自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
始まりはマネージャー勧誘
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「秋~!」
翌朝、早速芥川は誘いたかった目当ての人物の元へ訪ねた。
訪ねたというよりも元々同じ三年C組のクラスメイトなため、登校して自分の教室に辿り着いたという方が正しい。
「おはよう、ジロー。今日はしっかり起きてるんだね」
三年C組。九条秋。
成績優秀で氷帝学園中等部生徒会所属の副会長。
しっかり者で与えられた業務はテキパキこなし、自分の意見もはっきり言える真面目な生徒。
人当たりが良く、優しい性格であるが大事な場面での決断に弱いので優柔不断になることもある人物。
いつもならば眠たげに教室にやって来るか、樺地に背負われてやって来るかのどちらかである芥川が珍しく朝から元気に登校して来たのを見て、彼女は何かいいことがあったのだろうと微笑んでいた。
「おっはよー! あのさあのさっ! ちょっと秋にお願いがあるんだけど!」
「お願い? 何かな?」
「実はねー! うちの部のマネ、むぐっ!?」
芥川が話をしようとした矢先、同じクラスである宍戸が勢いよく走って彼の口を思いっきり塞いだ。ひとつにくくっている自慢の髪が乱れるくらいの速さで。
「えっ、し、宍戸っ? 何してるのっ? ジローの邪魔しちゃ駄目でしょっ!」
「しょうがねぇだろ! こっちにも事情があるんだよ!」
「もごもご~!」
「ジロー、お前も場所を考えて話をしろよなっ」
宍戸は焦っていた。ただでさえマネージャーを勧誘することは公に出来ないのに、こんなクラスメイトがいる中で覚醒して騒々しい芥川がスカウトなんてしたら一気にクラス中が騒ぎになってしまう。
それを避けるために宍戸は芥川の口を押さえたのだが、秋には訝しげな目で見られるのでとんだ貧乏くじを引かされたものである。
(っつーか、ジローの勧誘したい奴って九条かよっ!)
宍戸と秋は不思議なことになんの因縁なのか、中等部に入ってからずっと同じクラスである。
真面目でしっかり者の秋と男気はあるが最近はどこか慢心が見られる宍戸。
ちょくちょく秋から注意や小言を受けている宍戸は思春期にありがちな反発をしたりするので彼女からの印象は良くないし、彼自身も少し気まずいものがある。
「……とにかく話は場所を変えてからだ。わかったな、ジロー?」
そう問うと芥川は口を塞がれたままこくこく頷いたので、秋を連れて教室を出た。
人気のなさそうな所を探し、階段の踊り場へと場所を変えた三人はようやく本題に入る。
「どうして宍戸までいるのか気になるんだけど……。ねぇ、ジロー。お願いって何かな?」
「秋に男テニのマネージャーになってほしいんだよ!」
一度、宍戸の顔色を伺い、GOサインをもらった芥川は意気揚々に秋をマネージャーにスカウトをする。
まさかの話に秋も驚いているのか、きょとんとした顔をした。
「マネージャー……?」
「うちの部でマネージャーを入れることにしたんだけど、大々的に募集なんて出来ねーからこうやって内密に勧誘してるってわけだ」
「あぁ、なるほど。……だからって宍戸はちょっと乱暴がすぎるよ」
「ったく、細けーな……」
「で、で、どう? 俺、秋がマネージャーしてくれるなら部活ちょー頑張るCー!」
「マネージャーかぁ……うーん……」
「秋、他に部活やってないんでしょ? ダメなの?」
ダメ、と言われたらダメではないが、秋は迷っていた。
今まで部活に入っていなかったのも、何が自分に合うかわからないまま迷い続け、仮入部のタイミングも失ってしまい、ずっと迷うくらいなら無所属でもいいかもしれないと考えていた。
しかし、お人好し故に頼まれると弱いのも事実。
「うーん……でも上手くやって行ける自信ないかな……」
総部員200名以上の人気テニス部のマネージャーと考えるだけで大変な気がしてきた。主にメンタル面である。
「ただでさえ、生徒会に入ってるだけで快く思ってない人もいるからさらに男子テニス部のマネージャーを一人で背負うのは少し厳しいかな……」
「大丈夫だって! 俺達が選んだマネージャーなんだからとやかく言わせねぇし、それにマネージャーは他にも入れるって跡部も言ってたんだよ!」
(薄々そうじゃねぇかって思ってたけど、ジローの奴……九条のこと好きなのか?)
