自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
部室荒らしの容疑者達
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そして翌日の朝練後、マネージャー達と正レギュラー達は跡部に呼び出され、被害に遭った部室へと集まった。
昨日の内に資料を整理したり、全面ミラーの落書きを落としたり、片付けに勤しんだばかりの部室。もちろん、ボコボコになったロッカーは新しい物へと取り替えられていた。
「昨日の時点で察してはいたが、結論から言うとうちの部員にあの髪型に似た奴は日吉若ただ一人だった」
跡部が新調したソファーに座って軽く溜め息を吐く。彼は部員全員の顔と名前は把握しているのでカメラに映っていた髪型を持つ部員は最初から日吉しかいないと知っていた。
しかし、もしかしたら髪型を変えたんじゃないかと部員全員のヘアスタイルを確認したが、やはり日吉以外その髪型を持つ者はいなかった。
「あのひよっこ……まさかここまでやるとはな」
「っち。やっぱりあのキノコが真犯人で間違いなかったな。昨日ぶっ飛ばせば良かった……」
はぁ、と息を吐く向日と己の手のひらに拳をぶつける麻美。続いて遥がぼやいた。
「まぁ、あたしらのこと嫌ってたっぽいしねぇ……」
「あそこまで嫌う必要ないのになぁ。俺はこないに大歓迎やのに」
「その笑顔をこっちに向けないでくれたまえ……」
胡散臭い笑みだったのか、遥は忍足の視線から思いっきり目を逸らした。
「……。ねぇ、待って。やっぱり私は日吉くんが犯人だとは思えないよ」
「ほう? その根拠は?」
「日吉くんが犯人で私達に罪を着せようとしたなら私のハンカチを彼が手に入れたことになるけど、ハンカチをなくしたのは昼の休憩時間から放課後の部活前の間なの。落としてるとしたら絶対トイレの近くか三年の教室近くだし、二年生の日吉くんが拾う可能性はあまりにも低い。それに私のハンカチだって知る手段もないんだよ」
ハンカチには名前が書いてるわけでもないため、予めハンカチの持ち主を知っていること以外特定するのは難しい。
「お前が落としたのを直接見たらお前のだって分かるじゃねぇか」
「さっきも言ったように落としたなら三年の教室からトイレ近くのはず。私はそこ以外下級生と関わるような場所の移動もしていないし、日吉くんが三年の教室に行たならその可能性はなくもないけど……」
「跡部さん、俺も日吉がそんなことをするとはとても思えません。日吉は反感を買うことが多いですけど、努力家ですし卑怯なことは絶対しないはずです!」
「……。樺地。お前はどう思う?」
「……自分も、鳳と……同じ、です……」
日吉と同じ学年の鳳と樺地も日吉の潔白を信じていた。自分よりも日吉と交流のある二年生二人が言うのだから跡部も少し考える。
「なるほどな。だが、奴自身も言っていたが本人の性格や性質だけでは無実だとは言えねぇ……が、俺もあの負けず嫌いの日吉がそんな女々しいことをやるとは到底思えねぇ。もう少し調べてみることにする」
「! ありがとう、跡部!」
「もし、お前らも何か気づいたことがあればすぐに俺に知らせに来い」
「でもさ、跡部ー。カメラにはうちのユニフォームを着てたのは間違いないのに日吉以外の犯人が部員の中にいるのー?」
腕を組みながら「ううむ」と悩む芥川がそう口にする。何せあの氷帝学園だ。テニス部のユニフォームとて簡単に部外者が手に入ることは出来ない。そうなると部内の犯行でしか有り得ないわけだ。
「確かにテニス部以外の奴がうちのジャージを手に入れることは不可能だ。紛い物でもない限りな。……しかし、映像を分析した結果、あれは間違いなくうちのユニフォームだったことが判明した」
