自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
部室荒らしの容疑者達
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「そこまでだ。ここで口論しても何も解決しねぇだろ」
「は? じゃあ、どうしろってんだ?」
荒々しく日吉の胸ぐらを放せば、今度は跡部の元へと詰め寄る麻美だったが、跡部はそれに怯むことなく指をパチンと鳴らした。
「樺地」
「ウス」
樺地の手にはノートパソコンと一枚のDVDディスクが用意されていた。
「再生しろ」
「ウス」
跡部に言われた通り、樺地はノートパソコンのDVDドライブにディスクを挿入し、DVD再生の準備を始めるとみんなに画面を見せた。
「一体何するつもりや?」
「部室の入口にある監視カメラの映像を見せる」
「えっ!? 監視カメラなんてあったの!? どこどこ!?」
「おい、待てジロー! 外に出てる場合じゃねーだろ!」
芥川が監視カメラの存在を聞いて慌てて表に出ようとしたが、宍戸が彼を捕まえてノートパソコンへと視線を向けるように促した。
「確かに俺も監視カメラがあるっていうのは初耳だね」
顎に指を添えながら部室前の状況を思い浮かべる滝同様に他のメンバーも監視カメラなんてどこにあった? という表情をしている。
氷帝学園内には防犯カメラがいくつかは確かに存在する。どれもちゃんと目視出来る場所にカメラが設置してあるので誰もがそのカメラをイメージしていた。
しかし、部室前にはカメラがあるとは思えない風景である。
そして液晶に映し出された映像は間違いなくレギュラー専用部室の入口真上から撮影されたものだった。
「これは……もしかして入口の上にある電球がカメラになってるんですか?」
鳳がハッと気づく。映し出されるカメラの位置からして間違いなく部室入口の扉の上にあるライトが隠しカメラの場所だと思われた。
その言葉を聞いた外にいる他の部員達がいっせいに見上げてライトを確認するが、本当にカメラがあるのか分からなくて首を傾げる。
「あぁ。ライトと監視カメラの機能を両方併せ持ったものだ。目視しにくいタイプのものだから分かりづらいのも仕方ねぇよ」
「じゃ、じゃあ、犯人も映ってるってことだね!」
それなら秋の無実を証明出来る! そう思ってパッと顔を明るくさせた遥を筆頭にその場にいたメンバーは再生された記録映像へと見続ける。
映像はマネージャー達が清掃を終えて出て行く様子をしっかり残していた。
しかし、問題はその後だ。ここで何も映っていなければ秋が犯人にされる上に麻美と遥も共犯だということになる。
「樺地。早送りだ」
「ウス」
樺地が映像を早送りにする。マネージャー達が部室を出て三十分くらい経った頃だろうか。一人の人物が映し出された。
「!」
「お! これ犯人じゃね!?」
芥川がノートパソコンに飛びつく。そのため映像が見えなくなったので向日と宍戸の手によって後ろへと引き剥がされた。
映像はもう一度早送りをして、容疑者と思わしき人物が部室から出たのは二十分ほど後だった。それからは他の人間が出入りした形跡はないため、最後に部室に入ったその人物こそ部室荒らしの犯人として一番怪しくなる。
その人物は始終俯いていたため、顔こそは見えなかったが服装は男子テニス部のユニフォームを纏っていた。
「俺が用意させたこの映像を見る限り、マネージャー達よりももっと怪しい人物がいたってことになるな」
「……」
眉を寄せながら悔しげな表情をする日吉。対する麻美と遥は勝ち誇ったようにドヤ顔を決めていた。
「……ですが、この人物が犯人だという証拠もないですよね? 何かを知ってる可能性は高いですけど」
「そうだな、だからこいつを探して詳しい話を聞くまでは誰も犯人扱いをするんじゃねぇぞ」
それでもまだ証拠としては弱いと思った日吉が苦し紛れに告げると、確実な証拠がない限りマネージャー達は黒でも白でもないと口にする跡部に日吉は静かに舌打ちをした。
