自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
接し方、恋の仕方、デートの誘い方
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝練後の三年C組の教室では宍戸が机に突っ伏した状態で項垂れていた。
そんなに朝練が大変だったのかと思う者もいるだろうが、芥川と秋はその理由を知っているため、心配そうな秋と眠たげな芥川が彼の元へ近づいた。
「宍戸、もしかして夜遅くまでテスト勉強してたの?」
「……」
「……宍戸さぁ、寝る時はちゃんと寝なきゃ……俺も夜は寝てるC~……」
「……俺は、俺は……全教科のテスト70点以上取らなきゃなんねーんだよ……」
ぶつぶつと呟きながら顔を上げる宍戸のその目には隈が出来ていた。自慢の長い髪もキューティクルが失われているように見える。
「頑張るのはいいことだけど、無理はしちゃダメだよ。休息しないと集中も効率も悪くなるし、今からでも保健室で睡眠を取った方が……」
「うるせー……俺はやるんだよ」
「……こりゃ駄目だねぇ~」
意地を張ってさらに酷使しようとする宍戸の様子に芥川は諦めモードとなり、重たげな目で大きな欠伸をした。
秋も呆れ混じりの嘆息をこぼし、どうしたものかと考えたあと妙案が浮かんだ。
「それじゃあ、集中力を高めるツボを知ってるから腕を出して。少しはマシになると思うから」
「……ん」
脱力したまま腕を差し出す宍戸の手を取る。手首から肘に向けて指二本分先にある窪みの優しく押し込む。
内関と呼ばれるそのツボは緊張を解し穏やかな気分にさせてくれるツボ。
そのせいなのか、ツボを押してすぐに宍戸は寝落ちた。それはもう気持ちいいくらいにがくんと。
クラス中がそれを目撃し、ざわついた。芥川に至っては目を大きく見開き眠気など吹っ飛んだ様子。
「すっ、げーー!! 秋、宍戸に催眠術でもかけたのか!?」
「ジロー、しーっ」
口元に人差し指を当てて声のボリュームを落とすように注意する。それを見た芥川は慌てて片手で口を塞ぎ、宍戸が起きていないか視線を向けたが、しっかりと寝息を立てているので起きる気配はなかった。
ふーっ、と安堵の溜め息を吐くと、芥川は輝かしい目を秋へと向ける。
「なぁなぁ、どうやったの?」
「リラックスするツボを押しただけだよ。まさかこんなにもすぐに効果が発揮するとは思ってなかったけど……」
身体に無理をさせようとする宍戸にどうしても休んでほしかった秋は無理やりではあるがこうする他なかった。
一限目、または二限目は潰れるかもしれないけど今は休ませることが先だ。
あとは保健室に連れて行くだけなのだが、さすがに秋一人では眠ってしまった男を抱えていくことは出来ない。
「ジロー。宍戸を保健室に連れて行くのを手伝ってくれる?」
「オッケー! 任せてよ!」
突っ伏して寝る宍戸を秋と芥川が左右に立って彼の腕を肩に回し、立ち上がらせるが全く動かないので宍戸の足を引きずる形になる。
「……やっぱり自分で動けない人を運ぶのは大変そうだね」
「きっびC~」
中学生とはいえ、意識のない一人の人間を抱えるのはなかなかに難しい。少しでも自分の足で歩けるならまだしもだらんとした状態なのでその分体重もかかる。
そんな二人の元にクラスメイトが口を開いた。
「九条、宍戸を保健室に連れて行くなら俺らが運んでやるよ」
宍戸の友人と思わしきクラスメイトの男子達だ。無茶をする友人の姿に見て見ぬふりは出来なかったのだろう。何かしてやりたいという気持ちで運ぶ役目を買って出たのかもしれない。
「お願いしてもいいの?」
「このままには出来ねぇしな」
快く引き受けてくれたようなので秋は彼らにお願いすることにした。
宍戸の友人達は彼を仰向けにし、両手両足をそれぞれ一人ずつ抱えて運び始める。
