自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
最後はバラバラに帰る休日
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向日が忍足から連絡を受ける少し前のこと。
目的だったお店は運良く空いていてすんなりと席へ案内された。
向かい合わせで座る遥と忍足はそれぞれメニューを開き、注文する品を考えていた。
しばらく吟味したあと忍足が店員を呼んでそれぞれ好きな物を注文をする。
店員がオーダーを通しに行くと、遥は早く秋達を呼ぶために自身のスマートフォンを取り出した。
「秋達に連絡しとかないと……」
「俺が岳人に連絡しとくわ。場所言うたら来るやろ」
忍足は少しでも長く遥と二人でいたいため、連絡する振りをして時間を稼ごうとした。そんな彼の思惑に気づくことなく「それじゃあ……」と遥はお願いするように持っていたスマホをテーブルに置く。
しかし、彼女からすると秋達が来るまでの間、忍足と過ごすのはなかなかに厳しい。
(やはりここは適当にスマホをいじって会話せずに秋達が来るのを待とう)
そう思って遥がスマートフォンに手を伸ばすと、すかさず忍足が彼女より早く手に取り、操作させないように自分の手元へと移動させた。
「ちょっ!」
「俺がいる前でスマホ触るのはさすがに寂しいわ。せっかくやねんから話しようや」
「話って……」
「遥の誤解を解きたいねん」
別にこっちにはないのだが。そう呟こうとしたら忍足は言葉を遮るようにすぐさま本題に入った。至極真面目な表情で。
「俺はほんまに遥のことが好きなんや。昔みたいな流れるように他の子らと付き合うんやなくて、自分とは本気で彼氏彼女として付き合いたかってん」
「……」
目を合わせたくなくて顔を俯かせながら遥は堪えるように忍足の言葉を聞いていた。
「せやけど、俺がちゃんと告白しても信じてくれへんと思って疑似恋愛を通して意識してもらうつもりやったんや。……ちょっと調子に乗って自分に妬いてもらおうとしたんがあかんかってんけどな」
「妬く……?」
少しだけ顔を上げて気になった単語を口にする。
そんな遥に忍足はちゃんと話を聞いてくれてると分かり、ホッと安心しながら彼女の疑問に詳しく答えることにした。
「わざと他の子と仲良うしてヤキモチをやかせて遥の気持ちをもっと知ろうと思ったんや。せやから遥と過ごすのが飽きたとかちゃうねん」
思い出すのは恋人ごっこ中の忍足が他の女子生徒とイチャついていた光景。
忍足の言う通り、妬かせようとしたのならそれは間違いなく効果はあった。効果があったからこそ傷心したのだから。
しかし、今更そんな話をされても困るだけだった。
「せやから今度は嫌われることを恐れんで真剣に交際を申し込みたいんや。……まぁ、すでに好感度が最悪やからこれ以上失うもんはないんやけどな」
軽く自嘲するも遥はその言葉で笑うことはない。ただただ、目の前の友人だった男の言葉が信じられなかった。
「プライドも格好つけるんも全部かなぐり捨てて遥にちゃんと言うわ。……俺と、付き合ってほしいんや」
その目に迷いはなく、まっすぐ遥を見つめていた。
しかしその視線に遥はまた耐えられずに目を逸らし、呟く。
「なんで、今なの……?」
昨年である二年の頃の話なのに。もうあれから何ヶ月も経ったのに。なぜ今になって言うのか。
確かに忍足を避けていたけど、弁明をするならもっと早くに出来ていただろう。
「……傷つく覚悟が出来てへんかってん。絶対、拒絶される思うて」
「あたしは……忍足に振り回されたんだよ。今更理由を言われても……あの時の悲しい気持ちやムカつく気持ちを忘れることは出来ないんだからっ」
自然と膝の上に置いた手に力が入る。今感じているのは間違いなく怒りだ。
はっきりと相手に自分の感情を伝えると、なぜか目の前の男は驚いたのか瞬きをしていた。
「それは……妬いてくれとったんか?」
そう尋ねる忍足の言葉を聞いて、そうとも受け取る発言を自分がしたことに気づいた遥は恥ずかしさにカッと顔が熱くなった。
「い、今そんなこと言ってるわけじゃなくて! あああああたしは忍足の言葉は信用出来ないって言ってるの!」
あわわと慌てながらバンッ! と両手でテーブルを叩く。
確かに当時は妬いたかもしれない。だけど、それを今の忍足に認めたくなくて必死にその話を掘り下げられないようにするが、相手は先程の真面目な表情から一変して慈愛に満ちた嬉しそうな顔を見せて遥の手に手を重ねた。
「今は信用出来んくても信用してもらえるように頑張るわ」
「びぇっ!!」
手を握られて肩をびくりと跳ねさせた遥の顔色は見る見るうちに怯えるものへと変わり、急いで手を引き抜いた。
「がっ、頑張ったってあたしにはかばっちという運命の人がいるんだい! だからもう言い寄って来ないでくれたまえ!」
