自己中心の主人公1、優柔不断の主人公2、おバカキャラの主人公3の名前設定となります。
関東大会敗退の結果
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氷帝VS青学の試合は5試合全て終わったものの、2勝2敗1ノーゲームだったため、控え選手による試合が始まろうとしていた。
部員層の厚い氷帝の控えといってもその実力は侮れない。その選手は日吉若。
立海のエースである切原と新人戦で五分五分の試合をしたこともあり、立海のレギュラー達も彼へと注目する。
次期部長として来年の氷帝を引っ張る存在としてすでにマークをしていたのだ。
そんな氷帝の監督である榊のとんでもない切り札として囁かれた日吉は静かにコートへ立ち、氷帝応援団の声援すら気にも止めずラケットを握る。
日吉はすでにこの試合後の自分の立ち位置を考えていた。まるでこの試合の勝敗はすでについていると思い、いずれ跡部の座をこの手で奪うことに燃える。
しかし、日吉には気に入らないことがふたつあった。ひとつはレギュラー落ちした宍戸の復帰。彼の中ではやはり納得のいかない出来事でもあるため、まだしばらくこの件に関しては腹の虫が治まらない。
けれど以前、秋に励ましを受けたこともあって宍戸には突っかからないようにはしていた。いずれ宍戸も倒すためである。
そしてもうひとつがその秋についてだ。
ちらりと秋のいる観客席へと目を向ければ芥川に膝枕をしている彼女が日吉の瞳に映る。
「っち」
無性に腹が立つ。宍戸のレギュラー復帰よりも酷い苛立ちが彼を襲う。
なんで惨敗した芥川さんをあんなに甘やかすのか。芥川さんも芥川さんだ。負けたくせにその自覚がなさすぎる。あんなにべったりして寝ているのがレギュラーだと? 笑わせやがる。
日吉の中の苛立ちが膨れ上がった気がした。その意味が何かなんて今の彼には理解出来ない。いや、理解したくはないという方が正しかった。
モヤモヤした気持ちを抱えながらも、とにかく今はこの試合で勝利するのが先だと考える。
(そうだ。そうすればあの人だって俺を━━)
その瞬間、日吉の顔面スレスレの球が跳ね上がった。
「!」
「よそ見してていーの?」
それは対戦相手であり同じ補欠選手でもある越前リョーマのツイストサーブだった。
次のサーブも同様に顔面に向かって跳ね上がるが上手く返せずにラケットが吹き飛んでしまう。まぐれではなく狙って打ったものだと証明するかのように。
そんなツイストサーブとはいえ日吉には返せる自信があった。その自信通り、日吉は越前のサーブを打ち返す。
けれど彼は知らなかった。まさか相手が返せるレベルで打っていたとは。
そして越前はすぐさま手塚が見せた零式ドロップを決めたのだ。
呆気なく、短時間で奪われた1ゲーム。日吉の中でまた新たな苛立ちが芽生えた瞬間だった。
氷帝観客席の方から声援とは違う麻美の怒鳴り声が響くものの、日吉の耳には入らない。今倒すべき相手に集中せねばならないのだと悟ったから。
そして彼は静かに呼吸をし、自分の得意とする本来のフォームに変えた。
氷帝を関東大会敗退にさせるわけにはいかない。そして何より補欠だった自分のせっかくの見せ場でもあったのだ。負けてはいられない。
『日吉くんは今、準レギュラーの中でも一番正レギュラーに近い存在なんだよ。だから自信持ってほしいな』
そう口にした秋のためにもその期待に応えなければならないのだと。
もちろん準レギュラーで終わるつもりはない。いつか正レギュラーの座だって、シングルス1の座だって奪うのだと日吉の内なる野望が大きく燃え上がる。
部員層の厚い氷帝の控えといってもその実力は侮れない。その選手は日吉若。
立海のエースである切原と新人戦で五分五分の試合をしたこともあり、立海のレギュラー達も彼へと注目する。
次期部長として来年の氷帝を引っ張る存在としてすでにマークをしていたのだ。
そんな氷帝の監督である榊のとんでもない切り札として囁かれた日吉は静かにコートへ立ち、氷帝応援団の声援すら気にも止めずラケットを握る。
日吉はすでにこの試合後の自分の立ち位置を考えていた。まるでこの試合の勝敗はすでについていると思い、いずれ跡部の座をこの手で奪うことに燃える。
しかし、日吉には気に入らないことがふたつあった。ひとつはレギュラー落ちした宍戸の復帰。彼の中ではやはり納得のいかない出来事でもあるため、まだしばらくこの件に関しては腹の虫が治まらない。
けれど以前、秋に励ましを受けたこともあって宍戸には突っかからないようにはしていた。いずれ宍戸も倒すためである。
そしてもうひとつがその秋についてだ。
ちらりと秋のいる観客席へと目を向ければ芥川に膝枕をしている彼女が日吉の瞳に映る。
「っち」
無性に腹が立つ。宍戸のレギュラー復帰よりも酷い苛立ちが彼を襲う。
なんで惨敗した芥川さんをあんなに甘やかすのか。芥川さんも芥川さんだ。負けたくせにその自覚がなさすぎる。あんなにべったりして寝ているのがレギュラーだと? 笑わせやがる。
日吉の中の苛立ちが膨れ上がった気がした。その意味が何かなんて今の彼には理解出来ない。いや、理解したくはないという方が正しかった。
モヤモヤした気持ちを抱えながらも、とにかく今はこの試合で勝利するのが先だと考える。
(そうだ。そうすればあの人だって俺を━━)
その瞬間、日吉の顔面スレスレの球が跳ね上がった。
「!」
「よそ見してていーの?」
それは対戦相手であり同じ補欠選手でもある越前リョーマのツイストサーブだった。
次のサーブも同様に顔面に向かって跳ね上がるが上手く返せずにラケットが吹き飛んでしまう。まぐれではなく狙って打ったものだと証明するかのように。
そんなツイストサーブとはいえ日吉には返せる自信があった。その自信通り、日吉は越前のサーブを打ち返す。
けれど彼は知らなかった。まさか相手が返せるレベルで打っていたとは。
そして越前はすぐさま手塚が見せた零式ドロップを決めたのだ。
呆気なく、短時間で奪われた1ゲーム。日吉の中でまた新たな苛立ちが芽生えた瞬間だった。
氷帝観客席の方から声援とは違う麻美の怒鳴り声が響くものの、日吉の耳には入らない。今倒すべき相手に集中せねばならないのだと悟ったから。
そして彼は静かに呼吸をし、自分の得意とする本来のフォームに変えた。
氷帝を関東大会敗退にさせるわけにはいかない。そして何より補欠だった自分のせっかくの見せ場でもあったのだ。負けてはいられない。
『日吉くんは今、準レギュラーの中でも一番正レギュラーに近い存在なんだよ。だから自信持ってほしいな』
そう口にした秋のためにもその期待に応えなければならないのだと。
もちろん準レギュラーで終わるつもりはない。いつか正レギュラーの座だって、シングルス1の座だって奪うのだと日吉の内なる野望が大きく燃え上がる。