自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
ハワイで育む想い
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忍足が遥に絡み、滝が牽制するのを大丈夫かなと心配しながら様子見する秋は一段落ついたと分かるとホッと胸を撫で下ろした。
するとそんな秋の視界に芥川の姿が映る。彼はしゃがみ込んで両肘をついた状態で秋を眺めていた。そして目が合うと芥川はニカッと笑みを浮かべる。
「秋の水着チョー似合ってるよ」
短い袖のついた白のビスチェ水着。トップスはフロントにリボンがデザインされ、胸元の下はフリルとなっている。下はグリーンのリーフ柄のパレオを纏い、麦わら帽子を被った彼女のリゾートスタイルに芥川は素直に褒めた。
「ありがとう、ジロー」
「それが新しく買ったやつっしょ?」
「うん、そうなの。だから褒めてくれて嬉しいよ」
はにかみながら告げる秋は想いを寄せる向日の反応が気になり、彼へと目を向ける。
パチッと目が合うと向日は照れくさそうに視線を下にするが、秋は何も言わない彼の様子を見て似合ってなかったのかなと少しだけ表情を曇らせた。
それを眺めていた芥川はにへっと笑ってから立ち上がると、秋の手を掴んだ。
「そんじゃーさ、早く海で遊ぼ!」
手を引き海へと引っ張る芥川に秋は「ま、待って!」と制止の声を上げる。
「私まだ準備運動してないから……」
だから待ってね。そう伝えると芥川は目をぱちくりしたのち「え~!?」と驚きの声を漏らす。
「秋ってば真面目すぎ!」
「でも運動せずに海に入って足がつったら事故に繋がるし、準備運動は大事だよ。ジローはしなかったの?」
「テニスしてっから足がつるようなことないC~」
大丈夫大丈夫と口にする芥川に秋は眉を下げて苦言を呈することにした。
「部活の時も準備運動やストレッチするでしょ? それと一緒で甘く見ちゃ駄目だよ」
とは言ってみたものの、芥川は「ふ~ん?」と無関心である。海の中で足などがつるとパニックになって溺れる可能性だってあるので身体を解すことを疎かにしてはいけない。だからちゃんと注意するべきかと秋が悩むと第三者の溜め息が聞こえた。
「九条さん。この人に関わるだけ時間の無駄ですよ。せっかくの忠告にも耳を貸さないのなら放っておくべきじゃないですか?」
日吉若である。先輩であろうと歯に衣着せぬ物言いを口にする彼に芥川は唇を尖らせた。
「ひよC~冷たいC~」
「人の名前くらいちゃんと呼んでいただけませんか? そもそも入水前の準備運動は常識でしょう。プール授業でもやりますよね? だから━━」
くどくどと説教のように文句を言う日吉の言葉が止まった。いや、遮られたのだ。バシャッと芥川に海水をぶっかけられたため。
「やりぃ! 命中ー!」
「……あんたって人は! いきなり何を……!」
カチンときた日吉が怒りを露にしたその時、また別の場所から彼に向けて水をかける者が現れた。
「濡れキノコにするのなら手伝ってやる」
日吉と犬猿の仲である麻美だった。思いもよらぬ助っ人の登場により芥川のテンションも爆上がりする。
「やべー! 麻美がいるとか最強じゃん!」
「~~っ! 二人揃ってそれが先輩としてのやることですか!」
さすがに二度も水を浴びせられた日吉もブチ切れてしまい、やり返そうと二人に向けて水をかけ始めた。芥川は楽しそうに笑いながら水を浴び、また水をかけていく。麻美に至ってはキノコのくせに生意気だと言わんばかりに遠慮なく連続で水をかけ続ける。
「……ある意味準備運動になるのかな、あれも」
そんな三人の様子を見ながら収拾がつかなくなっちゃったな、と秋はただ眺めることしか出来なかった。
「秋っ」
そこへ先ほど目が合うと下に逸らされた向日に名前を呼ばれてドキリとしながら彼の方へと振り向く。
「えーと……その~……よ、よく似合ってると思うぜ、俺も」
ジッと秋を見つめたあと、向日は言葉にしたことで恥ずかしくなったのか、頬を掻きながらまた視線が逸れていく。
けれど秋には関係なかった。好きな相手から水着を褒められたというだけで歓喜し、胸も高鳴って顔が茹で上がるほど赤くなった。
「あっ、あ、ありがとうっ! 凄く、凄く嬉しいっ!」
それでも嬉しさを抑えられない秋はその感情を素直に告げる。それに対し向日は驚きながらも照れを含ませた表情と定まらない視線で「そんなに嬉しいのかよ……」と呟いた。
もちろん秋の答えはイエスである。
「うんっ。これを選んで良かったって思えるから」
沢山悩んで選び抜いた水着。もちろん最初は褒めてもらうために選んだわけではなく、純粋に自分の着用したいものを選んだだけ。そんな水着を好きな相手に「似合ってる」という一言だけでも秋にとっては嬉しいことこの上ない。
今なら遥の気持ちも分かると考えた。きっと彼女も選んだ水着を好きな相手に見てもらい、感想を聞きたかったのかもしれない。それを自分が先に体験するのは申し訳なく感じるため少し罪悪感を抱くも、それよりも嬉しさの方が遥かに上だった。
「……」
「……」
何だか照れくさくなって互いに無言になる。このままじゃ駄目だとハッとした秋は無理やり頭を働かせ口を開いた。
