自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
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それはあまりにも唐突だった。授業終わりの教室は部活に向かう者や帰宅する者が挨拶を交わしている。私も部活へ向かう前にスマホを確認すると、従兄妹の国光からメッセージが届いていたのでそれに目を通してみたら……。
『肩の治療のため今日九州へ向かう』
簡潔なメッセージ文だけど、その内容は私にとって衝撃的なもので思わず声が詰まった。
「え……?」
肩の治療ということは一昨日の関東大会で跡部と対戦した際に負った怪我のことだろう。九州に行かなければ治せないものなんだ……。
けれどあまりにも急すぎる。せめて昨日には連絡してほしかった。急いで国光にそのことと、何時に出発するのか返信して尋ねた。
返事はすぐに返ってきた。『すまない。心配かけるつもりはなかったから出発直前になってしまった』という謝罪と飛行機の出発時間も一緒に添えての返信。
この出発時間なら今から急いで向かえば見送りに間に合うかも。そう判断した私はすぐに跡部へメッセージを送った。
『ごめん、跡部。国光がもうすぐ九州に行っちゃうから見送りに行きたいの。急だけど今日の部活は欠席させてもらうね』
メッセージを送信し、スクールバッグを手にするとすぐに教室を出た。
走りたい。けど、副生徒会長として生徒の模範とならなければいけない私が廊下を走ることは望ましくないことだ。それでも悠長なことは出来ないので少し足早に。
するとスマホにメッセージが入った。跡部からだ。
『正門に来い』
たった一言。元より正門から出るつもりなので問題はないのだけど、一体どうしたんだろう。勝手なことは許さない、とか。説得するつもりなのだろうか。
一文だけでは何も分からないまま、私は玄関口を出てから正門へと駆け出した。ちょうどその時、わたしの隣で並走する人物が声をかける。
「秋」
「えっ、麻美っ!?」
「見送りに行くんだろ。手伝ってやる」
どうしてそれを……。手伝うって? 混乱する私に麻美は「やっぱりか」と呟いた。
「あんた、跡部にだけメッセを飛ばしたつもりだろうけど、跡部とマネージャーだけのグループに向けてメッセ飛ばしてたからな」
「あ、そうなんだ」
じゃあ、麻美も私のメッセージを見たってことなんだ。焦っていたとはいえ、ちょっと恥ずかしいことをしちゃったかな。
「でも手伝うって?」
「車くらい拾ってやるってことだ」
「さすがにそこまでしなくても! 電車に乗って行ってもギリギリ間に合うから……」
そこまで切羽詰まってないから。そう告げようとして正門を抜けると、思わず足を止めた。跡部と遥がいたから。
「来たな」
「おっ! 麻美も一緒じゃん!」
「えっと、遥までなんで……?」
「こいつは勝手について来ただけだ、気にするな。それより急いでるんだろ?」
「あ、うん。そうだけど……」
だからすぐにでも走らなきゃいけないの。そう伝えようとしたら、目の前にリムジンが停車した。
「完璧だな、ミカエル。っつーことだ、乗れ」
「えっ!?」
乗れ。乗れってこの車にっ!? 跡部の車だよねっ?
「そ、そんなことしなくて大丈夫だよ! さすがに悪いよ、それはっ」
「あーん? 急いでるなら速い方がいいに決まってんだろ。いいから乗れ」
動揺する私に跡部は気にすることなく後部座席のドアを開けた。でも、と口にすると麻美が私の手を掴む。
「あいつが乗れって言ってんだから乗れ。こういう時くらい奴を利用しろ」
「おい、赤宮。言い方ってもんがあるだろ」
「急いでんだからいいだろ」
「ほらほら、秋っ、急がなきゃ遅れちゃうよっ」
「ちょっ、遥までっ……!」
何故か先にリムジン内に乗り込んだ遥が空いてる私の手を引っ張る。麻美にも押されるのでそのまま車内へと乗り込むことになった。そして麻美も中に入ると車の扉は閉められる。
「って、おい! お前らは降りろ! マネージャー業があるだろ!」
「1日くらいいいだろ。ちゃんと秋が従兄妹の元へ送り届けるように監視するんだよ」
「ってなわけで、跡部。あとはよろっ!」
麻美と遥も一緒に行く気満々のようで大丈夫なの? と心配する私だったが、すぐに判断したのか、跡部は大きな溜め息を吐いて、運転席に座る執事さんと思わしき老齢の男性に「頼んだぞ」と声をかけた。
