自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
それぞれのゴールデンウィーク
主人公名前変換
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「めっ……ちゃ良かったわ……」
映画が終わり『愛と風とカーテンと』のパンフレットを手にした忍足が少しばかり目を輝かせながら感想を一言呟いた。
「うん。病室のカーテン越しで会話する二人のシーンなんて特に焦れったくて切なくて良かったよ」
「せやなぁ。それで窓から吹く風で揺れるカーテンの隙間から覗く主人公の顔がまた悲しげでえぇ演技やったで」
秋も忍足と同じように映画を高評価したようで印象に残るシーンを伝えると忍足も同意するように二人で盛り上がっていた。
「遥はどうやった?」
「向日はどうだった?」
「「えっ」」
そんな二人が同時に遥と向日に映画の感想を求める。
突然尋ねられて言葉に詰まる遥と向日は互いの顔を見合わせて各々が思う感想を伝えた。
「確かに感動はしたかなぁ。でも、最後はヒロイン死んじゃうし、あたし的にはハッピーエンドの話の方が好きなんだよねぇ……」
「お涙頂戴ものって感じだしなぁ。スカッとしねぇっつーかなぁ……」
少しバツ悪そうな顔をする遥と頭の後ろで手を組む向日にはあまり好みの映画ではなかったようで、忍足と秋も残念そうな表情をする。
「せやったら今度は自分らの見たいジャンル観に行こうや。な?」
「そうだね、また四人で行こうよ。ね?」
え。今度? また四人? と思った遥と向日だったが、ずいっと二人に詰め寄られたため、空気を読むしかなかった。
「……そ、そだね」
「……まぁ、いいけどよ」
色々と思うことがあるものの、とりあえずそう答えておけばいいかと考え返事をする。
「ほな、そろそろ飯でも食いに行かへん?」
「おっ。賛成! 俺、腹減ってきたし」
「あたしもー!」
「それじゃあ、お昼ご飯だね。下の階が確か飲食店フロアだったからそこに行く?」
「ちょい待ち。今の時間は映画終わりの客で満席ばっかやから、ここ出て違うとこ探した方がえぇで」
「そうなんだ? 遥も向日もそれで大丈夫?」
「「オッケー」」
階下に飲食店フロアがあるが、忍足の提案により商業施設を出ることにした四人。
休日の昼過ぎなので外にも多くの人がいて賑わっていた。
目指すは横断歩道を渡り、そのまま真っ直ぐ歩いた先にある飲食店が並ぶグルメ通り。
忍足が先頭に立ち、それに続く三人だったが、横断歩道に差し掛かった所で向日は「あ」と下を見て呟く。
「ま、待ってくれ、九条っ」
「?」
突然名前を呼ばれた秋が横断する前に立ち止まる。一緒に歩いていた遥も秋の様子に気がつき足を止めた。
「秋? どったの?」
「あ、向日が待ってって……」
どうやら靴紐が解けたのかその場で座り込み、紐を結び直している向日の元へ秋は駆け寄った。
遥も秋に続こうとする。しかし、横断歩道の信号が点滅し始めたことにより事件は起きた。
「あ。点滅しとるわ。遥、急ぐでっ」
「えっ、ちょっ、待っ……!」
信号が赤に変わるということで焦ったのか、突然忍足が遥の手を掴み走り出した。
どうやら向日の様子に気がついていないようで彼は後ろを振り向くことなく、赤へと変わる前に道路を横切ることに成功する。
大きな道路のため人混み紛れてしまい、遥は秋と向日を反対の道に残したまま見失ってしまった。
「秋っ! 岳人っ! ちょっ、忍足! 止まって止まって! ストップ! ステイ!」
横断歩道を渡り切ってからも忍足は遥の手を放すことなくズンズンと人の波を掻い潜るように先へ先へと進んでいく。
秋と向日からさらに離れてしまうため、遥は慌てながら忍足に静止を求める声を上げる。
そこでようやく忍足は足を止めて遥の手を放した。周りの人の数は若干減っているのでその場で止まっても邪魔にはならない。
「そないに止まれ言わんでもえぇやん。どないしたん?」
「どないしたん? じゃないよ! 秋と岳人と離れてしまったんだよ!」
「え? ほんまに? ……あー、ほんまやな。はぐれてしもうたんか」
「横断歩道のとこで取り残されたんだよ! 早くカムバックしよう!」
「別にこっちから行かんでも合流したらえぇやん。どうせやから先に店見つけて中で落ち合おうや。な?」
焦る様子もない忍足の冷静さに遥も次第に落ち着き始める。
小さい子どもじゃないし、スマホもあるし、連絡は取れるのだから別に心配する必要はない。それに秋だから大丈夫か。
そう判断して遥はうんうんと頷いた。
「ほな、何食うか決めよか」
「近くにレストランがあったからそこでいいんじゃない? なんでもあるし」
「あぁ、あったなぁ。安くて美味いカフェレストラン。なら決まりやな。席空いとるか、見に行こか」
そう言って忍足と遥は近くのカフェレストランへと向かい始めた。そこで遥はハッと気づく。
(あたし……今忍足と二人っきりじゃん!!)