秋と芥川も保健室まで共に行くことにしたが、擦れ違う生徒達が二度見したりスマホで写真を撮ったりし始めるので秋が「本人の許可なく写真はしないでね」とやんわり注意をした。
宍戸の友人達は一種の祭りのように感じたのか、どこか楽しげに保健室へと運び、先生の許可を得てベッドで寝かせる。
秋が一生懸命保健の先生と担任の小林に「テスト勉強を頑張って寝不足なだけなのでサボってるんじゃないんです」と必死に訴えたので、後ほど怒られるということはないだろう。
宍戸を保健室に届けてクラスに戻る秋はひとまず宍戸を寝かせることに成功出来たと安心した。
「いやーそれにしても凄かったなー! 秋の睡眠ツボ!」
「たまたまだよ。宍戸が限界だったのかもしれないし」
「でもでも、上手くいけばすぐにすかーって寝ちゃうんでしょっ? 俺も秋にツボ押してもらいたいけど、俺すぐ寝ちゃいそう! てか、秋といるのに寝るのなんて勿体なさそうだC~!」
「ジローは寝不足になる心配はなさそうだから安心だけど、もし寝不足になった時は何か手伝うよ」
「ほんと!? じゃあ、そん時はぜってーお願いする!」
芥川はまだ覚醒したままなので一限目はちゃんと起きて授業に挑めそうだ。出来れば全授業起きてくれたら嬉しいんだけど……と思うものの、なかなか実現しないのが現実である。
「そいやさ、長太郎って回転寿司行ったことないんだって。だから今度長太郎を連れてってやるんだー」
「へぇ、回転寿司かぁ。鳳くん楽しんでくれるといいね」
「全力で楽しませてみせるって!」
ぶいっと指でポーズする芥川だが、自分と鳳以外のメンバーについては口にしなかった。言えば秋は興味を持つかもしれないと考えて。
そのメンバーとは芥川と鳳とそして向日だ。宍戸も誘ったのだが「テスト勉強するから無理」と真面目な言葉で断りを入れていた。とても羨ましそうにしながら。
秋と向日を出来るだけ関わらせないようにと考えた芥川は好きな相手を誘いたい気持ちをグッと抑えていた。
彼の知らない所で二人が親密になっているとも気づくことなく。
そんなに朝練が大変だったのかと思う者もいるだろうが、芥川と秋はその理由を知っているため、心配そうな秋と眠たげな芥川が彼の元へ近づいた。
「宍戸、もしかして夜遅くまでテスト勉強してたの?」
「……」
「……宍戸さぁ、寝る時はちゃんと寝なきゃ……俺も夜は寝てるC~……」
「……俺は、俺は……全教科のテスト70点以上取らなきゃなんねーんだよ……」
ぶつぶつと呟きながら顔を上げる宍戸のその目には隈が出来ていた。自慢の長い髪もキューティクルが失われているように見える。
「頑張るのはいいことだけど、無理はしちゃダメだよ。休息しないと集中も効率も悪くなるし、今からでも保健室で睡眠を取った方が……」
「うるせー……俺はやるんだよ」
「……こりゃ駄目だねぇ~」
意地を張ってさらに酷使しようとする宍戸の様子に芥川は諦めモードとなり、重たげな目で大きな欠伸をした。
秋も呆れ混じりの嘆息をこぼし、どうしたものかと考えたあと妙案が浮かんだ。
「それじゃあ、集中力を高めるツボを知ってるから腕を出して。少しはマシになると思うから」
「……ん」
脱力したまま腕を差し出す宍戸の手を取る。手首から肘に向けて指二本分先にある窪みの優しく押し込む。
内関と呼ばれるそのツボは緊張を解し穏やかな気分にさせてくれるツボ。
そのせいなのか、ツボを押してすぐに宍戸は寝落ちた。それはもう気持ちいいくらいにがくんと。
クラス中がそれを目撃し、ざわついた。芥川に至っては目を大きく見開き眠気など吹っ飛んだ様子。
「すっ、げーー!! 秋、宍戸に催眠術でもかけたのか!?」
「ジロー、しーっ」
