自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ハワイのアクティビティを堪能する
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思っていたよりも朝早くに目覚めた麻美はまだ眠る秋と遥へと目を向ける。二人ともそれぞれのベッドで深い眠りに落ちている様子。
二度寝するには目が冴えてしまい、麻美はゆっくりベッドから降りた。
二人を起こさないように音を殺しながらカーテンで閉められた窓へと向かう。こっそりと小さく開くカーとテンの先に見えるのは朝焼けのハワイの海。
早朝だというのに人はいるようだ。朝の散歩やヨガ体験なのだろう。しかしそこまで人数は多くなさそうだ。
せっかくのハワイだし、朝早く起きたから散歩に出るのもいいな。そう思った麻美はルームキーを持って静かに部屋を出た。
ホテルの目の前に広がるビーチは静けさもあり、ただ眺めるだけで時間があっという間に過ぎていく。
「早朝の散歩も悪くないな」
そう呟いても誰も気にしない。普段の生活なら味わえない空気と景色を麻美はそのまま見続けていた。
「赤宮じゃねーか」
聞き覚えのある声に麻美はそちらへと視線を向ける。そこには顔に流れる汗を腕で拭い、軽く息を切らす宍戸がいた。
「宍戸か。こんな早くに何してんだ」
「それはこっちの台詞だっての。俺は目覚めちまったから走ってただけだぜ」
汗だくでシャツも肌にへばりついてる宍戸の様子を見るとその言葉に嘘はないと判断出来る。
「こっちも同じ。目が覚めたから散歩してるだけ」
「へぇ。まぁ、散歩したくなるよな。目の前がこんなに広い海だし、気持ちもいいし」
「いい気分転換にはなるな」
そういう意味ではハワイに連れてきた跡部に感謝するべきなのかと思わなくもなかった。
「そういえば今日はどう過ごすつもりだ? 一応跡部が色々とアクティビティを用意してるっつってたけどよ、さすがに全部は選べねぇから悩むんだよな」
確かに跡部は部員達のためにいくつかのアクティビティを用意した。準備がいいと言うべきか。シュノーケリング、乗馬、スカイダイビングなど海、陸、空をそれぞれ楽しめるから宍戸が迷うのも無理はない。
何なら優柔不断な秋も昨夜は悩みに悩んでいたので、見かねた麻美がひとつだけ選んだくらいだ。
「秋と下僕と一緒に潜水艦に乗ることは決まってるな」
麻美が選んだというのが潜水艦である。滅多にない体験で沈没船とかもあるとパンフレットに載っていたため興味があった。それに昨日は海ではしゃぎ疲れたからゆっくりしたいという理由もある。
「あー! あったな潜水艦体験! ジローも面白そうだって言ってたし俺もそれにすっかな」
「……つまり、騒々しくなるってことだな」
「ジローが起きてればな」
宍戸も麻美の言いたいことは分かるので否定はしない。彼の場合は興奮して覚醒するか、心地良くて寝るかのどちらかなのだから。
「寝るのも面倒だが起きてるのも面倒だな、あいつは」
「でも拒否はしないんだな?」
「まぁ、ハワイなんて気軽に行けることもないし、そこまで邪魔はしないけど。ただ、うるさかったら殴るからな」
「……ジローにはキツく言っとくぜ」
優しいのか優しくないのか。それでも同乗するのを拒否しないだけ麻美なりに譲歩しているのだと宍戸は考えた。
「で、潜水艦の他は何も考えてないのか?」
「他のアクティビティも考えたが、跡部に午後の時間押えられたんだよ」
「跡部が?」
昨夜のディナー時に跡部から直々に「明日の午後は何するか決まってるのか?」と問われ、潜水艦以外まだ決まってないことを告げると「なら明日の昼過ぎは空けておけ。いいもん見せてやる」と不敵に微笑みながら去って行ったのだ。麻美の返事を聞くことなく。
おい、とか、待て、とか言ったが跡部は振り返ることなく一方的な用件のみを伝えた。
勝手なこと言いやがって。予定を入れてやろうか……と天邪鬼的思考を巡らせたが、いいものというのが気にならないわけではなかったので結局麻美は跡部の誘いに乗ることにした。
「何するつもりだ?」
「知ってたら言ってる」
「あぁ……あいつ変にサプライズ的なことするよな」
相変わらず何考えてんだか分かんねぇよな、と口にしたと同時に宍戸の腹の方から空腹を告げる音が鳴った。その瞬間、宍戸は恥ずかしげに腹部を押さえる。そんな彼の様子に麻美は吹き出すように笑った。
「ふはっ! 腹減ってんのかよ」
「そ、そりゃそうだろ! 走ってきたんだし、腹も減るっつーの! ……っつーわけだから俺は帰るぜっ」
「それもそうか、いい時間だしな。私もそろそろ飯でも食いに行くか」
宍戸と共にホテルへ戻ることを決めた麻美は先に歩き出す。しかし宍戸が立ち止まったままなので麻美は訝しげな表情で尋ねた。
「行かないのかよ?」
「あ、いや、行くけど……なんつーかよ、赤宮って自然に笑ってる時の顔、結構いい表情だよなって」
少し照れながら語る宍戸の言葉に麻美は突然どうしたんだと思わずにはいられなかった。
「何いきなり。言われなくても知ってるけど。自分の顔くらいいい方だって分かってるから」
「少しは謙遜しろっての……」
「事実だし、現にあんたも褒めただろ」
