自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ひとときの平和の質問攻め
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秋と跡部が話をしている同時刻、遥も同じように多数の生徒達に席を囲まれて質問攻めにあっていた。
秋のときとは比べ物にならない人、人、人。何故こんなに彼女の元に人が集まるのか。それは遥の性格によるものだった。
友達だろうとそうでなかろうと誰とでも話をすることが出来る遥は麻美や秋よりも親しみがある。
そのため知り合いが多いので女子も男子ももはや野次馬のような勢いで遥から話を聞き出そうとやってきた。
「なぁなぁ、本当に西成がマネージャーに誘われたのか?」
「西成さんもしかして好きな人がいるの!?」
「跡部様の情報何かないっ!?」
「準レギュラーとはお話するっ?」
「お、おおおお落ち着くのだ皆の者! あたし同時に話を聞き取れるような偉人じゃないんだよっ!? ていうか、今は初めてのマネージャー業でいっぱいいっぱいなんだー!」
そう声を大にして話すが、それでも周りは質問の嵐。話を聞いてるのか、この者達は! と思いながらも今はこの場を抜け出したくて遥は口を開いた。
「みんなごめんね! あたしちょっとトイレ! 何を聞かれてもあたしは分からないことばかりなんだよね! ではな!」
ウインクを飛ばしながら囲みから抜け出し、廊下へ飛び出た遥はそのまま走って走って、途中で教師に注意を受けながらも彼女は屋上へと向かった。
「ひゅー! たまらん開放感だ!」
人に囲まれたストレスを発散するために普段行くことのない屋上へと訪れたが、気持ちの良い風と青空が広がっていることもあり、遥の気分は爽快だった。
両手を上げて思い切り身体を伸ばしながら一息つく。
「ふー。いやぁ、まさかあそこまで人が押し寄せるとは。やっぱり人気者は辛いなぁ」
肩を回しながら身体を解し、辺りを見回し始めた。
「それにしても思ったより人がいな━━……いや、いた」
人の気配がないなと思っていた遥の視界に一人の生徒を捉える。気持ち良さげに昼寝をする人物━━芥川慈郎だった。
大きないびきをかきながら肘をついて頭を支えながら横たわる姿に遥は興味本位で近づいてみた。
「ジローではないか」
「ぐか~……」
よく寝てるなぁ、と思いながらそのまま見つめていると、その視線に気がついたのか、それともたまたまなのか、芥川がパチリと目を開いた。
「んがっ……んー……? あれ~……見たことある顔~……」
寝ぼけながら目を擦る芥川に遥は自信満々に答えた。
「西成家の遥さんだよ!」
「……ぐぅ」
「ちょっとぉ! せっかく答えたのに寝るんじゃないやい!」
芥川の襟元を掴みながらゆさゆさと大きく揺らしながら起こす遥に芥川は眉を寄せながら渋々目を開けた。
「ふぁ~あ……西成ね。うん……知ってる知ってる……麻美によくボコられてる人」
「そんな覚え方しないで! あたしはボコられてるんじゃなくて麻美の愛情を受け止めてるだけ!」
「……あ~……確かにそうかも」
「まさか肯定されるとは思ってもみなかったよ!」
「だってさ、麻美が逆道場破り、だっけ? 色んな運動部の部員総出でバトってるときと、西成とどつきあい漫才してるときと全然ちげーもん」
頭をボリボリと搔きながら少しずつ目を覚ます芥川の言葉に遥は「どつきあい漫才してるつもりはないんだけども!」と言いたくなるのを飲み込み、もっと気になることを彼に尋ねた。
「ジロー、そのときの麻美見てたの? どんな感じだった? あたし見てないし、よく分からないんだよね」
「どうって、おっかねぇ~! って感じだったよ。なんつーか、RPGのラスボスみたいな? 全てを滅ぼそうとするっていうか、虫けらを見るような目してたなぁ」
