自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
最後はバラバラに帰る休日
主人公名前変換
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「まったく、やっぱり忍足の誘いなんか乗るんじゃなかったよ」
一方その頃の遥はというと、ぷんぷんとご機嫌ななめな様子で家に帰っている最中だった。
「こうなるなら萩と跡部と一緒にメットガラだか鶏ガラだかに行けば良かった」
秋には悪いけど、と思いながら溜め息を吐き捨てる。そこでようやく彼女はハッと気づいた。
(秋と岳人置いて行っちゃった!!)
この際、岳人はいいとして秋は自分を心配して岳人の誘いに乗ってくれたというのに、その友人に何も言わずに出て行くなんて自分勝手にもほどがある。
そう考えた遥は急いで自身のスマートフォンを取り出して、秋に電話をかけた。
数回コールを鳴らしたあと、電話は繋がった。
「あ、秋っ! ごめんね! もう店着いてるよねっ? 忍足から聞いたか分かんないんだけど先に帰ることにして━━」
『遥、全部忍足から聞いたよ。だから私のことは気にせずそのまま帰っていいからね』
「秋……」
そっか。聞いちゃったか……いや、そうなるよね。あたしがいなかったらなんでいないか忍足に問い詰めるだろうし……でも、ちょっと待って。全部って言葉が意味深に聞こえたんだけど、全部って何が全部!?
わたわたと慌て戸惑う遥は真相を確かめるために意を決して秋に尋ねた。
「ち、ちなみにその……全部っていうのは……?」
『遥と忍足の間に何があったかっていうことは聞いたよ……あ、ちょっと待って、麻美っ』
「え……」
いないはずのもう一人の友人の名前が電話の向こうから聞こえた。
どういうこと? と思う前に通話していた人物に聞こうとしたその時だった。
『全て駄眼鏡から聞いた』
「麻美っ!?」
優しくて心配げな声の主から、ふてぶてしくて態度のでかい声の主へと変わった。聞き覚えがないわけがないその声はどう聞いても麻美の声だった。
「な、なななんで麻美がそっちにっ?」
『たまたま居合わせた。あんたが飛び出した時に忍足を取っ捕まえて何があったか問い詰めたんだよ』
「気づかなかった……」
『それより一度こっちに戻ってこい。あの眼鏡を一発ぐらい殴っておけ。本人から許可は取ってる』
「え、な、なんで?」
『は? 殴りたいと思わないわけ? この女たらしの自分勝手野郎は再起不能になるまでぶっ飛ばすべきだ』
(再起不能って、それじゃあ死んでるのでは……?)
相変わらず発想が物騒である。時代が時代ならば麻美は女番長と呼ばれてもおかしくはない。
しかし、戻って殴れと言われても遥は気が進まなかった。
そりゃあ、忍足を殴りたくないと言えば嘘にはなるが、それより何より関わりたくないという気持ちが大きい。
「いやぁ……あたしはいいや。面倒っていうか、会いたくないし」
『……』
電話の向こうは黙ったままだった。何も言い返さないから思わず怒らせてしまったのかハラハラしたが、しばらくしてから溜め息が聞こえてきた。
『仕方ないな。殴りたくなったら立ち会うから呼べ。いいな?』
「え? あ、う、うん」
忍足を殴るための立会人として麻美を呼ぶってどういうこと? シュールじゃない? と思ったが、さすがに口にするのはやめた。
その後、秋にスマートフォンを返したのか、また通話主の声に戻った。
『もしもし? ごめんね、麻美が代わってって言って……』
「いやいや、麻美がいるとは思わなくてびっくりしちゃったけど、麻美もいるならもう少し我慢して居座り続けたら良かったかな~」
『でも、戻りたくないでしょ?』
「あはは……」
『……ごめんね。遥にとってはずっと聞かれたくなかったことだけど、さすがに聞かないわけにはいかなかったから』
「あ~……いや、いいのだよ。言いたくなかったのは二人に『そんな馬鹿なことをするな』って呆れられると思っただけで……」
遥自身も恋人ごっこだなんて馬鹿なことをしなきゃ良かったと後悔するくらいなので親友達に話をしたら馬鹿にされるし呆れられるだろう。
それだけじゃなく、ただただ忍足の話をしたくなかったし、もう忘れたかったというのもある。だから遥は頑なに麻美と秋には忍足との出来事を話そうとはしなかった。
「むしろこっちこそごめんね。心配かけちゃって」
『心配くらいするよ。私達友達でしょ? 遥がそこまで考えるくらいなんだから私も麻美も呆れたりしないよ』
なんと優しい言葉。さすが飴と鞭の飴担当の秋である。ちなみに鞭は言わずもがな麻美だ。
『今日はもう気にせず帰ってゆっくり休んでね』
「や、優スィ……」
忍足との関係を聞いて同情したのかもしれないが、今はその優しさに甘えておこう。そう思った遥は秋にお礼を告げて電話を切った。
家へと辿り着いた遥は鍵を取り出し、玄関の扉を開けた。
カシャリ、と小さくはあるが機械音が聞こえた。カメラのシャッターを切るような音である。
「?」
思わず辺りを見回したが、誰の姿も見えなかったので気のせいだろうかと考え、遥は自宅へと入った。
一方その頃の遥はというと、ぷんぷんとご機嫌ななめな様子で家に帰っている最中だった。
「こうなるなら萩と跡部と一緒にメットガラだか鶏ガラだかに行けば良かった」
秋には悪いけど、と思いながら溜め息を吐き捨てる。そこでようやく彼女はハッと気づいた。
(秋と岳人置いて行っちゃった!!)
