自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
接し方、恋の仕方、デートの誘い方
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「わっせい、わっせい」
本日も授業後の部活はあるので開始時間までテニスボールが入ったかごを抱えながら指定の場所へと運ぶ遥。
その途中、はぁ、と何やら困り事の溜め息が耳に入った彼女は足を止めて、かごを持ったままその人物へと近づく。
「おやおや。鳳家の長太郎くんではないか。溜め息なんて吐いちゃって悩み事かい?」
「西成さん……悩み事、と言えばそうかもしれません」
眉尻を下げながら浮かない顔をする後輩。部活前にそんな顔をしてはダメだと思いながら遥はその理由を語る。
「思春期だから色々とあるだろうけど、部活中にそんな姿を麻美に見せちゃうと『この腑抜け!』って怒られるよ。あの子ってばスパルタだからね~」
「赤宮、さん……」
麻美の名を聞くとさらに深い溜め息をこぼす鳳は小さな声で「あの……先輩に相談があります……」と遥に向けて呟いた。
「俺……今朝、赤宮さんを怒らせてしまったみたいで……。謝りたいんですけど、理由が分からなくて……」
遥よりも身長の高い後輩が飼い主に怒られた子犬のようにしゅんとする。その様子を見て『これがワンコ系後輩ってやつか』と一人で納得する遥だった。
「なるほどなるほど。麻美は理不尽に怒る子だからね。あたしでもなんで怒られるのか分からない時がいっぱいあるんだよ」
「それじゃあ、仲のいい西成さんでも分からないんですね……」
「とりあえず何があって麻美が怒ったのか話してみてよ」
もしかしたら分かるかもしれないし。そう告げると、鳳はこくりと頷き、今朝の出来事を簡潔に遥に説明した。
腕を組みながらふむふむと耳を傾ける遥は途中で「ん?」と何か気付いた顔をする。
話を最後まで聞いてから、彼女の中で気付いた何かが確信へと変わり、目を伏せ不敵な笑みを浮かべた。
「ふっふっふっ。謎が解けたよ、ホームズくん」
(ホームズとワトソンを勘違いしてるのかな……)
ホームズっぽい台詞を言いたかったのだろうけど、何やら勘違いしている遥に鳳は訂正を入れるべきか悩むものの、謎が解けたと口にする彼女はそのまま話を続けた。
「麻美の言葉通りなんだよ。麻美は女子扱いされるのが嫌いなんだ」
自信満々に答えを提示するが鳳は不思議そうに首を傾げる。なぜ、と聞きたそうにしている後輩に遥はその理由を伝えた。
「麻美はね、女子だからって理由で見くびられたりするのを酷く嫌うんだよ」
「えっ、でも俺そんなつもりじゃ……」
「うんうん。君はいい子だからそう言いたい気持ちはよく分かるよ。長太郎は女子には負担が大きいと思って優しさを発揮しただけだもんね」
しかし、それが麻美にとっては逆効果だった。女子だから馬鹿にされている、軟弱だと思われている、そう感じてしまうのだ。
「まぁ、麻美は扱いが難しい子なのだよ。女子扱いするとキレるけど、ラクしたい時は俺様パワー全開に容赦なくあたしに『運べ』って命令するからね! いやー困ったお嬢だよ」
あっはっは、と笑う遥に対して鳳は結局どう解決したらいいか分からずにさらに頭を悩ませた。
「えっと、その……性差別を極度に嫌うってことですかね?」
「いやぁ、麻美はどっちかというと差別するくらいの勢いかな……男のくせに、とか言うし。ただ自分がひ弱な女子だと思われるのが嫌なんだろうね」
「……」
「そんなに気にすることないよ。今日の麻美を見る限り普段通りだし、謝るほどのことでもないんじゃない? 普通に話しかけて大丈夫大丈夫っ」
何せ長太郎は珍しく麻美が可愛がる(ように見える)男の子である。そう思いながらも元気づけるように彼の背中をバンバン叩いた。
「あ、ありがとうございます。……でも、俺やっぱりちゃんと謝罪はしたいかなって思います。知らなかったとはいえ、不快な気分にさせたことは間違いないので……」
なんと真面目な。秋タイプの子かな。それなら麻美も気に入る(ように見える)のも間違いない。
「長太郎くんや、君は麻美に恐れることのなく、それでいてあの傍若無人な破壊神が相手でも女子として接していてなおかつ優しい。とても見所あると思うぞ」
「えっ? あ、はい。ありがとうございます?」
穏やかな微笑みで鳳の両肩をポンポン叩き、まるで麻美の保護者のような目線で「これからも仲良くしてやってくれ」と言わんばかりの態度を見せる。
もしかしたらもしかしなくとも春が芽生えちゃったりするんじゃないだろうかと淡い期待を背負いながら。
鳳は戸惑いながらも褒められているので素直にお礼を口にした。
