自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
悪意ある噂
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ゴールデンウィーク明け、担任の小林に次の中間考査で全教科70点以上取らなければ部活は停止だと言われてしまった宍戸は頭を抱えた。
なぜこうなったのか。いや、今まで授業やテストを疎かにした自分が悪いのかもしれないが、部活を優先して何が悪いんだよと胸の中で悪態ついた。
しかし、確実に点数を取らないと本当に部活停止をさせられてしまう。これは冗談じゃなく小林は本気で言っていた。
(大会だって始まるのにこんなことで休んでなんかいられねーんだよ!)
今のままでは絶対に70点以上なんて取れるわけがない。これでは確実に部活停止を食らってしまうだろう。
それを避けるために宍戸は担任の言われた通りの結果を残すしかなかった。
やってやるよ。そう思った宍戸はその日からテスト勉強を始めた。
もちろん、部活も疎かにはしない。部活時間外である休み時間はもちろん自宅にいる時間も勉強に費やした。
しかし、学校では得意そうな人間に聞きに行ったり出来るが、自宅では完全に一人学習のため頭がパンクになりそうな時もあった。
そんな時は大体筋トレをしながら無理やり頭に詰め込むという荒業で何とかなるものの、躓く所は躓いてしまうこともある。
慣れない生活が数日ほど続いたある日。その日は放課後の部活もなく、教室に残ってテスト勉強をすることにした宍戸はクラスメイトから「テスト勉強頑張れよ~」とからかいを受けながら「うるせーよ!」と返した。
こんなからかわれるくらいなら大人しく家に帰って勉強した方が良かったなと思うものの、学校の方が捗るので宍戸はそのままテスト勉強を続ける。
「……わっかんねぇな、くそっ」
途中、数学の公式で手が止まり、頭を掻き毟る。数字と記号の羅列は見てるだけで気が遠くなるし、イライラも溜まっていく。
「落ち着いて。そこは応用問題だから難しいけど、今まで覚えた公式をいくつか使えばちゃんと解けるよ」
宍戸の前に立つ人物がそう答える。教室は既に誰もいなくなったと思っていたからいつの間にいたのか、そこには秋の姿があった。
「九条……んだよ、お前も俺をからかいに来たのかよ」
クラスメイトにからかわれたことを思い出した宍戸は秋にも同じ目的で近づいたのではと思い口を開く。
そうじゃなくても三年間同じクラスだったせいでいつも口うるさい小言を貰うことも多く、出来るなら関わりたくない相手だった。
「一生懸命頑張ってるのに茶化すことは言わないよ」
「……そうかよ」
「うん。だからゆっくり考えてやってみて」
「……」
にっこり笑いながら勉強を続けるように促す秋に宍戸はやりづらさを感じながら目の前の問題と向き合うことにした。集中していればそのうちいなくなるだろうと考えて。
言われた通りに今まで覚えた公式をいくつか使ってみることにした。
解くのにかなり時間を要したが、何とか答えを書くことが出来たので解答を確認することに。
その結果、時間かけて求めた答えは正解だったので「よっしゃ!」と喜びの声が漏れた。
「あってたみたいだね」
「うおっ!? お前まだいたのかよっ!」
あれから十分以上は頭を悩ませたはずなのに、もういないと思っていた秋がまだいたことに宍戸は驚きの声を上げる。
「いたよ? 気付かなかった?」
「っつーか、なんでまだいんだよ……」
「もし、また分からない所があったら手助けしようと思って」
「なんでお前がそんなことするんだよ?」
「中間考査の結果によっては部活停止になっちゃうんでしょ? そうならないように私の出来ることはしておきたいの」
それはテニス部のマネージャーとしてなのか、それとも腐れ縁ゆえなのか。どちらにしても善意として言ってることに間違いないが、そのお節介が鬱陶しくも感じる。
しかし、秋は勉強が出来るし、成績も上位に入るので勉強を見てもらうのはとてもありがたいことだったし、願ってもないことでもあったのだが。
「嫌じゃねーのかよ」
つい、ひねくれたことを口にしてしまう。
今は機嫌がいいかもしれないが、よく小言を受けている立場としては後々文句を言われるんじゃないかと警戒していた。
「嫌じゃないよ。勉強を見るのは普段からよくしてるから好きなくらいだし」
確かによくジローの勉強を見ていたな、と宍戸はクラスでよく見る光景を思い出す。
その効果があるのか、今回部活停止の話は芥川にはなかったので秋に見てもらうのは悪くないのかもしれない。
「出来が悪ぃって怒鳴ったりしねぇのなら頼む……」
「さすがにそんなこと言わないけど、そう思ってたの?」
「そうは言ってねーだろっ」
心外だよと言わんばかりに残念そうな顔をするので宍戸は声を荒らげて反論した。
「うん、そうだね。宍戸はちょっと口が悪いだけだもんね」
「一言多いっつーの!」
やっぱり頼むんじゃなかったかと後悔する宍戸だが、悔しいことに秋の教え方は良かったため、テストまでの何日かは秋にテスト勉強を付き合ってもらうことになった。
なぜこうなったのか。いや、今まで授業やテストを疎かにした自分が悪いのかもしれないが、部活を優先して何が悪いんだよと胸の中で悪態ついた。
しかし、確実に点数を取らないと本当に部活停止をさせられてしまう。これは冗談じゃなく小林は本気で言っていた。
(大会だって始まるのにこんなことで休んでなんかいられねーんだよ!)