「ぐっ……」
「まぁ、褒めても何も出ないけど」
ふふんと得意げに笑いながら麻美は「行くぞ」と告げて、再び歩き出す。そんな彼女を見て宍戸は「敵わねぇな……」と、ぼそりと呟いた。
二度寝するには目が冴えてしまい、麻美はゆっくりベッドから降りた。
二人を起こさないように音を殺しながらカーテンで閉められた窓へと向かう。こっそりと小さく開くカーとテンの先に見えるのは朝焼けのハワイの海。
早朝だというのに人はいるようだ。朝の散歩やヨガ体験なのだろう。しかしそこまで人数は多くなさそうだ。
せっかくのハワイだし、朝早く起きたから散歩に出るのもいいな。そう思った麻美はルームキーを持って静かに部屋を出た。
ホテルの目の前に広がるビーチは静けさもあり、ただ眺めるだけで時間があっという間に過ぎていく。
「早朝の散歩も悪くないな」
そう呟いても誰も気にしない。普段の生活なら味わえない空気と景色を麻美はそのまま見続けていた。
「赤宮じゃねーか」
聞き覚えのある声に麻美はそちらへと視線を向ける。そこには顔に流れる汗を腕で拭い、軽く息を切らす宍戸がいた。
「宍戸か。こんな早くに何してんだ」
「それはこっちの台詞だっての。俺は目覚めちまったから走ってただけだぜ」
汗だくでシャツも肌にへばりついてる宍戸の様子を見るとその言葉に嘘はないと判断出来る。
「こっちも同じ。目が覚めたから散歩してるだけ」
「へぇ。まぁ、散歩したくなるよな。目の前がこんなに広い海だし、気持ちもいいし」
「いい気分転換にはなるな」
そういう意味ではハワイに連れてきた跡部に感謝するべきなのかと思わなくもなかった。
「そういえば今日はどう過ごすつもりだ? 一応跡部が色々とアクティビティを用意してるっつってたけどよ、さすがに全部は選べねぇから悩むんだよな」
確かに跡部は部員達のためにいくつかのアクティビティを用意した。準備がいいと言うべきか。シュノーケリング、乗馬、スカイダイビングなど海、陸、空をそれぞれ楽しめるから宍戸が迷うのも無理はない。
何なら優柔不断な秋も昨夜は悩みに悩んでいたので、見かねた麻美がひとつだけ選んだくらいだ。
「秋と下僕と一緒に潜水艦に乗ることは決まってるな」
麻美が選んだというのが潜水艦である。滅多にない体験で沈没船とかもあるとパンフレットに載っていたため興味があった。それに昨日は海ではしゃぎ疲れたからゆっくりしたいという理由もある。
「あー! あったな潜水艦体験! ジローも面白そうだって言ってたし俺もそれにすっかな」
「……つまり、騒々しくなるってことだな」
「ジローが起きてればな」
宍戸も麻美の言いたいことは分かるので否定はしない。彼の場合は興奮して覚醒するか、心地良くて寝るかのどちらかなのだから。
「寝るのも面倒だが起きてるのも面倒だな、あいつは」
「でも拒否はしないんだな?」
「まぁ、ハワイなんて気軽に行けることもないし、そこまで邪魔はしないけど。ただ、うるさかったら殴るからな」
「……ジローにはキツく言っとくぜ」
優しいのか優しくないのか。それでも同乗するのを拒否しないだけ麻美なりに譲歩しているのだと宍戸は考えた。
「で、潜水艦の他は何も考えてないのか?」
「他のアクティビティも考えたが、跡部に午後の時間押えられたんだよ」
「跡部が?」
昨夜のディナー時に跡部から直々に「明日の午後は何するか決まってるのか?」と問われ、潜水艦以外まだ決まってないことを告げると「なら明日の昼過ぎは空けておけ。いいもん見せてやる」と不敵に微笑みながら去って行ったのだ。麻美の返事を聞くことなく。
おい、とか、待て、とか言ったが跡部は振り返ることなく一方的な用件のみを伝えた。
勝手なこと言いやがって。予定を入れてやろうか……と天邪鬼的思考を巡らせたが、いいものというのが気にならないわけではなかったので結局麻美は跡部の誘いに乗ることにした。
「何するつもりだ?」
「知ってたら言ってる」
「あぁ……あいつ変にサプライズ的なことするよな」
相変わらず何考えてんだか分かんねぇよな、と口にしたと同時に宍戸の腹の方から空腹を告げる音が鳴った。その瞬間、宍戸は恥ずかしげに腹部を押さえる。そんな彼の様子に麻美は吹き出すように笑った。
「ふはっ! 腹減ってんのかよ」
「そ、そりゃそうだろ! 走ってきたんだし、腹も減るっつーの! ……っつーわけだから俺は帰るぜっ」
「それもそうか、いい時間だしな。私もそろそろ飯でも食いに行くか」
宍戸と共にホテルへ戻ることを決めた麻美は先に歩き出す。しかし宍戸が立ち止まったままなので麻美は訝しげな表情で尋ねた。
「行かないのかよ?」
「あ、いや、行くけど……なんつーかよ、赤宮って自然に笑ってる時の顔、結構いい表情だよなって」
少し照れながら語る宍戸の言葉に麻美は突然どうしたんだと思わずにはいられなかった。
「何いきなり。言われなくても知ってるけど。自分の顔くらいいい方だって分かってるから」
「少しは謙遜しろっての……」
「事実だし、現にあんたも褒めただろ」
「ぐっ……」
「まぁ、褒めても何も出ないけど」
ふふんと得意げに笑いながら麻美は「行くぞ」と告げて、再び歩き出す。そんな彼女を見て宍戸は「敵わねぇな……」と、ぼそりと呟いた。