この際、岳人はいいとして秋は自分を心配して岳人の誘いに乗ってくれたというのに、その友人に何も言わずに出て行くなんて自分勝手にもほどがある。
そう考えた遥は急いで自身のスマートフォンを取り出して、秋に電話をかけた。
数回コールを鳴らしたあと、電話は繋がった。
「あ、秋っ! ごめんね! もう店着いてるよねっ? 忍足から聞いたか分かんないんだけど先に帰ることにして━━」
『遥、全部忍足から聞いたよ。だから私のことは気にせずそのまま帰っていいからね』
「秋……」
そっか。聞いちゃったか……いや、そうなるよね。あたしがいなかったらなんでいないか忍足に問い詰めるだろうし……でも、ちょっと待って。全部って言葉が意味深に聞こえたんだけど、全部って何が全部!?
わたわたと慌て戸惑う遥は真相を確かめるために意を決して秋に尋ねた。
「ち、ちなみにその……全部っていうのは……?」
『遥と忍足の間に何があったかっていうことは聞いたよ……あ、ちょっと待って、麻美っ』
「え……」
いないはずのもう一人の友人の名前が電話の向こうから聞こえた。
どういうこと? と思う前に通話していた人物に聞こうとしたその時だった。
『全て駄眼鏡から聞いた』
「麻美っ!?」
優しくて心配げな声の主から、ふてぶてしくて態度のでかい声の主へと変わった。聞き覚えがないわけがないその声はどう聞いても麻美の声だった。
「な、なななんで麻美がそっちにっ?」
『たまたま居合わせた。あんたが飛び出した時に忍足を取っ捕まえて何があったか問い詰めたんだよ』
「気づかなかった……」
『それより一度こっちに戻ってこい。あの眼鏡を一発ぐらい殴っておけ。本人から許可は取ってる』
「え、な、なんで?」
『は? 殴りたいと思わないわけ? この女たらしの自分勝手野郎は再起不能になるまでぶっ飛ばすべきだ』
(再起不能って、それじゃあ死んでるのでは……?)
相変わらず発想が物騒である。時代が時代ならば麻美は女番長と呼ばれてもおかしくはない。
しかし、戻って殴れと言われても遥は気が進まなかった。
そりゃあ、忍足を殴りたくないと言えば嘘にはなるが、それより何より関わりたくないという気持ちが大きい。
「いやぁ……あたしはいいや。面倒っていうか、会いたくないし」
『……』
電話の向こうは黙ったままだった。何も言い返さないから思わず怒らせてしまったのかハラハラしたが、しばらくしてから溜め息が聞こえてきた。
『仕方ないな。殴りたくなったら立ち会うから呼べ。いいな?』
「え? あ、う、うん」
忍足を殴るための立会人として麻美を呼ぶってどういうこと? シュールじゃない? と思ったが、さすがに口にするのはやめた。
その後、秋にスマートフォンを返したのか、また通話主の声に戻った。
『もしもし? ごめんね、麻美が代わってって言って……』
「いやいや、麻美がいるとは思わなくてびっくりしちゃったけど、麻美もいるならもう少し我慢して居座り続けたら良かったかな~」
『でも、戻りたくないでしょ?』
「あはは……」
『……ごめんね。遥にとってはずっと聞かれたくなかったことだけど、さすがに聞かないわけにはいかなかったから』
「あ~……いや、いいのだよ。言いたくなかったのは二人に『そんな馬鹿なことをするな』って呆れられると思っただけで……」
遥自身も恋人ごっこだなんて馬鹿なことをしなきゃ良かったと後悔するくらいなので親友達に話をしたら馬鹿にされるし呆れられるだろう。
それだけじゃなく、ただただ忍足の話をしたくなかったし、もう忘れたかったというのもある。だから遥は頑なに麻美と秋には忍足との出来事を話そうとはしなかった。
「むしろこっちこそごめんね。心配かけちゃって」
『心配くらいするよ。私達友達でしょ? 遥がそこまで考えるくらいなんだから私も麻美も呆れたりしないよ』
なんと優しい言葉。さすが飴と鞭の飴担当の秋である。ちなみに鞭は言わずもがな麻美だ。
『今日はもう気にせず帰ってゆっくり休んでね』
「や、優スィ……」
忍足との関係を聞いて同情したのかもしれないが、今はその優しさに甘えておこう。そう思った遥は秋にお礼を告げて電話を切った。
家へと辿り着いた遥は鍵を取り出し、玄関の扉を開けた。
カシャリ、と小さくはあるが機械音が聞こえた。カメラのシャッターを切るような音である。
「?」
思わず辺りを見回したが、誰の姿も見えなかったので気のせいだろうかと考え、遥は自宅へと入った。