「これからも麻美のことを頼むぞ。そしてまた解けない謎があれば私に任せたまえ、ホームズくん」
「あの……ワトソンかと思います」
「えっ?」
本日も授業後の部活はあるので開始時間までテニスボールが入ったかごを抱えながら指定の場所へと運ぶ遥。
その途中、はぁ、と何やら困り事の溜め息が耳に入った彼女は足を止めて、かごを持ったままその人物へと近づく。
「おやおや。鳳家の長太郎くんではないか。溜め息なんて吐いちゃって悩み事かい?」
「西成さん……悩み事、と言えばそうかもしれません」
眉尻を下げながら浮かない顔をする後輩。部活前にそんな顔をしてはダメだと思いながら遥はその理由を語る。
「思春期だから色々とあるだろうけど、部活中にそんな姿を麻美に見せちゃうと『この腑抜け!』って怒られるよ。あの子ってばスパルタだからね~」
「赤宮、さん……」
麻美の名を聞くとさらに深い溜め息をこぼす鳳は小さな声で「あの……先輩に相談があります……」と遥に向けて呟いた。
「俺……今朝、赤宮さんを怒らせてしまったみたいで……。謝りたいんですけど、理由が分からなくて……」
遥よりも身長の高い後輩が飼い主に怒られた子犬のようにしゅんとする。その様子を見て『これがワンコ系後輩ってやつか』と一人で納得する遥だった。
「なるほどなるほど。麻美は理不尽に怒る子だからね。あたしでもなんで怒られるのか分からない時がいっぱいあるんだよ」
「それじゃあ、仲のいい西成さんでも分からないんですね……」
「とりあえず何があって麻美が怒ったのか話してみてよ」
もしかしたら分かるかもしれないし。そう告げると、鳳はこくりと頷き、今朝の出来事を簡潔に遥に説明した。
腕を組みながらふむふむと耳を傾ける遥は途中で「ん?」と何か気付いた顔をする。
話を最後まで聞いてから、彼女の中で気付いた何かが確信へと変わり、目を伏せ不敵な笑みを浮かべた。
「ふっふっふっ。謎が解けたよ、ホームズくん」
(ホームズとワトソンを勘違いしてるのかな……)
ホームズっぽい台詞を言いたかったのだろうけど、何やら勘違いしている遥に鳳は訂正を入れるべきか悩むものの、謎が解けたと口にする彼女はそのまま話を続けた。
「麻美の言葉通りなんだよ。麻美は女子扱いされるのが嫌いなんだ」
自信満々に答えを提示するが鳳は不思議そうに首を傾げる。なぜ、と聞きたそうにしている後輩に遥はその理由を伝えた。
「麻美はね、女子だからって理由で見くびられたりするのを酷く嫌うんだよ」
「えっ、でも俺そんなつもりじゃ……」
「うんうん。君はいい子だからそう言いたい気持ちはよく分かるよ。長太郎は女子には負担が大きいと思って優しさを発揮しただけだもんね」
しかし、それが麻美にとっては逆効果だった。女子だから馬鹿にされている、軟弱だと思われている、そう感じてしまうのだ。
「まぁ、麻美は扱いが難しい子なのだよ。女子扱いするとキレるけど、ラクしたい時は俺様パワー全開に容赦なくあたしに『運べ』って命令するからね! いやー困ったお嬢だよ」
あっはっは、と笑う遥に対して鳳は結局どう解決したらいいか分からずにさらに頭を悩ませた。
「えっと、その……性差別を極度に嫌うってことですかね?」
「いやぁ、麻美はどっちかというと差別するくらいの勢いかな……男のくせに、とか言うし。ただ自分がひ弱な女子だと思われるのが嫌なんだろうね」
「……」
「そんなに気にすることないよ。今日の麻美を見る限り普段通りだし、謝るほどのことでもないんじゃない? 普通に話しかけて大丈夫大丈夫っ」
何せ長太郎は珍しく麻美が可愛がる(ように見える)男の子である。そう思いながらも元気づけるように彼の背中をバンバン叩いた。
「あ、ありがとうございます。……でも、俺やっぱりちゃんと謝罪はしたいかなって思います。知らなかったとはいえ、不快な気分にさせたことは間違いないので……」
なんと真面目な。秋タイプの子かな。それなら麻美も気に入る(ように見える)のも間違いない。
「長太郎くんや、君は麻美に恐れることのなく、それでいてあの傍若無人な破壊神が相手でも女子として接していてなおかつ優しい。とても見所あると思うぞ」
「えっ? あ、はい。ありがとうございます?」
穏やかな微笑みで鳳の両肩をポンポン叩き、まるで麻美の保護者のような目線で「これからも仲良くしてやってくれ」と言わんばかりの態度を見せる。
もしかしたらもしかしなくとも春が芽生えちゃったりするんじゃないだろうかと淡い期待を背負いながら。
鳳は戸惑いながらも褒められているので素直にお礼を口にした。
「これからも麻美のことを頼むぞ。そしてまた解けない謎があれば私に任せたまえ、ホームズくん」
「あの……ワトソンかと思います」
「えっ?」