芥川が語るには各部活に使用するボールや剣道部の竹刀、弓術部の弓などを使って麻美を倒そうと躍起になっていた。
全ては麻美を部員として引き入れるため。そこに男も女もなかった。男子の部活に女子を入れようとするのは認められないのにそれでも彼女の身体能力を必要とした。
対する麻美は全員黙らせるため、鬼神の如く勢いで武器を持つ相手でも怯むことなく、躱し、受け止め、奪い取り、そして叩きのめす。
誰一人、麻美を地面に伏せることも出来なければ触れることも出来ない。
最終的には全員地面に突っ伏した様子を見て満足気に口元を綻ばせる表情は魔王のようだったと。
「想像出来ちゃうな~……」
「返り血を浴びてるようにも見えたし、高笑いするんじゃねぇかって思ってたけど全然しなかったなぁ。そうすればラスボスの魔王っぽかったのに」
「麻美は高笑いするような子じゃないからね~。魔王は似合うけど」
「そんで西成達といるときは楽しそうにからかってる感じ」
「楽しそう、かな……攻撃受けてる立場としてはめちゃくちゃ痛いんですけども」
「手加減してるって絶対! だって逆道場破りのような迫力ないもん」
麻美の伝説のひとつである逆道場破りの迫力がどんなものか、遥にはいまいち想像出来なかったが、いつもつるんでいる様子の麻美を芥川は迫力がないと言うので「あれで迫力がないなんてどんだけマジでやったんだあの者は……」と呟いた。
「でも、超カッチョEーんだよなー! 俺もあれくらい暴れてみたいC~!」
「麻美みたいな子は一人で十分だよっ!」
拳を突き出しながら目を輝かす芥川に遥が全力で反対する。
え~? と唇を尖らせる芥川だったが、遥は話題を変えようと「そういえばさ!」と口にした。
「麻美と秋には名前呼びでしょ? せっかくだし、あたしも名前で呼んで! あたしもジローって呼んでるし」
「オッケー! 遥だっけ? よろしくー」
「よろよろ~」
麻美という話題で盛り上がった二人はあっという間に打ち解けた頃、チャイムが鳴り響きお互いに「やばっ!」と焦って急いでそれぞれのクラスへと戻った。
秋のときとは比べ物にならない人、人、人。何故こんなに彼女の元に人が集まるのか。それは遥の性格によるものだった。
友達だろうとそうでなかろうと誰とでも話をすることが出来る遥は麻美や秋よりも親しみがある。
そのため知り合いが多いので女子も男子ももはや野次馬のような勢いで遥から話を聞き出そうとやってきた。
「なぁなぁ、本当に西成がマネージャーに誘われたのか?」
「西成さんもしかして好きな人がいるの!?」
「跡部様の情報何かないっ!?」
「準レギュラーとはお話するっ?」
「お、おおおお落ち着くのだ皆の者! あたし同時に話を聞き取れるような偉人じゃないんだよっ!? ていうか、今は初めてのマネージャー業でいっぱいいっぱいなんだー!」
そう声を大にして話すが、それでも周りは質問の嵐。話を聞いてるのか、この者達は! と思いながらも今はこの場を抜け出したくて遥は口を開いた。
「みんなごめんね! あたしちょっとトイレ! 何を聞かれてもあたしは分からないことばかりなんだよね! ではな!」
ウインクを飛ばしながら囲みから抜け出し、廊下へ飛び出た遥はそのまま走って走って、途中で教師に注意を受けながらも彼女は屋上へと向かった。
「ひゅー! たまらん開放感だ!」
人に囲まれたストレスを発散するために普段行くことのない屋上へと訪れたが、気持ちの良い風と青空が広がっていることもあり、遥の気分は爽快だった。
両手を上げて思い切り身体を伸ばしながら一息つく。
「ふー。いやぁ、まさかあそこまで人が押し寄せるとは。やっぱり人気者は辛いなぁ」
肩を回しながら身体を解し、辺りを見回し始めた。
「それにしても思ったより人がいな━━……いや、いた」
