自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
因縁をつけられるマネージャー達
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「なんで昨日呼び出したのに来なかったわけ!?」
翌日の昼休みのこと。購買でパンを買おうと向かっていた遥は何人かの女子に捕まり、無理やり人気のない廊下へと連れ攫われてしまった。
そして響く怒号に遥は冷や汗を流しながら困り果てていた。呼び出しを無視しただけでこんな人攫いのような扱いを受けるとは思っていなかったから。
「えーと……ちょっとお腹が痛くて~……」
「嘘ばっかり! あんたみたいな虚言癖のある女が男テニのマネージャーを務まると思ってんの!?」
「どうせ足を引っ張るだけで跡部様達が可哀想だわ!」
「早く辞めなさいよ! このブス!」
「ちょっと! あたしのどこがブスだって言うんだい! この地上最後の天使と評する(あたしだけだけど)と言っても過言ではないこの遥さんに!」
ブス発言がお気に召さなかった遥が反抗するが、彼女を囲む女子達はポケットからカッターナイフを取り出した。
カチカチカチとゆっくり刃を出して脅すように見せつける。その効果はてきめんだったようで遥は「ひぇっ」と言葉が引っ込んだ。
「ず、ずるいぞ! 武器だなんて! 麻美でさえも八割は自分の拳と足で攻撃するのに! いや、だからって暴力を振るわれたいわけじゃないんだけど……でも武器はもっと反則じゃんー!!」
「うるさいわね! あんたがとっととマネージャーを辞めたら何もしないわよ! それとも顔を傷つけられた状態でマネージャー業をこなしたいわけっ?」
「どっちも嫌に決まってんでしょ! 文句があるなら跡部に言ってよ!」
そもそもカッターナイフで傷つけられたとして、彼女達は自分達の犯行だとバレない自信でもあるのだろうか。こんな堂々と傷つける宣言をするだなんて遥でさえも違う意味で大丈夫なのか? と思わずにはいられない。
「君達、そこで何をしてるの?」
そこへ、聞き覚えのある声が聞こえた。遥を取り囲んでいた女子達がいっせいに声がした方へ振り向く。
「は、萩っ!」
そこには遥の幼馴染みである滝がにこやかに笑いながら立っていた。そしてスタスタと早足で彼女達の元へ近づく。
「あ、や、滝くん……これは……」
「人気がないからって声が大きかったね。遥の姿が購買になかったって聞いて急いで探したんだけど……俺の幼馴染みに何をするつもりだったのか教えてくれる?」
先程まで笑みを浮かべていたけど、今では冷たい視線を彼女達に注いでいた。
女子生徒達は戸惑うあまり言葉が出てこない。
「これは……その、ちょっとした冗談で……」
「そうなんだ。冗談なんだね?」
「そ、そうよ! ちょっとした遊びみたいなもので!」
「そう……」
すると、滝は一人の女子の手に持つカッターを奪うと、持ち主に向けて刃を思い切り首元へと狙った。
「ひっ……!」
「萩っ!」
ピタリ、と滝は彼女の首元近くでその手を止める。
遥からは見えなかったが、その目はあまりにも冷たくて睨まれた女子は凍りつく気分であった。
そしてまた滝は人の良さそうな笑みを見せて、そのカッターを彼女に返す。
「冗談だよ。さすがに女の子にそんな危ないことはしないから。さぁ、遥。行こうか」
「う、うん……」
手を差し伸ばしてくれた滝に遥は戸惑いながらもその手を取り、女子達の輪から脱出することが出来た。
「あぁ、そうそう。君達の顔と名前、覚えたからね」
そう彼女達に告げると滝は遥の手を引いてその場をあとにした。
「萩、萩、ありがとう!」
「いいんだよ。それより怪我はなかった?」
「うん、平気」
「良かった。遥に何かあったんじゃないかって肝が冷えたよ」
先程の女子に向けた冷たい視線は嘘なのかというくらい心配そうな表情を彼女に向ける滝。
しかし、遥はカッターを持った滝の行動を思い出した。
「あたしは萩が本当にあの子を刺すんじゃないかって思ってヒヤヒヤしたけど……」
「そんなことしないよ。したらそれこそ遥を守れなくなるから」
「萩ってば過保護なんだからー!」
「いいんだよ、過保護なくらいで」
そう言って笑う滝だったが、なぜ滝がここまでして遥の面倒を見たり、助けたり、傍にいるのか、彼女は全く気づいていなかった。
