自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ハワイで育む想い
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海で遊び始めてそろそろ2時間経つという頃。麻美はホテルで借りたパラソルと足を伸ばせるビーチチェアで一休みしていた。
麻美の水着は黒のレースが入ったハイネックのオフショルダーフレアのビキニ。下は黒のショートパンツである。
そして麻美は思い返す。我ながらはしゃぎ過ぎたな、と。
まず天敵とも言える日吉に水をかけたのが始まりだろう。芥川が日吉に水をかけ出して嫌そうな顔をするのでここぞとばかりにその輪に入った。
スカッとしたが相手も水をかけてきたのでさらにヒートアップし、最終的には周りが止めに入るまで永遠と水を浴びせたり浴びせられたりした。
そのあとはビーチボールで遊んだ。とにかく当てて当てて当てまくった麻美は海で動いたこともあり、いつも以上に体力を消費したのだ。
ふぅ、と一息ついてビーチチェアで寝そべる麻美の前にドリンクが差し出された。
「お疲れ様です、赤宮さんっ」
「長太郎か」
後輩からトロピカルジュースを差し入れられ、ハイビスカスが飾られたグラスを受け取る。
「サンキュ。てか、わざわざ買いに行ったのか?」
「はいっ! 先輩がお疲れだと思って。喉も渇いてたら大変ですし」
マメな奴だ。そんな大型犬のような可愛い方の後輩を労うため、麻美は鳳に人差し指でくいくいっと招き、こっちに来いと訴えた。
疑問符を浮かべながらも鳳は自身のブルーハワイドリンクを片手に膝をついて屈む。
「先輩思いのいい奴だな」
わしわしと白銀の髪を撫でる。少し力強く、まるで犬にやるような愛撫にも関わらず鳳はじわじわと頬を染めていった。
「あ、ありがとうございますっ! あ、ああああの! 俺、他の先輩方にもドリンクを配ってきます!」
バッと赤くなった状態で勢いよく立ち上がる鳳はドリンクを持ったまま麻美の前から走り去った。
あの持っていたドリンクは自分のものじゃなかったのかと思いながら、麻美は彼の背を見送る。
すると鳳と入れ替わるようにトロピカルジュースを片手に持った宍戸が麻美の元へやって来た。
「長太郎の奴、何をあんなに慌ててたんだ?」
「知らん。飲み物を配るのに忙しいんだろ。だが気の利く後輩だ。来年の氷帝も安泰だろうな」
「部長候補は若だけどな」
「は? なんであの準レギュのキノコが部長候補なんだよ」
日吉が部長候補という話は結構有名な話ではあるが、麻美にしてみたら初めて聞いた内容。そもそも日吉に関する話は基本的にシャットアウトで、知らないというより知る必要性がなかったというのが正しいだろう。
宍戸もてっきり知っているものだと思っていただけに不機嫌そうに理由を尋ねる麻美に「若の話をするんじゃなかったな……」と後悔した。
「なんでって……まぁ、あれでも若は結構伸びてきてるし、実力もレギュラー並だしな。それに若は長太郎にも勝ってる」
「あんなキノコより長太郎が部長でいいだろ」
「長太郎には無理だ。あいつは人を指導するような性格でもねぇし、いまいち部長としての役職には向いてねぇ。樺地も同じだ」
宍戸の話を聞いて確かにと思わざるを得ない。鳳も樺地も良くも悪くも優しい心根の持ち主であり、他人に厳しいことを言えるような人間でもないのだろう。そういう意味では先輩相手でもズケズケと物を言う日吉は適任でもある。
「適材適所ってやつだ。長太郎や樺地には若のサポート役を担ってもらえりゃ十分だろ」
「はぁ~……あいつが部長ってだけで腹立たしいな……」
「ま、その前に若には氷帝100人組み手に挑戦してもらうらしいけどな」
「なんだそれ」
「新部長になるための試練みたいなもんだな。それを終えてようやく認められるっつーこった」
「ならそれに失敗すりゃあいつも部長の座に着けなくなるってことだな」
「適任の若じゃなきゃ来年の氷帝は安泰とは言えねぇぞ……」
「菌糸類に支配されるくらいならそれでいい」
頑なに日吉を新部長として認めない麻美に宍戸はやれやれと溜め息を吐く。
「だからって長太郎に押しつけるな。あいつも自分が部長の器じゃねーことくらい分かってんだからよ」
「あ、そ」
それ以上何も言う気がなくなったのか、麻美は話を一言で終わらせ鳳から貰ったジュースを飲んだ。甘くて冷たいトロピカルな味が喉を潤す。
「……それにしても赤宮って長太郎のことかなり気に入ってるよな?」
「あぁ、長太郎は好きだな」
「えっ」
麻美の口から好きだなんて発言があることに驚きを隠せないのと、どういう意味での好きなのかが気になる宍戸は戸惑いを見せる。聞くべきかどうか悩むのもつかの間。
「ペットに出来るならすぐにでも連れて帰りたいくらいに」
「長太郎をペット扱いすんのはやめろ」
その言葉を聞いて大事な後輩を心底可哀想に思ったと同時に、どこか安心する自分に気づいた宍戸は胸の中で色んな葛藤を抱く。
「うるさい飼い主だ」
「飼い主でもねぇっつーの! ったくなんで俺はこいつに……」
「は? 私が何?」
ギロッと睨む麻美に宍戸は「やべっ」と口を押えたのち「何でもねーよ!」と捨て台詞を残して去って行った。
「……っち、逃げたか」
どうせ悪口か嫌みだろ。そう思いながら麻美はまだグラスに残るジュースを一気に飲み干した。苛立ちを抑えるように。
