自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
例えるならそれは断罪イベント
主人公名前変換
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「麻美も秋もケチだなぁ~」
そう呟きながら一人でとぼとぼと帰宅に向かう遥はがっくりと肩を落としていた。
部活も終わり、いつもなら麻美と秋と一緒に帰るのだが、なぜか今日は二人ともこの後寄り道をするからとか、予定があるからと断られてしまう。
それじゃああたしも一緒に行くー! と付き添うことを希望しても「お前は早く帰れ、命令だ」「遅くなると思うから先に帰ってね」と言われて帰るしかなかった。
茜さす夕陽を背負いながら久々の一人での下校に寂しさを抱き、帰る道すがらの横断歩道でその歩みを止めた。
車道を行き交う車の先にある歩行者専用の信号を見つめながら早く青にならないかな~と思ったその時。
ドンッ
不意に背中を強く押される。その衝撃で「わわっ!?」と驚きながら車道に一歩前に出て転んでしまった。
「いてて……」
突然のことで踏み止まることも出来なかった遥はゆっくり身体を起こすが、盛大なクラクションの音を聞いてハッとした彼女はその音のする方へと顔を向けた。
「!!」
大型トラックが勢いよくこちらに向かって走ってくる。
そうだ、そうだそうだ。遥はやっと気づいた。歩行者信号はまだ赤く光ってるのに車道に飛び出してしまったことに。
このままでは異世界転生してしまうのでは!? いやいや、あたしが主人公の大冒険は物凄く惹かれるがまだまだこの世に生を受けて十数年。
やりたいこと盛りのJCだし、まだかばっちとお付き合いしてないのだが!? 未練タラタラで異世界転生どころか怨霊になってしまうと感じた遥は急いでその場から立ち上がろうとすると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえた。
「行け、樺地」
「ウス」
一瞬の出来事だった。立ち上がったばかりの遥の前に今まさに直前まで考えていた相手が目の前まで来てくれたのだ。
「失礼、します」
「えっ……おわっ!?」
急を要するため遥が返事をする前に樺地が遥を抱きかかえて急いで車道から離れた。
人生初の想い人による姫抱きに遥は感動と感激を覚えるものの、安全な場所ですぐに降ろされてその感動も感激も一瞬で終わってしまう。
トラックに轢かれることなく、無事だったことに喜ぶべきなのにもっと抱きかかえられたかった遥は少しだけ残念に思ったが、それよりも先に疑問が浮かぶ。
「ど、どうしてかばっちが?」
「跡部さんに……頼まれました……」
ドキドキしながら尋ねてみるが、まさかの跡部からの指示に「ちぇっ」と心の中で唇を尖らせるが、樺地の視線の先にその跡部がいるらしく彼の目線を追うとそこには跡部だけでなく、他にも見知った人物達がいた。
跡部の他に忍足と、用事があると言っていた麻美と秋までいるのだが、もう一人……忍足の元カノの姿も見受けられた。何やら只事ではない様子。
なぜなら、麻美が元カノを地面に押し付けるように取り押さえているからだ。
自分ならまだしも他の者があのような手荒な扱いを受けるなんて相当麻美の怒りを買ってしまったんだなと理解は出来た。
「……どゆこと?」
「遥っ! 大丈夫っ?」
すると、秋が慌ててこちらに駆けつけてくれた。彼女はスマートフォンを手にしたまま、遥に怪我がないか確認する。
「あたしは大丈夫だけど……」
「良かった……ごめんね、危ない目に遭わせて。私も最初は反対だったんだけど、手っ取り早く終わらせるには現場を取り押さえるしかないってことになってて」
「え、ちょっ、何の話っ!?」
話が読めなかった。よく分からないが危ない目に遭ったらしい……いや、危ない目に遭った。遭った所だった!
確かにさっき道路に転んだけど、後ろから突き飛ばされたような感覚があったのは間違いない。両手で押された感触が残っているのだ。
冷静になって考えてみると事故とかではなく故意的なものなのは確かだろう。
あれ? もしかしてあたしかなりヤバかった? 異世界転生とかかばっちのお姫様抱っこのことでいっぱいいっぱいになっていたから気づかなかったのだが!
