自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
最後はバラバラに帰る休日
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カフェレストランをあとにしたその帰り道。忍足とは先に別れた。
最後まで麻美は忍足を睨みつけ、忍足はというと苦笑いをしながら帰って行った。
途中まで帰り道が一緒の麻美、向日と共に帰る秋は向日に向けて困り顔で口を開く。
「向日、なんだかごめんね。変な空気になっちゃって……」
「え? あぁ、気にすんなって。悪ぃのは侑士だし」
さも気にしていないといった様子の向日に秋はホッと安心した。
しかし、麻美は向日にある疑いを抱いている。
「おい、向日。あんた、今回秋を誘ったのは忍足に頼まれたからだろ?」
その言葉を聞いて向日はぎくりと身体が跳ねた。唐突に図星をついてきたため、向日は上手く隠せずに冷や汗がダラダラと流れる。
「……」
「その様子だと事実のようだな」
「えっ……? どういうこと?」
「大方、遥がドタキャンとか出かけるのを考え直さないための存在として秋を指定したんだろ」
麻美の指摘に間違いはなかった。否定は出来ないが、肯定もしたくはなくて向日は気まずそうに黙り込む。
しかし、何かを言わなければ麻美の無言の圧に押し潰されそうだったため、向日は観念することに決めた。
「……確かに、侑士に頼まれたのは間違いねぇけどよ」
「!」
その返事を聞いて秋は胸にチクリとした痛みを覚えた。
(つまり……向日が私を誘ったのは忍足にお願いされたから、なんだ)
部活仲間であり、友人でもある相手の頼みだ。友達思いの彼なら引き受けて当然だろう。
それなのに尊敬している相手に誘われたからって舞い上がってしまった自分が恥ずかしい。
そう思った秋は表情を隠すように顔を俯かせた。
「秋をだしに使ったってことだな?」
「っ!」
麻美は向日を睨みながら胸ぐらを掴んで引き寄せた。容赦ない力で今にも頭突きを繰り出そうとするのではないかというほどの距離に秋はすぐさま顔を上げて向日の身を案じた。
「だ、駄目だよ麻美っ!」
「あんたが怒らない代わりに私が怒ってやってんだ。邪魔するな」
「私のためにって思うその気持ちは嬉しいけど、手を出すほど私は怒ってないんだよっ」
その言葉に嘘はなかった。怒りよりも悲しいという感情の方が大きいのだ。とはいえ、それを正直に麻美に伝えるとそれはそれで彼女が激怒してしまうのは目に見えてしまうため秋は口にしなかった。
「……あんたはいつもそうだな」
はぁ、と溜め息をつきながら向日から手を放した麻美は興味がなくなったと言わんばかりにそのまま一人で先々と歩いていく。
「先に帰る」
「あ、うん。じゃあね、麻美。ありがとう」
分かれ道がすぐだったため、麻美は背を向けたまま手を振り秋達と別れた。
「九条、ありがとな。間に入ってくれて」
「あ、ううん。気にしないで……」
残された秋と向日はもう少し先まで一緒なのだが、今の秋には気まずいものである。
向日の意思で今回の映画を誘ってくれたわけじゃないのがどうしても悲しくて恥ずかしいから一緒にいるのも耐えられなかった。
「ご、ごめん向日。私、ちょっと寄らなきゃいけない所を思い出したから戻るね」
「えっ?」
「それじゃあね!」
「え、おい。九条っ?」
いたたまれなくなった秋は適当に誤魔化して向日から離れることに決めた。例えその急な行動が不自然に見えても。
焦りもあってか、秋は走り出した。戸惑う向日の声を聞いても彼女は勘違いした己を恥じているため、早く離れたかった。
(向日と友達になったからって浮かれすぎた……恥ずかしいっ)
「九条……」
取り残された向日は小さく秋の名を呟くがすでに彼女は遠くまで走っていってしまった。
不自然な様子で別れた秋を不思議に思いながら向日はまさか……と、考える。
(だしに使われたから怒っちまった……か?)
