自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
接し方、恋の仕方、デートの誘い方
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
獅堂七奈によって生まれた悪意のある噂は嫉妬ゆえに起こったデマだと広まり、あっという間に収束に至った。おそらく全て跡部が手を回した結果だろう。
「……で? あのアマはどう処理したんだ? 流刑か? 市中引き回しか?」
獅堂七奈の遥に対する中傷や道路に突き飛ばした件が解決した翌日の朝練のこと。
部員達の様子を眺める跡部の隣に立った麻美は相手の顔を見ることなく、彼と同じように部活に精を出す部員に目を向けながら獅堂七奈についての口火を切った。
「……なんだよそのラインナップは。俺は処刑人じゃねーぞ」
「じゃあ結局どうしたって言うわけ?」
「あれからすぐに奴の両親を呼び出して全てを話し責任を追及した。最初は子どものすることだとだし、娘がそんなことするわけがないと高を括っていたが証拠を提示したらだんまりしやがったな。当の本人には反省の色もねぇから今後学園に姿を現すなって告げたぜ」
「退学させたのか?」
「俺がさせたわけじゃないがな、さすがにそんな権力はねぇよ。あくまでも向こうの判断だ。大事にさせたくなければその方が賢明だぜって忠告をしてやっただけだ」
その忠告とやらを聞いて大の大人が分かりましたとすぐに行動を起こせるのだから獅堂家はよほど跡部を敵に回したくないと見た。
仕事関係で跡部家と面識があったり関わったりしているのか、財閥子息の圧力なのか、それとも本当に大事にされたらたまったものではないのか。
どちらにせよ一人の中学生の言葉に従ったのは間違いない。
「じゃあ、奴はもう学校に来ないってことか」
「昨日付で氷帝から去ったぜ」
「前回より悪くない処遇だな。これでしばらくは安心ってわけか」
「水瀬あずさは反省していたからな。処遇は被害者に任せたが、今回の獅堂七奈は性格に難アリで再発防止のためミッションスクールを薦めてやった。人を思いやる心くらい養ってもらわねぇとな」
「ハッ。あのクソ女には灸を据えてやんないとな。それでも甘いくらいだが顔を見なくていいから免じてやる」
「ありがとよ」
なぜ麻美が偉そうなのか。もし第三者がこの会話を聞いていたらそう思うだろが、跡部は特に気にもしなかった。
何はともあれ、大会が始まる前に解決出来て良かったと跡部は安堵する。
「赤宮。そろそろ自分の仕事に戻っておけ。またどこぞの準レギュラーに馬鹿にされるぞ」
「……言われなくともそのつもりだ」
準レギュラーと言われて特定の人物の顔を思い出した麻美は忌々しいと言わんばかりの表情を見せながら仕事に戻ることにした。
(やっぱ減るの早いな……)
スポーツ飲料水が入ってるスポーツジャグの中身を見て残りを確認するとほとんど減っていた。
200人も超える部員数なので減りが早いのは頷けるが、これでも大容量のジャグであり複数設置をしている。それでも次から次へと水分補給をしに部員が訪れるのだ。
麻美が中身を確認している今も二年生部員が「あの、飲めますか?」と躊躇いがちに尋ねてきた。
「ああ」
一人分ならまだ余裕だったのでその部員に譲り、彼が自身のコップで水分補給を終えるのを待ってから新しいドリンクを作りに行くことにした。
まだ少し残っている分は近くのジャグの中に入れて空にしてからテニスコートを離れる。
しばらくして粉末タイプのスポーツドリンクを作って元の場所へと戻しに向かう。
正直なところ大容量なため女子では結構な重労働作業になる。秋や遥が作る際には小さな台車を使って運搬するくらいだ。
だが、麻美にとってはなんてことない重さだった。
ドンッと新しく作ったスポーツドリンク入りのジャグを戻すと、バタバタと走る音が聞こえた。
新しい物が来るのを待ちわびていた奴なのかと思い目を向けるとそこには鳳が心配そうな表情をしていたため麻美は怪訝な顔をする。
「……何?」
「赤宮さんっ、重かったんじゃないですかっ? 台車も使わずに持ってくるなんて……!」
「楽勝」
「そんな強がりを……」
「強がりじゃない」
ほら、と言うようにスポーツジャグを片手で持ち上げて見せるが、鳳が慌ててその手を下ろさせた。
「だ、駄目ですよっ。危ないです!」
「いつもこうしてる」
「怪我をしたら大変じゃないですかっ」
あくまで心配している様子の鳳だが、麻美にとっては煩わしく、はぁ、と溜め息をこぼす。
「そんなヤワじゃないんだよ。そもそもマネージャーが来る前は部員が腕力鍛えるために運んでたんだろ」
「それはそうですけど、赤宮さんは女子ですし……」
「長太郎」
ドスの効いた低い声で名を口にすると、麻美は後輩の胸ぐらを掴む。彼は地雷を踏んでしまったのだが、本人はなぜこのような乱暴な扱いを受けるのか理解出来なかった。
「あ、あの、赤宮さん……?」
「私を女扱いするな」
そう告げると荒々しく彼から手を離すと不機嫌そうなまま、フンと鼻を鳴らして鳳の前から立ち去っていった。
