自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
そして彼らと彼女達は帰国した
主人公名前変換
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セスナ機の遊覧飛行を終わるとすぐにホテルへと戻った。跡部の奴は予定があるのかさっさと部屋に帰ったが、こっちは変に疲れたからロビーのソファーに座って休むことにする。そんな中、ずっと思ったことがあった。
ハワイに来てから跡部が少しおかしい。
おかしいというには漠然としていて説明しづらいが、昨日は自分の魅力に気づけとか言ってきたり、今日なんて景色より綺麗だっつってた。何。何なんだ? なんでいきなりあいつが私の容姿について言い出してきたわけ?
そもそも言われなくても自分の魅力とやらには理解してるつもりだけど。私はそこらの奴より整った顔立ちとスタイルを持っている……が、なぜ跡部が褒めてくるかは意味が分からない。
「……頭痛くなってくるな」
はぁっ、と大息を吐き捨てる。知恵熱が出てきそうだ。
「ん? 赤宮じゃねーか。跡部との付き合いは終わったのか?」
「あ? 宍戸か。まぁ、そんなとこだ」
足を組んで座る私の前に宍戸がやって来た。
「そういや結局どんなサプライズを受けたんだ?」
「……セスナ機で遊覧飛行」
「あー……跡部らしいっつーか、さすがだぜ。どうだったんだ?」
「悪くはなかった……けど」
「けど?」
「跡部が言うには私はハワイの景色より綺麗なんだとよ」
「は……?」
ぼやくように告げると予想外のことだったのか、宍戸は固まって言葉を発することも忘れているように見えた。そのまま眺めると、しばらくしてから奴はハッとした表情をする。
「それってつまり跡部に口説かれたってことか?」
その言葉に今度は私が面食らってしまう。口説く? 誰が? 誰に? 跡部が? 私に? んなわけない。
「なんでそんな結論になるんだよ」
「え? だってよ、普通そんな小っ恥ずかしいこと言えなくねぇか?」
「あいつはどっちかというと小っ恥ずかしいことも簡単にやってのけるだろ」
「そりゃそうだけどよ……」
どうやらそれだけでは納得出来ないらしい。こっちとしては口説くっつーのが納得出来ないんだけど。
「そりゃ跡部は全く褒めないような奴じゃねぇけど、軽々しく褒めるような奴でもねぇだろ? あいつが口にしたっつーことは冗談だって言わない限り冗談でもないだろうし」
そう言われると確かにと思わざるを得ないが、私としてはそれでも口説かれたとは思わない。
「それで……なんて答えたんだよ?」
「何が?」
「その、綺麗だって言われたあとだよ」
「言われなくても理解してるって返したな」
「赤宮らしい返しだな……」
「悪い?」
「いや、全然……」
「っつーかなんであんたがそんなこと気にするわけ?」
「え、や、ただの好奇心っつーか、跡部が赤宮のこと好きならそれはそれで大事件っつーかよ」
確かに大事件と言われたら大事件かもしれないけど、跡部が私にとか絶対有り得ない。
「そもそも容姿を褒められただけで口説かれるっつーならあんたも私を口説いてるからな?」
「は!? いつだよ!?」
「今朝」
「今朝っ!?」
「笑ってる顔がいい表情だとか言ってたろ」
「っ! い、言ったけど、別に俺は口説いてるとかそんなつもりねーし!」
「だろうな。跡部も同じだ。それくらいで言い寄ってるつもりはないだろ」
「そ、そうか。いや、でも跡部だしな……」
納得しかけたと思ったらぶつぶつ呟き出した。面倒くさくなった私は部屋に戻ろうと腰を上げる。
「大体あんたが気にすることないだろ。何も関係ないんだし」
自分の通り道を作るため、宍戸の肩を掴んで押し退ける。奴はなにか言いたそうな顔を見せたが、特に何も言うことはなく押し黙ったまま。特に気にすることなく私は宍戸を置いて客室へと向かった。
エレベーターに乗り、部屋の階数を押して目的の階へと向かう。チン、と音を鳴って扉が開くとそこには先程話題に出たばかりの跡部が立っていた。後ろには樺地もいて目が合えばご丁寧にぺこりと頭を下げる。
「よぉ」
「……あぁ」
閉じたエレベーターは上階へ上がる。それに乗り込まないということは二人は下に行きたいようだ。
「随分とお疲れのようだな。遊覧飛行はあんまりだったか?」
「いや、色々考えて疲れただけ」
遊覧飛行自体はむしろ面白かった。……突然連れられたときは反応に困ったが。
「おいおい、慰安旅行だってのに何を考え込んでやがる。疲れるなら遊び疲れにしな」
誰のせいだと思ってんだ。そう言いたかったが、詳しいことを聞かれても困るので口を噤む。しかし黙ったままなのがいけなかったのか、跡部が不思議そうな顔をして私の額へと手を伸ばした。
ぺたっと触れられた手の感触。突然のことで固まってしまったが、すぐにその手を払い除けた。
「な、にしてんだっ!」
「あーん? 何も言い返さねぇから熱でもあるのかと思って確認しただけだろ。まぁ、熱はなさそうだが若干熱かったな。知恵熱か? 根を詰めすぎんじゃねーぞ」
「余計なお世話だ」
舌打ちをしたすぐあと、エレベーターの到着音が聞こえた。どうやら今度は下りに向かっていたようで跡部と樺地はそれに乗り込んだ。
「ならこれ以上心配かけねぇようにさっさと休みな。明日は帰国なんだからよ」
「言われなくてもそうする」
本当にいつもいつも保護者面してくる奴だな。そう思いながら扉が閉まるまで見届けてしまったことに気づいた私はまたチッと鳴らしたあと、すぐさま部屋へと戻るため早足で帰った。
ハワイに来てから跡部が少しおかしい。
おかしいというには漠然としていて説明しづらいが、昨日は自分の魅力に気づけとか言ってきたり、今日なんて景色より綺麗だっつってた。何。何なんだ? なんでいきなりあいつが私の容姿について言い出してきたわけ?
