自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
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空港には予想よりも早く到着したのでまだ国光と話が出来る時間はあるはず。急いで出発ロビーへと向かうと、国光の姿が見えた。彼の周りには部員と思わしき人達もいたので、おそらく彼らも見送りに来たのだろう。
「国光っ」
声をかけると国光を含め、部員達がいっせいにこちらへと視線を向ける。普段表情があまり変わらない国光も、この時ばかりは驚いた顔を見せていた。
「秋……まさか来てくれたのか」
「そうだよ……間に合いそうだと思って急いだんだけど結局跡部に送ってもらって……」
はぁはぁ、と息を切らしながら国光の前へ足を止める。時間はまだ大丈夫。少し話すくらいの猶予はある。
「そうか……結局お前や跡部にも迷惑をかけてしまったな」
「そんなことないよ。私は自分の意思でここに来たんだし、跡部も完全復活しないとただじゃおかないって言ってたよ」
「分かっている」
「うん。だから早く治して帰ってきてね。せっかく国光とテニス部について話したかったのに。私がマネージャーになった経緯とか色々」
国光がテニス部だということをもっと早く知っておけば良かったんだけどね。国光と言えば山とか釣りの話ばかりしてたから。まさか他校から注目されるほどの選手だなんて思ってもみなかった。
すると国光は何かに驚くように少しだけ目を大きく見開いていた。
「お前……マネージャーだったのか?」
「あ、あれ? 言ってなかった……んだよね。その反応からすると」
こくりと国光は頷いた。そっか。そうだった。確かに関東大会では氷帝の応援席にいたということしか国光は知らなかったんだっけ。私も説明した記憶はないし。
「確かに興味深い話題になるな。また今度話を聞かせてくれ」
「うん」
「では、少し早いがそろそろ行ってくる」
「また連絡するからね」
「あぁ、落ち着いたら俺の方からも━━」
そこで国光の言葉が詰まった。何故なら少し離れた場所で様子を見ていたはずの遥がいつの間にか私の隣でジーッと国光を見ていたから。まるで品定めをするかのような。
「遥……? どうしたの?」
「ん? いやね、手塚って別に秋に似てるわけじゃないんだなーって思って」
「兄妹じゃなく従兄妹だからね……」
「なるほどなるほど。でもどっちかって言うと麻美と似てそうだね。表情の硬いとことか」
「遥……」
「……」
さすがの国光も黙ってしまった。むしろ眉を顰めている。初対面なのに遥ってどうしていつもこんな自由なんだろう……。
そう思っていたら麻美が遥の頭に肘鉄を食らわせ「いだぁぁぁ!?」と叫ぶ彼女の首根っこを掴んだ。
「ったく、この馬鹿が! 親戚の会話に割って入るな!」
「だからって殴ることなくない!?」
「馬鹿の躾に口頭で通じるわけないだろっ」
「ぴえん!」
「っち。邪魔したな、秋、手塚。せっかくの見送りだってのに」
「大丈夫だよ。国光もそろそろ行くって言ってるから」
「俺も気にしていない。……秋の友人か?」
「うん。彼女は赤宮麻美で、あの子は西成遥。大事な友達で彼女達もマネージャーなの」
「そうか。赤宮、秋と親しくしてくれて感謝する。これからも彼女を頼む」
友達にそうお願いされると国光が私の保護者みたいでちょっと恥ずかしい気もする。でも国光はそういう性格だから仕方ないのかも。
「あぁ、任せろ」
「ねぇ、あたしには? ねぇ、手塚。あたしには言わないのっ!?」
「それじゃあ、今度こそ俺は行く。他のみんなも見送りに来てくれてありがとう。竜崎先生もありがとうございました」
「あぁ、手塚も気をつけて行っといで」
「ねぇーー!? あたしには何もないの手塚ーー!?」
「うるさい!」
また遥は麻美に頭を叩かれる。そろそろ麻美を宥めないと過激になるかもしれない。
結局、遥の叫びも虚しく、国光はそのまま搭乗ゲートへ向かった。
しばらくして国光を見送った青学のレギュラー達の視線をひしひしと感じたので、ハッとした私は慌てて彼らに向けて口を開いた。
「あ、すみませんっ。お騒がせしてしまって!」
「全てこいつが悪い」
「酷いっ! あたしはしんみりする場を和ませるためにやったのに!」
……謝罪してるのに謝罪になってるのかな、これ。下手したら国光の従兄妹は礼儀知らずとか思われるかもしれないし、それどころか氷帝のマネージャーの品位がどうかしてるとか思われたらどうしよう。
