自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
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「来たな」
潜水艦体験を終えてホテルのロビーへと戻った麻美の姿を見つけると跡部はソファーに沈めていた腰を上げて彼女の元へ歩み寄った。
「来いって言ったのはそっちだろ」
軽い溜め息を吐き捨てながら相変わらずの態度だなとは思わずにはいられないが、それでも素直に来たのだから余計なことを言わない方が吉だろうと思い、跡部は気にしないことにした。
「海底の散歩はどうだった?」
「あぁ、なかなかに楽しめたな。思ってたよりも悪くなかった」
「それなら良かったぜ。じゃあついて来な」
「いい加減何をするか言え」
「実際に目にするまで楽しみにしとけ」
「あんたはそればっかだな……」
これ以上言っても仕方ないと諦めたのか麻美は無理やり問いただすことはしなかった。跡部も目的地に着くまでは口を割るつもりはないのでそのまま麻美を連れてホテル近くに待機させていたタクシーへと乗り込む。
行き先はすでに運転手に伝えていたので跡部は何も言うことなく、車は目的の場所へ向けて発車した。
しばらくしてタクシーは空港へと到着する。さすがに麻美も眉間に皺を寄せた。
「まさか帰国するとか言わないよな?」
「そんなこと言わねぇよ」
下車した跡部は小さく笑いながら空港……ではなく、整備場へと向かった。麻美はまだ何を見せられるのか分からないといった表情で跡部の後ろをついて行く。
整備場には大型飛行機だけでなく小型の飛行機も並んでいた。跡部はそれらには目もくれず目的の場所へと進む。そして足を止めたのは空を飛ぶ準備を終えてスタンバイをするセスナ機だった。
「……何これ」
「なんだ、セスナを見るのは初めてだったか?」
「初めてといや初めてだけどそういう問題じゃない。何するつもりだ」
「ここまで来たらもう分かんだろ。乗るぜ」
からかうように笑いながら跡部は先にセスナへと乗り込んだ。その際に見えた麻美の何とも言い難い渋い表情に彼は喉を震わせながら笑みを深める。
「ほら、ボーッと突っ立ってんじゃねぇぞ。早く乗りな」
いくら麻美でもここまで来て乗らないわけにはいかなかった。いや、乗らないと無駄になってしまうという諦めが滲み出ていたので何度目かの溜め息を吐き捨て、観念して搭乗する。
乗り込んだらすぐに小型飛行機は離陸した。麻美の様子からして小型は初めてなのだろう。機内をぐるりと見回していた。
少しずつ上昇するセスナはあっという間に地上から遠ざかり空の旅が始まる。上空から眺めるハワイは広大な海やダイヤモンドヘッドなどが綺麗に見渡せた。
空港へと一直線に向かう旅客機とは違い、空からゆっくり見物出来る遊覧飛行はまたとない貴重な体験を麻美に与えることが出来ただろう。
「……いいものを見せるってのはこのことか」
「操縦体験ってのもあったが、今回はゆっくり絶景を見るのがいいだろう。どうしてもやりたかったらまたの機会にしてやるよ」
またの機会……? と言いたげな麻美の表情。どう受け取ったかは本人のみぞ知るが、跡部はそこまで気にすることはない。
「そもそもなんで私だけなんだ?」
「本来ならマネージャーを務めた三人の労いを込めたもので、もちろんあとの二人も乗せるつもりだったが、九条はすでに予定が入っていたし、西成は樺地と過ごしてるだろうから結果的にお前だけになったな」
秋も麻美と同様に昨夜声をかけたがすでに先約があったそうで、それならそっちを優先してやるべきだろうと思って彼女の好きにさせた。
そして樺地は昨日の埋め合わせをしたそうな様子だったので、跡部から「明日、西成を誘って過ごしてこい」と背中を押したのだ。
「あぁ、だから樺地がいないのか」
「そういうことだ。人数が減ったがその分快適に景色が臨めるだろ」
「確かに下僕がいないだけで静かでいい」
フッと笑いながら景色を眺める麻美。足を組んでその表情が目に入った跡部の視線は彼女へと奪われる。
「……」
ふとした時にいい顔をする。跡部がそう思うのは自然なことだった。そんな彼の視線を感じたのか、麻美が跡部へと目を向ける。
「何見てんだよ。あんたは景色見ないわけ?」
「景色よりいいものがあったんでな」
「私を見るのがかよ」
「そうだな。見てて飽きねぇ」
「勝手に人の顔を見て楽しむな。不愉快だ」
「この俺が見とれるくらいなんだから少しは自信持っていいんだぜ」
「あ、そ」
相変わらずの反応。少しは可愛げのある返事が欲しいものだなと思うが、なかなかに難しい。それならばと跡部はもっとストレートに伝えることを決めた。
「赤宮。俺は褒めてるつもりだぜ。お前が景色よりも綺麗ってな」
「━━は?」
さすがの麻美も驚きに固まっている様子だった。困惑しているようにも見える。喜怒哀楽の怒の表情が強い彼女が見せるその顔は、跡部からしたら珍しい表情のひとつでもあった。
「……言われなくても理解してる」
ふいっと顔を背けられた。そのまま窓の外しか見なくなった彼女は跡部へと顔を向けることはない。