怒っているようには見えなかったが秋の性格を考えると麻美ほど怒りの感情を表に出すようには思えない。
表に出さない人間は大体胸の中で静かに怒っている。それこそ感情を読めない相方も同じだ。
明らかに避けるように去っていったことを考えると怒っている可能性が大である。
そう思った向日は「やっべー……」と罪悪感を抱きながら頭を掻いた。
(そりゃ利用されたって気づいたらそうなるか……)
これはさすがに謝っとくべきだよな。俺なら怒ってるし。
そんな逆の立場として考えたら怒っていても不思議ではないと思った向日はすぐに謝罪をしようとメッセージアプリを開いてメッセージを送ろうとしたが、そこで指が止まる。
「俺、九条と繋がってなかった……」
男女ともに友人が多い向日はメッセージアプリで繋がっている人数も多かった。しかし、秋とは連絡先を交換すらしていないことに気づき頭を抱える。
「……学校で謝るか」
はぁ、と溜め息をついた向日は今日中に謝ることを諦め、心が晴れないまま帰宅した。
最後まで麻美は忍足を睨みつけ、忍足はというと苦笑いをしながら帰って行った。
途中まで帰り道が一緒の麻美、向日と共に帰る秋は向日に向けて困り顔で口を開く。
「向日、なんだかごめんね。変な空気になっちゃって……」
「え? あぁ、気にすんなって。悪ぃのは侑士だし」
さも気にしていないといった様子の向日に秋はホッと安心した。
しかし、麻美は向日にある疑いを抱いている。
「おい、向日。あんた、今回秋を誘ったのは忍足に頼まれたからだろ?」
その言葉を聞いて向日はぎくりと身体が跳ねた。唐突に図星をついてきたため、向日は上手く隠せずに冷や汗がダラダラと流れる。
「……」
「その様子だと事実のようだな」
「えっ……? どういうこと?」
「大方、遥がドタキャンとか出かけるのを考え直さないための存在として秋を指定したんだろ」
麻美の指摘に間違いはなかった。否定は出来ないが、肯定もしたくはなくて向日は気まずそうに黙り込む。
しかし、何かを言わなければ麻美の無言の圧に押し潰されそうだったため、向日は観念することに決めた。
「……確かに、侑士に頼まれたのは間違いねぇけどよ」
「!」
その返事を聞いて秋は胸にチクリとした痛みを覚えた。
(つまり……向日が私を誘ったのは忍足にお願いされたから、なんだ)
部活仲間であり、友人でもある相手の頼みだ。友達思いの彼なら引き受けて当然だろう。
それなのに尊敬している相手に誘われたからって舞い上がってしまった自分が恥ずかしい。
そう思った秋は表情を隠すように顔を俯かせた。
「秋をだしに使ったってことだな?」
「っ!」
麻美は向日を睨みながら胸ぐらを掴んで引き寄せた。容赦ない力で今にも頭突きを繰り出そうとするのではないかというほどの距離に秋はすぐさま顔を上げて向日の身を案じた。
「だ、駄目だよ麻美っ!」
「あんたが怒らない代わりに私が怒ってやってんだ。邪魔するな」
「私のためにって思うその気持ちは嬉しいけど、手を出すほど私は怒ってないんだよっ」
その言葉に嘘はなかった。怒りよりも悲しいという感情の方が大きいのだ。とはいえ、それを正直に麻美に伝えるとそれはそれで彼女が激怒してしまうのは目に見えてしまうため秋は口にしなかった。
「……あんたはいつもそうだな」
はぁ、と溜め息をつきながら向日から手を放した麻美は興味がなくなったと言わんばかりにそのまま一人で先々と歩いていく。
「先に帰る」
「あ、うん。じゃあね、麻美。ありがとう」
分かれ道がすぐだったため、麻美は背を向けたまま手を振り秋達と別れた。
「九条、ありがとな。間に入ってくれて」
「あ、ううん。気にしないで……」
残された秋と向日はもう少し先まで一緒なのだが、今の秋には気まずいものである。
向日の意思で今回の映画を誘ってくれたわけじゃないのがどうしても悲しくて恥ずかしいから一緒にいるのも耐えられなかった。
「ご、ごめん向日。私、ちょっと寄らなきゃいけない所を思い出したから戻るね」
「えっ?」
「それじゃあね!」
「え、おい。九条っ?」
いたたまれなくなった秋は適当に誤魔化して向日から離れることに決めた。例えその急な行動が不自然に見えても。
焦りもあってか、秋は走り出した。戸惑う向日の声を聞いても彼女は勘違いした己を恥じているため、早く離れたかった。
(向日と友達になったからって浮かれすぎた……恥ずかしいっ)
「九条……」
取り残された向日は小さく秋の名を呟くがすでに彼女は遠くまで走っていってしまった。
不自然な様子で別れた秋を不思議に思いながら向日はまさか……と、考える。
(だしに使われたから怒っちまった……か?)
怒っているようには見えなかったが秋の性格を考えると麻美ほど怒りの感情を表に出すようには思えない。
表に出さない人間は大体胸の中で静かに怒っている。それこそ感情を読めない相方も同じだ。
明らかに避けるように去っていったことを考えると怒っている可能性が大である。
そう思った向日は「やっべー……」と罪悪感を抱きながら頭を掻いた。
(そりゃ利用されたって気づいたらそうなるか……)
これはさすがに謝っとくべきだよな。俺なら怒ってるし。
そんな逆の立場として考えたら怒っていても不思議ではないと思った向日はすぐに謝罪をしようとメッセージアプリを開いてメッセージを送ろうとしたが、そこで指が止まる。
「俺、九条と繋がってなかった……」
男女ともに友人が多い向日はメッセージアプリで繋がっている人数も多かった。しかし、秋とは連絡先を交換すらしていないことに気づき頭を抱える。
「……学校で謝るか」
はぁ、と溜め息をついた向日は今日中に謝ることを諦め、心が晴れないまま帰宅した。