自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
例えるならそれは断罪イベント
主人公名前変換
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
話は部活中へと遡る。遥と秋が部員達の練習試合結果をノートに記入したり、ボール拾いに精を出している間に跡部が麻美をこっそりと人気のない場所へと呼び出し、二人は互いに得た情報の交換をした。
根の葉もない噂を流した人物を見つけるための調査報告である。
「二年は全員洗った」
「早すぎんだろ」
「そこまで浸透してなかったってことだ。だから一年にも手を広げたから情報はお前と被ってるかもしれねぇな」
「私は特定した」
「奇遇だな。答え合わせといこうじゃねーの」
「「獅堂七奈 」」
ハモるほどに声色も音程も一致した。麻美と跡部が辿り着いた人物は同じだったようで確信を持ってもいいだろう。
しかし、跡部がこうも早く犯人を突き止めたのがどこか悔しくて麻美は舌打ちをした。
「っち。私が一番だと思ったのによ」
「んなこと競ってるわけじゃねーだろ。念の為に聞くが、そっちはどういう道を辿って獅堂に行き着いた?」
そう問われるだろうと思い、麻美はしっかりと自分が追った人物の名を順番に上げて噂を拡散となった原因を伝えた。
噂をどこで誰に聞いた? と、脅し半分で聞き回った結果、一年ばかりで出回っていた噂が一人の三年女子へと辿り着いた。
学食にて食事を取る一年生グループの隣に座り、新入生のために優しく学園生活の話をしながら例の噂も混ぜていく手口らしい。
『そういえば男子テニス部のマネージャーの一人、西成遥のことはご存知?』
多くの一年生にとっては知らない人物であるため多くの者が「知らない」と答えたのだろう。決まってその三年の先輩はこう言ったそうだ。
『男好きなのか、誰彼構わず狙っているのよ。節操なくね。今はテニス部に狙いを定めてるみたいだけど、もし友達がいたら注意するように声がけしておいた方がいいわ』
どうやら一度だけではなく複数回そうした忠告という名の嘘を触れ回ったようだ。
そのせいで一年生中心に噂は広まり、それがいつの間にか二年生にまで届いていたのだろう。
そして噂の人物を特定するため、男子テニス部の観覧者が急激に増えたそうだ。
しかし、首謀者も予想外だったのが遥と秋を間違えられたこと。
なぜ二人を間違われたのか予想でしかないが、おそらく部員の接し方とマネージャー業務の違いではないか? と、跡部が語った。
「九条はなんでも仕事をこなすからこそあちこちに動くから部外者の目にも止まりやすいが、西成はボール拾いやボール磨きなどの隅っこで出来る業務が多い。しかし、部員と会話する時は西成の方がフレンドリーだから媚びてるようには見えず、それで勘違いされたのかもしれねぇな」
「秋は本当にとばっちり受けただけかよ」
秋からしたらたまったものではないだろう。
つくづく苦労人な奴だなと麻美は思うが彼女自身も秋の苦悩のひとつになることもあるという自覚がない。
「で、そいつもすでに調べ上げたんだろ?」
「あぁ。こいつは初めからマークをしていたからな。あと忍足から色々と話は聞いてる。今日も西成と揉め事も起こしていたようだしな」
「ほぉ? やっぱりあの眼鏡絡みか」
「拳を鳴らすな。原因はあいつだが一応ちゃんと尻拭いはしようとしてるんだからよ」
このままでは獅堂と忍足に拳を振り上げかねない。頼むから問題だけは起こすなと言わんばかりにボキボキと関節を鳴らす麻美の拳を掴み、首を振りながら下ろさせた。
「しようとしてるだけだろ。結果が出なきゃ意味がない」
「お前が友達思いなのはよく分かった。今は忍足じゃなく、害ある奴にその恨みを向けろ」
「っち。確かにそうだな。じゃあ、とっとと獅堂の奴を取っ捕まえて袋叩きに……」
「だからお前が暴れたらまたややこしいことになるから落ち着け。それに確かな証拠もねぇだろ」
「は? 報復もせずにどうするつもりだって言うんだよ。このままにするつもりか?」
「……正直な所、あまり長く泳がせたくはないからな。早く奴を止めねぇと何を仕出かすか分かったもんじゃねぇ」
跡部は忍足から昼休みでの出来事を聞いていた。階段の踊り場から遥を突き落としかねない様子だったと知り、このままでは怪我をする危険性があるため跡部としても早期解決したいところ。
しかし、噂を流した張本人にしろ確固たる証拠もないし、階段から突き落とすのも未遂でしかない。
「少し荒っぽいが、現行犯の所を取っ捕まえるしかねぇな」
「つまり下僕を囮に使うってことか?」
「やはり反対か?」
「いや、とっとと終わらせるなら多少の無茶をあいつにはやってもらわないとな」
二人の意見は一致したため、その後すぐに秋や関係者である忍足を呼び出し、獅堂を捕まえるための計画を手短に話した。
秋と忍足は反対したが、このままではズルズルと長引くため多少強引にやらなければ大きな事故が起きるかもしれないと説得され、反対した二人は躊躇いながらも頷く。
こうして遥をわざと一人で帰宅させ、昼休みの一件からフラストレーションが溜まっているであろう獅堂がその隙に何かしら接触を図る可能性があると睨み、獅堂を追跡する者と遥を追跡する者と別れて連絡を取り合っていた。