これ以上一緒にいるのは堪えられない。そう思って勢いよく席を立つと、忍足の手元にある自身のスマートフォンを取り戻した遥は店を出ようと駆け出した。
目的だったお店は運良く空いていてすんなりと席へ案内された。
向かい合わせで座る遥と忍足はそれぞれメニューを開き、注文する品を考えていた。
しばらく吟味したあと忍足が店員を呼んでそれぞれ好きな物を注文をする。
店員がオーダーを通しに行くと、遥は早く秋達を呼ぶために自身のスマートフォンを取り出した。
「秋達に連絡しとかないと……」
「俺が岳人に連絡しとくわ。場所言うたら来るやろ」
忍足は少しでも長く遥と二人でいたいため、連絡する振りをして時間を稼ごうとした。そんな彼の思惑に気づくことなく「それじゃあ……」と遥はお願いするように持っていたスマホをテーブルに置く。
しかし、彼女からすると秋達が来るまでの間、忍足と過ごすのはなかなかに厳しい。
(やはりここは適当にスマホをいじって会話せずに秋達が来るのを待とう)
そう思って遥がスマートフォンに手を伸ばすと、すかさず忍足が彼女より早く手に取り、操作させないように自分の手元へと移動させた。
「ちょっ!」
「俺がいる前でスマホ触るのはさすがに寂しいわ。せっかくやねんから話しようや」
「話って……」
「遥の誤解を解きたいねん」
別にこっちにはないのだが。そう呟こうとしたら忍足は言葉を遮るようにすぐさま本題に入った。至極真面目な表情で。
「俺はほんまに遥のことが好きなんや。昔みたいな流れるように他の子らと付き合うんやなくて、自分とは本気で彼氏彼女として付き合いたかってん」
「……」
目を合わせたくなくて顔を俯かせながら遥は堪えるように忍足の言葉を聞いていた。
「せやけど、俺がちゃんと告白しても信じてくれへんと思って疑似恋愛を通して意識してもらうつもりやったんや。……ちょっと調子に乗って自分に妬いてもらおうとしたんがあかんかってんけどな」
「妬く……?」
少しだけ顔を上げて気になった単語を口にする。
そんな遥に忍足はちゃんと話を聞いてくれてると分かり、ホッと安心しながら彼女の疑問に詳しく答えることにした。
「わざと他の子と仲良うしてヤキモチをやかせて遥の気持ちをもっと知ろうと思ったんや。せやから遥と過ごすのが飽きたとかちゃうねん」
思い出すのは恋人ごっこ中の忍足が他の女子生徒とイチャついていた光景。
忍足の言う通り、妬かせようとしたのならそれは間違いなく効果はあった。効果があったからこそ傷心したのだから。
しかし、今更そんな話をされても困るだけだった。
「せやから今度は嫌われることを恐れんで真剣に交際を申し込みたいんや。……まぁ、すでに好感度が最悪やからこれ以上失うもんはないんやけどな」
軽く自嘲するも遥はその言葉で笑うことはない。ただただ、目の前の友人だった男の言葉が信じられなかった。
「プライドも格好つけるんも全部かなぐり捨てて遥にちゃんと言うわ。……俺と、付き合ってほしいんや」
その目に迷いはなく、まっすぐ遥を見つめていた。
しかしその視線に遥はまた耐えられずに目を逸らし、呟く。
「なんで、今なの……?」
昨年である二年の頃の話なのに。もうあれから何ヶ月も経ったのに。なぜ今になって言うのか。
確かに忍足を避けていたけど、弁明をするならもっと早くに出来ていただろう。
「……傷つく覚悟が出来てへんかってん。絶対、拒絶される思うて」
「あたしは……忍足に振り回されたんだよ。今更理由を言われても……あの時の悲しい気持ちやムカつく気持ちを忘れることは出来ないんだからっ」
自然と膝の上に置いた手に力が入る。今感じているのは間違いなく怒りだ。
はっきりと相手に自分の感情を伝えると、なぜか目の前の男は驚いたのか瞬きをしていた。
「それは……妬いてくれとったんか?」
そう尋ねる忍足の言葉を聞いて、そうとも受け取る発言を自分がしたことに気づいた遥は恥ずかしさにカッと顔が熱くなった。
「い、今そんなこと言ってるわけじゃなくて! あああああたしは忍足の言葉は信用出来ないって言ってるの!」
あわわと慌てながらバンッ! と両手でテーブルを叩く。
確かに当時は妬いたかもしれない。だけど、それを今の忍足に認めたくなくて必死にその話を掘り下げられないようにするが、相手は先程の真面目な表情から一変して慈愛に満ちた嬉しそうな顔を見せて遥の手に手を重ねた。
「今は信用出来んくても信用してもらえるように頑張るわ」
「びぇっ!!」
手を握られて肩をびくりと跳ねさせた遥の顔色は見る見るうちに怯えるものへと変わり、急いで手を引き抜いた。
「がっ、頑張ったってあたしにはかばっちという運命の人がいるんだい! だからもう言い寄って来ないでくれたまえ!」
これ以上一緒にいるのは堪えられない。そう思って勢いよく席を立つと、忍足の手元にある自身のスマートフォンを取り戻した遥は店を出ようと駆け出した。