人の気配がないなと思っていた遥の視界に一人の生徒を捉える。気持ち良さげに昼寝をする人物━━芥川慈郎だった。
大きないびきをかきながら肘をついて頭を支えながら横たわる姿に遥は興味本位で近づいてみた。
「ジローではないか」
「ぐか~……」
よく寝てるなぁ、と思いながらそのまま見つめていると、その視線に気がついたのか、それともたまたまなのか、芥川がパチリと目を開いた。
「んがっ……んー……? あれ~……見たことある顔~……」
寝ぼけながら目を擦る芥川に遥は自信満々に答えた。
「西成家の遥さんだよ!」
「……ぐぅ」
「ちょっとぉ! せっかく答えたのに寝るんじゃないやい!」
芥川の襟元を掴みながらゆさゆさと大きく揺らしながら起こす遥に芥川は眉を寄せながら渋々目を開けた。
「ふぁ~あ……西成ね。うん……知ってる知ってる……麻美によくボコられてる人」
「そんな覚え方しないで! あたしはボコられてるんじゃなくて麻美の愛情を受け止めてるだけ!」
「……あ~……確かにそうかも」
「まさか肯定されるとは思ってもみなかったよ!」
「だってさ、麻美が逆道場破り、だっけ? 色んな運動部の部員総出でバトってるときと、西成とどつきあい漫才してるときと全然ちげーもん」
頭をボリボリと搔きながら少しずつ目を覚ます芥川の言葉に遥は「どつきあい漫才してるつもりはないんだけども!」と言いたくなるのを飲み込み、もっと気になることを彼に尋ねた。
「ジロー、そのときの麻美見てたの? どんな感じだった? あたし見てないし、よく分からないんだよね」
「どうって、おっかねぇ~! って感じだったよ。なんつーか、RPGのラスボスみたいな? 全てを滅ぼそうとするっていうか、虫けらを見るような目してたなぁ」
芥川が語るには各部活に使用するボールや剣道部の竹刀、弓術部の弓などを使って麻美を倒そうと躍起になっていた。
全ては麻美を部員として引き入れるため。そこに男も女もなかった。男子の部活に女子を入れようとするのは認められないのにそれでも彼女の身体能力を必要とした。
対する麻美は全員黙らせるため、鬼神の如く勢いで武器を持つ相手でも怯むことなく、躱し、受け止め、奪い取り、そして叩きのめす。
誰一人、麻美を地面に伏せることも出来なければ触れることも出来ない。
最終的には全員地面に突っ伏した様子を見て満足気に口元を綻ばせる表情は魔王のようだったと。
「想像出来ちゃうな~……」
「返り血を浴びてるようにも見えたし、高笑いするんじゃねぇかって思ってたけど全然しなかったなぁ。そうすればラスボスの魔王っぽかったのに」
「麻美は高笑いするような子じゃないからね~。魔王は似合うけど」
「そんで西成達といるときは楽しそうにからかってる感じ」
「楽しそう、かな……攻撃受けてる立場としてはめちゃくちゃ痛いんですけども」
「手加減してるって絶対! だって逆道場破りのような迫力ないもん」
麻美の伝説のひとつである逆道場破りの迫力がどんなものか、遥にはいまいち想像出来なかったが、いつもつるんでいる様子の麻美を芥川は迫力がないと言うので「あれで迫力がないなんてどんだけマジでやったんだあの者は……」と呟いた。
「でも、超カッチョEーんだよなー! 俺もあれくらい暴れてみたいC~!」
「麻美みたいな子は一人で十分だよっ!」
拳を突き出しながら目を輝かす芥川に遥が全力で反対する。
え~? と唇を尖らせる芥川だったが、遥は話題を変えようと「そういえばさ!」と口にした。
「麻美と秋には名前呼びでしょ? せっかくだし、あたしも名前で呼んで! あたしもジローって呼んでるし」
「オッケー! 遥だっけ? よろしくー」
「よろよろ~」
麻美という話題で盛り上がった二人はあっという間に打ち解けた頃、チャイムが鳴り響きお互いに「やばっ!」と焦って急いでそれぞれのクラスへと戻った。