自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
敗退後の学園生活
主人公名前変換
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その日、ふと気づいた。いや、ようやく気づいたというべきなのか。まるで天啓に打たれたかのような衝撃が彼に走る。
(俺……もしかして秋のことが好きなんじゃねーのか?)
ただ休み時間にクラスメイトと話をしていただけだった。会話の内容はあいつは誰々のことを好きらしい、というような噂話である。それが切っ掛けだった。
恋愛話になるとは思わなかったし、自分でも恋愛なんてまだしないつもりだったが、ここ最近の秋に向けての感情がちぐはぐというか、何とも言い難いむず痒いものを抱えていることには気づいていた。それが何かまでは分からなかったが。
いや、好きなのは好きだけど。恋だの愛だのという意味で? と問われると何とも言えない。あいつは俺のファンだっていうダチなのに。
一人で自問自答しつつも、確証は得られなかった。幼馴染みの芥川が秋にべったりなことについては妬いてるというより、ファンを取られるという焦りだと思っているし、好きになる理由がいまいち思い浮かばない。
顔は……悪くねぇよな。性格はそこらの女友達よりめちゃくちゃいいし。ノリも悪くはねぇけど、ちょっと真面目過ぎるか。いや、別にそれは悪い所じゃねーし。
……うん、結局分かんねぇな。はっきりしねぇのも何だかな。確認……してみっか。
そう考えた俺はスマートフォンを取り出し、秋にメッセージを飛ばした。
『今日一緒に飯食わね?』
と。返事は数分後にきた。『いいの? よろしくお願いします』と、了承してくれたのでひとまず安心する。
そして昼食の時間。場所は中庭。夏の日差しは眩しいから木陰の下で飯を食う。太陽の光さえ何とかなれば風は気持ちいいし、外で食うにはちょうどいい。あと、あんま人のいる場所だと邪魔されそうだからってのも理由のひとつ。
「悪ぃな、急に呼び出しちまって。予定は入ってなかったのか?」
「大丈夫だよ。むしろ誘ってくれて嬉しかったから」
「それなら良かったぜ。……あー、それで確認したいんだけどよ」
「うん?」
確認ついでに聞きたいことがあった。でもさらっと聞くにはちょっと情けねぇ話になるから少しまごついてしまう。
「秋はさ、俺のファンやめたりしねぇの?」
「……え?」
ぱちくりと瞬きをしたあと、秋は何かに気づいたのかその目は悲しい色に染まってしまう。あ、やべ。言い方が悪かった。
「もしかして、何か不愉快なことしちゃった……?」
「いやいや! 違ぇ! そんなことぜってーねぇから!」
あぁ、もうっ。やっぱりそういう勘違いするだろ! いや、言い方が悪かった俺にも非があるけどよ……。
「そうじゃなくてよ。ほら、俺、大会で不甲斐ない姿見せちまったし……ファンをやめてもおかしくねぇっつーか……」
自分のことながら情けなさすぎる。ファン一人失いそうなくらいで……って、考えたところで気づいた。
ファン、ってより秋が俺に見向きもしなくなるのが嫌だってことに。
「岳人。私は勝ち負けでファンをやめたりはしないよ。岳人が許してくれるなら私はずっとあなたのファンでいたいの」
「……っ」
優しく微笑みながらそう告げる秋の表情に社交辞令なんてものは感じなかった。本音で言ってくれてるんだと理解する、んだけど、それより何より胸がドキドキする。
「私ね、岳人のアクロバティックを初めて見た時にとても綺麗だと思ったよ。見上げた空も綺麗で、岳人が教えてくれたみたいでとても感動しちゃったの。もっと見たいし、彼を応援したいなってずっと思ってるんだよ」
「つ、つまり……ずっと俺を応援してくれるってことか?」
「うん」
「……一番にか?」
「もちろん。岳人は私の一番だよ」
男らしくねぇ面倒な質問でさえも照れを混じえながら嬉しいことを答えてくれる秋に俺は確信した。いや、もしかしたら今落ちてしまったのかもしれない。
俺、秋のことが好きだ。
(俺……もしかして秋のことが好きなんじゃねーのか?)
