教師達は考えていた。
しかし、跡部と入部届けを見た麻美は溜め息を吐き捨てる。
「微々たる内申点欲しさに私がマネージャーなんかやると思ってんの? 大きく評価されるのは勉学だろ。それ以外は別に好きにすればいい」
馬鹿馬鹿しい。そう呟いて今度こそ理科室から出て行こうと扉に手をかけたとき、跡部はにやりと笑いながら最終兵器とも言える情報を口にした。
「九条秋と西成遥が同じマネージャーになると言ってもか?」
「……は?」
ぴたり、と動きが止まった麻美は再び跡部へと振り返り、目つきを鋭くさせる。
それもそのはず。麻美にとって秋と遥だけは友人とも呼べる存在。
多少口うるさい秋とはそれなりにいい関係を築いているけど、遥に対しては邪険に扱い、友人とは思いたくはない気持ちがあるがある意味腐れ縁でもある。
「どういうことだ?」
「どうもこうもそういう意味だ。うちの部は部員が多いからな。マネージャーは一人じゃ足らないからレギュラー達と相談して勧誘することに決めたんだよ。それで誘ったのが九条と西成だ」
「人質かよ」
「人質とは人聞き悪いな。無理やりやらせるわけじゃねぇ。ちゃんと許可は出てる」
まぁ、麻美がいなければあとの二人も正式に入部とはまではいかないが、と思う跡部ではあったが、目の前の頑固者は悩む表情を見せていた。
「……扱き使うんじゃないだろうな?」
「マネージャーなんだからそれなりに働いてはもらうぜ。三人いりゃマシになるだろうが、お前が入部しないなら二人になるし、その分苦労するだろうな?」
そこまで言われたら人質となんら変わりないだろうがと考える麻美は暫く悩み抜いたあと小さく舌打ちした。
「入部してやる。私があんたらを扱き使ってやるからな」
「そいつは楽しみだな。じゃあ、早速記入してもらおうか」
近くにあった机に入部届け用紙を置くと、麻美はペンを取り出して必要事項の記入をする。
こうして、氷帝学園男子テニス部に女子マネージャーが三人誕生した。