そして滝は遥と話をしながらも今回の件をしっかり跡部に報告しておかないとな、と考えていた。
翌日の昼休みのこと。購買でパンを買おうと向かっていた遥は何人かの女子に捕まり、無理やり人気のない廊下へと連れ攫われてしまった。
そして響く怒号に遥は冷や汗を流しながら困り果てていた。呼び出しを無視しただけでこんな人攫いのような扱いを受けるとは思っていなかったから。
「えーと……ちょっとお腹が痛くて~……」
「嘘ばっかり! あんたみたいな虚言癖のある女が男テニのマネージャーを務まると思ってんの!?」
「どうせ足を引っ張るだけで跡部様達が可哀想だわ!」
「早く辞めなさいよ! このブス!」
「ちょっと! あたしのどこがブスだって言うんだい! この地上最後の天使と評する(あたしだけだけど)と言っても過言ではないこの遥さんに!」
ブス発言がお気に召さなかった遥が反抗するが、彼女を囲む女子達はポケットからカッターナイフを取り出した。
カチカチカチとゆっくり刃を出して脅すように見せつける。その効果はてきめんだったようで遥は「ひぇっ」と言葉が引っ込んだ。
「ず、ずるいぞ! 武器だなんて! 麻美でさえも八割は自分の拳と足で攻撃するのに! いや、だからって暴力を振るわれたいわけじゃないんだけど……でも武器はもっと反則じゃんー!!」
「うるさいわね! あんたがとっととマネージャーを辞めたら何もしないわよ! それとも顔を傷つけられた状態でマネージャー業をこなしたいわけっ?」
「どっちも嫌に決まってんでしょ! 文句があるなら跡部に言ってよ!」
そもそもカッターナイフで傷つけられたとして、彼女達は自分達の犯行だとバレない自信でもあるのだろうか。こんな堂々と傷つける宣言をするだなんて遥でさえも違う意味で大丈夫なのか? と思わずにはいられない。
「君達、そこで何をしてるの?」
そこへ、聞き覚えのある声が聞こえた。遥を取り囲んでいた女子達がいっせいに声がした方へ振り向く。
「は、萩っ!」
そこには遥の幼馴染みである滝がにこやかに笑いながら立っていた。そしてスタスタと早足で彼女達の元へ近づく。
「あ、や、滝くん……これは……」
「人気がないからって声が大きかったね。遥の姿が購買になかったって聞いて急いで探したんだけど……俺の幼馴染みに何をするつもりだったのか教えてくれる?」
先程まで笑みを浮かべていたけど、今では冷たい視線を彼女達に注いでいた。
女子生徒達は戸惑うあまり言葉が出てこない。
「これは……その、ちょっとした冗談で……」
「そうなんだ。冗談なんだね?」
「そ、そうよ! ちょっとした遊びみたいなもので!」
「そう……」
すると、滝は一人の女子の手に持つカッターを奪うと、持ち主に向けて刃を思い切り首元へと狙った。
「ひっ……!」
「萩っ!」
ピタリ、と滝は彼女の首元近くでその手を止める。
遥からは見えなかったが、その目はあまりにも冷たくて睨まれた女子は凍りつく気分であった。
そしてまた滝は人の良さそうな笑みを見せて、そのカッターを彼女に返す。
「冗談だよ。さすがに女の子にそんな危ないことはしないから。さぁ、遥。行こうか」
「う、うん……」
手を差し伸ばしてくれた滝に遥は戸惑いながらもその手を取り、女子達の輪から脱出することが出来た。
「あぁ、そうそう。君達の顔と名前、覚えたからね」
そう彼女達に告げると滝は遥の手を引いてその場をあとにした。
「萩、萩、ありがとう!」
「いいんだよ。それより怪我はなかった?」
「うん、平気」
「良かった。遥に何かあったんじゃないかって肝が冷えたよ」
先程の女子に向けた冷たい視線は嘘なのかというくらい心配そうな表情を彼女に向ける滝。
しかし、遥はカッターを持った滝の行動を思い出した。
「あたしは萩が本当にあの子を刺すんじゃないかって思ってヒヤヒヤしたけど……」
「そんなことしないよ。したらそれこそ遥を守れなくなるから」
「萩ってば過保護なんだからー!」
「いいんだよ、過保護なくらいで」
そう言って笑う滝だったが、なぜ滝がここまでして遥の面倒を見たり、助けたり、傍にいるのか、彼女は全く気づいていなかった。
そして滝は遥と話をしながらも今回の件をしっかり跡部に報告しておかないとな、と考えていた。