「九条、手塚に言っておけ。完全復活しないとただじゃおかないってな」
「う、ん。ありがとう跡部っ」
フッと小さく笑みを浮かべた跡部に感謝の言葉を述べると、私達を乗せたリムジンは発車した。国光が出発する空港へと向かうために。
『肩の治療のため今日九州へ向かう』
簡潔なメッセージ文だけど、その内容は私にとって衝撃的なもので思わず声が詰まった。
「え……?」
肩の治療ということは一昨日の関東大会で跡部と対戦した際に負った怪我のことだろう。九州に行かなければ治せないものなんだ……。
けれどあまりにも急すぎる。せめて昨日には連絡してほしかった。急いで国光にそのことと、何時に出発するのか返信して尋ねた。
返事はすぐに返ってきた。『すまない。心配かけるつもりはなかったから出発直前になってしまった』という謝罪と飛行機の出発時間も一緒に添えての返信。
この出発時間なら今から急いで向かえば見送りに間に合うかも。そう判断した私はすぐに跡部へメッセージを送った。
『ごめん、跡部。国光がもうすぐ九州に行っちゃうから見送りに行きたいの。急だけど今日の部活は欠席させてもらうね』
メッセージを送信し、スクールバッグを手にするとすぐに教室を出た。
走りたい。けど、副生徒会長として生徒の模範とならなければいけない私が廊下を走ることは望ましくないことだ。それでも悠長なことは出来ないので少し足早に。
するとスマホにメッセージが入った。跡部からだ。
『正門に来い』
たった一言。元より正門から出るつもりなので問題はないのだけど、一体どうしたんだろう。勝手なことは許さない、とか。説得するつもりなのだろうか。
一文だけでは何も分からないまま、私は玄関口を出てから正門へと駆け出した。ちょうどその時、わたしの隣で並走する人物が声をかける。
「秋」
「えっ、麻美っ!?」
「見送りに行くんだろ。手伝ってやる」
どうしてそれを……。手伝うって? 混乱する私に麻美は「やっぱりか」と呟いた。
「あんた、跡部にだけメッセを飛ばしたつもりだろうけど、跡部とマネージャーだけのグループに向けてメッセ飛ばしてたからな」
「あ、そうなんだ」
じゃあ、麻美も私のメッセージを見たってことなんだ。焦っていたとはいえ、ちょっと恥ずかしいことをしちゃったかな。
「でも手伝うって?」
「車くらい拾ってやるってことだ」
「さすがにそこまでしなくても! 電車に乗って行ってもギリギリ間に合うから……」
そこまで切羽詰まってないから。そう告げようとして正門を抜けると、思わず足を止めた。跡部と遥がいたから。
「来たな」
「おっ! 麻美も一緒じゃん!」
「えっと、遥までなんで……?」
「こいつは勝手について来ただけだ、気にするな。それより急いでるんだろ?」
「あ、うん。そうだけど……」
だからすぐにでも走らなきゃいけないの。そう伝えようとしたら、目の前にリムジンが停車した。
「完璧だな、ミカエル。っつーことだ、乗れ」
「えっ!?」
乗れ。乗れってこの車にっ!? 跡部の車だよねっ?
「そ、そんなことしなくて大丈夫だよ! さすがに悪いよ、それはっ」
「あーん? 急いでるなら速い方がいいに決まってんだろ。いいから乗れ」
動揺する私に跡部は気にすることなく後部座席のドアを開けた。でも、と口にすると麻美が私の手を掴む。
「あいつが乗れって言ってんだから乗れ。こういう時くらい奴を利用しろ」
「おい、赤宮。言い方ってもんがあるだろ」
「急いでんだからいいだろ」
「ほらほら、秋っ、急がなきゃ遅れちゃうよっ」
「ちょっ、遥までっ……!」
何故か先にリムジン内に乗り込んだ遥が空いてる私の手を引っ張る。麻美にも押されるのでそのまま車内へと乗り込むことになった。そして麻美も中に入ると車の扉は閉められる。
「って、おい! お前らは降りろ! マネージャー業があるだろ!」
「1日くらいいいだろ。ちゃんと秋が従兄妹の元へ送り届けるように監視するんだよ」
「ってなわけで、跡部。あとはよろっ!」
麻美と遥も一緒に行く気満々のようで大丈夫なの? と心配する私だったが、すぐに判断したのか、跡部は大きな溜め息を吐いて、運転席に座る執事さんと思わしき老齢の男性に「頼んだぞ」と声をかけた。
「九条、手塚に言っておけ。完全復活しないとただじゃおかないってな」
「う、ん。ありがとう跡部っ」
フッと小さく笑みを浮かべた跡部に感謝の言葉を述べると、私達を乗せたリムジンは発車した。国光が出発する空港へと向かうために。