忍足の策略なのかは分からないが、麻美の危惧した通り二人きりになってしまった。
いやいやいや、でも秋と岳人もすぐに合流するから大丈夫だよねっ!? 少しの間だけの辛抱だよねっ!? と、胸の中で誰かに問いかけながら遥は僅かに忍足との距離を空けて歩いた。
映画が終わり『愛と風とカーテンと』のパンフレットを手にした忍足が少しばかり目を輝かせながら感想を一言呟いた。
「うん。病室のカーテン越しで会話する二人のシーンなんて特に焦れったくて切なくて良かったよ」
「せやなぁ。それで窓から吹く風で揺れるカーテンの隙間から覗く主人公の顔がまた悲しげでえぇ演技やったで」
秋も忍足と同じように映画を高評価したようで印象に残るシーンを伝えると忍足も同意するように二人で盛り上がっていた。
「遥はどうやった?」
「向日はどうだった?」
「「えっ」」
そんな二人が同時に遥と向日に映画の感想を求める。
突然尋ねられて言葉に詰まる遥と向日は互いの顔を見合わせて各々が思う感想を伝えた。
「確かに感動はしたかなぁ。でも、最後はヒロイン死んじゃうし、あたし的にはハッピーエンドの話の方が好きなんだよねぇ……」
「お涙頂戴ものって感じだしなぁ。スカッとしねぇっつーかなぁ……」
少しバツ悪そうな顔をする遥と頭の後ろで手を組む向日にはあまり好みの映画ではなかったようで、忍足と秋も残念そうな表情をする。
「せやったら今度は自分らの見たいジャンル観に行こうや。な?」
「そうだね、また四人で行こうよ。ね?」
え。今度? また四人? と思った遥と向日だったが、ずいっと二人に詰め寄られたため、空気を読むしかなかった。
「……そ、そだね」
「……まぁ、いいけどよ」
色々と思うことがあるものの、とりあえずそう答えておけばいいかと考え返事をする。
「ほな、そろそろ飯でも食いに行かへん?」
「おっ。賛成! 俺、腹減ってきたし」
「あたしもー!」
「それじゃあ、お昼ご飯だね。下の階が確か飲食店フロアだったからそこに行く?」
「ちょい待ち。今の時間は映画終わりの客で満席ばっかやから、ここ出て違うとこ探した方がえぇで」
「そうなんだ? 遥も向日もそれで大丈夫?」
「「オッケー」」
階下に飲食店フロアがあるが、忍足の提案により商業施設を出ることにした四人。
休日の昼過ぎなので外にも多くの人がいて賑わっていた。
目指すは横断歩道を渡り、そのまま真っ直ぐ歩いた先にある飲食店が並ぶグルメ通り。
忍足が先頭に立ち、それに続く三人だったが、横断歩道に差し掛かった所で向日は「あ」と下を見て呟く。
「ま、待ってくれ、九条っ」
「?」
突然名前を呼ばれた秋が横断する前に立ち止まる。一緒に歩いていた遥も秋の様子に気がつき足を止めた。
「秋? どったの?」
「あ、向日が待ってって……」
どうやら靴紐が解けたのかその場で座り込み、紐を結び直している向日の元へ秋は駆け寄った。
遥も秋に続こうとする。しかし、横断歩道の信号が点滅し始めたことにより事件は起きた。
「あ。点滅しとるわ。遥、急ぐでっ」
「えっ、ちょっ、待っ……!」
信号が赤に変わるということで焦ったのか、突然忍足が遥の手を掴み走り出した。
どうやら向日の様子に気がついていないようで彼は後ろを振り向くことなく、赤へと変わる前に道路を横切ることに成功する。
大きな道路のため人混み紛れてしまい、遥は秋と向日を反対の道に残したまま見失ってしまった。
「秋っ! 岳人っ! ちょっ、忍足! 止まって止まって! ストップ! ステイ!」
横断歩道を渡り切ってからも忍足は遥の手を放すことなくズンズンと人の波を掻い潜るように先へ先へと進んでいく。
秋と向日からさらに離れてしまうため、遥は慌てながら忍足に静止を求める声を上げる。
そこでようやく忍足は足を止めて遥の手を放した。周りの人の数は若干減っているのでその場で止まっても邪魔にはならない。
「そないに止まれ言わんでもえぇやん。どないしたん?」
「どないしたん? じゃないよ! 秋と岳人と離れてしまったんだよ!」
「え? ほんまに? ……あー、ほんまやな。はぐれてしもうたんか」
「横断歩道のとこで取り残されたんだよ! 早くカムバックしよう!」
「別にこっちから行かんでも合流したらえぇやん。どうせやから先に店見つけて中で落ち合おうや。な?」
焦る様子もない忍足の冷静さに遥も次第に落ち着き始める。
小さい子どもじゃないし、スマホもあるし、連絡は取れるのだから別に心配する必要はない。それに秋だから大丈夫か。
そう判断して遥はうんうんと頷いた。
「ほな、何食うか決めよか」
「近くにレストランがあったからそこでいいんじゃない? なんでもあるし」
「あぁ、あったなぁ。安くて美味いカフェレストラン。なら決まりやな。席空いとるか、見に行こか」
そう言って忍足と遥は近くのカフェレストランへと向かい始めた。そこで遥はハッと気づく。
(あたし……今忍足と二人っきりじゃん!!)
忍足の策略なのかは分からないが、麻美の危惧した通り二人きりになってしまった。
いやいやいや、でも秋と岳人もすぐに合流するから大丈夫だよねっ!? 少しの間だけの辛抱だよねっ!? と、胸の中で誰かに問いかけながら遥は僅かに忍足との距離を空けて歩いた。