そもそも言われなくても自分の魅力とやらには理解してるつもりだけど。私はそこらの奴より整った顔立ちとスタイルを持っている……が、なぜ跡部が褒めてくるかは意味が分からない。
「……頭痛くなってくるな」
はぁっ、と大息を吐き捨てる。知恵熱が出てきそうだ。
「ん? 赤宮じゃねーか。跡部との付き合いは終わったのか?」
「あ? 宍戸か。まぁ、そんなとこだ」
足を組んで座る私の前に宍戸がやって来た。
「そういや結局どんなサプライズを受けたんだ?」
「……セスナ機で遊覧飛行」
「あー……跡部らしいっつーか、さすがだぜ。どうだったんだ?」
「悪くはなかった……けど」
「けど?」
「跡部が言うには私はハワイの景色より綺麗なんだとよ」
「は……?」
ぼやくように告げると予想外のことだったのか、宍戸は固まって言葉を発することも忘れているように見えた。そのまま眺めると、しばらくしてから奴はハッとした表情をする。
「それってつまり跡部に口説かれたってことか?」
その言葉に今度は私が面食らってしまう。口説く? 誰が? 誰に? 跡部が? 私に? んなわけない。
「なんでそんな結論になるんだよ」
「え? だってよ、普通そんな小っ恥ずかしいこと言えなくねぇか?」
「あいつはどっちかというと小っ恥ずかしいことも簡単にやってのけるだろ」
「そりゃそうだけどよ……」
どうやらそれだけでは納得出来ないらしい。こっちとしては口説くっつーのが納得出来ないんだけど。
「そりゃ跡部は全く褒めないような奴じゃねぇけど、軽々しく褒めるような奴でもねぇだろ? あいつが口にしたっつーことは冗談だって言わない限り冗談でもないだろうし」
そう言われると確かにと思わざるを得ないが、私としてはそれでも口説かれたとは思わない。
「それで……なんて答えたんだよ?」
「何が?」
「その、綺麗だって言われたあとだよ」
「言われなくても理解してるって返したな」
「赤宮らしい返しだな……」
「悪い?」
「いや、全然……」
「っつーかなんであんたがそんなこと気にするわけ?」
「え、や、ただの好奇心っつーか、跡部が赤宮のこと好きならそれはそれで大事件っつーかよ」
確かに大事件と言われたら大事件かもしれないけど、跡部が私にとか絶対有り得ない。
「そもそも容姿を褒められただけで口説かれるっつーならあんたも私を口説いてるからな?」
「は!? いつだよ!?」
「今朝」
「今朝っ!?」
「笑ってる顔がいい表情だとか言ってたろ」
「っ! い、言ったけど、別に俺は口説いてるとかそんなつもりねーし!」
「だろうな。跡部も同じだ。それくらいで言い寄ってるつもりはないだろ」
「そ、そうか。いや、でも跡部だしな……」
納得しかけたと思ったらぶつぶつ呟き出した。面倒くさくなった私は部屋に戻ろうと腰を上げる。
「大体あんたが気にすることないだろ。何も関係ないんだし」
自分の通り道を作るため、宍戸の肩を掴んで押し退ける。奴はなにか言いたそうな顔を見せたが、特に何も言うことはなく押し黙ったまま。特に気にすることなく私は宍戸を置いて客室へと向かった。
エレベーターに乗り、部屋の階数を押して目的の階へと向かう。チン、と音を鳴って扉が開くとそこには先程話題に出たばかりの跡部が立っていた。後ろには樺地もいて目が合えばご丁寧にぺこりと頭を下げる。
「よぉ」
「……あぁ」
閉じたエレベーターは上階へ上がる。それに乗り込まないということは二人は下に行きたいようだ。
「随分とお疲れのようだな。遊覧飛行はあんまりだったか?」
「いや、色々考えて疲れただけ」
遊覧飛行自体はむしろ面白かった。……突然連れられたときは反応に困ったが。
「おいおい、慰安旅行だってのに何を考え込んでやがる。疲れるなら遊び疲れにしな」
誰のせいだと思ってんだ。そう言いたかったが、詳しいことを聞かれても困るので口を噤む。しかし黙ったままなのがいけなかったのか、跡部が不思議そうな顔をして私の額へと手を伸ばした。
ぺたっと触れられた手の感触。突然のことで固まってしまったが、すぐにその手を払い除けた。
「な、にしてんだっ!」
「あーん? 何も言い返さねぇから熱でもあるのかと思って確認しただけだろ。まぁ、熱はなさそうだが若干熱かったな。知恵熱か? 根を詰めすぎんじゃねーぞ」
「余計なお世話だ」
舌打ちをしたすぐあと、エレベーターの到着音が聞こえた。どうやら今度は下りに向かっていたようで跡部と樺地はそれに乗り込んだ。
「ならこれ以上心配かけねぇようにさっさと休みな。明日は帰国なんだからよ」
「言われなくてもそうする」
本当にいつもいつも保護者面してくる奴だな。そう思いながら扉が閉まるまで見届けてしまったことに気づいた私はまたチッと鳴らしたあと、すぐさま部屋へと戻るため早足で帰った。