自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
悪意ある噂
主人公名前変換
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「もうっ! なんで違う人と西成遥を勘違いしたのよ!」
「ぶりっ子そうって言ったのそっちじゃない!」
「だって一番跡部先輩と話をしてたんだから絶対狙ってるって思うでしょ! 他のみんなもそう思ってたわよ!」
そそくさと男子テニス部から離れ、少し距離を取った所で先程自分達がいた場所を確認する。どうやら秋はもういないようで一年生女子生徒達は胸を撫で下ろした。
「てか、ヤバくない? もしかして私ら先生にチクられるんじゃない?」
「でもクラスまでは分かんないでしょ。どうせそこまではしないわ━━」
二人の間を強烈な風が吹いた。その後、吹いた先にある木にスパァン! と大きな音が立つ。
そちらに目を向けるとテニスボールが僅かながらの湯気を立たせながら木にめり込んでいた。
彼女達の間を過ぎた風は紛れもなくそのテニスボールのようだが、一歩間違えれば彼女達のどちらかの顔に当たっていたかもしれない。
サァーッと二人は血の気が引いていった。
「動くな。お前らに聞きたいことがある」
ボールを打った方から一人の女子がラケットを肩に乗せながら二人の元へとズンズンと近づいてくる。
虫の居所が悪いというような表情、獲物を狙うように光る眼、ドスの効いた声は全て彼女達に向けられていた。
秋と少女達のやりとりを一部始終見ていた赤宮麻美が二人を追いかけたのだ。
鬼神の如く佇まいの麻美を前にした女子生徒達は互いに手を取り合って怯えている様子。
「そのくだらねぇ嘘八百の噂はどこで聞きやがった?」
ラケットの先を女子達に向ける。まるで銃で脅すかのように。びくりと肩を震わせた彼女達はか細い声で話し始める。
「ク、クラスで……」
「みんな話をしてた……んです」
「誰が言い出しっぺだ?」
「それは……分かり、ません」
「みんな話をしてた、んだろ。言っていた奴の名を全員言え」
そう命令を下すと、彼女達は次々と名前を告げていく。
麻美はスマートフォンのメモ機能を使い、全員の名前を控え、彼女達を解放した。
「……一人ずつ当たるか」
ズラリと名前を打ち込んだが、その数は十人を超えている。この中に噂を流した犯人がいるのか、それともまた別の人間から噂を聞いただけの操り人形なのか。
先が長そうだなと溜め息を吐き捨てる麻美だったが、背後に人の気配を感じて勢いよく振り返った。
「そう構えるな」
「……跡部か」
そう簡単に真犯人が現れるわけないかと麻美は独りごちる。
跡部の様子から見ると先程の下級生とのやり取りを目撃したと思われた。
「なんであんたがここにいるんだよ。もうすぐ終わるとはいえ部活中だろ」
「その部活中に突然マネージャーが走り出したら何かあったと思うだろ、普通」
どうやら跡部は麻美を追ってきたようだ。監視されているように思えて彼女は小さく舌打ちをする。
「昨日、鳳から件の噂についての報告を受けた。お前にも話をしたと聞いていたから絶対一人で解決に動くだろうと思っていたが、やはり俺の考えは間違いじゃなかったみたいだな」
「だからなんだ」
「手っ取り早く解決したいんだろ? 協力といこうじゃねぇか」
スッと手を差し出される。握手を交わせば協力し合うという契りなのだろう。
「具体的にどう協力してくれるわけ?」
「情報の共有だ。俺は二年の噂の出処を探るからお前は一年を頼む。こっちが終わり次第そっちを手伝う。今回の噂はおそらく一年生の方が大きく広まってるようだからな」
元より跡部の手を借りるつもりだった。というより、勝手に動くと考えていた。
(っつーか、協力せずともこいつなら私の手なんかいらないんだろ)
認めたくはないが跡部にはそれだけ力がある。金にしろ権力にしろおおよその中学生にはないものを跡部は持っているのだ。
だからこそなぜ向こうから協力を申し込むのか麻美には分からなかった。分からないが断る理由はないので目の前に差し出された手を取った。
「そう言うなら手を借りてやる」
「交渉成立だな」
すぐに跡部から手を離した麻美は「じゃあな」と告げてそれ以上の会話をすることなく立ち去った。
「ったく、少しは頼ったかと思えばすぐに一人で突っ走りやがる」
残された跡部はやれやれと言った表情を見せるが、すぐにフッと小さく笑みを浮かべた。
本当なら俺に任せてお前は大人しくしとけ。と言いたいところだが、それで素直に言うこと聞くような人間ではないことは百も承知。
ならばこちらから協力を求めるしかないだろう。麻美も早期解決したいに決まっているだろうし、もし勝手に暴れられたりしたらそれこそ手間である。
麻美の行動把握のためにも情報共有は必須だと思い、跡部は麻美と協力することを望んだ。
