自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
敗退後の学園生活
主人公名前変換
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「ん~! このケーキ美味しー!」
「気に入ってもらえたなら良かったよ」
下校の寄り道として遥に最近俺のオススメであるカフェを紹介するため連れてきた。彼女は注文したシフォンケーキを頬張りながら幸せそうな表情を見せる。
この顔を見る度に思う。遥の笑顔を守れるなら俺は何だってしたいと。
遥と俺は母親同士が友人ということもあり、幼い頃からの付き合いだ。いわゆる幼馴染み。
小さい頃から変わらず明るく人を惹きつける存在の彼女の傍にいるとどこか危なっかしくて、いつの間にか俺が面倒を見るようになっていた。気づけば幼い初恋が今でも続いているわけなんだけど。
幼馴染みとして一緒にいることが当たり前になり、俺としても遥の傍にいられるならとその関係に甘んじていたのがいけなかったのか、遥と忍足の関係に違和感を抱いた時、何かが手遅れだと感じた。
あの二人は深くもなければ浅くもないただの友人だったのに、いつの間にか遥を見る忍足の目が普通ではなかったことに気づいた時、早く手を打っておけば良かったのかもしれない。
気のせいだと思いたかった。いくら忍足でも友達に手を出すとは思えなかったから。けれど、二人の纏う空気が友人のそれではないと理解した時、遥も確実に忍足に気があったと思う。
正直なところ、女性関係にはだらしない彼とだけはそんな想いを持つことは避けてほしかった。忍足に遥は勿体ない。
だけどその後、遥の忍足への態度が変わった。何かあったのは一目瞭然。それで終わるなら良かったのに忍足はなぜか諦めが悪かった。
彼が遥に何かをしたはずなのに図々しいな。そう思いながら俺は全面的に遥の味方をすることに決めた。
例え何があったか話さなくても俺は遥を信じてるし、彼女が拒む者は排除していく。これからも。
全ては遥が幸せになるために。
「遥は美味しそうに食べてくれるし、幸せそうな顔も見せてくれるから見ていて気持ちいいよ」
「あたしが美味しそうに食べるだけで褒めてもらえるとは……!」
「俺は遥が嬉しいとそれだけで幸せだからね」
「はへー。あたしのことで幸せにならなくても自分のことで幸せを感じた方がいいと思うよ」
思わぬ返しに紅茶を持つ手が止まった。俺としては遥の幸せが自分の幸せだから何も間違ってはいないと思っている。
「萩はいつもあたしのこと面倒を見てくれるからさ、ついそう思っちゃうのかもしれないけど、あたしとしてはちゃんと萩が萩自身のことを大事に幸せにしてもらわなきゃやだよ?」
もぐもぐと生クリームを添えたシフォンケーキを口に運びながら言葉にする彼女。
「ほら、萩ってば優しいからさ、いつも我慢してるんじゃないかなーって。もっとあれしたいとか、これしたいとかそういう野望的なものを押し出してもいいと思うんだ」
……野望、か。自分の感情だけで言うことが許されるのならもちろん遥の彼氏になりたい。だけどそれは遥も望んでいないし、彼女を幸せにしたいという一番の俺の気持ちすら反する願い、野望だ。
それに遥はすでに心から想う相手が出来た。樺地が相手なら俺も安心して彼女を任せられる。信用に足る相手だ。
そんな彼女の幸福を願うのに俺の想いなんて不要である。
「俺は我慢してるつもりはないし、今だってこのお店に遥を連れてきたいって我儘に遥を付き合わせてるから自分のしたいことをしてるよ」
「そう、なの? 萩が喜んでくれてるのならいいのだけどね!」
「遥が元気で健やかでいてくれたら俺はそれだけで十分だよ」
「発言が親目線っ!」