そしていまだにはしゃぎ続ける友人と部員達を眺めながら眠気に襲われた麻美はまだ冷たさを残す空のグラスを抱えながら眠りについた。
麻美の水着は黒のレースが入ったハイネックのオフショルダーフレアのビキニ。下は黒のショートパンツである。
そして麻美は思い返す。我ながらはしゃぎ過ぎたな、と。
まず天敵とも言える日吉に水をかけたのが始まりだろう。芥川が日吉に水をかけ出して嫌そうな顔をするのでここぞとばかりにその輪に入った。
スカッとしたが相手も水をかけてきたのでさらにヒートアップし、最終的には周りが止めに入るまで永遠と水を浴びせたり浴びせられたりした。
そのあとはビーチボールで遊んだ。とにかく当てて当てて当てまくった麻美は海で動いたこともあり、いつも以上に体力を消費したのだ。
ふぅ、と一息ついてビーチチェアで寝そべる麻美の前にドリンクが差し出された。
「お疲れ様です、赤宮さんっ」
「長太郎か」
後輩からトロピカルジュースを差し入れられ、ハイビスカスが飾られたグラスを受け取る。
「サンキュ。てか、わざわざ買いに行ったのか?」
「はいっ! 先輩がお疲れだと思って。喉も渇いてたら大変ですし」
マメな奴だ。そんな大型犬のような可愛い方の後輩を労うため、麻美は鳳に人差し指でくいくいっと招き、こっちに来いと訴えた。
疑問符を浮かべながらも鳳は自身のブルーハワイドリンクを片手に膝をついて屈む。
「先輩思いのいい奴だな」
わしわしと白銀の髪を撫でる。少し力強く、まるで犬にやるような愛撫にも関わらず鳳はじわじわと頬を染めていった。
「あ、ありがとうございますっ! あ、ああああの! 俺、他の先輩方にもドリンクを配ってきます!」
バッと赤くなった状態で勢いよく立ち上がる鳳はドリンクを持ったまま麻美の前から走り去った。
あの持っていたドリンクは自分のものじゃなかったのかと思いながら、麻美は彼の背を見送る。
すると鳳と入れ替わるようにトロピカルジュースを片手に持った宍戸が麻美の元へやって来た。
「長太郎の奴、何をあんなに慌ててたんだ?」
「知らん。飲み物を配るのに忙しいんだろ。だが気の利く後輩だ。来年の氷帝も安泰だろうな」
「部長候補は若だけどな」
「は? なんであの準レギュのキノコが部長候補なんだよ」
日吉が部長候補という話は結構有名な話ではあるが、麻美にしてみたら初めて聞いた内容。そもそも日吉に関する話は基本的にシャットアウトで、知らないというより知る必要性がなかったというのが正しいだろう。
宍戸もてっきり知っているものだと思っていただけに不機嫌そうに理由を尋ねる麻美に「若の話をするんじゃなかったな……」と後悔した。
「なんでって……まぁ、あれでも若は結構伸びてきてるし、実力もレギュラー並だしな。それに若は長太郎にも勝ってる」
「あんなキノコより長太郎が部長でいいだろ」
「長太郎には無理だ。あいつは人を指導するような性格でもねぇし、いまいち部長としての役職には向いてねぇ。樺地も同じだ」
宍戸の話を聞いて確かにと思わざるを得ない。鳳も樺地も良くも悪くも優しい心根の持ち主であり、他人に厳しいことを言えるような人間でもないのだろう。そういう意味では先輩相手でもズケズケと物を言う日吉は適任でもある。
「適材適所ってやつだ。長太郎や樺地には若のサポート役を担ってもらえりゃ十分だろ」
「はぁ~……あいつが部長ってだけで腹立たしいな……」
「ま、その前に若には氷帝100人組み手に挑戦してもらうらしいけどな」
「なんだそれ」
「新部長になるための試練みたいなもんだな。それを終えてようやく認められるっつーこった」
「ならそれに失敗すりゃあいつも部長の座に着けなくなるってことだな」
「適任の若じゃなきゃ来年の氷帝は安泰とは言えねぇぞ……」
「菌糸類に支配されるくらいならそれでいい」
頑なに日吉を新部長として認めない麻美に宍戸はやれやれと溜め息を吐く。
「だからって長太郎に押しつけるな。あいつも自分が部長の器じゃねーことくらい分かってんだからよ」
「あ、そ」
それ以上何も言う気がなくなったのか、麻美は話を一言で終わらせ鳳から貰ったジュースを飲んだ。甘くて冷たいトロピカルな味が喉を潤す。
「……それにしても赤宮って長太郎のことかなり気に入ってるよな?」
「あぁ、長太郎は好きだな」
「えっ」
麻美の口から好きだなんて発言があることに驚きを隠せないのと、どういう意味での好きなのかが気になる宍戸は戸惑いを見せる。聞くべきかどうか悩むのもつかの間。
「ペットに出来るならすぐにでも連れて帰りたいくらいに」
「長太郎をペット扱いすんのはやめろ」
その言葉を聞いて大事な後輩を心底可哀想に思ったと同時に、どこか安心する自分に気づいた宍戸は胸の中で色んな葛藤を抱く。
「うるさい飼い主だ」
「飼い主でもねぇっつーの! ったくなんで俺はこいつに……」
「は? 私が何?」
ギロッと睨む麻美に宍戸は「やべっ」と口を押えたのち「何でもねーよ!」と捨て台詞を残して去って行った。
「……っち、逃げたか」
どうせ悪口か嫌みだろ。そう思いながら麻美はまだグラスに残るジュースを一気に飲み干した。苛立ちを抑えるように。
そしていまだにはしゃぎ続ける友人と部員達を眺めながら眠気に襲われた麻美はまだ冷たさを残す空のグラスを抱えながら眠りについた。