自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
誘われる休日と注意喚起と変わらない面子
主人公名前変換
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「メット、ガラ?」
同時刻、球拾いに勤しむ遥の元へ幼馴染みが声をかけ、メットガラに参加しないかと誘っていた。
だが、遥は聞いたこともない言葉に首を傾げる。
「ファッション展覧会のパーティーだよ。跡部が誘ってくれてね。もう一人くらいなら呼んでもいいってことで遥はどうかなって思って」
「へー! ファッションかぁ! いいねぇ! いつやるの?」
「出発は明日だね」
「出発は?」
「ニューヨークだから」
「ひぇ……にゅ、にゅうよぉく……」
まさか開催地がニューヨークとは思っていなかったため、さすがの遥も固まった。
「もちろん、旅費も跡部が持ってくれるよ」
「ほんと!? ……あ、いや、でも明日かぁ。明日は映画の約束があって……」
タダでニューヨークに行けるなら是非ともお呼ばれしたい! という気持ちではあったが、明日の予定はすでに埋まっているので遥は非常に残念そうな顔で両手の人差し指同士をつついた。
「さすがに前日になって予定を変えてとは言いづらいね」
「そうなのだよ……。むしろそっちの方が楽しそうなんだけどね! 楽しそうなのに!」
あまりにも魅力的な誘いだったけど、明日の映画は秋もいるため予定変更はしにくいし、約束は約束である。
しょぼしょぼになりながら遥は「ごめんね……」と、ぽつりと呟いた。
「しょうがないよ。こっちも突然の誘いだったからね。映画は誰と行くの?」
「え、っと……秋とだよ」
忍足と向日の名前を口にしていないが嘘はついていない。
向日ならまだしも、忍足の名前は出しづらかった。なぜならあの温厚な滝も忍足には辛辣な様子であったから。
でも昔からではなかった。むしろ昔は普通に仲が良かったのだ。
ちょうど遥と忍足の仲が拗れてすぐくらいに態度が一変した。滝は常に遥の味方をして、忍足が遥に絡もうとするとすぐに間に入って阻止する。
もちろん、遥は幼馴染みの彼にさえも忍足と恋人ごっこをしたとは言っていないので、なぜ手助けしてくれるのかは分からないまま。きっと自分があからさまに忍足を避けているから滝もそれを察して助けてくれてるのだろうと遥は予想している。
なぜあたしの味方になってくれるの? と、問いたい気持ちもあるが、尋ねたら最後、滝からも「忍足と何かあったの?」と聞かれる可能性も高いと考えて遥は聞けなかった。
気遣ってくれているのか、滝から尋ねてくることはないのが幸いである。
「そっか。九条となんだね。いっぱい楽しんできなよ」
「う、うんっ! 楽しむ!」
心臓がきゅっとなる。嘘はついていない、嘘はついていないと念じて罪悪感を払拭するが、バレないかドキドキしている時点で罪の意識は拭えていない。
もし忍足も一緒だと知ったらきっと滝の優しげな顔も歪むだろう。そして昼間の麻美の如く、なんであんなに避けてる忍足と一緒に行ったの? と問い詰められること間違いなし。むしろこっちの方がなんでこうなったのか問いたいくらいだ。
いくら向日の名前を出されたからと言っても断るべきだと思っていたが、つい頷いてしまった。あまりにも必死だったから、可哀想だと思ってしまった。
(いや、可哀想なのは弄ばれたあたしなのにね!?)
セルフツッコミをしてしまうが、約束をしてしまったのだから仕方ない。滝に心配かけないためにも忍足も一緒だということは最後まで伏せなければ。
「萩も楽しんでね! すんごいファッションショーだろうし、めちゃくちゃ華やかそうだもんね!」
「うん。俺は俺で楽しんでくるよ」
「せっかくのゴールデンウィークだしね。それが終わったら大会も始まってくるから忙しくなるだろうし」
「まぁ、関東大会までは俺の出番はなさそうだけど」
「え? そうなの?」
「大会は正レギュラーの体力を温存するため、都大会は準レギュラーに頑張ってもらうんだ。ダブルスは準レギュラーでシングルスは正レギュラーで固めてるよ。団体戦試合はダブルス二戦、シングルス三戦の順番で行われて先に三勝したら勝ちなんだ」
「じゃあ、ダブルス二戦を取っちゃえばあとはシングルス一勝だけで次に進めるってことかぁ」
「準レギュラー達も見せ場や試合に出るチャンスを与えないとね。そうすれば正レギュラーも万全な状態で試合に挑めるから」
なるほどなるほど。一応理由はあったんだ。ただの舐めプではないんだなぁ。
と、何度も頷きながら滝の話に耳を傾ける遥は樺地の試合も沢山見れるといいなとぼんやり考えるのだった。
「正レギュラーはいつもの面子で変わりないんだよね?」
「そうだね。よほどのことがなければ、だけど」
「よほどのこと?」
「うちは敗者切捨てだから試合に負けた時点でレギュラーから外されるからね」
その話を聞いてそういえばそうだと遥は氷帝男子テニス部の方針を思い出した。正レギュラーの面子はあまり変わらない顔触れだったため、つい固定だと思ってしまっていた。
「……そう思うと結構厳しいのだな、氷帝って」
「その方針があるからみんな練習を頑張るんだよ」
「萩も頑張って最後までレギュラーでいてね」
「うん、頑張るよ」