……なんて、自分を戒めてるような言い方だったけど、結局のところ幼馴染みのポジションを利用して、二人でこんな時間を過ごすのだから我ながら結構利己的とも思う。
「気に入ってもらえたなら良かったよ」
下校の寄り道として遥に最近俺のオススメであるカフェを紹介するため連れてきた。彼女は注文したシフォンケーキを頬張りながら幸せそうな表情を見せる。
この顔を見る度に思う。遥の笑顔を守れるなら俺は何だってしたいと。
遥と俺は母親同士が友人ということもあり、幼い頃からの付き合いだ。いわゆる幼馴染み。
小さい頃から変わらず明るく人を惹きつける存在の彼女の傍にいるとどこか危なっかしくて、いつの間にか俺が面倒を見るようになっていた。気づけば幼い初恋が今でも続いているわけなんだけど。
幼馴染みとして一緒にいることが当たり前になり、俺としても遥の傍にいられるならとその関係に甘んじていたのがいけなかったのか、遥と忍足の関係に違和感を抱いた時、何かが手遅れだと感じた。
あの二人は深くもなければ浅くもないただの友人だったのに、いつの間にか遥を見る忍足の目が普通ではなかったことに気づいた時、早く手を打っておけば良かったのかもしれない。
気のせいだと思いたかった。いくら忍足でも友達に手を出すとは思えなかったから。けれど、二人の纏う空気が友人のそれではないと理解した時、遥も確実に忍足に気があったと思う。
正直なところ、女性関係にはだらしない彼とだけはそんな想いを持つことは避けてほしかった。忍足に遥は勿体ない。
だけどその後、遥の忍足への態度が変わった。何かあったのは一目瞭然。それで終わるなら良かったのに忍足はなぜか諦めが悪かった。
彼が遥に何かをしたはずなのに図々しいな。そう思いながら俺は全面的に遥の味方をすることに決めた。
例え何があったか話さなくても俺は遥を信じてるし、彼女が拒む者は排除していく。これからも。
全ては遥が幸せになるために。
「遥は美味しそうに食べてくれるし、幸せそうな顔も見せてくれるから見ていて気持ちいいよ」
「あたしが美味しそうに食べるだけで褒めてもらえるとは……!」
「俺は遥が嬉しいとそれだけで幸せだからね」
「はへー。あたしのことで幸せにならなくても自分のことで幸せを感じた方がいいと思うよ」
思わぬ返しに紅茶を持つ手が止まった。俺としては遥の幸せが自分の幸せだから何も間違ってはいないと思っている。
「萩はいつもあたしのこと面倒を見てくれるからさ、ついそう思っちゃうのかもしれないけど、あたしとしてはちゃんと萩が萩自身のことを大事に幸せにしてもらわなきゃやだよ?」
もぐもぐと生クリームを添えたシフォンケーキを口に運びながら言葉にする彼女。
「ほら、萩ってば優しいからさ、いつも我慢してるんじゃないかなーって。もっとあれしたいとか、これしたいとかそういう野望的なものを押し出してもいいと思うんだ」
……野望、か。自分の感情だけで言うことが許されるのならもちろん遥の彼氏になりたい。だけどそれは遥も望んでいないし、彼女を幸せにしたいという一番の俺の気持ちすら反する願い、野望だ。
それに遥はすでに心から想う相手が出来た。樺地が相手なら俺も安心して彼女を任せられる。信用に足る相手だ。
そんな彼女の幸福を願うのに俺の想いなんて不要である。
「俺は我慢してるつもりはないし、今だってこのお店に遥を連れてきたいって我儘に遥を付き合わせてるから自分のしたいことをしてるよ」
「そう、なの? 萩が喜んでくれてるのならいいのだけどね!」
「遥が元気で健やかでいてくれたら俺はそれだけで十分だよ」
「発言が親目線っ!」
……なんて、自分を戒めてるような言い方だったけど、結局のところ幼馴染みのポジションを利用して、二人でこんな時間を過ごすのだから我ながら結構利己的とも思う。