「じゃあ、やっぱ部員の中でしかいねぇってことだな。監視カメラの映像には日吉に似た髪型の奴が映ってたんだからよ、日吉以外の犯人なんていねぇだろ」
宍戸が頭を掻きながらそう呟くと何かに気がついたのか、滝がぽつりと呟いた。
「ユニフォームを借りた可能性とかあるんじゃないかな?」
「ユニフォームを? なんで?」
幼馴染みの遥が首を傾げる。しかし、滝の言葉の続きは歯切れが悪かった。
「ん~……なんでって言われるとそこまでは思いつかないんだけど、部外者が本物のユニフォームを着る手段を考えたら借りるしかないんじゃないかなって」
「けどよー……普通部活のユニフォームを貸してっつって簡単に貸せるか? ダチでも貸せなくね? なんで? ってなるじゃん」
さすがにその線はないだろ、と言いたげな向日の言葉に秋はハッと閃いた。
「……友達じゃなく、家族ならどうかな?」
「家族……って、つまり兄弟なら貸し借りが出来るって言いたいのか?」
麻美の問いに秋は迷いながらも小さく頷いた。
「実際に貸し借りの交渉があったか分からないけど、一緒に暮らしてるなら無断でユニフォームを借りることも可能だったんじゃないかな?」
「おー。なるほどー! 確かに直接貸してって言わなくても洗濯とかで干してたらこそっと借りることは出来るね!」
その手があったかと口にする遥のテンションが少し上がる。まるで謎解きゲームをしてるような感覚で。
「確かに調べてみる価値はあるな。うちの部に所属する奴らの兄弟の髪型が監視カメラに映ってるのと似ていたら問いただしてみるぜ」
「うん、お願いね跡部」
「秋、早く疑いが晴れるといいよな~」
芥川が心配そうな表情で秋に伝えると、彼女は大丈夫だよと笑みで返し、お礼の言葉を述べた。
しかし、その日の部活後、ミーティングと称してマネージャーと正レギュラーを呼び出した跡部の口から「部員の兄、または弟の容姿を調べたがみんな白だった。あの髪型の奴はいねぇ」という結果が返ってきて、真犯人探しはまた振り出しに戻ってしまった。
そして同時に日吉への疑念が増すことになる。
昨日の内に資料を整理したり、全面ミラーの落書きを落としたり、片付けに勤しんだばかりの部室。もちろん、ボコボコになったロッカーは新しい物へと取り替えられていた。
「昨日の時点で察してはいたが、結論から言うとうちの部員にあの髪型に似た奴は日吉若ただ一人だった」
跡部が新調したソファーに座って軽く溜め息を吐く。彼は部員全員の顔と名前は把握しているのでカメラに映っていた髪型を持つ部員は最初から日吉しかいないと知っていた。
しかし、もしかしたら髪型を変えたんじゃないかと部員全員のヘアスタイルを確認したが、やはり日吉以外その髪型を持つ者はいなかった。
「あのひよっこ……まさかここまでやるとはな」
「っち。やっぱりあのキノコが真犯人で間違いなかったな。昨日ぶっ飛ばせば良かった……」
はぁ、と息を吐く向日と己の手のひらに拳をぶつける麻美。続いて遥がぼやいた。
「まぁ、あたしらのこと嫌ってたっぽいしねぇ……」
「あそこまで嫌う必要ないのになぁ。俺はこないに大歓迎やのに」
「その笑顔をこっちに向けないでくれたまえ……」
胡散臭い笑みだったのか、遥は忍足の視線から思いっきり目を逸らした。
「……。ねぇ、待って。やっぱり私は日吉くんが犯人だとは思えないよ」
「ほう? その根拠は?」
「日吉くんが犯人で私達に罪を着せようとしたなら私のハンカチを彼が手に入れたことになるけど、ハンカチをなくしたのは昼の休憩時間から放課後の部活前の間なの。落としてるとしたら絶対トイレの近くか三年の教室近くだし、二年生の日吉くんが拾う可能性はあまりにも低い。それに私のハンカチだって知る手段もないんだよ」
