自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
関東大会敗退の結果
主人公名前変換
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まだいるかな。そう思って急いで青学がいた観戦席へと向かう秋はすぐにレギュラージャージを纏う人物達に気づく。
「国光っ!」
そう声をかけると青学の部員達みんなが秋へと目を向ける。いっせいに向けられた視線に当惑する秋だったが、すぐに相手の方から秋の元へと近づいた。
「秋」
秋の従兄妹である手塚が名前を呼んだその瞬間、周りがざわついた。それもそのはず、互いに名前で呼び合うほどの親しい仲とも言える二人の関係に誰もが興味を持たないわけがなかったから。
「お前が氷帝の応援席にいるのは見えていた」
「あ、やっぱり気づいてたんだね。……その、肩は……?」
「この後、診てもらう予定だ」
「そっか。結果が分かったら教えてほしいな」
「分かった」
あまりにもあっさりとした会話だっただろう。当事者からすればいつも通りなので特に気にすることはないのだが、周りはそうではなかった。
「てっづか~。さすがに彼女に向けてその態度は素っ気ないんじゃない?」
「こ、こら、英二。そういうのは二人の問題だからちゃちゃ入れするのは良くないぞ」
一番に口を開いたのが菊丸だった。茶化すような彼を宥めるのが黄金ペアの相方である大石。
まさか彼女と言われるなんて思っていなくて面食らう秋だったが、その勘違いの声は止まることはなかった。
「でも僕は気になるかな。あれじゃあ手塚が愛想つかされないか心配だよ」
「どうやら彼女は氷帝生らしいがどのように知り合ったのか知りたいところだな。是非ともデータにして纏めておきたい」
「や、やめなよ。そんなプライベートなことまで……」
くすりと笑いながら興味津々な笑みを浮かべる不二、ノートを開いて何やら書き込み始める乾、そして大石と同様にからかうのをやめるように訴える河村。
彼らも同じく勘違いしているようなので秋は訂正しようと「あの」と口を開くもまた横から声が聞こえた。今度はどこか興奮するような様子で。
「部長! 彼女さんなら俺達に紹介してくださいよ!」
「馬鹿桃城! まだそういう関係じゃなかったらマズイだろうが!」
「それ、聞こえるように言うのもマズイんじゃないんスか?」
桃城、海堂、越前。みんな秋が試合中に見た青学のレギュラー達。勘違いが更に加速していく様子は凄まじい。
噂は光の速さより速い、なんて誰かが言ってたっけ。と、もはや他人事のように笑う秋だったが、従兄妹はどうやら違うようだ。
眉間の皺がいつもより三割増し。静かに怒っていることが窺える。そしてからかってる部員達に向けて手塚はようやく口を開いた。
「彼女は九条秋。俺の従兄妹だ」
ゴゴゴ、と手塚が背後に凄まじいオーラを漂わせながら答えると他の部員達は怯えたり、残念がったりと様々な反応を見せていた。
そんな彼らのやり取りは何だか楽しげで秋は小さく笑って従兄妹に話しかける。
「楽しそうだね、国光」
「……今のを見てそう判断するのか、お前は」
「うんっ」
あまりにも嬉しそうに答える秋に、あながち間違いでもないため手塚は否定しなかった。
「それにしても、国光があそこまで無茶するなんて思わなかったよ。試合は凄かったし、跡部も国光もどっちとも応援していたけど、正直心臓に悪かったかな……」
「心配をかけたのは申し訳ないと思っている」
「私だけじゃなく、青学のみんなも一緒だと思うよ」
「あぁ……もちろんだ」
手塚がちらりと仲間達に目を向ける。手塚を見る部員達はみんな暖かい笑みを浮かべていた。その光景だけでどれだけ従兄妹が部員みんなに好かれているのかよく分かる。
「うちは負けちゃったけど……その分、国光達が頑張ってね」
「そのつもりだ」
迷いもなく、頼りあるその一言は秋の中で気持ちの良いものになった。負けたけど何だか清々しい、そんな感じ。
「じゃあ、私はそろそろ帰るよ。国光も肩を診てもらわなきゃいけないのに引き止めてごめんね」
「気にするな、大丈夫だ」
「ふふっ、ありがとう。……あ、青学の皆さん、これからも国光がお世話になります。それではお邪魔しました」
ぺこり、と頭を下げて挨拶をすると、最後に手塚へと視線を向けてにこりと微笑んでから軽く手を振り、秋はその場から離れて行った。
「どっちかっつーと、俺らの方が世話になってるような……」
「いちいち突っ込むんじゃねぇよ。それが礼儀ってもんだろうが馬鹿が」
桃城が頬を掻きながらぽつりと呟くと、すかさず海堂が反論する上に余計な一言を口にするものだから桃城もカチンときて互いに額を擦りつけながら喧嘩を始める。
それを見かねた大石が「あぁ、もうお前達はすぐ喧嘩するっ」と仲裁に入った。
「それにしても優しそうで可愛い子だったな~。手塚の従兄妹だからなのか、手塚の相手も慣れてそうな感じだったし、ある意味大物感あるよねっ」
「僕としては手塚の彼女だったら面白そうだったのにな」
「ふむ、従兄妹ならば親戚しか知りえない情報を持っていそうだな。機会があれば引き出したいところだ」
