自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
例えるならそれは断罪イベント
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跡部から遥と距離を取れと言われた忍足はその言葉に従った。彼女に何らかの危害が及ぶかもしれないと言われたらそうせざるを得ない。
しかし、好きな相手が狙われていると知って何もしないわけにはいかなかった。
とはいえ言葉を交わすことも出来ないし、触れることすら許されない。もし、そんなことをしてしまったら容疑者の怒りに触れるだろう。
それならば見守るくらいならいいだろうと、忍足は遥を害する者が近づかないか遠目から見ていた。
まさかそれが容疑者を刺激していただなんて彼は思うはずもない。
昼休みに遥が見覚えのある女子に連れられて行くのを目撃した。その女子こそが前に付き合っていた元カノである。
言葉は悪いが遥と内密に恋人の真似事をしていた時に妬かせたいがために利用した人物。
互いには本気にならない関係として持ちかけて後腐れのないように終わったはずなのにどうやら相手が本気になってしまい、先日復縁を迫られたばかり。
嫌な予感がしてこっそりと息を潜めながら後を追った忍足は残念ながらその予感が的中するはめになった。
「あんたなんかっ、あんたなんかいるから侑士くんは私を見なくなったのよ! マネージャーにもなって彼に近づいてるのも信じられないわ!」
「そんなこと言われても困るのだが!」
人気のない階段の踊り場。寄りを戻そうと彼女から告げられたあの場所だった。
女子生徒が遥に掴みかかり、今にも階段から突き落とそうとするのだからさすがの忍足も慌てて二人の前に姿を見せた。
しかし、相手は忍足が現れたことを知ると遥から弾くようにその身を投げ出し、忍足は驚愕する。
考える暇もなく彼女を受け止めたはいいが、遥に突き落とされたと言う始末。
忍足は頭を抱えたくなった。突き落とされた様子は見えなかったし、自ら落ちに来たようにしか見えない。そもそも忍足の知る遥はそんなことはしないと断言出来る。
この事態をどう収拾つけるか悩みながらも今はこの二人を近づけさせないため、忍足は元カノを遥から引き離すことにした。
「侑士くん、助けに来てくれてありがとう」
「助けたわけちゃうで」
ひとまず遥から離すことには成功したが、元カノは忍足の隣をべったりとくっつくので、すぐに抱いていた肩を解放して少しだけ距離を取った。
「そんだけ元気なら支えはいらんやろ?」
「……どうしてそんな冷たいこと言うの?」
「自分がそうさせとるんやろ。自分、俺が出てこなかったら遥に何するつもりやってん?」
「何って話し合いをしてただけじゃない。それに侑士くんが言ってた好きな人ってあの子なんでしょ? 侑士くんとは釣り合わないよ」
表情には出さないが、彼女の言葉に腹の底から憤りが湧き出した。いや、すでに忍足の怒りは先程の遥との一悶着の時から芽生えていた。
「なんでそないなこと言われなあかんねん」
「だって私の方がどう見ても見た目もいいし、スタイルもいいと自負してるのよ!? 侑士くんの隣に並ぶなら私しかいないの!」
自信があるのは悪いことではない。むしろ彼女はその自信に違わぬ要素を確かに持っていた。
「せやな。確かに自分はモデル並みのべっぴんさんやで。せやけどな、それでも俺の一番は遥や」
「っ!」
「関係を始めたのも終わらせたのも俺や。俺を恨むなら分かるけどあいつを傷つけるのはちゃうやろ? もう俺のことをはさっさと諦めて遥にも手を出さんといてくれるか? 次、また遥になんかしたらほんまに許さへんで」
「……っ」
氷のように冷たい視線を向けると、相手はその目から逃れるように顔を俯かせた。
顔色は読めないが、悔しそうに拳を握って震えている様子を見ると表情が見えなくとも彼女の感情は物語っている。
「私の方が綺麗で美人で可愛いって言われるのになんであんな大したことのない女なんかっ!」
「それ以上、遥への暴言はやめてくれへん? 好きな相手をそんなふうに言われて気分悪くなるねん」
「……」