ようやく事態の深刻さに気づいた遥は秋から事情を窺った。
そう呟きながら一人でとぼとぼと帰宅に向かう遥はがっくりと肩を落としていた。
部活も終わり、いつもなら麻美と秋と一緒に帰るのだが、なぜか今日は二人ともこの後寄り道をするからとか、予定があるからと断られてしまう。
それじゃああたしも一緒に行くー! と付き添うことを希望しても「お前は早く帰れ、命令だ」「遅くなると思うから先に帰ってね」と言われて帰るしかなかった。
茜さす夕陽を背負いながら久々の一人での下校に寂しさを抱き、帰る道すがらの横断歩道でその歩みを止めた。
車道を行き交う車の先にある歩行者専用の信号を見つめながら早く青にならないかな~と思ったその時。
ドンッ
不意に背中を強く押される。その衝撃で「わわっ!?」と驚きながら車道に一歩前に出て転んでしまった。
「いてて……」
突然のことで踏み止まることも出来なかった遥はゆっくり身体を起こすが、盛大なクラクションの音を聞いてハッとした彼女はその音のする方へと顔を向けた。
「!!」
大型トラックが勢いよくこちらに向かって走ってくる。
そうだ、そうだそうだ。遥はやっと気づいた。歩行者信号はまだ赤く光ってるのに車道に飛び出してしまったことに。
このままでは異世界転生してしまうのでは!? いやいや、あたしが主人公の大冒険は物凄く惹かれるがまだまだこの世に生を受けて十数年。
やりたいこと盛りのJCだし、まだかばっちとお付き合いしてないのだが!? 未練タラタラで異世界転生どころか怨霊になってしまうと感じた遥は急いでその場から立ち上がろうとすると、遠くから聞き覚えのある声が聞こえた。
「行け、樺地」
「ウス」
一瞬の出来事だった。立ち上がったばかりの遥の前に今まさに直前まで考えていた相手が目の前まで来てくれたのだ。
「失礼、します」
「えっ……おわっ!?」
急を要するため遥が返事をする前に樺地が遥を抱きかかえて急いで車道から離れた。
人生初の想い人による姫抱きに遥は感動と感激を覚えるものの、安全な場所ですぐに降ろされてその感動も感激も一瞬で終わってしまう。
トラックに轢かれることなく、無事だったことに喜ぶべきなのにもっと抱きかかえられたかった遥は少しだけ残念に思ったが、それよりも先に疑問が浮かぶ。
「ど、どうしてかばっちが?」
「跡部さんに……頼まれました……」
ドキドキしながら尋ねてみるが、まさかの跡部からの指示に「ちぇっ」と心の中で唇を尖らせるが、樺地の視線の先にその跡部がいるらしく彼の目線を追うとそこには跡部だけでなく、他にも見知った人物達がいた。
跡部の他に忍足と、用事があると言っていた麻美と秋までいるのだが、もう一人……忍足の元カノの姿も見受けられた。何やら只事ではない様子。
なぜなら、麻美が元カノを地面に押し付けるように取り押さえているからだ。
自分ならまだしも他の者があのような手荒な扱いを受けるなんて相当麻美の怒りを買ってしまったんだなと理解は出来た。
「……どゆこと?」
「遥っ! 大丈夫っ?」
すると、秋が慌ててこちらに駆けつけてくれた。彼女はスマートフォンを手にしたまま、遥に怪我がないか確認する。
「あたしは大丈夫だけど……」
「良かった……ごめんね、危ない目に遭わせて。私も最初は反対だったんだけど、手っ取り早く終わらせるには現場を取り押さえるしかないってことになってて」
「え、ちょっ、何の話っ!?」
話が読めなかった。よく分からないが危ない目に遭ったらしい……いや、危ない目に遭った。遭った所だった!
確かにさっき道路に転んだけど、後ろから突き飛ばされたような感覚があったのは間違いない。両手で押された感触が残っているのだ。
冷静になって考えてみると事故とかではなく故意的なものなのは確かだろう。
あれ? もしかしてあたしかなりヤバかった? 異世界転生とかかばっちのお姫様抱っこのことでいっぱいいっぱいになっていたから気づかなかったのだが!
ようやく事態の深刻さに気づいた遥は秋から事情を窺った。