「乾のそういうところ、さすがだと思うよ……」
河村が引き攣るような笑みを浮かべるその近くで越前は「女子が来たからって先輩達はしゃぎすぎ」と小さくぼやくのだった。
「国光っ!」
そう声をかけると青学の部員達みんなが秋へと目を向ける。いっせいに向けられた視線に当惑する秋だったが、すぐに相手の方から秋の元へと近づいた。
「秋」
秋の従兄妹である手塚が名前を呼んだその瞬間、周りがざわついた。それもそのはず、互いに名前で呼び合うほどの親しい仲とも言える二人の関係に誰もが興味を持たないわけがなかったから。
「お前が氷帝の応援席にいるのは見えていた」
「あ、やっぱり気づいてたんだね。……その、肩は……?」
「この後、診てもらう予定だ」
「そっか。結果が分かったら教えてほしいな」
「分かった」
あまりにもあっさりとした会話だっただろう。当事者からすればいつも通りなので特に気にすることはないのだが、周りはそうではなかった。
「てっづか~。さすがに彼女に向けてその態度は素っ気ないんじゃない?」
「こ、こら、英二。そういうのは二人の問題だからちゃちゃ入れするのは良くないぞ」
一番に口を開いたのが菊丸だった。茶化すような彼を宥めるのが黄金ペアの相方である大石。
まさか彼女と言われるなんて思っていなくて面食らう秋だったが、その勘違いの声は止まることはなかった。
「でも僕は気になるかな。あれじゃあ手塚が愛想つかされないか心配だよ」
「どうやら彼女は氷帝生らしいがどのように知り合ったのか知りたいところだな。是非ともデータにして纏めておきたい」
「や、やめなよ。そんなプライベートなことまで……」
くすりと笑いながら興味津々な笑みを浮かべる不二、ノートを開いて何やら書き込み始める乾、そして大石と同様にからかうのをやめるように訴える河村。
彼らも同じく勘違いしているようなので秋は訂正しようと「あの」と口を開くもまた横から声が聞こえた。今度はどこか興奮するような様子で。
「部長! 彼女さんなら俺達に紹介してくださいよ!」
「馬鹿桃城! まだそういう関係じゃなかったらマズイだろうが!」
「それ、聞こえるように言うのもマズイんじゃないんスか?」
桃城、海堂、越前。みんな秋が試合中に見た青学のレギュラー達。勘違いが更に加速していく様子は凄まじい。
噂は光の速さより速い、なんて誰かが言ってたっけ。と、もはや他人事のように笑う秋だったが、従兄妹はどうやら違うようだ。
眉間の皺がいつもより三割増し。静かに怒っていることが窺える。そしてからかってる部員達に向けて手塚はようやく口を開いた。
「彼女は九条秋。俺の従兄妹だ」
ゴゴゴ、と手塚が背後に凄まじいオーラを漂わせながら答えると他の部員達は怯えたり、残念がったりと様々な反応を見せていた。
そんな彼らのやり取りは何だか楽しげで秋は小さく笑って従兄妹に話しかける。
「楽しそうだね、国光」
「……今のを見てそう判断するのか、お前は」
「うんっ」
あまりにも嬉しそうに答える秋に、あながち間違いでもないため手塚は否定しなかった。
「それにしても、国光があそこまで無茶するなんて思わなかったよ。試合は凄かったし、跡部も国光もどっちとも応援していたけど、正直心臓に悪かったかな……」
「心配をかけたのは申し訳ないと思っている」
「私だけじゃなく、青学のみんなも一緒だと思うよ」
「あぁ……もちろんだ」
手塚がちらりと仲間達に目を向ける。手塚を見る部員達はみんな暖かい笑みを浮かべていた。その光景だけでどれだけ従兄妹が部員みんなに好かれているのかよく分かる。
「うちは負けちゃったけど……その分、国光達が頑張ってね」
「そのつもりだ」
迷いもなく、頼りあるその一言は秋の中で気持ちの良いものになった。負けたけど何だか清々しい、そんな感じ。
「じゃあ、私はそろそろ帰るよ。国光も肩を診てもらわなきゃいけないのに引き止めてごめんね」
「気にするな、大丈夫だ」
「ふふっ、ありがとう。……あ、青学の皆さん、これからも国光がお世話になります。それではお邪魔しました」
ぺこり、と頭を下げて挨拶をすると、最後に手塚へと視線を向けてにこりと微笑んでから軽く手を振り、秋はその場から離れて行った。
「どっちかっつーと、俺らの方が世話になってるような……」
「いちいち突っ込むんじゃねぇよ。それが礼儀ってもんだろうが馬鹿が」
桃城が頬を掻きながらぽつりと呟くと、すかさず海堂が反論する上に余計な一言を口にするものだから桃城もカチンときて互いに額を擦りつけながら喧嘩を始める。
それを見かねた大石が「あぁ、もうお前達はすぐ喧嘩するっ」と仲裁に入った。
「それにしても優しそうで可愛い子だったな~。手塚の従兄妹だからなのか、手塚の相手も慣れてそうな感じだったし、ある意味大物感あるよねっ」
「僕としては手塚の彼女だったら面白そうだったのにな」
「ふむ、従兄妹ならば親戚しか知りえない情報を持っていそうだな。機会があれば引き出したいところだ」
「乾のそういうところ、さすがだと思うよ……」
河村が引き攣るような笑みを浮かべるその近くで越前は「女子が来たからって先輩達はしゃぎすぎ」と小さくぼやくのだった。