もの言わぬ人形になった彼女に忍足もこの辺で切り上げようと「ほなな」と一言告げて去ることにした。
追いかけてきたらどないしようかと考えたが相手は一歩も動く気配はなく杞憂だったようで忍足は安心して彼女から離れた。
しかし、好きな相手が狙われていると知って何もしないわけにはいかなかった。
とはいえ言葉を交わすことも出来ないし、触れることすら許されない。もし、そんなことをしてしまったら容疑者の怒りに触れるだろう。
それならば見守るくらいならいいだろうと、忍足は遥を害する者が近づかないか遠目から見ていた。
まさかそれが容疑者を刺激していただなんて彼は思うはずもない。
昼休みに遥が見覚えのある女子に連れられて行くのを目撃した。その女子こそが前に付き合っていた元カノである。
言葉は悪いが遥と内密に恋人の真似事をしていた時に妬かせたいがために利用した人物。
互いには本気にならない関係として持ちかけて後腐れのないように終わったはずなのにどうやら相手が本気になってしまい、先日復縁を迫られたばかり。
嫌な予感がしてこっそりと息を潜めながら後を追った忍足は残念ながらその予感が的中するはめになった。
「あんたなんかっ、あんたなんかいるから侑士くんは私を見なくなったのよ! マネージャーにもなって彼に近づいてるのも信じられないわ!」
「そんなこと言われても困るのだが!」
人気のない階段の踊り場。寄りを戻そうと彼女から告げられたあの場所だった。
女子生徒が遥に掴みかかり、今にも階段から突き落とそうとするのだからさすがの忍足も慌てて二人の前に姿を見せた。
しかし、相手は忍足が現れたことを知ると遥から弾くようにその身を投げ出し、忍足は驚愕する。
考える暇もなく彼女を受け止めたはいいが、遥に突き落とされたと言う始末。
忍足は頭を抱えたくなった。突き落とされた様子は見えなかったし、自ら落ちに来たようにしか見えない。そもそも忍足の知る遥はそんなことはしないと断言出来る。
この事態をどう収拾つけるか悩みながらも今はこの二人を近づけさせないため、忍足は元カノを遥から引き離すことにした。
「侑士くん、助けに来てくれてありがとう」
「助けたわけちゃうで」
ひとまず遥から離すことには成功したが、元カノは忍足の隣をべったりとくっつくので、すぐに抱いていた肩を解放して少しだけ距離を取った。
「そんだけ元気なら支えはいらんやろ?」
「……どうしてそんな冷たいこと言うの?」
「自分がそうさせとるんやろ。自分、俺が出てこなかったら遥に何するつもりやってん?」
「何って話し合いをしてただけじゃない。それに侑士くんが言ってた好きな人ってあの子なんでしょ? 侑士くんとは釣り合わないよ」
表情には出さないが、彼女の言葉に腹の底から憤りが湧き出した。いや、すでに忍足の怒りは先程の遥との一悶着の時から芽生えていた。
「なんでそないなこと言われなあかんねん」
「だって私の方がどう見ても見た目もいいし、スタイルもいいと自負してるのよ!? 侑士くんの隣に並ぶなら私しかいないの!」
自信があるのは悪いことではない。むしろ彼女はその自信に違わぬ要素を確かに持っていた。
「せやな。確かに自分はモデル並みのべっぴんさんやで。せやけどな、それでも俺の一番は遥や」
「っ!」
「関係を始めたのも終わらせたのも俺や。俺を恨むなら分かるけどあいつを傷つけるのはちゃうやろ? もう俺のことをはさっさと諦めて遥にも手を出さんといてくれるか? 次、また遥になんかしたらほんまに許さへんで」
「……っ」
氷のように冷たい視線を向けると、相手はその目から逃れるように顔を俯かせた。
顔色は読めないが、悔しそうに拳を握って震えている様子を見ると表情が見えなくとも彼女の感情は物語っている。
「私の方が綺麗で美人で可愛いって言われるのになんであんな大したことのない女なんかっ!」
「それ以上、遥への暴言はやめてくれへん? 好きな相手をそんなふうに言われて気分悪くなるねん」
「……」
もの言わぬ人形になった彼女に忍足もこの辺で切り上げようと「ほなな」と一言告げて去ることにした。
追いかけてきたらどないしようかと考えたが相手は一歩も動く気配はなく杞憂だったようで忍足は安心して彼女から離れた。