「まぁ、見たところうちの部員なのは間違いないね。顔が見えないのは惜しいけど、髪型は特定出来るからすぐに見つかるんじゃない?」
滝が一時停止された重要参考人の髪型を指差す。男子テニス部のユニフォームを着用しているためテニス部員なのは間違いないだろう。
「……けどよ、この髪型ってどう見ても……」
向日の視線がとある人物へと向けられる。それと同時に他のみんなも同じことを思ったのか、同じ人へと疑惑の目を向けた。
「……は?」
「確かに日吉の髪型に似てるよな……」
宍戸がそう呟くと麻美が動き出した。
「テメェ……犯人のくせに秋に罪をなすりつけやがったのか!」
「なっ……! 俺じゃないですよ!」
胸元を掴んで日吉を犯人だと決めつける麻美だったが、日吉は戸惑いの様子を見せながら彼女の手を払い除けた。
「確か、君……日吉だっけ? あたしらのこと煙たがってたし、マネージャーを辞めさせるための動機としては十分あるよね」
「だから違うって言ってるじゃないですか!」
疑っていたはずがいつの間にか疑われる側に。まさか自分が容疑者になると思っていなかった日吉は強く否定をする。
しかし、外から様子を見ていた部員達を含め、日吉を怪しむその視線は冷たい。ひそひそと彼に向けての話し声も聞こえ、日吉は悔しそうに奥歯を強く噛み締めた。
「待って、みんな。日吉くんだって犯人とは言い切れないよ」
日吉が真犯人だという空気の中、秋が声を上げる。今度は彼女へと視線が注がれた。
「おい、秋。こんなキノコ野郎を庇っても意味ないだろ。あんたを犯人だって言ってた奴なんだし」
「それとこれとは話が別だよ。ただ髪型が似てるってだけのこと。私と一緒でちゃんとした証拠はない以上疑わしきは罰せず、だから」
「九条の言う通りだ。テメェらが勝手に犯人を決めつけてんじゃねぇぞ。この件については俺が預かるからこれ以上仲間同士で対立すんな」
部長の言葉により部室荒らしによる揉め事はここまでとなる。
そして部室を片付けるため、朝練と放課後の部活は急遽なくなることが決まった。
「は? じゃあ、どうしろってんだ?」
荒々しく日吉の胸ぐらを放せば、今度は跡部の元へと詰め寄る麻美だったが、跡部はそれに怯むことなく指をパチンと鳴らした。
「樺地」
「ウス」
樺地の手にはノートパソコンと一枚のDVDディスクが用意されていた。
「再生しろ」
「ウス」
跡部に言われた通り、樺地はノートパソコンのDVDドライブにディスクを挿入し、DVD再生の準備を始めるとみんなに画面を見せた。
「一体何するつもりや?」
「部室の入口にある監視カメラの映像を見せる」
「えっ!? 監視カメラなんてあったの!? どこどこ!?」
「おい、待てジロー! 外に出てる場合じゃねーだろ!」
芥川が監視カメラの存在を聞いて慌てて表に出ようとしたが、宍戸が彼を捕まえてノートパソコンへと視線を向けるように促した。
「確かに俺も監視カメラがあるっていうのは初耳だね」
顎に指を添えながら部室前の状況を思い浮かべる滝同様に他のメンバーも監視カメラなんてどこにあった? という表情をしている。
氷帝学園内には防犯カメラがいくつかは確かに存在する。どれもちゃんと目視出来る場所にカメラが設置してあるので誰もがそのカメラをイメージしていた。
しかし、部室前にはカメラがあるとは思えない風景である。
そして液晶に映し出された映像は間違いなくレギュラー専用部室の入口真上から撮影されたものだった。
「これは……もしかして入口の上にある電球がカメラになってるんですか?」
鳳がハッと気づく。映し出されるカメラの位置からして間違いなく部室入口の扉の上にあるライトが隠しカメラの場所だと思われた。
その言葉を聞いた外にいる他の部員達がいっせいに見上げてライトを確認するが、本当にカメラがあるのか分からなくて首を傾げる。