そんなことを考えていたら彼らは小さく吹き出すように次々と笑い声を上げた。思わずポカンとしてしまう。
「こ、こら、みんな笑うんじゃないっ。彼女達に失礼じゃないか!」
唯一、大石くんがあたふたしながら笑い堪える人や腹を抱えて笑う部員達に注意する。
「いや、でもさ、大石。彼女達なかなか個性的だと思わない? フフッ」
「そーそー。あ、別に騒がしいとかは思ってないから気にしなくていーよん! そういう真面目な所は手塚と似てるよね~」
「この様子だと跡部も大変そうだな。それはそれでいいデータが取れるが」
……とりあえず悪い印象は与えてないってことでいいのかな? それなら安心した。
ふぅ、と胸を撫で下ろすと、河村くんがどこかソワソワしながら意を決したように遥へと歩み寄っていく。
「あの、西成さん。樺地くんの怪我の具合はどんな感じかな?」
「ん? かばっち? まだ完全に治ったわけじゃないけど、痛みは引いてるって言ってたよ」
「それなら良かったよ。対戦した相手としてはやっぱり気になっちゃってさ」
「河村もまだ治ったわけじゃないでしょ? かばっちの心配もありがたいけど、ちゃんとそっちも治すんだよ」
「ははっ。そうだね、ありがとう」
一瞬、二人って面識あったんだっけ? と思ったけど、そういえば遥は樺地くんの試合後に彼を追いかけて病院に向かったからきっとそこで顔を合わせたんだろうね。河村くんも樺地くんと一緒に病院に行ったんだもの。
するとそんな二人の間に不二くんが笑い堪えながら会話に入ってきた。
「それにしても君、すっごく良かったよ。あの手塚を……フフッ。あんな顔させるなんて……」
「不二……ツボに入ったの?」
「フフッ、そうみたい」
「えーと、不二だっけ? それ褒められてると思っていいのかい?」
「うん。そうだね。本当に面白かったよ」
「そっか! じゃあ、あたしは正しいことをしたんだね!」
それはどうかな……。そう言いたいのだけど、話に水を差すのもあれだし、ひとまず黙っておくことにする。
「ところで赤宮、と言ったね。君も氷帝のマネージャーということだけど、せっかくだから質問をさせてほしいことがあるんだ」
「は?」
麻美の所には乾くんがノートを開いて何か調査を始めようとしていた。そんな彼に大石くんが慌てて間に入る。
「ああ、もう乾! 突然そんなことされたら彼女も困るだろうっ!」
「それを決めるのも彼女だろう?」
「質問による」
「ほら」
「いや、ほらじゃなくて……。変な質問だけはするなよ……」
「もちろんだ。じゃあ早速だけど、ひとつ目。去年の大会には氷帝にマネージャーは在籍していなかったはずだからそれ以降にマネージャーを始めたということだけど、経緯を教えてもらいたい」
「跡部に脅された。以上」
「ほう。あの跡部が。それだけ君は必要とされているのか。それとも彼個人的な感情なのか。その時の音源はさすがにないのかい? なければ覚えてる限りの会話を……」
「ご、ごめん、赤宮さん! きっと長くなると思うから迷惑にならないうちに引き取るよっ」
「そうしてくれ……」
大石くんが乾くんの背中を押しながら麻美の前から離そうとする。麻美ははぁ、と溜め息をつきながら手で追い払う素振りを見せた。
そんな様子を見ていたら私の耳元でこそっと話しかける人物が現れる。菊丸くんだった。
「ね、ね、九条って手塚のこと怖くないの? いっつもムスッとしてるじゃん?」
こそこそと話す内容なのかは分からないけど、私は正直に答えるため頷いた。
「もちろん。国光は表情の変化が分かりづらいけど、怖いとは思ったことはないよ」
むしろ話していて楽しいよ。そう伝えると彼は訝しげな顔をする。
「……やっぱ頭のいい奴と話がしやすいってことなのかな」
「そういうことじゃないよ。感性、じゃないかな?」
「じゃあ一生合わなそー!」
菊丸くん、国光のこと苦手なのかな? 確かにちょっと取っ付き難い所もあるかもだけど。話をしたらそうでもないはずなのに。
「あ、そうだ。従兄妹の君から言っといてよ。すぐにグラウンド走らせるのはやめてって」
「走らせる?」
「そうにゃんだよ~。手塚ってばすぐに罰としてとか言ってグラウンド100周とか言っちゃうんだからさ~」
どうやら国光はなかなかにスパルタらしい。とはいえ、私が言って頷くような人じゃないよと伝えたら菊丸くんも納得したようでかなり落ち込んでいた。
「ほれほれ、お前達。手塚が乗る飛行機を見に行くんじゃないのかい?」
すると青学のテニス部顧問の人が手をパンパンと叩き、レギュラー達を招集する。離陸する飛行機を見るまでがお見送りのようだ。