ハンカチには名前が書いてるわけでもないため、予めハンカチの持ち主を知っていること以外特定するのは難しい。
「お前が落としたのを直接見たらお前のだって分かるじゃねぇか」
「さっきも言ったように落としたなら三年の教室からトイレ近くのはず。私はそこ以外下級生と関わるような場所の移動もしていないし、日吉くんが三年の教室に行たならその可能性はなくもないけど……」
「跡部さん、俺も日吉がそんなことをするとはとても思えません。日吉は反感を買うことが多いですけど、努力家ですし卑怯なことは絶対しないはずです!」
「……。樺地。お前はどう思う?」
「……自分も、鳳と……同じ、です……」
日吉と同じ学年の鳳と樺地も日吉の潔白を信じていた。自分よりも日吉と交流のある二年生二人が言うのだから跡部も少し考える。
「なるほどな。だが、奴自身も言っていたが本人の性格や性質だけでは無実だとは言えねぇ……が、俺もあの負けず嫌いの日吉がそんな女々しいことをやるとは到底思えねぇ。もう少し調べてみることにする」
「! ありがとう、跡部!」
「もし、お前らも何か気づいたことがあればすぐに俺に知らせに来い」
「でもさ、跡部ー。カメラにはうちのユニフォームを着てたのは間違いないのに日吉以外の犯人が部員の中にいるのー?」
腕を組みながら「ううむ」と悩む芥川がそう口にする。何せあの氷帝学園だ。テニス部のユニフォームとて簡単に部外者が手に入ることは出来ない。そうなると部内の犯行でしか有り得ないわけだ。
「確かにテニス部以外の奴がうちのジャージを手に入れることは不可能だ。紛い物でもない限りな。……しかし、映像を分析した結果、あれは間違いなくうちのユニフォームだったことが判明した」
「じゃあ、やっぱ部員の中でしかいねぇってことだな。監視カメラの映像には日吉に似た髪型の奴が映ってたんだからよ、日吉以外の犯人なんていねぇだろ」
宍戸が頭を掻きながらそう呟くと何かに気がついたのか、滝がぽつりと呟いた。
「ユニフォームを借りた可能性とかあるんじゃないかな?」
「ユニフォームを? なんで?」
幼馴染みの遥が首を傾げる。しかし、滝の言葉の続きは歯切れが悪かった。
「ん~……なんでって言われるとそこまでは思いつかないんだけど、部外者が本物のユニフォームを着る手段を考えたら借りるしかないんじゃないかなって」
「けどよー……普通部活のユニフォームを貸してっつって簡単に貸せるか? ダチでも貸せなくね? なんで? ってなるじゃん」
さすがにその線はないだろ、と言いたげな向日の言葉に秋はハッと閃いた。
「……友達じゃなく、家族ならどうかな?」
「家族……って、つまり兄弟なら貸し借りが出来るって言いたいのか?」
麻美の問いに秋は迷いながらも小さく頷いた。
「実際に貸し借りの交渉があったか分からないけど、一緒に暮らしてるなら無断でユニフォームを借りることも可能だったんじゃないかな?」
「おー。なるほどー! 確かに直接貸してって言わなくても洗濯とかで干してたらこそっと借りることは出来るね!」
その手があったかと口にする遥のテンションが少し上がる。まるで謎解きゲームをしてるような感覚で。
「確かに調べてみる価値はあるな。うちの部に所属する奴らの兄弟の髪型が監視カメラに映ってるのと似ていたら問いただしてみるぜ」
「うん、お願いね跡部」
「秋、早く疑いが晴れるといいよな~」
芥川が心配そうな表情で秋に伝えると、彼女は大丈夫だよと笑みで返し、お礼の言葉を述べた。
しかし、その日の部活後、ミーティングと称してマネージャーと正レギュラーを呼び出した跡部の口から「部員の兄、または弟の容姿を調べたがみんな白だった。あの髪型の奴はいねぇ」という結果が返ってきて、真犯人探しはまた振り出しに戻ってしまった。
そして同時に日吉への疑念が増すことになる。