宍戸、芥川、向日の三人はいわゆる幼馴染みで仲がいい。互いをよく知る間柄だからこそ、宍戸は芥川の気持ちに勘づいた。
「他にもマネージャーが?」
「そうそう。麻美も誘うんだって」
「え? 麻美も?」
「麻美と秋は仲いいっしょ? だから寂しくないし、いいじゃん! なっ? なっ?」
ずいっと秋に顔を寄せて目を輝かせる芥川に秋の気持ちはぐらついた。
友人の麻美と一緒ならそれは願ってもないことだし、むしろ楽しそうだとも思える……が、しかし、麻美の性格上マネージャー業を受け入れることなんて出来るのだろうかと考える。
「……じゃあ、麻美が一緒にマネージャーになるなら、私も引き受けようかな」
ひとまず、麻美が一緒という条件を出すことにした秋だったが、芥川はまるで決定したと言わんばかりの喜びに飛び跳ねた。
「やったーー!! 秋がマネージャーになってくれて俺嬉Cー!!」
「おいおい、ジロー。まだ決定じゃねーだろ?」
「でもでも、跡部なら麻美を説得出来るっしょ?」
「……昨日はどっちが折れるんだろうなって言ってたくせに」
「跡部と麻美かぁ……確かにどっちが諦めるか気になるね」
一年の頃から生徒会に所属しているので、跡部との付き合いも長い。
そのため、秋も跡部のことはそれなりにどのような人物か知っているので、麻美相手でも怯むことはなく、簡単に諦めないと考えた。
(今までやりたい部活は決まらなかったけど、麻美と一緒ならどんな部活でも楽しいかもしれない)
翌朝、早速芥川は誘いたかった目当ての人物の元へ訪ねた。
訪ねたというよりも元々同じ三年C組のクラスメイトなため、登校して自分の教室に辿り着いたという方が正しい。
「おはよう、ジロー。今日はしっかり起きてるんだね」
三年C組。九条秋。
成績優秀で氷帝学園中等部生徒会所属の副会長。
しっかり者で与えられた業務はテキパキこなし、自分の意見もはっきり言える真面目な生徒。
人当たりが良く、優しい性格であるが大事な場面での決断に弱いので優柔不断になることもある人物。
いつもならば眠たげに教室にやって来るか、樺地に背負われてやって来るかのどちらかである芥川が珍しく朝から元気に登校して来たのを見て、彼女は何かいいことがあったのだろうと微笑んでいた。
「おっはよー! あのさあのさっ! ちょっと秋にお願いがあるんだけど!」
「お願い? 何かな?」
「実はねー! うちの部のマネ、むぐっ!?」
芥川が話をしようとした矢先、同じクラスである宍戸が勢いよく走って彼の口を思いっきり塞いだ。ひとつにくくっている自慢の髪が乱れるくらいの速さで。
「えっ、し、宍戸っ? 何してるのっ? ジローの邪魔しちゃ駄目でしょっ!」
「しょうがねぇだろ! こっちにも事情があるんだよ!」
「もごもご~!」
「ジロー、お前も場所を考えて話をしろよなっ」
宍戸は焦っていた。ただでさえマネージャーを勧誘することは公に出来ないのに、こんなクラスメイトがいる中で覚醒して騒々しい芥川がスカウトなんてしたら一気にクラス中が騒ぎになってしまう。
それを避けるために宍戸は芥川の口を押さえたのだが、秋には訝しげな目で見られるのでとんだ貧乏くじを引かされたものである。
(っつーか、ジローの勧誘したい奴って九条かよっ!)