「な、何だかちょっと暑くなってきたから早く海に入って涼もうかな……」
「お、俺もそうするぜ!」
顔に溜まった熱を下げるように二人は自身の顔に向けて手で扇ぎ、海に入ることをした。もちろん準備運動をしてから。
するとそんな秋の視界に芥川の姿が映る。彼はしゃがみ込んで両肘をついた状態で秋を眺めていた。そして目が合うと芥川はニカッと笑みを浮かべる。
「秋の水着チョー似合ってるよ」
短い袖のついた白のビスチェ水着。トップスはフロントにリボンがデザインされ、胸元の下はフリルとなっている。下はグリーンのリーフ柄のパレオを纏い、麦わら帽子を被った彼女のリゾートスタイルに芥川は素直に褒めた。
「ありがとう、ジロー」
「それが新しく買ったやつっしょ?」
「うん、そうなの。だから褒めてくれて嬉しいよ」
はにかみながら告げる秋は想いを寄せる向日の反応が気になり、彼へと目を向ける。
パチッと目が合うと向日は照れくさそうに視線を下にするが、秋は何も言わない彼の様子を見て似合ってなかったのかなと少しだけ表情を曇らせた。
それを眺めていた芥川はにへっと笑ってから立ち上がると、秋の手を掴んだ。
「そんじゃーさ、早く海で遊ぼ!」
手を引き海へと引っ張る芥川に秋は「ま、待って!」と制止の声を上げる。
「私まだ準備運動してないから……」
だから待ってね。そう伝えると芥川は目をぱちくりしたのち「え~!?」と驚きの声を漏らす。
「秋ってば真面目すぎ!」
「でも運動せずに海に入って足がつったら事故に繋がるし、準備運動は大事だよ。ジローはしなかったの?」
「テニスしてっから足がつるようなことないC~」
大丈夫大丈夫と口にする芥川に秋は眉を下げて苦言を呈することにした。
「部活の時も準備運動やストレッチするでしょ? それと一緒で甘く見ちゃ駄目だよ」
とは言ってみたものの、芥川は「ふ~ん?」と無関心である。海の中で足などがつるとパニックになって溺れる可能性だってあるので身体を解すことを疎かにしてはいけない。だからちゃんと注意するべきかと秋が悩むと第三者の溜め息が聞こえた。
「九条さん。この人に関わるだけ時間の無駄ですよ。せっかくの忠告にも耳を貸さないのなら放っておくべきじゃないですか?」
日吉若である。先輩であろうと歯に衣着せぬ物言いを口にする彼に芥川は唇を尖らせた。
「ひよC~冷たいC~」
「人の名前くらいちゃんと呼んでいただけませんか? そもそも入水前の準備運動は常識でしょう。プール授業でもやりますよね? だから━━」
くどくどと説教のように文句を言う日吉の言葉が止まった。いや、遮られたのだ。バシャッと芥川に海水をぶっかけられたため。
「やりぃ! 命中ー!」
「……あんたって人は! いきなり何を……!」
カチンときた日吉が怒りを露にしたその時、また別の場所から彼に向けて水をかける者が現れた。
「濡れキノコにするのなら手伝ってやる」
日吉と犬猿の仲である麻美だった。思いもよらぬ助っ人の登場により芥川のテンションも爆上がりする。
「やべー! 麻美がいるとか最強じゃん!」
「~~っ! 二人揃ってそれが先輩としてのやることですか!」
さすがに二度も水を浴びせられた日吉もブチ切れてしまい、やり返そうと二人に向けて水をかけ始めた。芥川は楽しそうに笑いながら水を浴び、また水をかけていく。麻美に至ってはキノコのくせに生意気だと言わんばかりに遠慮なく連続で水をかけ続ける。
「……ある意味準備運動になるのかな、あれも」
そんな三人の様子を見ながら収拾がつかなくなっちゃったな、と秋はただ眺めることしか出来なかった。
「秋っ」
そこへ先ほど目が合うと下に逸らされた向日に名前を呼ばれてドキリとしながら彼の方へと振り向く。
「えーと……その~……よ、よく似合ってると思うぜ、俺も」
ジッと秋を見つめたあと、向日は言葉にしたことで恥ずかしくなったのか、頬を掻きながらまた視線が逸れていく。
けれど秋には関係なかった。好きな相手から水着を褒められたというだけで歓喜し、胸も高鳴って顔が茹で上がるほど赤くなった。
「あっ、あ、ありがとうっ! 凄く、凄く嬉しいっ!」
それでも嬉しさを抑えられない秋はその感情を素直に告げる。それに対し向日は驚きながらも照れを含ませた表情と定まらない視線で「そんなに嬉しいのかよ……」と呟いた。
もちろん秋の答えはイエスである。
「うんっ。これを選んで良かったって思えるから」
沢山悩んで選び抜いた水着。もちろん最初は褒めてもらうために選んだわけではなく、純粋に自分の着用したいものを選んだだけ。そんな水着を好きな相手に「似合ってる」という一言だけでも秋にとっては嬉しいことこの上ない。
今なら遥の気持ちも分かると考えた。きっと彼女も選んだ水着を好きな相手に見てもらい、感想を聞きたかったのかもしれない。それを自分が先に体験するのは申し訳なく感じるため少し罪悪感を抱くも、それよりも嬉しさの方が遥かに上だった。
「……」
「……」
何だか照れくさくなって互いに無言になる。このままじゃ駄目だとハッとした秋は無理やり頭を働かせ口を開いた。
「な、何だかちょっと暑くなってきたから早く海に入って涼もうかな……」
「お、俺もそうするぜ!」
顔に溜まった熱を下げるように二人は自身の顔に向けて手で扇ぎ、海に入ることをした。もちろん準備運動をしてから。