自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
関東大会敗退の結果
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「みんなお疲れ様」
応援席に戻ってきた選手達に向けて秋は優しく迎えた。全国大会に行くことが出来ず残念ではあるが、それは部員みんな同じ気持ちなのでそれには触れない。
「あぁ、お前達もご苦労だったな」
跡部がマネージャー達を労う。マネージャーになってまだ数ヶ月も経っていないのに何だかすでに別れの言葉のようにも聞こえた。
そして関東大会敗退の結果を残してしまった日吉が俯いていてその表情が見えなかったため、秋はどうしようかと思いながら一言声をかけることに決める。
本当はそっとしておいた方がいいかもしれないけど、今感じた気持ちをすぐに伝えたかったから。
「日吉くん、あの━━」
「失礼します」
話を聞くつもりはないと言いたげな雰囲気を漂わせた日吉は秋の横を通り過ぎてそのまま離れていった。
あっ……と、声を漏らしながら彼を追いかけるか悩んだ秋に跡部が口を挟む。
「今は放っておいてやれ。それが優しさってもんだぜ」
「……そう、かな」
せめて彼にもお疲れ様と声をかけたかった。しかし、部員のことをよく知る跡部がそういうのならと秋は彼の言葉に従うことにする。
「それにしても不二凄かったな~! ぜーんぜんボレーを打たせてくんなかったし、マジマジくやCー!」
「同じ負け組とは思えないテンションだな、ジローはよ……」
「ジローも岳人もお疲れ様。残念な結果だったけど、頑張ってたのが凄く分かるよ」
「お、おう。サンキュ━━」
「ほんと〜!? さっすが秋! もっと褒めて褒めてー!」
「え、あ、わっ! ジ、ジロー?」
向日の言葉を遮って秋に飛びかかる芥川。そんないつもより激しいボディータッチにさすがの秋も戸惑うものの、やはり惨敗したショックを隠すための甘えなのかもしれないと考え、特に咎めるようなことはしなかった。
「えっと、ボレー技も凄かったよ」
「へっへー! でしょでしょー!」
秋に抱きつきながら得意げな顔を見せる芥川の様子を見て、秋は落ち込むよりかはいいかなとホッとしながらも笑い返した。
「……っ」
そんな二人を見せつけられた向日は何とも言えない苛立ちに震える。何か言いたいのに言えない。ただ不愉快なことしか理解出来ない。
必死に苛立ちを抑えるようと拳を強く握る相方を見た忍足はどこか微笑ましげな笑みを小さく浮かべつつ「頑張りや、岳人」と心の中で声援を送りながら、彼は自分の想い人へと目を向けた。
「遥」
「ん?」
忍足の呼びかけに返事をした遥が彼へと視線を向けると何故か相手が両手を広げていたので「えっ」と困惑の声がこぼれる。
「な、なに?」
「俺を慰めてほしいねん」
「いや、そんなキリッとした顔で言われても! てか、その手は何っ?」
「ハグの要求や」
「あ、あたしのハグはかばっちのだい!」
「!?」
忍足から離れるように樺地の元へ駆け寄ってぎゅうっと横から抱きついた。
突然のことに樺地も無表情ながらも何があってそうなったのか混乱に陥る。そんな遥の行動に忍足も動揺の声が上がった。
「な、なんでそれを俺にせぇへんねんっ。準備万端やのに!」
「嫌だからだよっ」
「そんなん一度はやってみな━━」
「忍足」
ぽんっと忍足の肩が叩かれる。びくりと身体が跳ねた忍足が恐る恐る後ろを振り向けば、遥のみとも言える防犯セキュリティの滝が冷ややかな笑みを浮かべていた。
そんな滝からの牽制を受ける忍足を横目に麻美は「馬鹿な奴だな」と思わずにはいられない。
はぁ、と溜め息を吐き捨てた麻美は近くでぐすぐすと泣く声が聞こえて今度はそっちに目を向けた。
「オイ、長太郎っ。何泣いてやがんだ。激ダサだろ」
「で、でも、宍戸さんっ……ここで先輩方の夏が終わってしまうのが……俺……俺っ……」
鳳が溢れる涙を何度も手で拭うも、悔しさと悲しさの泉から湧き出る純粋な水はなかなか止まらない。
それを見かねた麻美が「ったく」と呟き、鳳に向けて話しかけた。
「長太郎、泣くくらいなら来年の大会に向けて練習しろ。3年はいないんだからあんたら2年が引っ張らなきゃいけないのにそんな面すんな」
「……赤宮、さん」
「あぁ、赤宮の言う通りだぜ。俺らはもう終わりだけどよ、長太郎はまだ来年があんだから泣いてる場合じゃねーぞ」
コツン、と宍戸が鳳の胸を小突く。尊敬する先輩達の言葉に鳳はグッと涙を堪えながら「はいっ! もう泣きませんっ」と力強く返事をしたあと、またポロリと涙がこぼれ落ちたので麻美と宍戸は共に吹き出してしまった。
「って、言ってるそばから泣くんじゃねーっての」
「まぁ、そこが長太郎らしいけどな。可愛い奴め」
麻美がははっと笑いながら鳳の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。鳳は慌てながらもその手を拒絶することなく、逆に嬉しそうな表情でそれを受け入れた。
