自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
敗退後の学園生活
主人公名前変換
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「よぉ、赤宮。奇遇じゃねーの」
昼食を終えた跡部がカフェテリアの席に着き、食後のティータイムとして樺地に紅茶を淹れてもらっていた時のことだった。
通りがかりの麻美を見つけ、声をかけると彼女は僅かばかり眉をぴくりと動かし足を止めた。
「相変わらず学校内とは思えない優雅な過ごし方してやがるな」
「短い時間だろうと有意義に過ごすのが俺様のやり方だ。まぁ、ちょうどいい。お前も食後のティータイムに誘ってやる。樺地、赤宮の分も用意しな」
「ウス」
パチン、と指で弾けば樺地はすぐさま傍らに置いてある二段ワゴンからティーポットとカップ一式を取り出し、手際良く紅茶の準備を始めた。
しかしまだその誘いに乗るなんて言っていない麻美は勝手なことを始めた跡部に不服そうな顔を向ける。
「まだ何も返事していないんだけど?」
「樺地の淹れた茶が飲めねぇってのか? あーん?」
「どこのパワハラ社長様だ。……はぁ、タダなら飲んでやってもいいけど」
そう言って麻美は跡部の席へと近づくと、樺地が椅子を引いて麻美を座らせる。
「サンキュ」
「ウス」
「樺地、茶菓子も頼む」
「ウス」
こくりと頷いた樺地が二段ワゴンの下にあるカーテンで隠された場所からお皿と焼き菓子などを取り出してセッティングする。
「……菓子まであるのかよ」
「ティータイムなら必要だろ」
「はいはい、そうだな」
適当に流しつつ、麻美は樺地が注いだ紅茶のカップを唇へと寄せた。ふわりと芳醇な香りが鼻を擽ったはずだ。
そしてそのまま一口、喉を潤した麻美は味にも満足したのか、フッと口元を綻ばせる。
次に茶菓子として用意されたフィナンシェに手を出すと焦がしバターの風味にも気に入ったのか、無言で小さく頷いているようであった。
「さすが金持ちが口にするやつはハズレがないな」
「褒めてもらえて何よりだな」
「ところで跡部。大会が終わったわけだけどすぐ引退するわけ?」
「いや、まだだ。引き継ぎだの、次の部長を決めるだのやることはあるしな」
「じゃあ、マネージャーの引退もまだだっつーことか」
「なんだ。早く引退したいのか?」
「最初はそうだったけど……まぁ、部員をしごくのも悪くないから続けてあげてもいいけど」
跡部にとっては思ってもない言葉だった。元々は無理やりマネージャーに引き入れたから一刻も早く辞めたいだろうと考えていたため。
……だが、もう少し素直に言ってくれたら完璧なんだがな、とは思わずにはいられなかったが、それが赤宮麻美なのだから仕方ないのかもしれない。
口角を上げてククッと笑みを浮かべながら跡部は紅茶に口をつける。
「それはありがたい限りだな。頼りにさせてもらうぜ」
「褒美が与えられてもおかしくないほどの働き者で良かったな」
「褒美……か。そうだな、労いの言葉だけじゃ物足りないだろ。よし、夏季休暇にバカンスがてら海にでも連れてってやる」
「あんたの話はたまに唐突すぎる」
言葉のあやのつもりだったのにそれを真面目に受け入れ、本当に褒美として与えようとする跡部にさすがの麻美もフィナンシェを食べる手を止めた。
「褒美が与えられてもおかしくないんだろ? 素直に受け取っときな」
「タダで海くらいなら……確かに悪くないかもな」
以前メットガラに誘われたことを思い出している顔の麻美を見て跡部は内心ほくそ笑んだ。
あの時は規模がでかいと断られたことがあるので今度はそれなりに誘いを受けやすい場所を提示したから大丈夫だろうと考えていたから。そして跡部の予想通り、メットガラの時に比べたら、という麻美の態度を見て拒否しないと睨んだ。
「じゃあ、それで予定を組む。あいつらにはまた俺から言っておくぜ」
「だからこっちはまだ返事してないだろうが。……まぁ、いいけど」