口元に人差し指を当てて声のボリュームを落とすように注意する。それを見た芥川は慌てて片手で口を塞ぎ、宍戸が起きていないか視線を向けたが、しっかりと寝息を立てているので起きる気配はなかった。
ふーっ、と安堵の溜め息を吐くと、芥川は輝かしい目を秋へと向ける。
「なぁなぁ、どうやったの?」
「リラックスするツボを押しただけだよ。まさかこんなにもすぐに効果が発揮するとは思ってなかったけど……」
身体に無理をさせようとする宍戸にどうしても休んでほしかった秋は無理やりではあるがこうする他なかった。
一限目、または二限目は潰れるかもしれないけど今は休ませることが先だ。
あとは保健室に連れて行くだけなのだが、さすがに秋一人では眠ってしまった男を抱えていくことは出来ない。
「ジロー。宍戸を保健室に連れて行くのを手伝ってくれる?」
「オッケー! 任せてよ!」
突っ伏して寝る宍戸を秋と芥川が左右に立って彼の腕を肩に回し、立ち上がらせるが全く動かないので宍戸の足を引きずる形になる。
「……やっぱり自分で動けない人を運ぶのは大変そうだね」
「きっびC~」
中学生とはいえ、意識のない一人の人間を抱えるのはなかなかに難しい。少しでも自分の足で歩けるならまだしもだらんとした状態なのでその分体重もかかる。
そんな二人の元にクラスメイトが口を開いた。
「九条、宍戸を保健室に連れて行くなら俺らが運んでやるよ」
宍戸の友人と思わしきクラスメイトの男子達だ。無茶をする友人の姿に見て見ぬふりは出来なかったのだろう。何かしてやりたいという気持ちで運ぶ役目を買って出たのかもしれない。
「お願いしてもいいの?」
「このままには出来ねぇしな」
快く引き受けてくれたようなので秋は彼らにお願いすることにした。
宍戸の友人達は彼を仰向けにし、両手両足をそれぞれ一人ずつ抱えて運び始める。
秋と芥川も保健室まで共に行くことにしたが、擦れ違う生徒達が二度見したりスマホで写真を撮ったりし始めるので秋が「本人の許可なく写真はしないでね」とやんわり注意をした。
宍戸の友人達は一種の祭りのように感じたのか、どこか楽しげに保健室へと運び、先生の許可を得てベッドで寝かせる。
秋が一生懸命保健の先生と担任の小林に「テスト勉強を頑張って寝不足なだけなのでサボってるんじゃないんです」と必死に訴えたので、後ほど怒られるということはないだろう。
宍戸を保健室に届けてクラスに戻る秋はひとまず宍戸を寝かせることに成功出来たと安心した。
「いやーそれにしても凄かったなー! 秋の睡眠ツボ!」
「たまたまだよ。宍戸が限界だったのかもしれないし」
「でもでも、上手くいけばすぐにすかーって寝ちゃうんでしょっ? 俺も秋にツボ押してもらいたいけど、俺すぐ寝ちゃいそう! てか、秋といるのに寝るのなんて勿体なさそうだC~!」
「ジローは寝不足になる心配はなさそうだから安心だけど、もし寝不足になった時は何か手伝うよ」
「ほんと!? じゃあ、そん時はぜってーお願いする!」
芥川はまだ覚醒したままなので一限目はちゃんと起きて授業に挑めそうだ。出来れば全授業起きてくれたら嬉しいんだけど……と思うものの、なかなか実現しないのが現実である。
「そいやさ、長太郎って回転寿司行ったことないんだって。だから今度長太郎を連れてってやるんだー」
「へぇ、回転寿司かぁ。鳳くん楽しんでくれるといいね」
「全力で楽しませてみせるって!」
ぶいっと指でポーズする芥川だが、自分と鳳以外のメンバーについては口にしなかった。言えば秋は興味を持つかもしれないと考えて。
そのメンバーとは芥川と鳳とそして向日だ。宍戸も誘ったのだが「テスト勉強するから無理」と真面目な言葉で断りを入れていた。とても羨ましそうにしながら。
秋と向日を出来るだけ関わらせないようにと考えた芥川は好きな相手を誘いたい気持ちをグッと抑えていた。
彼の知らない所で二人が親密になっているとも気づくことなく。