プライドも高いから断られる確率もあったのだが、上手くいったようで何よりだと考えた跡部は早速噂の原因を調べることにした。
「ぶりっ子そうって言ったのそっちじゃない!」
「だって一番跡部先輩と話をしてたんだから絶対狙ってるって思うでしょ! 他のみんなもそう思ってたわよ!」
そそくさと男子テニス部から離れ、少し距離を取った所で先程自分達がいた場所を確認する。どうやら秋はもういないようで一年生女子生徒達は胸を撫で下ろした。
「てか、ヤバくない? もしかして私ら先生にチクられるんじゃない?」
「でもクラスまでは分かんないでしょ。どうせそこまではしないわ━━」
二人の間を強烈な風が吹いた。その後、吹いた先にある木にスパァン! と大きな音が立つ。
そちらに目を向けるとテニスボールが僅かながらの湯気を立たせながら木にめり込んでいた。
彼女達の間を過ぎた風は紛れもなくそのテニスボールのようだが、一歩間違えれば彼女達のどちらかの顔に当たっていたかもしれない。
サァーッと二人は血の気が引いていった。
「動くな。お前らに聞きたいことがある」
ボールを打った方から一人の女子がラケットを肩に乗せながら二人の元へとズンズンと近づいてくる。
虫の居所が悪いというような表情、獲物を狙うように光る眼、ドスの効いた声は全て彼女達に向けられていた。
秋と少女達のやりとりを一部始終見ていた赤宮麻美が二人を追いかけたのだ。
鬼神の如く佇まいの麻美を前にした女子生徒達は互いに手を取り合って怯えている様子。
「そのくだらねぇ嘘八百の噂はどこで聞きやがった?」
ラケットの先を女子達に向ける。まるで銃で脅すかのように。びくりと肩を震わせた彼女達はか細い声で話し始める。
「ク、クラスで……」
「みんな話をしてた……んです」
「誰が言い出しっぺだ?」
「それは……分かり、ません」
「みんな話をしてた、んだろ。言っていた奴の名を全員言え」
そう命令を下すと、彼女達は次々と名前を告げていく。
麻美はスマートフォンのメモ機能を使い、全員の名前を控え、彼女達を解放した。
「……一人ずつ当たるか」
ズラリと名前を打ち込んだが、その数は十人を超えている。この中に噂を流した犯人がいるのか、それともまた別の人間から噂を聞いただけの操り人形なのか。
先が長そうだなと溜め息を吐き捨てる麻美だったが、背後に人の気配を感じて勢いよく振り返った。
「そう構えるな」
「……跡部か」
そう簡単に真犯人が現れるわけないかと麻美は独りごちる。
跡部の様子から見ると先程の下級生とのやり取りを目撃したと思われた。
「なんであんたがここにいるんだよ。もうすぐ終わるとはいえ部活中だろ」
「その部活中に突然マネージャーが走り出したら何かあったと思うだろ、普通」
どうやら跡部は麻美を追ってきたようだ。監視されているように思えて彼女は小さく舌打ちをする。
「昨日、鳳から件の噂についての報告を受けた。お前にも話をしたと聞いていたから絶対一人で解決に動くだろうと思っていたが、やはり俺の考えは間違いじゃなかったみたいだな」
「だからなんだ」
「手っ取り早く解決したいんだろ? 協力といこうじゃねぇか」
スッと手を差し出される。握手を交わせば協力し合うという契りなのだろう。
「具体的にどう協力してくれるわけ?」
「情報の共有だ。俺は二年の噂の出処を探るからお前は一年を頼む。こっちが終わり次第そっちを手伝う。今回の噂はおそらく一年生の方が大きく広まってるようだからな」
元より跡部の手を借りるつもりだった。というより、勝手に動くと考えていた。
(っつーか、協力せずともこいつなら私の手なんかいらないんだろ)
認めたくはないが跡部にはそれだけ力がある。金にしろ権力にしろおおよその中学生にはないものを跡部は持っているのだ。
だからこそなぜ向こうから協力を申し込むのか麻美には分からなかった。分からないが断る理由はないので目の前に差し出された手を取った。
「そう言うなら手を借りてやる」
「交渉成立だな」
すぐに跡部から手を離した麻美は「じゃあな」と告げてそれ以上の会話をすることなく立ち去った。
「ったく、少しは頼ったかと思えばすぐに一人で突っ走りやがる」
残された跡部はやれやれと言った表情を見せるが、すぐにフッと小さく笑みを浮かべた。
本当なら俺に任せてお前は大人しくしとけ。と言いたいところだが、それで素直に言うこと聞くような人間ではないことは百も承知。
ならばこちらから協力を求めるしかないだろう。麻美も早期解決したいに決まっているだろうし、もし勝手に暴れられたりしたらそれこそ手間である。
麻美の行動把握のためにも情報共有は必須だと思い、跡部は麻美と協力することを望んだ。
プライドも高いから断られる確率もあったのだが、上手くいったようで何よりだと考えた跡部は早速噂の原因を調べることにした。