宍戸と秋は不思議なことになんの因縁なのか、中等部に入ってからずっと同じクラスである。
真面目でしっかり者の秋と男気はあるが最近はどこか慢心が見られる宍戸。
ちょくちょく秋から注意や小言を受けている宍戸は思春期にありがちな反発をしたりするので彼女からの印象は良くないし、彼自身も少し気まずいものがある。
「……とにかく話は場所を変えてからだ。わかったな、ジロー?」
そう問うと芥川は口を塞がれたままこくこく頷いたので、秋を連れて教室を出た。
人気のなさそうな所を探し、階段の踊り場へと場所を変えた三人はようやく本題に入る。
「どうして宍戸までいるのか気になるんだけど……。ねぇ、ジロー。お願いって何かな?」
「秋に男テニのマネージャーになってほしいんだよ!」
一度、宍戸の顔色を伺い、GOサインをもらった芥川は意気揚々に秋をマネージャーにスカウトをする。
まさかの話に秋も驚いているのか、きょとんとした顔をした。
「マネージャー……?」
「うちの部でマネージャーを入れることにしたんだけど、大々的に募集なんて出来ねーからこうやって内密に勧誘してるってわけだ」
「あぁ、なるほど。……だからって宍戸はちょっと乱暴がすぎるよ」
「ったく、細けーな……」
「で、で、どう? 俺、秋がマネージャーしてくれるなら部活ちょー頑張るCー!」
「マネージャーかぁ……うーん……」
「秋、他に部活やってないんでしょ? ダメなの?」
ダメ、と言われたらダメではないが、秋は迷っていた。
今まで部活に入っていなかったのも、何が自分に合うかわからないまま迷い続け、仮入部のタイミングも失ってしまい、ずっと迷うくらいなら無所属でもいいかもしれないと考えていた。
しかし、お人好し故に頼まれると弱いのも事実。
「うーん……でも上手くやって行ける自信ないかな……」
総部員200名以上の人気テニス部のマネージャーと考えるだけで大変な気がしてきた。主にメンタル面である。
「ただでさえ、生徒会に入ってるだけで快く思ってない人もいるからさらに男子テニス部のマネージャーを一人で背負うのは少し厳しいかな……」
「大丈夫だって! 俺達が選んだマネージャーなんだからとやかく言わせねぇし、それにマネージャーは他にも入れるって跡部も言ってたんだよ!」
(薄々そうじゃねぇかって思ってたけど、ジローの奴……九条のこと好きなのか?)
宍戸、芥川、向日の三人はいわゆる幼馴染みで仲がいい。互いをよく知る間柄だからこそ、宍戸は芥川の気持ちに勘づいた。
「他にもマネージャーが?」
「そうそう。麻美も誘うんだって」
「え? 麻美も?」
「麻美と秋は仲いいっしょ? だから寂しくないし、いいじゃん! なっ? なっ?」
ずいっと秋に顔を寄せて目を輝かせる芥川に秋の気持ちはぐらついた。
友人の麻美と一緒ならそれは願ってもないことだし、むしろ楽しそうだとも思える……が、しかし、麻美の性格上マネージャー業を受け入れることなんて出来るのだろうかと考える。
「……じゃあ、麻美が一緒にマネージャーになるなら、私も引き受けようかな」
ひとまず、麻美が一緒という条件を出すことにした秋だったが、芥川はまるで決定したと言わんばかりの喜びに飛び跳ねた。
「やったーー!! 秋がマネージャーになってくれて俺嬉Cー!!」
「おいおい、ジロー。まだ決定じゃねーだろ?」
「でもでも、跡部なら麻美を説得出来るっしょ?」
「……昨日はどっちが折れるんだろうなって言ってたくせに」
「跡部と麻美かぁ……確かにどっちが諦めるか気になるね」
一年の頃から生徒会に所属しているので、跡部との付き合いも長い。
そのため、秋も跡部のことはそれなりにどのような人物か知っているので、麻美相手でも怯むことはなく、簡単に諦めないと考えた。
(今までやりたい部活は決まらなかったけど、麻美と一緒ならどんな部活でも楽しいかもしれない)