今のままでは絶対に70点以上なんて取れるわけがない。これでは確実に部活停止を食らってしまうだろう。
それを避けるために宍戸は担任の言われた通りの結果を残すしかなかった。
やってやるよ。そう思った宍戸はその日からテスト勉強を始めた。
もちろん、部活も疎かにはしない。部活時間外である休み時間はもちろん自宅にいる時間も勉強に費やした。
しかし、学校では得意そうな人間に聞きに行ったり出来るが、自宅では完全に一人学習のため頭がパンクになりそうな時もあった。
そんな時は大体筋トレをしながら無理やり頭に詰め込むという荒業で何とかなるものの、躓く所は躓いてしまうこともある。
慣れない生活が数日ほど続いたある日。その日は放課後の部活もなく、教室に残ってテスト勉強をすることにした宍戸はクラスメイトから「テスト勉強頑張れよ~」とからかいを受けながら「うるせーよ!」と返した。
こんなからかわれるくらいなら大人しく家に帰って勉強した方が良かったなと思うものの、学校の方が捗るので宍戸はそのままテスト勉強を続ける。
「……わっかんねぇな、くそっ」
途中、数学の公式で手が止まり、頭を掻き毟る。数字と記号の羅列は見てるだけで気が遠くなるし、イライラも溜まっていく。
「落ち着いて。そこは応用問題だから難しいけど、今まで覚えた公式をいくつか使えばちゃんと解けるよ」
宍戸の前に立つ人物がそう答える。教室は既に誰もいなくなったと思っていたからいつの間にいたのか、そこには秋の姿があった。
「九条……んだよ、お前も俺をからかいに来たのかよ」
クラスメイトにからかわれたことを思い出した宍戸は秋にも同じ目的で近づいたのではと思い口を開く。
そうじゃなくても三年間同じクラスだったせいでいつも口うるさい小言を貰うことも多く、出来るなら関わりたくない相手だった。
「一生懸命頑張ってるのに茶化すことは言わないよ」
「……そうかよ」
「うん。だからゆっくり考えてやってみて」
「……」
にっこり笑いながら勉強を続けるように促す秋に宍戸はやりづらさを感じながら目の前の問題と向き合うことにした。集中していればそのうちいなくなるだろうと考えて。
言われた通りに今まで覚えた公式をいくつか使ってみることにした。
解くのにかなり時間を要したが、何とか答えを書くことが出来たので解答を確認することに。
その結果、時間かけて求めた答えは正解だったので「よっしゃ!」と喜びの声が漏れた。
「あってたみたいだね」
「うおっ!? お前まだいたのかよっ!」
あれから十分以上は頭を悩ませたはずなのに、もういないと思っていた秋がまだいたことに宍戸は驚きの声を上げる。
「いたよ? 気付かなかった?」
「っつーか、なんでまだいんだよ……」
「もし、また分からない所があったら手助けしようと思って」
「なんでお前がそんなことするんだよ?」
「中間考査の結果によっては部活停止になっちゃうんでしょ? そうならないように私の出来ることはしておきたいの」
それはテニス部のマネージャーとしてなのか、それとも腐れ縁ゆえなのか。どちらにしても善意として言ってることに間違いないが、そのお節介が鬱陶しくも感じる。
しかし、秋は勉強が出来るし、成績も上位に入るので勉強を見てもらうのはとてもありがたいことだったし、願ってもないことでもあったのだが。
「嫌じゃねーのかよ」
つい、ひねくれたことを口にしてしまう。
今は機嫌がいいかもしれないが、よく小言を受けている立場としては後々文句を言われるんじゃないかと警戒していた。
「嫌じゃないよ。勉強を見るのは普段からよくしてるから好きなくらいだし」
確かによくジローの勉強を見ていたな、と宍戸はクラスでよく見る光景を思い出す。
その効果があるのか、今回部活停止の話は芥川にはなかったので秋に見てもらうのは悪くないのかもしれない。
「出来が悪ぃって怒鳴ったりしねぇのなら頼む……」
「さすがにそんなこと言わないけど、そう思ってたの?」
「そうは言ってねーだろっ」
心外だよと言わんばかりに残念そうな顔をするので宍戸は声を荒らげて反論した。
「うん、そうだね。宍戸はちょっと口が悪いだけだもんね」
「一言多いっつーの!」
やっぱり頼むんじゃなかったかと後悔する宍戸だが、悔しいことに秋の教え方は良かったため、テストまでの何日かは秋にテスト勉強を付き合ってもらうことになった。