残された鳳は疑問符が浮かぶばかりでなぜ彼女が怒ったのかは分からないが、自分のせいで機嫌を損なわせたということは理解出来たので申し訳なさそうにしゅんとした表情を見せる。
「……で? あのアマはどう処理したんだ? 流刑か? 市中引き回しか?」
獅堂七奈の遥に対する中傷や道路に突き飛ばした件が解決した翌日の朝練のこと。
部員達の様子を眺める跡部の隣に立った麻美は相手の顔を見ることなく、彼と同じように部活に精を出す部員に目を向けながら獅堂七奈についての口火を切った。
「……なんだよそのラインナップは。俺は処刑人じゃねーぞ」
「じゃあ結局どうしたって言うわけ?」
「あれからすぐに奴の両親を呼び出して全てを話し責任を追及した。最初は子どものすることだとだし、娘がそんなことするわけがないと高を括っていたが証拠を提示したらだんまりしやがったな。当の本人には反省の色もねぇから今後学園に姿を現すなって告げたぜ」
「退学させたのか?」
「俺がさせたわけじゃないがな、さすがにそんな権力はねぇよ。あくまでも向こうの判断だ。大事にさせたくなければその方が賢明だぜって忠告をしてやっただけだ」
その忠告とやらを聞いて大の大人が分かりましたとすぐに行動を起こせるのだから獅堂家はよほど跡部を敵に回したくないと見た。
仕事関係で跡部家と面識があったり関わったりしているのか、財閥子息の圧力なのか、それとも本当に大事にされたらたまったものではないのか。
どちらにせよ一人の中学生の言葉に従ったのは間違いない。
「じゃあ、奴はもう学校に来ないってことか」
「昨日付で氷帝から去ったぜ」
「前回より悪くない処遇だな。これでしばらくは安心ってわけか」
「水瀬あずさは反省していたからな。処遇は被害者に任せたが、今回の獅堂七奈は性格に難アリで再発防止のためミッションスクールを薦めてやった。人を思いやる心くらい養ってもらわねぇとな」
「ハッ。あのクソ女には灸を据えてやんないとな。それでも甘いくらいだが顔を見なくていいから免じてやる」
「ありがとよ」
なぜ麻美が偉そうなのか。もし第三者がこの会話を聞いていたらそう思うだろが、跡部は特に気にもしなかった。
何はともあれ、大会が始まる前に解決出来て良かったと跡部は安堵する。
「赤宮。そろそろ自分の仕事に戻っておけ。またどこぞの準レギュラーに馬鹿にされるぞ」
「……言われなくともそのつもりだ」
準レギュラーと言われて特定の人物の顔を思い出した麻美は忌々しいと言わんばかりの表情を見せながら仕事に戻ることにした。
(やっぱ減るの早いな……)
スポーツ飲料水が入ってるスポーツジャグの中身を見て残りを確認するとほとんど減っていた。
200人も超える部員数なので減りが早いのは頷けるが、これでも大容量のジャグであり複数設置をしている。それでも次から次へと水分補給をしに部員が訪れるのだ。
麻美が中身を確認している今も二年生部員が「あの、飲めますか?」と躊躇いがちに尋ねてきた。
「ああ」
一人分ならまだ余裕だったのでその部員に譲り、彼が自身のコップで水分補給を終えるのを待ってから新しいドリンクを作りに行くことにした。
まだ少し残っている分は近くのジャグの中に入れて空にしてからテニスコートを離れる。
しばらくして粉末タイプのスポーツドリンクを作って元の場所へと戻しに向かう。
正直なところ大容量なため女子では結構な重労働作業になる。秋や遥が作る際には小さな台車を使って運搬するくらいだ。
だが、麻美にとってはなんてことない重さだった。
ドンッと新しく作ったスポーツドリンク入りのジャグを戻すと、バタバタと走る音が聞こえた。
新しい物が来るのを待ちわびていた奴なのかと思い目を向けるとそこには鳳が心配そうな表情をしていたため麻美は怪訝な顔をする。
「……何?」
「赤宮さんっ、重かったんじゃないですかっ? 台車も使わずに持ってくるなんて……!」
「楽勝」
「そんな強がりを……」
「強がりじゃない」
ほら、と言うようにスポーツジャグを片手で持ち上げて見せるが、鳳が慌ててその手を下ろさせた。
「だ、駄目ですよっ。危ないです!」
「いつもこうしてる」
「怪我をしたら大変じゃないですかっ」
あくまで心配している様子の鳳だが、麻美にとっては煩わしく、はぁ、と溜め息をこぼす。
「そんなヤワじゃないんだよ。そもそもマネージャーが来る前は部員が腕力鍛えるために運んでたんだろ」
「それはそうですけど、赤宮さんは女子ですし……」
「長太郎」
ドスの効いた低い声で名を口にすると、麻美は後輩の胸ぐらを掴む。彼は地雷を踏んでしまったのだが、本人はなぜこのような乱暴な扱いを受けるのか理解出来なかった。
「あ、あの、赤宮さん……?」
「私を女扱いするな」
そう告げると荒々しく彼から手を離すと不機嫌そうなまま、フンと鼻を鳴らして鳳の前から立ち去っていった。
残された鳳は疑問符が浮かぶばかりでなぜ彼女が怒ったのかは分からないが、自分のせいで機嫌を損なわせたということは理解出来たので申し訳なさそうにしゅんとした表情を見せる。