ただ休み時間にクラスメイトと話をしていただけだった。会話の内容はあいつは誰々のことを好きらしい、というような噂話である。それが切っ掛けだった。
恋愛話になるとは思わなかったし、自分でも恋愛なんてまだしないつもりだったが、ここ最近の秋に向けての感情がちぐはぐというか、何とも言い難いむず痒いものを抱えていることには気づいていた。それが何かまでは分からなかったが。
いや、好きなのは好きだけど。恋だの愛だのという意味で? と問われると何とも言えない。あいつは俺のファンだっていうダチなのに。
一人で自問自答しつつも、確証は得られなかった。幼馴染みの芥川が秋にべったりなことについては妬いてるというより、ファンを取られるという焦りだと思っているし、好きになる理由がいまいち思い浮かばない。
顔は……悪くねぇよな。性格はそこらの女友達よりめちゃくちゃいいし。ノリも悪くはねぇけど、ちょっと真面目過ぎるか。いや、別にそれは悪い所じゃねーし。
……うん、結局分かんねぇな。はっきりしねぇのも何だかな。確認……してみっか。
そう考えた俺はスマートフォンを取り出し、秋にメッセージを飛ばした。
『今日一緒に飯食わね?』
と。返事は数分後にきた。『いいの? よろしくお願いします』と、了承してくれたのでひとまず安心する。
そして昼食の時間。場所は中庭。夏の日差しは眩しいから木陰の下で飯を食う。太陽の光さえ何とかなれば風は気持ちいいし、外で食うにはちょうどいい。あと、あんま人のいる場所だと邪魔されそうだからってのも理由のひとつ。
「悪ぃな、急に呼び出しちまって。予定は入ってなかったのか?」
「大丈夫だよ。むしろ誘ってくれて嬉しかったから」
「それなら良かったぜ。……あー、それで確認したいんだけどよ」
「うん?」
確認ついでに聞きたいことがあった。でもさらっと聞くにはちょっと情けねぇ話になるから少しまごついてしまう。
「秋はさ、俺のファンやめたりしねぇの?」
「……え?」
ぱちくりと瞬きをしたあと、秋は何かに気づいたのかその目は悲しい色に染まってしまう。あ、やべ。言い方が悪かった。
「もしかして、何か不愉快なことしちゃった……?」
「いやいや! 違ぇ! そんなことぜってーねぇから!」
あぁ、もうっ。やっぱりそういう勘違いするだろ! いや、言い方が悪かった俺にも非があるけどよ……。
「そうじゃなくてよ。ほら、俺、大会で不甲斐ない姿見せちまったし……ファンをやめてもおかしくねぇっつーか……」
自分のことながら情けなさすぎる。ファン一人失いそうなくらいで……って、考えたところで気づいた。
ファン、ってより秋が俺に見向きもしなくなるのが嫌だってことに。
「岳人。私は勝ち負けでファンをやめたりはしないよ。岳人が許してくれるなら私はずっとあなたのファンでいたいの」
「……っ」
優しく微笑みながらそう告げる秋の表情に社交辞令なんてものは感じなかった。本音で言ってくれてるんだと理解する、んだけど、それより何より胸がドキドキする。
「私ね、岳人のアクロバティックを初めて見た時にとても綺麗だと思ったよ。見上げた空も綺麗で、岳人が教えてくれたみたいでとても感動しちゃったの。もっと見たいし、彼を応援したいなってずっと思ってるんだよ」
「つ、つまり……ずっと俺を応援してくれるってことか?」
「うん」
「……一番にか?」
「もちろん。岳人は私の一番だよ」
男らしくねぇ面倒な質問でさえも照れを混じえながら嬉しいことを答えてくれる秋に俺は確信した。いや、もしかしたら今落ちてしまったのかもしれない。
俺、秋のことが好きだ。