それならと私達も一緒に展望デッキへと向かった。離発着する航空機の中から国光が乗っているであろう機体がちょうど離陸するところ。
そして国光を乗せた機体は少しずつ空の彼方まで飛んでいった。私達はそれを静かに見守り、しばしの別れを終える。
「国光っ」
声をかけると国光を含め、部員達がいっせいにこちらへと視線を向ける。普段表情があまり変わらない国光も、この時ばかりは驚いた顔を見せていた。
「秋……まさか来てくれたのか」
「そうだよ……間に合いそうだと思って急いだんだけど結局跡部に送ってもらって……」
はぁはぁ、と息を切らしながら国光の前へ足を止める。時間はまだ大丈夫。少し話すくらいの猶予はある。
「そうか……結局お前や跡部にも迷惑をかけてしまったな」
「そんなことないよ。私は自分の意思でここに来たんだし、跡部も完全復活しないとただじゃおかないって言ってたよ」
「分かっている」
「うん。だから早く治して帰ってきてね。せっかく国光とテニス部について話したかったのに。私がマネージャーになった経緯とか色々」
国光がテニス部だということをもっと早く知っておけば良かったんだけどね。国光と言えば山とか釣りの話ばかりしてたから。まさか他校から注目されるほどの選手だなんて思ってもみなかった。
すると国光は何かに驚くように少しだけ目を大きく見開いていた。
「お前……マネージャーだったのか?」
「あ、あれ? 言ってなかった……んだよね。その反応からすると」
こくりと国光は頷いた。そっか。そうだった。確かに関東大会では氷帝の応援席にいたということしか国光は知らなかったんだっけ。私も説明した記憶はないし。
「確かに興味深い話題になるな。また今度話を聞かせてくれ」
「うん」
「では、少し早いがそろそろ行ってくる」
「また連絡するからね」
「あぁ、落ち着いたら俺の方からも━━」
そこで国光の言葉が詰まった。何故なら少し離れた場所で様子を見ていたはずの遥がいつの間にか私の隣でジーッと国光を見ていたから。まるで品定めをするかのような。
「遥……? どうしたの?」
「ん? いやね、手塚って別に秋に似てるわけじゃないんだなーって思って」
「兄妹じゃなく従兄妹だからね……」
「なるほどなるほど。でもどっちかって言うと麻美と似てそうだね。表情の硬いとことか」
「遥……」
「……」
さすがの国光も黙ってしまった。むしろ眉を顰めている。初対面なのに遥ってどうしていつもこんな自由なんだろう……。
そう思っていたら麻美が遥の頭に肘鉄を食らわせ「いだぁぁぁ!?」と叫ぶ彼女の首根っこを掴んだ。
「ったく、この馬鹿が! 親戚の会話に割って入るな!」
「だからって殴ることなくない!?」
「馬鹿の躾に口頭で通じるわけないだろっ」
「ぴえん!」
「っち。邪魔したな、秋、手塚。せっかくの見送りだってのに」
「大丈夫だよ。国光もそろそろ行くって言ってるから」
「俺も気にしていない。……秋の友人か?」
「うん。彼女は赤宮麻美で、あの子は西成遥。大事な友達で彼女達もマネージャーなの」
「そうか。赤宮、秋と親しくしてくれて感謝する。これからも彼女を頼む」
友達にそうお願いされると国光が私の保護者みたいでちょっと恥ずかしい気もする。でも国光はそういう性格だから仕方ないのかも。
「あぁ、任せろ」
「ねぇ、あたしには? ねぇ、手塚。あたしには言わないのっ!?」
「それじゃあ、今度こそ俺は行く。他のみんなも見送りに来てくれてありがとう。竜崎先生もありがとうございました」
「あぁ、手塚も気をつけて行っといで」
「ねぇーー!? あたしには何もないの手塚ーー!?」
「うるさい!」
また遥は麻美に頭を叩かれる。そろそろ麻美を宥めないと過激になるかもしれない。
結局、遥の叫びも虚しく、国光はそのまま搭乗ゲートへ向かった。
しばらくして国光を見送った青学のレギュラー達の視線をひしひしと感じたので、ハッとした私は慌てて彼らに向けて口を開いた。
「あ、すみませんっ。お騒がせしてしまって!」
「全てこいつが悪い」
「酷いっ! あたしはしんみりする場を和ませるためにやったのに!」
……謝罪してるのに謝罪になってるのかな、これ。下手したら国光の従兄妹は礼儀知らずとか思われるかもしれないし、それどころか氷帝のマネージャーの品位がどうかしてるとか思われたらどうしよう。
そんなことを考えていたら彼らは小さく吹き出すように次々と笑い声を上げた。思わずポカンとしてしまう。
「こ、こら、みんな笑うんじゃないっ。彼女達に失礼じゃないか!」
唯一、大石くんがあたふたしながら笑い堪える人や腹を抱えて笑う部員達に注意する。