「あぁ。ライトと監視カメラの機能を両方併せ持ったものだ。目視しにくいタイプのものだから分かりづらいのも仕方ねぇよ」
「じゃ、じゃあ、犯人も映ってるってことだね!」
それなら秋の無実を証明出来る! そう思ってパッと顔を明るくさせた遥を筆頭にその場にいたメンバーは再生された記録映像へと見続ける。
映像はマネージャー達が清掃を終えて出て行く様子をしっかり残していた。
しかし、問題はその後だ。ここで何も映っていなければ秋が犯人にされる上に麻美と遥も共犯だということになる。
「樺地。早送りだ」
「ウス」
樺地が映像を早送りにする。マネージャー達が部室を出て三十分くらい経った頃だろうか。一人の人物が映し出された。
「!」
「お! これ犯人じゃね!?」
芥川がノートパソコンに飛びつく。そのため映像が見えなくなったので向日と宍戸の手によって後ろへと引き剥がされた。
映像はもう一度早送りをして、容疑者と思わしき人物が部室から出たのは二十分ほど後だった。それからは他の人間が出入りした形跡はないため、最後に部室に入ったその人物こそ部室荒らしの犯人として一番怪しくなる。
その人物は始終俯いていたため、顔こそは見えなかったが服装は男子テニス部のユニフォームを纏っていた。
「俺が用意させたこの映像を見る限り、マネージャー達よりももっと怪しい人物がいたってことになるな」
「……」
眉を寄せながら悔しげな表情をする日吉。対する麻美と遥は勝ち誇ったようにドヤ顔を決めていた。
「……ですが、この人物が犯人だという証拠もないですよね? 何かを知ってる可能性は高いですけど」
「そうだな、だからこいつを探して詳しい話を聞くまでは誰も犯人扱いをするんじゃねぇぞ」
それでもまだ証拠としては弱いと思った日吉が苦し紛れに告げると、確実な証拠がない限りマネージャー達は黒でも白でもないと口にする跡部に日吉は静かに舌打ちをした。
「まぁ、見たところうちの部員なのは間違いないね。顔が見えないのは惜しいけど、髪型は特定出来るからすぐに見つかるんじゃない?」
滝が一時停止された重要参考人の髪型を指差す。男子テニス部のユニフォームを着用しているためテニス部員なのは間違いないだろう。
「……けどよ、この髪型ってどう見ても……」
向日の視線がとある人物へと向けられる。それと同時に他のみんなも同じことを思ったのか、同じ人へと疑惑の目を向けた。
「……は?」
「確かに日吉の髪型に似てるよな……」
宍戸がそう呟くと麻美が動き出した。
「テメェ……犯人のくせに秋に罪をなすりつけやがったのか!」
「なっ……! 俺じゃないですよ!」
胸元を掴んで日吉を犯人だと決めつける麻美だったが、日吉は戸惑いの様子を見せながら彼女の手を払い除けた。
「確か、君……日吉だっけ? あたしらのこと煙たがってたし、マネージャーを辞めさせるための動機としては十分あるよね」
「だから違うって言ってるじゃないですか!」
疑っていたはずがいつの間にか疑われる側に。まさか自分が容疑者になると思っていなかった日吉は強く否定をする。
しかし、外から様子を見ていた部員達を含め、日吉を怪しむその視線は冷たい。ひそひそと彼に向けての話し声も聞こえ、日吉は悔しそうに奥歯を強く噛み締めた。
「待って、みんな。日吉くんだって犯人とは言い切れないよ」
日吉が真犯人だという空気の中、秋が声を上げる。今度は彼女へと視線が注がれた。
「おい、秋。こんなキノコ野郎を庇っても意味ないだろ。あんたを犯人だって言ってた奴なんだし」
「それとこれとは話が別だよ。ただ髪型が似てるってだけのこと。私と一緒でちゃんとした証拠はない以上疑わしきは罰せず、だから」
「九条の言う通りだ。テメェらが勝手に犯人を決めつけてんじゃねぇぞ。この件については俺が預かるからこれ以上仲間同士で対立すんな」
部長の言葉により部室荒らしによる揉め事はここまでとなる。
そして部室を片付けるため、朝練と放課後の部活は急遽なくなることが決まった。