早くて数日以内に事を起こすと考えていたが、まさかその日の内に獅堂が遥の背中を突き飛ばすものだから何人かは驚きを隠せなかったようだ。
しかし、最悪の事態までしっかり考えていた跡部は樺地に遥を守ることを予め命じていたため彼女は無傷ですみ、麻美が獅堂を取り押さえて今に至るのだった。
根の葉もない噂を流した人物を見つけるための調査報告である。
「二年は全員洗った」
「早すぎんだろ」
「そこまで浸透してなかったってことだ。だから一年にも手を広げたから情報はお前と被ってるかもしれねぇな」
「私は特定した」
「奇遇だな。答え合わせといこうじゃねーの」
「「
ハモるほどに声色も音程も一致した。麻美と跡部が辿り着いた人物は同じだったようで確信を持ってもいいだろう。
しかし、跡部がこうも早く犯人を突き止めたのがどこか悔しくて麻美は舌打ちをした。
「っち。私が一番だと思ったのによ」
「んなこと競ってるわけじゃねーだろ。念の為に聞くが、そっちはどういう道を辿って獅堂に行き着いた?」
そう問われるだろうと思い、麻美はしっかりと自分が追った人物の名を順番に上げて噂を拡散となった原因を伝えた。
噂をどこで誰に聞いた? と、脅し半分で聞き回った結果、一年ばかりで出回っていた噂が一人の三年女子へと辿り着いた。
学食にて食事を取る一年生グループの隣に座り、新入生のために優しく学園生活の話をしながら例の噂も混ぜていく手口らしい。
『そういえば男子テニス部のマネージャーの一人、西成遥のことはご存知?』
多くの一年生にとっては知らない人物であるため多くの者が「知らない」と答えたのだろう。決まってその三年の先輩はこう言ったそうだ。
『男好きなのか、誰彼構わず狙っているのよ。節操なくね。今はテニス部に狙いを定めてるみたいだけど、もし友達がいたら注意するように声がけしておいた方がいいわ』
どうやら一度だけではなく複数回そうした忠告という名の嘘を触れ回ったようだ。
そのせいで一年生中心に噂は広まり、それがいつの間にか二年生にまで届いていたのだろう。
そして噂の人物を特定するため、男子テニス部の観覧者が急激に増えたそうだ。
しかし、首謀者も予想外だったのが遥と秋を間違えられたこと。
なぜ二人を間違われたのか予想でしかないが、おそらく部員の接し方とマネージャー業務の違いではないか? と、跡部が語った。
「九条はなんでも仕事をこなすからこそあちこちに動くから部外者の目にも止まりやすいが、西成はボール拾いやボール磨きなどの隅っこで出来る業務が多い。しかし、部員と会話する時は西成の方がフレンドリーだから媚びてるようには見えず、それで勘違いされたのかもしれねぇな」
「秋は本当にとばっちり受けただけかよ」
秋からしたらたまったものではないだろう。
つくづく苦労人な奴だなと麻美は思うが彼女自身も秋の苦悩のひとつになることもあるという自覚がない。
「で、そいつもすでに調べ上げたんだろ?」
「あぁ。こいつは初めからマークをしていたからな。あと忍足から色々と話は聞いてる。今日も西成と揉め事も起こしていたようだしな」
「ほぉ? やっぱりあの眼鏡絡みか」
「拳を鳴らすな。原因はあいつだが一応ちゃんと尻拭いはしようとしてるんだからよ」
このままでは獅堂と忍足に拳を振り上げかねない。頼むから問題だけは起こすなと言わんばかりにボキボキと関節を鳴らす麻美の拳を掴み、首を振りながら下ろさせた。
「しようとしてるだけだろ。結果が出なきゃ意味がない」
「お前が友達思いなのはよく分かった。今は忍足じゃなく、害ある奴にその恨みを向けろ」
「っち。確かにそうだな。じゃあ、とっとと獅堂の奴を取っ捕まえて袋叩きに……」
「だからお前が暴れたらまたややこしいことになるから落ち着け。それに確かな証拠もねぇだろ」
「は? 報復もせずにどうするつもりだって言うんだよ。このままにするつもりか?」
「……正直な所、あまり長く泳がせたくはないからな。早く奴を止めねぇと何を仕出かすか分かったもんじゃねぇ」
跡部は忍足から昼休みでの出来事を聞いていた。階段の踊り場から遥を突き落としかねない様子だったと知り、このままでは怪我をする危険性があるため跡部としても早期解決したいところ。
しかし、噂を流した張本人にしろ確固たる証拠もないし、階段から突き落とすのも未遂でしかない。
「少し荒っぽいが、現行犯の所を取っ捕まえるしかねぇな」
「つまり下僕を囮に使うってことか?」
「やはり反対か?」
「いや、とっとと終わらせるなら多少の無茶をあいつにはやってもらわないとな」
二人の意見は一致したため、その後すぐに秋や関係者である忍足を呼び出し、獅堂を捕まえるための計画を手短に話した。
秋と忍足は反対したが、このままではズルズルと長引くため多少強引にやらなければ大きな事故が起きるかもしれないと説得され、反対した二人は躊躇いながらも頷く。
こうして遥をわざと一人で帰宅させ、昼休みの一件からフラストレーションが溜まっているであろう獅堂がその隙に何かしら接触を図る可能性があると睨み、獅堂を追跡する者と遥を追跡する者と別れて連絡を取り合っていた。
早くて数日以内に事を起こすと考えていたが、まさかその日の内に獅堂が遥の背中を突き飛ばすものだから何人かは驚きを隠せなかったようだ。
しかし、最悪の事態までしっかり考えていた跡部は樺地に遥を守ることを予め命じていたため彼女は無傷ですみ、麻美が獅堂を取り押さえて今に至るのだった。