「いや、でもさ、大石。彼女達なかなか個性的だと思わない? フフッ」
「そーそー。あ、別に騒がしいとかは思ってないから気にしなくていーよん! そういう真面目な所は手塚と似てるよね~」
「この様子だと跡部も大変そうだな。それはそれでいいデータが取れるが」
……とりあえず悪い印象は与えてないってことでいいのかな? それなら安心した。
ふぅ、と胸を撫で下ろすと、河村くんがどこかソワソワしながら意を決したように遥へと歩み寄っていく。
「あの、西成さん。樺地くんの怪我の具合はどんな感じかな?」
「ん? かばっち? まだ完全に治ったわけじゃないけど、痛みは引いてるって言ってたよ」
「それなら良かったよ。対戦した相手としてはやっぱり気になっちゃってさ」
「河村もまだ治ったわけじゃないでしょ? かばっちの心配もありがたいけど、ちゃんとそっちも治すんだよ」
「ははっ。そうだね、ありがとう」
一瞬、二人って面識あったんだっけ? と思ったけど、そういえば遥は樺地くんの試合後に彼を追いかけて病院に向かったからきっとそこで顔を合わせたんだろうね。河村くんも樺地くんと一緒に病院に行ったんだもの。
するとそんな二人の間に不二くんが笑い堪えながら会話に入ってきた。
「それにしても君、すっごく良かったよ。あの手塚を……フフッ。あんな顔させるなんて……」
「不二……ツボに入ったの?」
「フフッ、そうみたい」
「えーと、不二だっけ? それ褒められてると思っていいのかい?」
「うん。そうだね。本当に面白かったよ」
「そっか! じゃあ、あたしは正しいことをしたんだね!」
それはどうかな……。そう言いたいのだけど、話に水を差すのもあれだし、ひとまず黙っておくことにする。
「ところで赤宮、と言ったね。君も氷帝のマネージャーということだけど、せっかくだから質問をさせてほしいことがあるんだ」
「は?」
麻美の所には乾くんがノートを開いて何か調査を始めようとしていた。そんな彼に大石くんが慌てて間に入る。
「ああ、もう乾! 突然そんなことされたら彼女も困るだろうっ!」
「それを決めるのも彼女だろう?」
「質問による」
「ほら」
「いや、ほらじゃなくて……。変な質問だけはするなよ……」
「もちろんだ。じゃあ早速だけど、ひとつ目。去年の大会には氷帝にマネージャーは在籍していなかったはずだからそれ以降にマネージャーを始めたということだけど、経緯を教えてもらいたい」
「跡部に脅された。以上」
「ほう。あの跡部が。それだけ君は必要とされているのか。それとも彼個人的な感情なのか。その時の音源はさすがにないのかい? なければ覚えてる限りの会話を……」
「ご、ごめん、赤宮さん! きっと長くなると思うから迷惑にならないうちに引き取るよっ」
「そうしてくれ……」
大石くんが乾くんの背中を押しながら麻美の前から離そうとする。麻美ははぁ、と溜め息をつきながら手で追い払う素振りを見せた。
そんな様子を見ていたら私の耳元でこそっと話しかける人物が現れる。菊丸くんだった。
「ね、ね、九条って手塚のこと怖くないの? いっつもムスッとしてるじゃん?」
こそこそと話す内容なのかは分からないけど、私は正直に答えるため頷いた。
「もちろん。国光は表情の変化が分かりづらいけど、怖いとは思ったことはないよ」
むしろ話していて楽しいよ。そう伝えると彼は訝しげな顔をする。
「……やっぱ頭のいい奴と話がしやすいってことなのかな」
「そういうことじゃないよ。感性、じゃないかな?」
「じゃあ一生合わなそー!」
菊丸くん、国光のこと苦手なのかな? 確かにちょっと取っ付き難い所もあるかもだけど。話をしたらそうでもないはずなのに。
「あ、そうだ。従兄妹の君から言っといてよ。すぐにグラウンド走らせるのはやめてって」
「走らせる?」
「そうにゃんだよ~。手塚ってばすぐに罰としてとか言ってグラウンド100周とか言っちゃうんだからさ~」
どうやら国光はなかなかにスパルタらしい。とはいえ、私が言って頷くような人じゃないよと伝えたら菊丸くんも納得したようでかなり落ち込んでいた。
「ほれほれ、お前達。手塚が乗る飛行機を見に行くんじゃないのかい?」
すると青学のテニス部顧問の人が手をパンパンと叩き、レギュラー達を招集する。離陸する飛行機を見るまでがお見送りのようだ。
それならと私達も一緒に展望デッキへと向かった。離発着する航空機の中から国光が乗っているであろう機体がちょうど離陸するところ。
そして国光を乗せた機体は少しずつ空の彼方まで飛んでいった。私達はそれを静かに見守り、しばしの別れを終える。