どんな表情をしてるか分からないが、一向にこちらへと顔色を見せないのだから少なくとも照れ隠しだろうと考えた跡部は一人ほくそ笑んだ。
潜水艦体験を終えてホテルのロビーへと戻った麻美の姿を見つけると跡部はソファーに沈めていた腰を上げて彼女の元へ歩み寄った。
「来いって言ったのはそっちだろ」
軽い溜め息を吐き捨てながら相変わらずの態度だなとは思わずにはいられないが、それでも素直に来たのだから余計なことを言わない方が吉だろうと思い、跡部は気にしないことにした。
「海底の散歩はどうだった?」
「あぁ、なかなかに楽しめたな。思ってたよりも悪くなかった」
「それなら良かったぜ。じゃあついて来な」
「いい加減何をするか言え」
「実際に目にするまで楽しみにしとけ」
「あんたはそればっかだな……」
これ以上言っても仕方ないと諦めたのか麻美は無理やり問いただすことはしなかった。跡部も目的地に着くまでは口を割るつもりはないのでそのまま麻美を連れてホテル近くに待機させていたタクシーへと乗り込む。
行き先はすでに運転手に伝えていたので跡部は何も言うことなく、車は目的の場所へ向けて発車した。
しばらくしてタクシーは空港へと到着する。さすがに麻美も眉間に皺を寄せた。
「まさか帰国するとか言わないよな?」
「そんなこと言わねぇよ」
下車した跡部は小さく笑いながら空港……ではなく、整備場へと向かった。麻美はまだ何を見せられるのか分からないといった表情で跡部の後ろをついて行く。
整備場には大型飛行機だけでなく小型の飛行機も並んでいた。跡部はそれらには目もくれず目的の場所へと進む。そして足を止めたのは空を飛ぶ準備を終えてスタンバイをするセスナ機だった。
「……何これ」
「なんだ、セスナを見るのは初めてだったか?」
「初めてといや初めてだけどそういう問題じゃない。何するつもりだ」
「ここまで来たらもう分かんだろ。乗るぜ」
からかうように笑いながら跡部は先にセスナへと乗り込んだ。その際に見えた麻美の何とも言い難い渋い表情に彼は喉を震わせながら笑みを深める。
「ほら、ボーッと突っ立ってんじゃねぇぞ。早く乗りな」
いくら麻美でもここまで来て乗らないわけにはいかなかった。いや、乗らないと無駄になってしまうという諦めが滲み出ていたので何度目かの溜め息を吐き捨て、観念して搭乗する。
乗り込んだらすぐに小型飛行機は離陸した。麻美の様子からして小型は初めてなのだろう。機内をぐるりと見回していた。
少しずつ上昇するセスナはあっという間に地上から遠ざかり空の旅が始まる。上空から眺めるハワイは広大な海やダイヤモンドヘッドなどが綺麗に見渡せた。
空港へと一直線に向かう旅客機とは違い、空からゆっくり見物出来る遊覧飛行はまたとない貴重な体験を麻美に与えることが出来ただろう。
「……いいものを見せるってのはこのことか」
「操縦体験ってのもあったが、今回はゆっくり絶景を見るのがいいだろう。どうしてもやりたかったらまたの機会にしてやるよ」
またの機会……? と言いたげな麻美の表情。どう受け取ったかは本人のみぞ知るが、跡部はそこまで気にすることはない。
「そもそもなんで私だけなんだ?」
「本来ならマネージャーを務めた三人の労いを込めたもので、もちろんあとの二人も乗せるつもりだったが、九条はすでに予定が入っていたし、西成は樺地と過ごしてるだろうから結果的にお前だけになったな」
秋も麻美と同様に昨夜声をかけたがすでに先約があったそうで、それならそっちを優先してやるべきだろうと思って彼女の好きにさせた。
そして樺地は昨日の埋め合わせをしたそうな様子だったので、跡部から「明日、西成を誘って過ごしてこい」と背中を押したのだ。
「あぁ、だから樺地がいないのか」
「そういうことだ。人数が減ったがその分快適に景色が臨めるだろ」
「確かに下僕がいないだけで静かでいい」
フッと笑いながら景色を眺める麻美。足を組んでその表情が目に入った跡部の視線は彼女へと奪われる。
「……」
ふとした時にいい顔をする。跡部がそう思うのは自然なことだった。そんな彼の視線を感じたのか、麻美が跡部へと目を向ける。
「何見てんだよ。あんたは景色見ないわけ?」
「景色よりいいものがあったんでな」
「私を見るのがかよ」
「そうだな。見てて飽きねぇ」
「勝手に人の顔を見て楽しむな。不愉快だ」
「この俺が見とれるくらいなんだから少しは自信持っていいんだぜ」
「あ、そ」
相変わらずの反応。少しは可愛げのある返事が欲しいものだなと思うが、なかなかに難しい。それならばと跡部はもっとストレートに伝えることを決めた。
「赤宮。俺は褒めてるつもりだぜ。お前が景色よりも綺麗ってな」
「━━は?」
さすがの麻美も驚きに固まっている様子だった。困惑しているようにも見える。喜怒哀楽の怒の表情が強い彼女が見せるその顔は、跡部からしたら珍しい表情のひとつでもあった。
「……言われなくても理解してる」
ふいっと顔を背けられた。そのまま窓の外しか見なくなった彼女は跡部へと顔を向けることはない。
どんな表情をしてるか分からないが、一向にこちらへと顔色を見せないのだから少なくとも照れ隠しだろうと考えた跡部は一人ほくそ笑んだ。