跡部が海に連れて行ってくれるならプライベートビーチとかなんだろうなと考えていた麻美はまだこの時知らなかった。
まさか跡部の言う海が国内ではないということに。
昼食を終えた跡部がカフェテリアの席に着き、食後のティータイムとして樺地に紅茶を淹れてもらっていた時のことだった。
通りがかりの麻美を見つけ、声をかけると彼女は僅かばかり眉をぴくりと動かし足を止めた。
「相変わらず学校内とは思えない優雅な過ごし方してやがるな」
「短い時間だろうと有意義に過ごすのが俺様のやり方だ。まぁ、ちょうどいい。お前も食後のティータイムに誘ってやる。樺地、赤宮の分も用意しな」
「ウス」
パチン、と指で弾けば樺地はすぐさま傍らに置いてある二段ワゴンからティーポットとカップ一式を取り出し、手際良く紅茶の準備を始めた。
しかしまだその誘いに乗るなんて言っていない麻美は勝手なことを始めた跡部に不服そうな顔を向ける。
「まだ何も返事していないんだけど?」
「樺地の淹れた茶が飲めねぇってのか? あーん?」
「どこのパワハラ社長様だ。……はぁ、タダなら飲んでやってもいいけど」
そう言って麻美は跡部の席へと近づくと、樺地が椅子を引いて麻美を座らせる。
「サンキュ」
「ウス」
「樺地、茶菓子も頼む」
「ウス」
こくりと頷いた樺地が二段ワゴンの下にあるカーテンで隠された場所からお皿と焼き菓子などを取り出してセッティングする。
「……菓子まであるのかよ」
「ティータイムなら必要だろ」
「はいはい、そうだな」
適当に流しつつ、麻美は樺地が注いだ紅茶のカップを唇へと寄せた。ふわりと芳醇な香りが鼻を擽ったはずだ。
そしてそのまま一口、喉を潤した麻美は味にも満足したのか、フッと口元を綻ばせる。
次に茶菓子として用意されたフィナンシェに手を出すと焦がしバターの風味にも気に入ったのか、無言で小さく頷いているようであった。
「さすが金持ちが口にするやつはハズレがないな」
「褒めてもらえて何よりだな」
「ところで跡部。大会が終わったわけだけどすぐ引退するわけ?」
「いや、まだだ。引き継ぎだの、次の部長を決めるだのやることはあるしな」
「じゃあ、マネージャーの引退もまだだっつーことか」
「なんだ。早く引退したいのか?」
「最初はそうだったけど……まぁ、部員をしごくのも悪くないから続けてあげてもいいけど」
跡部にとっては思ってもない言葉だった。元々は無理やりマネージャーに引き入れたから一刻も早く辞めたいだろうと考えていたため。
……だが、もう少し素直に言ってくれたら完璧なんだがな、とは思わずにはいられなかったが、それが赤宮麻美なのだから仕方ないのかもしれない。
口角を上げてククッと笑みを浮かべながら跡部は紅茶に口をつける。
「それはありがたい限りだな。頼りにさせてもらうぜ」
「褒美が与えられてもおかしくないほどの働き者で良かったな」
「褒美……か。そうだな、労いの言葉だけじゃ物足りないだろ。よし、夏季休暇にバカンスがてら海にでも連れてってやる」
「あんたの話はたまに唐突すぎる」
言葉のあやのつもりだったのにそれを真面目に受け入れ、本当に褒美として与えようとする跡部にさすがの麻美もフィナンシェを食べる手を止めた。
「褒美が与えられてもおかしくないんだろ? 素直に受け取っときな」
「タダで海くらいなら……確かに悪くないかもな」
以前メットガラに誘われたことを思い出している顔の麻美を見て跡部は内心ほくそ笑んだ。
あの時は規模がでかいと断られたことがあるので今度はそれなりに誘いを受けやすい場所を提示したから大丈夫だろうと考えていたから。そして跡部の予想通り、メットガラの時に比べたら、という麻美の態度を見て拒否しないと睨んだ。
「じゃあ、それで予定を組む。あいつらにはまた俺から言っておくぜ」
「だからこっちはまだ返事してないだろうが。……まぁ、いいけど」
跡部が海に連れて行ってくれるならプライベートビーチとかなんだろうなと考えていた麻美はまだこの時知らなかった。
まさか跡部の言う海が国内ではないということに。