そんな様子を見た宍戸は彼女の笑みを向けられる後輩に少しばかり、いや、それなりに羨ましく感じてしまう。
応援席に戻ってきた選手達に向けて秋は優しく迎えた。全国大会に行くことが出来ず残念ではあるが、それは部員みんな同じ気持ちなのでそれには触れない。
「あぁ、お前達もご苦労だったな」
跡部がマネージャー達を労う。マネージャーになってまだ数ヶ月も経っていないのに何だかすでに別れの言葉のようにも聞こえた。
そして関東大会敗退の結果を残してしまった日吉が俯いていてその表情が見えなかったため、秋はどうしようかと思いながら一言声をかけることに決める。
本当はそっとしておいた方がいいかもしれないけど、今感じた気持ちをすぐに伝えたかったから。
「日吉くん、あの━━」
「失礼します」
話を聞くつもりはないと言いたげな雰囲気を漂わせた日吉は秋の横を通り過ぎてそのまま離れていった。
あっ……と、声を漏らしながら彼を追いかけるか悩んだ秋に跡部が口を挟む。
「今は放っておいてやれ。それが優しさってもんだぜ」
「……そう、かな」
せめて彼にもお疲れ様と声をかけたかった。しかし、部員のことをよく知る跡部がそういうのならと秋は彼の言葉に従うことにする。
「それにしても不二凄かったな~! ぜーんぜんボレーを打たせてくんなかったし、マジマジくやCー!」
「同じ負け組とは思えないテンションだな、ジローはよ……」
「ジローも岳人もお疲れ様。残念な結果だったけど、頑張ってたのが凄く分かるよ」
「お、おう。サンキュ━━」
「ほんと〜!? さっすが秋! もっと褒めて褒めてー!」
「え、あ、わっ! ジ、ジロー?」
向日の言葉を遮って秋に飛びかかる芥川。そんないつもより激しいボディータッチにさすがの秋も戸惑うものの、やはり惨敗したショックを隠すための甘えなのかもしれないと考え、特に咎めるようなことはしなかった。
「えっと、ボレー技も凄かったよ」
「へっへー! でしょでしょー!」
秋に抱きつきながら得意げな顔を見せる芥川の様子を見て、秋は落ち込むよりかはいいかなとホッとしながらも笑い返した。
「……っ」
そんな二人を見せつけられた向日は何とも言えない苛立ちに震える。何か言いたいのに言えない。ただ不愉快なことしか理解出来ない。
必死に苛立ちを抑えるようと拳を強く握る相方を見た忍足はどこか微笑ましげな笑みを小さく浮かべつつ「頑張りや、岳人」と心の中で声援を送りながら、彼は自分の想い人へと目を向けた。
「遥」
「ん?」
忍足の呼びかけに返事をした遥が彼へと視線を向けると何故か相手が両手を広げていたので「えっ」と困惑の声がこぼれる。
「な、なに?」
「俺を慰めてほしいねん」
「いや、そんなキリッとした顔で言われても! てか、その手は何っ?」
「ハグの要求や」
「あ、あたしのハグはかばっちのだい!」
「!?」
忍足から離れるように樺地の元へ駆け寄ってぎゅうっと横から抱きついた。
突然のことに樺地も無表情ながらも何があってそうなったのか混乱に陥る。そんな遥の行動に忍足も動揺の声が上がった。
「な、なんでそれを俺にせぇへんねんっ。準備万端やのに!」
「嫌だからだよっ」
「そんなん一度はやってみな━━」
「忍足」
ぽんっと忍足の肩が叩かれる。びくりと身体が跳ねた忍足が恐る恐る後ろを振り向けば、遥のみとも言える防犯セキュリティの滝が冷ややかな笑みを浮かべていた。
そんな滝からの牽制を受ける忍足を横目に麻美は「馬鹿な奴だな」と思わずにはいられない。
はぁ、と溜め息を吐き捨てた麻美は近くでぐすぐすと泣く声が聞こえて今度はそっちに目を向けた。
「オイ、長太郎っ。何泣いてやがんだ。激ダサだろ」
「で、でも、宍戸さんっ……ここで先輩方の夏が終わってしまうのが……俺……俺っ……」
鳳が溢れる涙を何度も手で拭うも、悔しさと悲しさの泉から湧き出る純粋な水はなかなか止まらない。
それを見かねた麻美が「ったく」と呟き、鳳に向けて話しかけた。
「長太郎、泣くくらいなら来年の大会に向けて練習しろ。3年はいないんだからあんたら2年が引っ張らなきゃいけないのにそんな面すんな」
「……赤宮、さん」
「あぁ、赤宮の言う通りだぜ。俺らはもう終わりだけどよ、長太郎はまだ来年があんだから泣いてる場合じゃねーぞ」
コツン、と宍戸が鳳の胸を小突く。尊敬する先輩達の言葉に鳳はグッと涙を堪えながら「はいっ! もう泣きませんっ」と力強く返事をしたあと、またポロリと涙がこぼれ落ちたので麻美と宍戸は共に吹き出してしまった。
「って、言ってるそばから泣くんじゃねーっての」
「まぁ、そこが長太郎らしいけどな。可愛い奴め」
麻美がははっと笑いながら鳳の頭をぐしゃぐしゃに撫でる。鳳は慌てながらもその手を拒絶することなく、逆に嬉しそうな表情でそれを受け入れた。
そんな様子を見た宍戸は彼女の笑みを向けられる後輩に少しばかり、いや、それなりに羨ましく感じてしまう。