応援し、応援され、笑い合う二人だが、ここ最近変わらない正レギュラーの面々が当たり前に思っているため、きっと大会中も変わることはないだろうと考えていたし、そう信じていた。
同時刻、球拾いに勤しむ遥の元へ幼馴染みが声をかけ、メットガラに参加しないかと誘っていた。
だが、遥は聞いたこともない言葉に首を傾げる。
「ファッション展覧会のパーティーだよ。跡部が誘ってくれてね。もう一人くらいなら呼んでもいいってことで遥はどうかなって思って」
「へー! ファッションかぁ! いいねぇ! いつやるの?」
「出発は明日だね」
「出発は?」
「ニューヨークだから」
「ひぇ……にゅ、にゅうよぉく……」
まさか開催地がニューヨークとは思っていなかったため、さすがの遥も固まった。
「もちろん、旅費も跡部が持ってくれるよ」
「ほんと!? ……あ、いや、でも明日かぁ。明日は映画の約束があって……」
タダでニューヨークに行けるなら是非ともお呼ばれしたい! という気持ちではあったが、明日の予定はすでに埋まっているので遥は非常に残念そうな顔で両手の人差し指同士をつついた。
「さすがに前日になって予定を変えてとは言いづらいね」
「そうなのだよ……。むしろそっちの方が楽しそうなんだけどね! 楽しそうなのに!」
あまりにも魅力的な誘いだったけど、明日の映画は秋もいるため予定変更はしにくいし、約束は約束である。
しょぼしょぼになりながら遥は「ごめんね……」と、ぽつりと呟いた。
「しょうがないよ。こっちも突然の誘いだったからね。映画は誰と行くの?」
「え、っと……秋とだよ」
忍足と向日の名前を口にしていないが嘘はついていない。
向日ならまだしも、忍足の名前は出しづらかった。なぜならあの温厚な滝も忍足には辛辣な様子であったから。
でも昔からではなかった。むしろ昔は普通に仲が良かったのだ。
ちょうど遥と忍足の仲が拗れてすぐくらいに態度が一変した。滝は常に遥の味方をして、忍足が遥に絡もうとするとすぐに間に入って阻止する。
もちろん、遥は幼馴染みの彼にさえも忍足と恋人ごっこをしたとは言っていないので、なぜ手助けしてくれるのかは分からないまま。きっと自分があからさまに忍足を避けているから滝もそれを察して助けてくれてるのだろうと遥は予想している。
なぜあたしの味方になってくれるの? と、問いたい気持ちもあるが、尋ねたら最後、滝からも「忍足と何かあったの?」と聞かれる可能性も高いと考えて遥は聞けなかった。
気遣ってくれているのか、滝から尋ねてくることはないのが幸いである。
「そっか。九条となんだね。いっぱい楽しんできなよ」
「う、うんっ! 楽しむ!」
心臓がきゅっとなる。嘘はついていない、嘘はついていないと念じて罪悪感を払拭するが、バレないかドキドキしている時点で罪の意識は拭えていない。
もし忍足も一緒だと知ったらきっと滝の優しげな顔も歪むだろう。そして昼間の麻美の如く、なんであんなに避けてる忍足と一緒に行ったの? と問い詰められること間違いなし。むしろこっちの方がなんでこうなったのか問いたいくらいだ。
いくら向日の名前を出されたからと言っても断るべきだと思っていたが、つい頷いてしまった。あまりにも必死だったから、可哀想だと思ってしまった。
(いや、可哀想なのは弄ばれたあたしなのにね!?)
セルフツッコミをしてしまうが、約束をしてしまったのだから仕方ない。滝に心配かけないためにも忍足も一緒だということは最後まで伏せなければ。
「萩も楽しんでね! すんごいファッションショーだろうし、めちゃくちゃ華やかそうだもんね!」
「うん。俺は俺で楽しんでくるよ」
「せっかくのゴールデンウィークだしね。それが終わったら大会も始まってくるから忙しくなるだろうし」
「まぁ、関東大会までは俺の出番はなさそうだけど」
「え? そうなの?」
「大会は正レギュラーの体力を温存するため、都大会は準レギュラーに頑張ってもらうんだ。ダブルスは準レギュラーでシングルスは正レギュラーで固めてるよ。団体戦試合はダブルス二戦、シングルス三戦の順番で行われて先に三勝したら勝ちなんだ」
「じゃあ、ダブルス二戦を取っちゃえばあとはシングルス一勝だけで次に進めるってことかぁ」
「準レギュラー達も見せ場や試合に出るチャンスを与えないとね。そうすれば正レギュラーも万全な状態で試合に挑めるから」
なるほどなるほど。一応理由はあったんだ。ただの舐めプではないんだなぁ。
と、何度も頷きながら滝の話に耳を傾ける遥は樺地の試合も沢山見れるといいなとぼんやり考えるのだった。
「正レギュラーはいつもの面子で変わりないんだよね?」
「そうだね。よほどのことがなければ、だけど」
「よほどのこと?」
「うちは敗者切捨てだから試合に負けた時点でレギュラーから外されるからね」
その話を聞いてそういえばそうだと遥は氷帝男子テニス部の方針を思い出した。正レギュラーの面子はあまり変わらない顔触れだったため、つい固定だと思ってしまっていた。
「……そう思うと結構厳しいのだな、氷帝って」
「その方針があるからみんな練習を頑張るんだよ」
「萩も頑張って最後までレギュラーでいてね」
「うん、頑張るよ」
応援し、応援され、笑い合う二人だが、ここ最近変わらない正レギュラーの面々が当たり前に思っているため、きっと大会中も変わることはないだろうと考えていたし、そう信じていた。